2008.06.14 (Sat)
カナダの歯科医は高いけど無痛で迅速

日本からカナダに戻ってきてから、なぜか突然奥歯がズキズキと痛み出した。多分旅の疲れで時間がたてばすぐ治るだろうだろうと思っていたら、一向によくなるばかりか、カナダに帰ってから2週間くらいになると、その歯の痛みから頭痛や首の後ろの痛みまで広がってきて、思考能力も落ちてきた。夜中に寝ていると、ほとんど毎晩、突然頭痛に襲われて、眠りを妨げられた。これは歯医者に行かなきゃダメだということになって、しぶしぶ近所の歯科医院に行った。
レントゲンを採った後、歯科医に2週間前に日本から帰ってきてから、電動ブラシで歯を磨く時痛んだり、この神経を抜いていない歯から頭痛や首の後ろの痛みが広がっているみたいだなどと説明すると、飛行機のプレッシャーで痛みが出たのだろうと言っていた。個人的には、日本でけっこうまぐろのお刺身や魚介類を食べたので、そこから水銀が体内に蓄積されてしまい、偏頭痛や肩こり、倦怠感などを引き起こす原因の一つとなったのではないかとも思っている。

ちなみに、その歯科医はお寿司が大好きだそうで、お寿司と刺身の違いを聞かれたので説明すると、お刺身の方が好きだそうだ。そんな世間話をしながら、歯科医がレントゲンの写真を見ながら言った。
「やっぱり奥歯のRoot Canal(根管)を治療しなきゃだめみたいだね。」
根管治療は読者のみなさんだったら、必ず経験したことがあると思うけど、私が日本で治療したときは、確か、5回から10回くらい通って、根気よく歯の根元や神経から細菌を取り除く治療が行われていた。その度に歯茎にズブっと太い注射で麻酔をかけられたので、治療後はクチビルや舌や頬の感覚が全くなくなって、とても変な気持ちだったことを覚えている。吸引麻酔をする歯科医もあってそちらの方がずっと楽だった。しかしながら、カナダでは吸引麻酔はないようで、今回も注射麻酔だった。けれども、注射の針が昔に比べてずっと細くなったせいか、歯茎をマッサージしながら注射するその歯科医の注射の仕方がうまかったせいか全く注射をされているのを感じずにあっという間に終わってしまった。

「え?もしかして、今麻酔注射を打ったの?」
と助手の女性に聞くと、「もちろん。」と答えた。
歯科医が言うには、50年代は、麻酔なしで根管治療が行われていたとか。ああ、50年代に生まれていなくてよかった。麻酔なしで根管治療をするとしたら、とんでもない痛みを感じるわけで、歯科医院ではそこらじゅうにうめき声があふれていたことだろう。
歯科医は、20分ほどして麻酔が効いてきた後、痛みのある奥歯にかぶさっているものをとって中を覗き込みながら言った。
「今日とあともう一日来るだけで治療は終わるから、安心して。そして、今日の治療が終わったら、いままでの頭痛も肩こりもなくなるよ。」

私は日本での根管治療のように、何日も通わなくてはならないと信じ込んでいたので、驚いて歯科医に聞いた。
「え?たったの2日で終わるの?だって今まではずっと通わなくちゃならなかったのに・・・・。」
歯科医によると、今は医学が発達して、2回で根管治療が終わるようになったとか。本当にいい世の中になったよね。でも、カナダでは歯科治療は今のところ保険がきかないので、料金はこの日一日だけで$300もかかってしまった。詳細は以下の通り。
検査費 $118.23
レントゲン $26.23
治療費 $161.09
合計: $305.55

それでも、その後、歯科医が言ったとおり、歯痛はもちろんのこと、偏頭痛、肩こりなどは全て解消されて体調は絶好調に戻ったので、日本円にしたら3万円もかかっちゃったけど、健康には換えられないなと思ったのだ。この治療費は突然の出費が痛い人には、数回に分けて無利息で支払うことができる。近い将来カナダでは、歯の治療に保険がきくようになるという噂があるが、具体的にいつからかはまだ報じられていない。
日本では、健康保険で認められた材料に限り、ほとんどの治療が健康保険を使って受けることができる。ただ、保険が使えるからといってアトピー性皮膚炎や妊婦の場合は胎児が自閉症になる可能性の高いアマルガムなどの材料は使うべきではないと思う。
6歳の自閉症児ダニエル・ガレアノちゃんの両親が、カリフォルニア州歯科医師会を訴えた。 母親の口腔内に施された9箇所のアマルガム充填が子供の自閉症の原因になったとするもの。 アマルガムの毒性成分が胎児に移行し、予測できないダメージを与えたという。 (アマルガムの50%を占める水銀は人体に有害な物質の中でも最も神経毒性が強い。自閉症は神経失調で生じる発育不全症のひとつ)。
被告側にはカリフォルニア州医師会ほか、アマルガム充填材料を供給する20社を超す歯科材料会社も含まれる。主訴は「患者の安全を脅かし、毒物をおもむくままに販売し続けたこと」、「不当な治療を続けたこと」、「商法上の詐欺罪にあたる」など。
日本では、厚生労働省によると、現時点ではアマルガム充填がアトピー性皮膚炎の原因となることは証明されていないということで、アマルガムはいまだに使用されている。
関連記事:
