2008.03.08 (Sat)
捕鯨問題:「日新丸」と「シーシェパード」の主張の違い
「日新丸」対「シーシェパード」がそれぞれどのように主張しているのかを集めてみた。
昨日の日本のニュースでは、反捕鯨団体「シーシェパード」が日本の捕鯨船「日新丸」に悪臭を放つ液体入りの瓶や白い粉の入った袋を投げ込んだことだけが強調され、非難のもとになっていた。
ところが、今日になってみると、「日新丸」から反捕鯨団体「シー・シェパード」に警告弾が投げられたのが最初で、これがきっかけで悪臭を放つ液体入りの瓶や白い粉の入った袋が「日新丸」へ投げ込まれたのだった。

閃光手榴弾を投げる日本の海上保安庁隊員(Sea Shepherd News、March 7th)
この警告弾について、米環境保護団体シーシェパードの船舶「スティーブ・アーウィン号」のポール・ワトソン船長は「弾頭によって、船員数名が負傷し、船長自身の防弾チョッキにも弾が当たったが、たまたま防弾チョッキの下につけていたバッジに当たったので、命は食い止めた。」と主張している。

弾頭が当たって曲がったバッジとその弾頭を見せるポール・ワトソン船長
しかし、日本側は、「警告弾は音を発するだけで、危害を加えるものではない」と反論している。
調査捕鯨妨害:日本の外務省抗議「警告弾は音だけ」(毎日JP)
【海上保安庁の警告弾】 ソフトボールほどの大きさの手投げ式。ひもを引っ張った後に投げると、数秒後に空中で火薬により破裂して大きな音が響く。人に危害を加えるものではなく、違法操業の取り締まりなどで使用しており、武器にはあたらない。音を出すもののほか、閃光(せんこう)を発するものやペイントで着色するものがある。
又、シーシェパードでは、3人がけがをし、弾丸が残っていると主張しているが、日本の報道では、警告弾が落ちたとき、付近に人はいなかったし、警告弾は火薬を紙で固めたものなので、残ることはありえないと反論している。
昨日は、英国の日本大使館前で捕鯨についての抗議デモが行われたが、日本ではあまり報道されなかった。(時事通信3月6日)
日本国内では、調査捕鯨妨害ということで、ニュースはシーシェパード側に批判的だが、海外では逆に調査と偽った鯨の密漁をする日本の方が悪いと批判されており、すでにカナダの今日のラジオのニュースでも、日本がシーシェパードに向けて発砲したと報じられ、日本に対するイメージは悪化する一方だ。
ギョーザ問題が起こったのも日本国内だけであり、いまだに原因もわかっておらず、ヤラセの感が強い。最近、国内と海外の報道の内容の差が著しくなってきたと感じるのは、海外に住んでいる人だったらみんな思っていることだろう。日本国内だけならどんなニュースでも捏造できるだろうが、海外ではそれは通用しない。間違ったニュースを伝えて日本国内の世論を盛り上げるのも結構だが、それが現実とは全く逆の偽りであるとしたら、そんな世論に翻弄される国民が気の毒だ。
捕鯨の費用は税金で賄われているのはみなさまご存知のことと思うが、自民党も最後のあがきで、税金の無駄遣いを正当化するために情報操作を必死でやっているということだろうか。
シーシェパード・メディアリリース 2008年3月7日 18:00
日本の捕鯨船がシーシェパードを攻撃 - 三名が負傷
ポール・ワトソン船長が胸を撃たれる
手榴弾でカメラマンクルー1名、クルー1名が負傷
午後3時45分(G.M.T. 04:45)、シーシェパードのスティーブアーウィン号と、日本捕鯨船の日新丸との衝突が激化し、日新丸に乗船していた日本の海上保安官がスティーブアーウィン号のクルーに向けて手榴弾を投下した。
弾丸は、スティーブアーウィン号のキャプテン、ポール・ワトソンの胸に命中したが、幸いにもその弾丸は彼が着ていた防弾チョッキによって食い止められた。 弾丸は彼のちょうど左胸の心臓の位置に命中した。 彼が防弾チョッキの下に着ていたセーターの左胸に付けていた反密漁のバッジがその弾丸によって破損した。
デイヴィッド・ペイジ医師がポール・ワトソン船長の防弾チョッキから弾丸を取り出すところがビデオに収められた。医師は、「ワトソン船長は弾丸で撃たれたのだ。」と言った。
ワトソン船長は、防弾チョッキと反密漁バッジのおかげで一命を取り留めた。
