2006.04.13 (Thu)
ミサイル防衛に「NO!」と言える日本人に
私が担当するのは、「エージェント 」で外国人のブロガーなどと情報交換などをする係り。私にこんな難しいことができるのかリトル不安なんだけど、できる限りがんばってみようと思う。(((;゜Д゜)))ガクブル。
このミサイル防衛問題はなんとなく難しいし、わかりにくい点も多いかもしれないけれども、米軍基地移転拡張問題とも密接につながっていて、下手すれば国民の生活を脅かしかねない重要な問題だ。
前にも書いた通り、米国のいいなりになって日本の自然環境を破壊する米軍基地を作ったり、ほとんど役に立たないミサイル防衛の実験をするのに、国民の血税から億単位の気が遠くなるような莫大な防衛費を使うなんて許せない。そんなことによりも、税金は教育費の削減や健康保険や福祉の充実など、実際に国民の生活に密着したもののために使って欲しい。世界一従順でおとなしい日本人は政府の言いなりで、自分の生活がかかっているというのに、こういった問題に反対の声をあげる人が少ない。というか、日本の政府もこういった問題を国会でもあまり取り上げず、国民の意見も聞かずに勝手に決めてしまう傾向にあるようだ。
このブログでは、NoMDチームのキャプテン、コウタさんからいろいろと教えてもらいながら、ミサイル防衛問題とは何なのかということをわかりやすく説明していけたらと思う。特にカナダの場合を参考にして、日本がどうするべきかいろいろな具体案を考えていきたい。
まず今日は、コウタさんから教えてもらった立命館大学教授の藤岡 惇氏が書かれたコラムをいくつか読んでみた。こんなに長くて複雑な内容を、簡単にまとめるというのは至難の業なのだが、重要箇所をコピペしながら、付け加えたりしてみた。
「なぜカナダ国民はミサイル防衛への参加を拒否したのか」をはじめ、その他のコラムから。
日本政府は米国の要求に忠犬ハチ公のように尻尾を振りながら、ミサイル防衛(MD)導入を受け入れようとしている。MDは米軍=自衛隊再編の柱の一つに位置づけられ、その配備が加速しようとしている。これまでは、MD積極推進派であった前原誠司代表の民主党の追随姿勢もあって、MDは国会では論点にすらならなかった為、この問題に気づいている日本国民は非常に少ないのではないか。
一方、カナダ政府は去年2月「宇宙軍拡につながる」との世論の強い懸念を受け、米国のMD構想への不参加を決断した。カナダといえば、米国の友邦であり、ソ連のICBMの襲来を探知するため、コロラド州のチェイニー山の岩山をくりぬいたところに米国・カナダ共同の北米防空司令部NORADを設置してきた国だ。兄弟国がつきつけたミサイル防衛への反対の意思は、世界に大きな衝撃をもって受け止められた。カナダは米国にどうやってNOと言ったのか?
結論から言うと、反対の論点を4つにしぼり、反対の論拠をクリアに打ち出したこと、オピニオン・リーダーたる4グループ(政治家、マスコミ、学者、市民団体)が協力して、反対の論拠を社会に広げ、世論形成をうまくリードしたことが、成功の秘密だということであった。
その反対の論点とは:
1.「宇宙への兵器配備」はカナダの国是に反する
2.金くい虫で技術的にも難点が多く、カナダの安全保障に役立たない
3.宇宙軍拡競争をもたらし、国際緊張を激化させる
4.平和目的での宇宙の安全な利用が阻害されてしまう
これらの論点が定まったら、運動を進めるうえで、「上と下からのサンドイッチ作戦」を展開することが効果的である。すなわち、一方では国連や国際法を活用した運動を進め、上から国家に圧力をかける運動を展開する。と同時に、下からも草の根運動を展開して政府に圧力をかけるという、国家をはさみ撃ちするサイドイッチ作戦の提唱である。カナダ市民がはじめた対人地雷禁止条約の締結を求める運動がOTTAWA条約の締結に結実したという事例が、この作戦の有効性を立証している。
はっきり言ってミサイル防衛問題なんて全然興味なかったんだけど、藤岡氏のコラムを読んだら、だんだん重要な問題なんだなということがわかって、興味もわいてきた。もっと詳しく知りたい方は、市民社会フォーラムの「論評」を読んでみてね♪