歯医者で聞いた面白い話
初めての歯医者
おまけ:
日本にいたときにテーマソングが気に入って一度だけ見たテレビドラマ「砂時計」。
歌っていたのは柴咲コウだったのか。
ひと恋めぐり -Music Video Ver. -
- 関連記事
-
- 感謝祭の七面鳥はアップサイドダウン (2008/10/12)
- 世界でもっとも堅実な銀行ランキングでカナダが1位 (2008/10/10)
- カナダの歯科医は高いけど無痛で迅速 (2008/06/14)
- 6月は日焼けの季節 (2008/06/02)
- サプライズ・バースデー・パーティーに行ってきたよ♪ (2008/05/24)
この話には続きがあって、2回目の治療でまた400ドルくらい請求されたので、合わせて700ドルくらいかかったと思います。また、その歯科医院によって値段はかなり異なると思われます。ただ、治療費は事前にどのくらいかかるのか聞けばたいてい教えてくれるので、自分の予算に合ったところを探せるとと思います。
カナダに来て何かわからないことがあったら、いつでもご相談下さいね。長く住んでいる分、お力になれるのではないかなと思うので。
治療の内容など詳しく書いてくださっていたので、とても参考になりました、ありがとうございます!(^^)
根元の治療でも(麻酔も使ってるのに!)保険がきかないにも関らず300ドルで済むのですね、ちょっと安心しました(アメリカみたいにもっと1000ドル以上とられちゃうものかと勝手に怯えていたので…笑)
確かに保険がきく日本と比べると、お高くついちゃいますが仰る通り、素早く的確に(そして何より痛くない(^^)治療してもらえるのなら300ドル位であれば安いものですよね!
一応日本ですでにチェックはしてもらってるのですが、やっぱり何が起こるかわかりませんからね(><)美爾依さんの様に急に痛んでくる場合もありますし…心配だったのですが、これで少し安心してカナダへ旅立てます!笑
ありがとうございました(^^)
私が日本で歯科医に行った経験では、日本の歯科医はものすごく差があるということです。いい医者もいれば悪い医者もいる。だから、takaj さんがおっしゃられるように評判だけが頼りですね。
カナダは治療費は自分で払わないとなりませんが、全く痛みを感じずに、痛みに敏感というか、日本人yと違って痛みに耐えるのが苦手な国民性のせいか、カナダの歯医者に行って痛みを感じたことは一度もなりません。日本では、子供の頃ですが、本当に痛かった覚えがあります。
歯科医に行くと、必ず6ヶ月に一度は歯垢の掃除をするように勧められて、一回200ドルくらいかかりますが、それで、虫歯や歯槽膿漏の予防ができるなら安いものだと思います。又、歯科衛生士のコースがあるカレッジでは、練習のために、一回$30と、とても安い値段で歯垢をとってくれるのも、貧乏人には嬉しいサービスです。
根幹治療はうまくいったようで、たったの2回で終わりましたが、いまのところ問題ないようです。6ヶ月に一度の歯垢除去さえ行っていれば、虫歯の発見も早いし、予防効果は十分だと思います。
実はうらやましいです。医師が的確な判断をしてしかも適切な治療を施しされているので。
日本は治療費は保険が利いて安くなりますがそれをやる医師の穂が膨大でその技術を判断する材料がありません。評判だけがたよりですがこれも正しい判断は難しいです。
本来は数少ない技術を持った熟練の先生が最先端の技術と、間違ってない知識の元で診療をやって欲しいですが日本はどうも正反対で歯に関しては予防医学の話はなかなか出てきません。
ぜひその後のお話や実際に医師よりカナダでの実態についてお聞かせ願えたらと思います。
日本で水銀が体内にあくまでも私の予想なので、実際のところはわかりません。日本でまぐろなどを食べたのも近所のスーパーなどで買ったもので、あとは近所の寿司屋くらいです。名前は覚えていません。
カナダでは歯の治療を除く全ての医療には保険が効きます。でも、薬代は自分で払わないといけません。出産や手術も無料ですが、なるべく入院は短く済ませなくてはなりません。出産した2,3日後くらいには退院しないといけなかったような気がします。あと、病気以外の治療、例えば、体外受精や整形手術、視力矯正などは保険が効きません。コンタクトレンズを作る際に行う視力の検査も保険は半分くらいしか効かなかったと思います。でも、血液検査や婦人病の検査などは保険が効きます。
しかし、難病を患っている人などは、良い医者を求めて、お金を払ってまでもアメリカで治療を受ける人もいます。カナダの医者の給与は低いので、優秀な医者はアメリカに流れているという噂も聞きます。
カナダではファミリードクターという医者がいて、何か具合が悪くなるとまずその医者のところに行きます。それからその医者が専門医を紹介してくれます。
との事ですが、どのお店で何を摂取されたのか、詳しいデータを教えていただけないでしょうか? 周りの人にに是非とも知らせないといけませんし、日本全体のことでしたら尚更です。是非ともご教授お願いします。
でも、歯科以外の医療は、無料なんですか?
