2008.06.29 (Sun)
IWC(国際捕鯨委員会)が閉幕

チリで国際捕鯨委員会(IWC)総会-保全求め人文字でアピール
(JANJAN 田久保一2008/06/26)
このところ、国内では農林水産省が牛肉、うなぎなど食品偽装問題を熱心に調査しているようだが、今始まったことでもないのに、まるで共同船舶船員による鯨肉横領や諫早湾干拓漁業被害訴訟への国民の関心を煙に巻くために大きく報道しているようだ。
今でも不思議なのが、本来なら、鯨肉横領が発覚したとき、警視庁公安部らは水産庁、日本鯨類研究所、共同船舶を強制捜査すべきだったのになぜか、グリーンピース(GP)・ジャパンの強制捜査に乗り出して、GP職員2人を逮捕してしまったことだ。その一方で、東京地方検察庁は、強制捜査せずに鯨肉を横領した共同船舶船員らを不起訴処分としている。
「WaiWai」の英語変態記事に携わった関係者への処分が発表されたとき、毎日新聞がいかに身内に甘いかネットで大騒ぎされているが、水産庁が身内にいかに甘いかはあまり騒がれていない。そればかりか、ネットではいまだにGPばかりを責める声が大きい。GPを支持する者はまるで頭がおかしいような扱いを受けている。
又、昨日も書いた日本政府によってコントロールされているウィキペディアだが、日本語のGPのサイトでは、「米国のFBIからは国内テロリズムの団体として監視されている団体である」というような不当な表現がGPの一番最初の説明のところにあり、英語のGPサイトの説明とはかなりかけ離れたものがある。日本語しかわからない人なんかはこういったウィキペディアのトンデモ日本語サイトを信じちゃうんだろうね。一応、「この記事は中立的な観点に基づく疑問が提出されているか、あるいは議論中です。そのため偏った観点によって記事が構成されている可能性があります。」とは書かれてはいるけど・・・・。ウィキペディアを管理している人ってきっと頭の悪い人が多いんだろうね。こんなデタラメをそのまま載せておくんだから。これじゃ、ウィキペディアの信用が落ちるのも当然だよね。

6月23日から27日までの5日間、チリのサンティアゴで第60回国際捕鯨委員会(International Whaling Commission)が開催された。チリは昔、世界でも有数の捕鯨国家だったが、今では98%のチリ国民が捕鯨に反対していると言う。今回もIWCが開催されるにあたって、捕鯨に反対を訴える人たちが結集し逮捕された。
IWCの様子は、「正常化」の名の下に、なにも決まらないであろう還暦のIWC(国際捕鯨委員会)年次会議2008 (JANJAN 佐久間淳子 2008/06/25)や水産庁のプレスリリースが詳しい。 そこにあるとおり、これまでは多数決でさまざまな議論に結論が出ていたが、今年からは、数の力で結果を出すよりも、議論を重んじることになった為、1986年に決定された商業捕鯨一時中止(モラトリアム)の抜け穴として行ってきた日本の調査捕鯨中止が決定されることもなければ、沿岸捕鯨によるミンク鯨の商業捕鯨が開始される許可が得られることもなかった。
しかしながら、デンマークが西グリーンランドのザトウクジラの捕獲枠10頭の設定を科学委員会の助言に基づき提案し、多数決に基づく投票が行われることになったが、賛成29、反対36で否決される場面もあった。