- 関連記事
-
- ミサイルのお値段は? (2006/12/14)
- 防衛庁を防衛省に変えるのは、戦争をしやすくするため? (2006/11/25)
- 沖縄県知事選挙情勢 (2006/11/15)
- 九条を守ろう:中東戦略のためのグアム移転費用をなぜ日本が負担するのか? (2006/05/19)
- ミサイル防衛に「NO!」と言える日本人に (2006/04/13)
Tags : ミサイル防衛 |
いつもとても勉強になるコメントをありがとうございます。
ハーパー政権はおっしゃられるようにまさにブッシュよりの政権ですが、マイノリティなので、「ミサイル防衛」計画促進などの意見が国会で自由党に反対されたら、それまでとなってしまいます。だから、保守党がアメリカ寄りなのは脅威ですが、反面、マイノリティということでそれほど大きな影響もないかとも思われます。
新聞などには、ハーパー政権がMD計画についてどのような対策を練っているかなどは今のところ全く伝わってきません。きっと陰でこそこそやっているのでしょう。そういった点はちょっと不安があります。
アメリカや英国はテロ活動が活発なので、治安の悪化対策として「生存のリスク」の強調が訴えられているのでしょう。カナダも最近では治安が悪化していますが、それほどテロに対する不安はないようです。今のところ「生存のリスク」よりも「生活のリスク」に重点がおかれていると私は見ていますが、Yannisさんはどう思われますか?
最新のブログ読ませていただきました。
相変わらず、いろいろと勉強なさってますね。
すごいなと感心させられました。
藤岡先生にはそのうち、私もメールした方がいいかななんて思っています。
NoMDチームのメンバーがたくさん増えるといいですね。
時々読んでくださってありがとうございます(笑。
本当にとしさんのおっしゃる通りで、MDにお金をかけるのは、血税をドブに捨てるも等しいくらい無駄なことだと思います。
アメリカのために日本人は毎日ストレスをためながら一生懸命働いているのかと思うとますますストレスが溜まっちゃいますね。
(前原氏に少し可哀想だったかもしれませんが…)
ところでカナダはこの間、自由党から保守党へと政権交代がありましたが、アメリカ寄りとも言われるハーパー新政権のもとでも「ミサイル防衛」計画反対の政策は堅持されるのでしょうか。選挙結果を聞いたとき、それが一番気がかりでしたし、今もそうです。
政治学者の山口二郎氏は最近、というか2001年9月11日以降、欧米ではテロ対策や治安対策、安全保障問題といった「生存のリスク」を、ことに新自由主義的な政治家が強調する場合が多くなったと指摘しました。またこれによって福祉政策、雇用問題など「生活のリスク」の問題点が隠されてしまうとも指摘しています。(山口二郎『ブレア時代のイギリス』岩波新書、参照)
ハーパー政権の誕生には選挙で最近の治安の悪化を強調したことも大きかったと聞いています。まさに「生存のリスク」の強調です。この政策姿勢が安全保障問題へと連動し、ミサイル防衛構想蒸し返しにならなければいいのですが。
美爾依さんの今後のNoMDチームでの御活躍、応援します。(また長文で失礼しました)
Yannis拝

早速、このような記事を書いてもらいまして、とっても嬉しく思っています。
藤岡先生に取材というかインタビューのような形でメールを書いたところ、逆取材のメールを受けていますが、オレの知らなかったグループの輪が存在していたようです。
そこら辺の話をこっちももっと聞き、オレのブログの記事にしたいと思っています。
それでは、取り急ぎお礼まで

読者の皆さんへ
もしNoMDチームの活動に協力してもいいかなとちょっとでも思ったり、興味をもった方がいれば是非、ご連絡ください

素人感覚で言うとMDなんてお金がバカみたいにかかるし
まず近くの国からたくさんミサイルが飛んできても間に合わないだろうと思うのです。
アメリカさんの軍需産業のソロバンの音が聞こえてる気がして腹立ちます。
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
もちろんミサイルなんて持つべきじゃないし、他国からのミサイルは外交努力で防ぐべきだとは思いますが、かたやミサイルを保有することを外交のカードにする国家がある中で、国民を護るためにBDMを整えるのは至極真っ当なことだと思いますよ。じゃなければ他国のミサイル施設を空爆してしまえばいいですが、それは戦争行為だし、憲法的にも国際社会的にも不可能ですし。海上や地上にSM3やPAC3を配備するのが精一杯だと思います。
逆にBMDに反対して、じゃあどうやってミサイルを防ぐのですか?ミサイル迎撃の性能が100%じゃないとか守備範囲が狭いとか言いますが、そもそも配備しなかったら100%迎撃不可能ですよ。国民が死んでもいいんですか?
ミサイル防衛にいちゃもんをつけるのは勝手ですが、対案がなければ、日本人を殺すことになりますよ。