ぜひカナダの医療について、くわしく教えてください。
いままでの記事で、それはありましたか?
マイケル・ムーアさんのシッコを見て、
アメリカは、失敗国家であることが、本当に良くわかりました。
あそこまで詳しく説明してくれれば、誰もアメリカについていかなくなるでしよう。
めちゃくちゃなことを言われてますね。だから、いろいろなところで訪問禁止になっているんじゃないですか。そして、反論する場合は、きちんとその論文なり証拠を提示して下さいよ。じゃないと、ただ妄想を言っているにすぎないということになりますよ。ここまで言って最後には時間も視力もないから論文は自分で探して欲しいと言って逃げるのはいかかがなものかと思います。
マグロの中に含まれている水銀の害が人体に与える影響については米国のFDA (Federal Drug Association)がすでに報告しているのはご存知ですよね。
• The mean mercury concentration of the Chicago-area tuna sushi samples studied was 0.446 parts per million (ppm) total mercury―close to the 0.50 ppm legal limit in Canada and the European Union.
• Of the 20 samples tested, 14, or 70 percent, exceeded the Illinois Environmental Protection Agency’s (IEPA) special advisory threshold for methylmercury. The special advisory threshold, designed to give guidance to Illinois anglers who eat their catch, is the mercury contamination level at which the agency recommends women of childbearing age and children eat no more than one meal of fish per month.
• One in seven of the samples were unsafe for women and children to eat at all because their mercury concentration exceeded 0.730 ppm, the average of king mackerel, which the U.S. Food and Drug Administration (FDA) tells pregnant or nursing mothers, women of childbearing age, and children never to eat.
• Of these, two (10 percent) of the tuna samples were unsafe for all consumers because they exceeded the FDA action level of 1.0 ppm. The action level is the legal limit for fish sold in the United States; when fish exceed the action level, the FDA is empowered to remove them from the retail market.
これだけの水銀がマグロの体内から発見されているにもかかわらず、まだ「実はセレンという必須元素がマグロには大量に蓄積されていて,水銀と同じ濃度のセレンが存在すれば水銀は完全に無毒になるのです.」とでたらめを言い続けるわけですか。
kaetzchen さんはきっとマグロを食べ過ぎちゃったのかもしれませんね。
歯痛はもう大丈夫ですか?
うちは今、父が部分入れ歯を入れるために歯医者さんのお世話になっています。
本人は、「入れ歯が合わないし、食べ物が美味しく食べられない、治療早くしてくれよ」なんて不満たらたら言ってます。
さて歯医者さんというと私にはトラウマがあります。
子供の頃、乳歯を麻酔なしで抜歯されたり、化膿するまで歯医者さんに歯をいじられとうとう抜く羽目になったりと。
だから、抜かなくても痛いのは嫌なので麻酔お願いしますと歯医者さんに痛い時はお願いしちゃいます。
最近も、虫歯の治療に通ったのですが、行った時、お医者さんの「銀をつめましょう」という話になり、歯型をとり一週間あけての治療でした。
なので、緊急非難みたいな形で臨時に入れていたガムみたいな柔らかい詰め物が何度か取れてしまったりして大変でした。
そんな思いをし入れた詰め物ですが、アマルガムなら少し怖いです。
以前、何かのニュースでアマルガムと子供のアトピー関連の可能性について聞いていたことがあったのですが自閉症も関係するらしいとは…怖いですね。
虫歯は、早く治してしまうに限りますね。
素敵なブログにめぐり逢えて嬉しく思っています。
20年程前、評判のよい歯医者さんの話を聞き受診したところ全くの無痛で驚く。
だけど最近はそこの医院がかすむくらい治療技術の進んだ歯科医がうちの周辺にも沢山あるとのこと。
そのうちの一つに出掛けてみたがそれまで抱いていた概念を根底から覆されてちょっとビックリ。
カナダのデンタルクリニックはもっと凄いんでしょうか.....興味津々です。
はぁ,口腔外科の論文を探し回ったら,幾らでも反証は出て来ますよ.この話,カナダやアメリカの歯医者が言い出して,結果的に水銀のせいだけじゃないということに落ち着いています.
