2008.07.22 (Tue)
毎日新聞の英文サイト「Mainichi Daily News (MDN)」があっという間に復活!

マスコミでは全く沈黙されていたので全然知らなかったのだが、『晴天とら日和』を読んだら、毎日新聞の変態記事ということで多くの非難を浴びた英語サイト、Mainichi Daily Newsがもう復活するっていうじゃないの。あれだけネットで批判を浴びて英語サイトはなくなるかと思っていたら、とんでもない。1ヶ月後にはもう復帰!
相変わらず自社広告のみが掲示されている『毎日jp』に行くと、トップの目立つところに
「毎日デイリーニューズ「WaiWai」問題 おわびと調査結果」
という項目があって、そこからリンクに飛ぶと下記のページに飛ぶ。
英文サイト出直します 経緯を報告しおわびします(7月20日)
毎日新聞社は英文サイト「毎日デイリーニューズ」上のコラム「WaiWai」に、極めて不適切な記事を掲載し続けていました。内部調査の結果を22、23面で報告します。日本についての誤った情報、品性を欠く性的な話題など国内外に発信すべきではない記事が長期にわたり、ほとんどチェックなしで掲載されていました。多くの方々にご迷惑をおかけしたこと、毎日新聞への信頼を裏切ったことを深くおわびいたします。監督責任を問い、総合メディア事業局長だった渡辺良行常務らを20日付で追加処分しました。
皆様からいただいた多くのご批判、ご意見や内部調査で分かった問題点、有識者による「開かれた新聞」委員会の指摘を踏まえて再発防止のために次の措置を講じることにしました。
8月1日付で「毎日デイリーニューズ」を新体制に組み替え、新編集長の下で9月1日からニュース中心のサイトに刷新します。新たに社説や「時代の風」など著名人による評論を翻訳して掲載し、海外の日本理解を深めるべく努めます。同時に西川恵専門編集委員を中心にベテラン国際記者らによるアドバイザリーグループを新設し、企画や記事の内容をチェックする体制をとります。
今回の問題で失われた信頼を取り戻し、日本の情報を的確に海外に発信する英文サイトを再建するため、全力を尽くす決意です。
毎日新聞社

あれだけ批判をあびていたにもかかわらず、あまりもの素早い復帰に脱力感を感じた。再発防止策としては、女性を編集長にして出直すということだが、甘すぎないか。
再発防止へ体制強化 深刻な失態 教訓にします
毎日新聞社が英文サイト「毎日デイリーニューズ」(MDN)上のコラム「WaiWai」に不適切な記事を掲載し続けたことは報道機関として許されないことでした。日本についての誤った情報、品性を欠く性的な話題など、国内外に発信するにはふさわしくない内容でした。多くの方々に不快感を与え、名誉を傷つけ、大変なご迷惑をおかけしたこと、同時に毎日新聞への信頼を裏切ったことについて、深くおわびいたします。まことに申しわけありませんでした。
内部調査の結果、問題のコラムは掲載の際にほとんどチェックを受けず、社内でも問題の大きさに気づかずにいたことがわかりました。何度もあった外部からの警告も放置していました。いずれも深刻な失態であり、痛恨の極みです。これに関連して関係者を内規に従い、厳正に処分しました。
毎日新聞社は紙面の品質を維持するため社内に紙面審査部門を置き、有識者による第三者機関「開かれた新聞」委員会を設置して紙面の質向上に努めてきました。しかし、英文サイトで起きた今回の問題には目が届きませんでした。品質管理の仕組みが不十分でした。海外にニュースを発信する英文サイトの役割について十分な位置付けができていませんでした。
今回、内部調査の結果や皆様からのご意見も踏まえて再発防止のための措置を決めました。
MDNを刷新するのは、海外に向け正しい日本理解の素材を発信するサイトとして立て直すためです。また、今回のような配慮のないコラムが掲載され続けたのは、チェック体制の欠陥に加え、女性の視点がなかったことも一因という反省から、新たな編集長には女性を置くことにしました。アドバイザリーグループの新設も記事内容に対する適切な助言を得るためです。
「WaiWai」は既に閉鎖しておりますが、過去の記事を転載しているサイトなどが判明すれば、事情を説明し、訂正や削除の要請を続けていきたいと思います。
今回、初めて英文サイトについての見解を求めた「開かれた新聞」委員会の委員の方々には貴重なご意見をいただきました。今後も、英文も含めたウェブサイトについて目配りしていただきます。同時に社外からのご意見に対処する仕組みも強化します。
今回、毎日新聞社は、英文サイトをジャーナリズムとしてきちんと位置づけていたのかという姿勢が問われました。この問題で失われた信頼を取り戻すため、全力を尽くす決意です。
毎日新聞社
この言い訳で、特に笑っちゃうのがこの部分。
「内部調査の結果、問題のコラムは掲載の際にほとんどチェックを受けず、社内でも問題の大きさに気づかずにいたことがわかりました。何度もあった外部からの警告も放置していました。いずれも深刻な失態であり、痛恨の極みです。これに関連して関係者を内規に従い、厳正に処分しました。」
つまり、「みんな忙しくて問題のコラムの内容をチェックできなかった。全ての責任はあの変態記事を書いた外人ライター、ライアン・コネル(+マスオさん)1人(+α)にある。だから、関係者は昇進をもって厳正に処分した」とでもいいたいのか?とんでもないことだ。毎日ほどの大手新聞社がいくら英語のコラムだからと言って、ウェブサイトにアップする前に日本人管理者のチェックが全くなかったという垂れ流しの状態だったのはかなりの問題だ。おまけに外部から何度も警告があったにもかかわらず、それを無視したというのだから、いかにデジタル・メディア局がSKY(スーパー空気読めない)で危機管理能力に欠如していたかがわかるだろう。