又、今回のIWCでは特別にグリーンピースなどのNGOが発言する機会もあった。その中で、逮捕された佐藤潤一氏の代わりに出席した花岡和佳男氏は「調査を名目とする捕鯨は許されるべきでない。鯨類の調査を行う上でクジラを殺す必要はないので、科学の名を乱用した国際捕鯨取締条約のほころびは塞がれるべき」と主張した(詳しいスピーチの内容)。
ABC - IWC 2008 Day 1 & 2 Update
オーストラリアの環境相であるピーター・ギャレットも日本の調査捕鯨を懐疑的に見ている。
「調査捕鯨が行われてから20年にもなるが、この調査捕鯨が捕鯨委員会や国際的なコミュニティに対して科学的なメリットがあるということは説得できていない。オーストラリアから見たら、調査という名目で特別に許可された2カ国(日本とノルウェー)によって実施されているプログラムは実際はモラトリアムで禁止されている商業捕鯨だ。私たちが科学的な許可の下での捕鯨に反対するだけではもはや十分ではない。調査捕鯨を今すぐ中止させるべきだ。」
グリーンピース・ジャパンの佐藤潤一氏が逮捕されたのは、チリで行われたIWCに参加させないためという噂もあるが、確かに今回の捕鯨横領事件について詳しく知っている佐藤氏がIWCに参加して全て話されたら日本の立場が悪くなるという恐れもあったのかもしれない。なんか日本が意固地になって調査捕鯨を継続させようと必死な姿は、北朝鮮の経済制裁をむりやり続行させようとする安倍晋三の姿と重なってしまうよ。
とにかく、早く佐藤潤一氏が釈放されることを願う。
参考資料:
Japan hails IWC meeting (The Sydney Morning Hearld June 26, 2008)
”Newsweek"Whales on the Agenda:Japan again defends its hunts of the large sea mammals at an international meeting in Chile.(Jun 25, 2008)
身内に甘い農水省 飛騨牛取り締まる資格なし 調査捕鯨問題 (JANJAN 滝本壽2008/06/24)
窃盗口実NGOいじめ、警視庁公安部らグリーンピース・ジャパンを強制捜査・捕鯨問題で(JANJAN 荒木祥2008/06/22)
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オーストラリアのケヴィン・ラッド首相の対アボリジニ謝罪スピーチは感動的でした
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2008/07/27(日) 01:07:16 | 村野瀬玲奈の秘書課広報室
捕鯨について、といいますか、日本の「捕鯨(行政)」の商業的側面について、以前朝日新聞で報道されていた記事を要約して紹介します。(...
2008/07/05(土) 01:27:21 | 村野瀬玲奈の秘書課広報室
いつも来訪ありがとうございます。
今回は怒りや叫びではなく
稚拙な提案をしたいと思います。
笑わないでお読みください。
**********************余計なものは1円も出したくない
私の税金で役人が居酒屋タクシーにのり
必要もないのに戦闘機が訓練で
税金をばら...
2008/06/29(日) 23:58:42 | kimera25
今回の米国の北朝鮮のテロ支援国指定解除の決定について、日本は独自の外交を進めるべきだとの意見が多い。 それに関して、拉致問題と北朝鮮の核問題についての今までの経過を Wikipedia で調べてみた。?その個々の問題点については参照資料を見て頂きたい。
[拉致問...
2008/06/29(日) 16:23:22 | 無党派日本人の本音
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まぁ、地方紙に分類されていますが、産経や日経よりも購読者が多い、東京/中日新聞はかなりまともですが、それは別にして。
ところが、6月末の株主総会による役員の異動にともなう、幹部人事が内定した、6月初めごろから、どうも毎日新聞の論調が180度変わり、日本の政界でもっとも醜悪な利権腐敗軍国主義政治家の安倍らの意向にそうような記事が増えはじめました。
福田首相問責決議を批判する急先鋒(しかも論理は破たんしているのに)は毎日新聞でしたし、今回の北朝鮮の核申告書提出と、原子炉冷却塔爆破についても、冷淡な記事を載せています。
やはり、安倍らのねじ込みと、財界の圧力、公明党=創価学会からの圧力(経営の厳しい毎日新聞は、聖教新聞の印刷を請け負っている)などで、幹部人事が左右されたのではないかと思う次第。
これでますます日本のマスコミは死んだ、っと思わざるをえません。
最後の牙城は、岩波書店の世界でしょうが、あまり売れているわけではなく、大勢に与える影響は少ないです。
ますます、ブログによる、情報発信に力を入れねばなりますまい。