また,水銀はセレンという毒性元素と同じ濃度で混ぜると,神経毒性が全くなくなります.だから,アマルガムにセレンを混ぜると生体に染み込まないし安全性が増すという論文も出ています.ちなみに,マグロがそうですね.下の方で書いたけど.水銀は無機だと無毒で,有機だと有毒だということも考えましょう.歯科医が何らかの理由で有機化合物と混ぜたか,歯根のタンパク質に水銀を混ぜて有機にしてしまったか,が美爾依さんの見たマスコミのトンデモ説の出所だと考えられます.似たことはヒ素にも言えるんですけどね.
私は自分で調べる時間も余裕も視力もないので,とりあえず論文検索にて.
私は単に私の推測を述べたまでであり、これを広めるつもりはありませんよ。そして、これがトンデモ論かどうかは実際にひきこもりや自閉症の人の母親の歯の状態を全部調べてから言って下さい。
非戦さん、
医学は日々進歩しているんだなということを実感しました。アトピーで原因がわからないという人はアマルガムが原因ではないかどうかを調べてみるといいと思います。
カナダの歯医者さんのお話 興味深く読ませていただきました。
頭痛や肩こりは解消されましたか?
歯茎をマッサージしながら 注射をされて痛みもなく 早く終る治療ですか。
すばらしいですね。あの注射の不快感と歯の奥をいじられる気持ちのわるさと麻酔の違和感プラス通院の手間を考えると 3万円はしょうがないかな とも思いますが。でもやはり保険が利く治療でもっとやすいにこしたことはありません。人間痛みに弱いから 私も痛くない歯の治療は歓迎です。
アマルガム充填がアトピー性皮膚炎の原因 というのは 初めて聞きました。
水銀が入っているのですか。水俣病を思い出しました。口の中に異物を入れるということは やはり良くないですね。歯を大切にします。
定期的に歯医者にいくのが一番ですね。昔に比べたらアマルガムを使う歯科医は少なくなったでしょうが、いまだに厚労省によって使用が許可されているので、治療を受けるときは、歯科医にはっきりと水銀を多く含むアマルガムを使用しないように指示することが大切ですね。
日本にひきこもりが多いのはもしかしたら、母親の母親の口腔内に施されたアマルガムのせいかもしれません。日本人は虫歯が多いですから。
地震の速報ありがとうございました。被害が少なかったことを祈っています。
水銀が毒性を発揮するのは有機化合物と結合したときのみです.ところが,無機水銀はマグロに大量に含まれています.この都市伝説は何回も繰り返され,そのたびに世界中のスシバーが被害を被ってますが(笑),実はセレンという必須元素がマグロには大量に蓄積されていて,水銀と同じ濃度のセレンが存在すれば水銀は完全に無毒になるのです.だから,私たちは水銀が大量に含まれたトロを食べても水銀中毒にならないのです.歯科用材料にもこの知恵が使われ,セレンを同量含ませた試薬が作られたことがありました.
そのため、最近の虫歯治療を知らなかったのですが、今では、水銀を使ったアマルガムは使わなくなり、樹脂になったそうです。セメントみたいなぁ?
注射はほんとに最近は受けていないけどどうなんだろう?
医師によっても、だいぶ違いがあるみたいですが。歯石の除去でも、ガリガリ削る医師と、砂消しゴムみたいなもので、ザーっと痛みなしで取ってくれるところがあります。虫歯も薬による無痛治療が広まり始めたとか。まだ保険外だけど。
あと、速報?ですが、日本の東北地方、岩手県で震度6強の直下型地震が、日本時間午前8時40分過ぎに起きました。私は東京の自宅でも震度3程度の長い揺れを感じました。めまいかと思ってました。
現在の情報では、倒壊家屋2、重傷者を含めたけが人が出ているようですが、今後情報が入るにつれ、被害状況は拡大するでしょう。死者がで無いことを祈っています。
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
植草一秀氏を読む。「貞子さんって?」+大阪府知事は独裁者ヒトラーの形相を呈してきています。
なるほど、2回目の治療での請求が!少し納得…でもそれでも1000ドル以下なので随分安い方ですよね(^^)
お心遣いありがとうございます、おとついカナダに到着した所でまだどきどきなのですが…もし何か困ったりした場合には又色々教えて頂ければ幸いです(><)
ありがとうございました!(^^)