一応、この毎日デイリーニュースの変態英語記事を知らない方のためにこれまでの「英文サイト問題の経緯」を転載しておく。
◆WaiWai問題の経緯◆
89年10月 毎日デイリーニューズ(MDN)で、「WaiWai」の連載開始
96年10月 担当記者の試用期間開始(97年10月から特別嘱託記者)
01年 3月 MDNが休刊
4月 MDNがウェブサイト上で再スタート、WaiWaiも再開
05年 4月 担当記者がMDN編集長に
07年10月 米国在住の読者からWaiWaiを批判するメール(英語)
08年 3月 国内の読者からWaiWaiを批判するメール(日本語)
5月30日 月刊誌から記事の使用について抗議
同31日 WaiWaiの一部記事を削除
6月20日 ニュースサイトがWaiWaiの問題を取り上げる
同21日 WaiWaiを閉鎖
同23日 サイト上に経過説明とおわびを掲載
同25日 本紙に経過説明とおわびを掲載
同27日 担当記者を休職3カ月の懲戒処分。上司ら関係者も処分
同28日 本紙に問題の経緯を掲載
6月下旬にこの問題がネットで集中批判を浴びた時期が、偶然にもこのブログで植草一秀氏に関するぐっちーさんの捏造記事問題を追っていた時期と重なって、アルファブロガー企画でぐっちーさんにインタビューを行った毎日新聞社デジタル・メディア局次長の磯野彰彦氏を激しく追い詰めていたときだった(笑)。磯野氏は竹橋発でたまに植草氏に関するぐっちーさんの捏造記事のことに触れていたが、このWaiWai問題で、磯野氏は一ヶ月の役職停止懲戒処分を受け、竹橋発はストップし、その後、全く連絡のとれない状態になった。しかし、英語サイトが復活するなら、竹橋発も復活するだろうから、磯野氏が局長になってがんばっておられる竹橋発に又、これまで通りおじゃましようではないか、皆の衆♪
で、毎日は検証チームに今回の問題を分析させている。検証チームが誰なのかは明記されていないのは、デジタル・メディア以外の毎日の社員でこの検証チームが構成されているからだろう。本気で検証するなら、社外の第3者に分析させるべきだった。
検証チームの分析――要因 複合的に
検証に当たった特別チームは、以下のことを指摘する。
■チェック機能に欠陥
「WaiWai」に不適切な記事が掲載され続けたのは、▽原稿が妥当かどうかをメディア倫理に照らして精査するデスク機能がなかった▽執筆陣が男性に偏っていたため女性の視点がなかった▽スタッフは外国人のみで日本人の視点が欠けていた――の三つの編集上のチェックの不在が直接の原因と言える。
■品質管理体制の不在
毎日新聞本紙の場合、紙面審査委員会や「開かれた新聞」委員会などを通じて、記事内容は常にチェックされるが、MDNには、そのようなシステムはない。担当記者が書いた原稿がそのまま掲載され、不適切な記事が見過ごされ続けた原因は体制上の欠陥にもある。
■記者倫理の欠如
担当記者は「毎日新聞の信用を傷つけてしまうかもしれない」との認識を持ちながら、不適切な記事を頻繁に翻訳し、「元の記事の内容について責任を負わないし、正確さも保証しない」という断り書きを付けることを免罪符に記事を書き続けた。記者倫理を大きく逸脱したものだ。
■英文サイトへの認識不足
ウェブに移行した時、海外も含めた社外に英文で情報を発信することの重要さについての認識が社全体に足りなかったことも指摘せざるを得ない。英文毎日編集部における「WaiWai」の編集方針の議論が決定的に欠ける中、歴代の上司は、自らの媒体の内容を把握するという基本を怠った。
■批判への対応鈍く
ウェブ版がスタートした01年4月から08年3月までに寄せられた苦情は確認できただけで15件あった。しかし、注目されるコーナーだったためもあり、外部の声に真摯(しんし)に耳を傾ける姿勢が担当記者にも幹部にも欠けていた。
◇
検証チームは、東京本社編集局社会部、「開かれた新聞」委員会事務局、内部監査室で構成し、公正を期すため、デジタルメディア局は外しました。
で、女性の視点がなかったと言っているわりに、「開かれた新聞」委員会事務局の委員は男性が2人で女性が1人しかいないんだなこれが。
「開かれた新聞」委員会委員に聞く(1)
「開かれた新聞」委員会は(1)当事者から人権侵害の苦情や意見が寄せられた際、社の対応に対する見解を示し、読者に公表する(2)報道に問題があると考えた場合、意見を表明する(3)よりよい報道を目指すための課題について提言する――という三つの役割を担っています。メンバーはノンフィクション作家の吉永みち子氏、作家の柳田邦男氏、フリージャーナリストの玉木明氏、上智大学教授の田島泰彦氏の4人です。
騎手(当時)の吉永正人と結婚していたこともあり、競馬専門紙「勝馬」で日本初の女性競馬新聞記者となり、「日刊ゲンダイ」の記者の経験もあるという吉永みち子氏の今回の騒動に対する批判がなかなかよいので紹介しよう。

◇信じられない記事垂れ流し――ノンフィクション作家・吉永みち子氏
「WaiWai」は、日本人なら「ありえない」と思って読むたぐいの記事に信ぴょう性を加えてしまった。外国の人は日本の雑誌の色合いまで判断できないのだから、とんでもない誤解を生む危険もある。そういうコラムを外国人に丸投げしていた現実は恐ろしい。何を伝えるかではなく、アクセスが上がることを選択の基準に発信するなら新聞社ではない。
日本社会の一つの側面を描いたというが、側面どころか、まったくの誤報に近いものもあった。その上、「日本のお母さんは」「日本の女子高生は」と一般論のように書いてしまった。「記事は雑誌記事にもとづく」という一片のお断りで責任を免れるものではない。それではただの垂れ流しだ。
執筆していた記者を、試用期間を終えて特別嘱託にする時と編集長にする時の2度にわたり、それまでの仕事をチェックする機会があったはずだが、どういう評価をして責任ある立場にしたのか。また、コラムや記事を書かせる以上、誰かにチェックさせるのは当然のことなので、ノーチェックで載せ続けたことも信じられない。
毎日新聞社の対応にも疑問が残る。これまで何度も問題が指摘されていた。5月に抗議が来てから6月21日までの1カ月弱、何をしていたのか。その間に事の大きさを察知して、組織として対応できなかった感覚の鈍さは愕然(がくぜん)とする。それを日本中に知らせてしまったダメージは大きい。
また、処分を発表し経過報告を掲載した時に、「明らかな違法行為には法的措置を取る」と加えたのも、理解しがたい。まず謝罪すべき段階に、自分も被害者だと言ってしまうのでは納得を得られない。
ネットの問題を指摘し、正確な情報を伝えるべく努力してきた社の姿勢と、「WaiWai」の実態の間の溝はあまりに深い。重く受け止めて、MDNは根本的に立て直しを図ってほしい。
毎日の植草氏に対する不誠実な対応についても、磯野氏よりもこちらに直接意見した方がいいかもしれない。
社外の有識者でつくる第三者機関「『開かれた新聞』委員会」へのご意見は、
「開かれた新聞」委員会事務局
(電子メール t.media@mbx.mainichi.co.jp、ファクス・03・3212・0825)へ。
その他の参考記事:
吉永みち子(ウィキペディア)
関連過去ログ:
6月28日 磯野彰彦氏、役職停止1ヶ月の懲戒処分だけ?
6月26日 速報:毎日新聞役員人事決行
6月25日 磯野彰彦氏が昇進する理由:毎日新聞の英語版サイト「WaiWai」閉鎖騒ぎ
6月23日 朝日の『素粒子』よりも毎日の『竹橋発』の方が問題あり
6月21日 メディア・コントロールの闇
6月17日 ぐっちー捏造問題における磯野彰彦氏の誠意ない対応
6月12日 ぐっちーさんはやっぱり官僚の味方だった
6月04日 ぐっちーさん、沈黙は金なり?じゃないでしょう。
いくらなんでも毎日の英文記事復帰は早すぎると思ったら、今日もランキングの応援よろしくお願いします。

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