続いて、アシュリー・ダン船員とラルフ・ロウ船員が次々と負傷した。オーストラリア、ラウンセストン州出身のダン(35)は爆発する手榴弾を避けようとして、腰に怪我をした。
また、オーストラリア、メルボルン出身のロウ(33)は手榴弾が彼のすぐ後ろで爆発した際に、背中を火傷した。
日本の海上保安庁隊員はシーシェパードが日本の違法捕鯨行為を妨害する目的で日新丸のデッキに腐ったバターを投げたことに対して、報復してきたのです。 今回の発砲事件はスティーブアーウィン号が日新丸に対して、鯨禁漁区である南極海での彼らの違法捕鯨行為をやめさせようとしてからちょうど1週間目だった。
早朝8時 (G.M.T. 19:00)に日新丸は、フランス海域から出るように指示され、彼らはそれに従って、方向を西に変え、オーストラリア海域に向けて進んだ。
この衝突はオーストラリア海域内(南緯63度41分・東経133度27分)で行われた。
日本では、警告弾と言われているが、シーシェパードの報告では閃光手榴弾であったり、ライフルの弾丸であったりする。どっちが本当なんだ?もしこれが本当に閃光手榴弾であったり、弾丸であることが証明されたら、政府・自民党による情報操作は明らかになり、オーストラリア海域でのこれらのテロ行為は犯罪として罰せられるだろう。
Sea Shepherd News(3月7日)の”Japanese Scramble to Spin Shooting Story (日本は、発砲事件を偽って報道し、混乱させている)”というニュースは、明日のブログで日本語で紹介したい。
匿名の方によるコメント:
本当に事実を客観的に見る事の大変さを知りました。この事件の裏側には何か情報操作されているような気がします。反捕鯨団体を環境テロリストに祭り上げて捕鯨行為を再会しようとする意図が見え隠れしていますね。
関連記事:
日本の捕鯨は違法=領有権主張の南極海で-豪裁判所(1月15日)
【シドニー15日時事】オーストラリアが領有権を主張する南極海の一部で日本の調査捕鯨会社「共同船舶」(本社東京)がミンククジラなどを不法に捕獲したとして、環境保護団体ヒューマン・ソサエティー・インターナショナル(HSI)が提訴していた問題で、豪連邦裁判所は15日、この訴えを認め、調査捕鯨を停止するよう命じる判決を下した。ただ、南極海の領有権は豪州など一部の国が主張しているものの、国際的には認められておらず、判決にも強制力はない。
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Tags : 捕鯨問題 |
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自民党 |
町村信孝官房長官 |
>商業目的で捕鯨しているのはもうとっくの昔に見破られているのに
実は、日本の「調査捕鯨」は、近年は在庫が激増しており、商業目的という観点からも極めて怪しい事態なっています。
下記の読売記事を是非、ご一読いただきたいです。
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/20060905gr01.htm
日本国内の反・反捕鯨運動も、下記のような実利的ではない主張に基づくものばかりが目立つ昨今、単に外国からガタガタ言われて拒絶反応を起こしているだけなんじゃないか、とも思えたりします。
http://s19171107.seesaa.net/article/78510672.html
これもガザと同じく情報格差があるようですね。日本側がシーシェパードになにか投げつけられている映像はNHKでも繰り返し報道されていましたが、その逆の映像を私は見ていません。この海上保安庁の戦闘服のような異様な格好の方がシーシェパードのメンバーの姿より、よっぽど怖いです。
>最近、国内と海外の報道の内容の差が著しくなってきたと感じるのは、海外に住んでいる人だったらみんな思っていることだろう。
そうなんですか?やはり、日本人だけが井戸の中のかわずなんですね。
そもそも、クジラは友達であるという意識の方々が多く住んでいる国の近海で、日本が大型捕鯨船で漁をしているから、彼らは強く反発しているのです。
全くその通りですね。逆にオーストラリアから沖縄近海までジュゴンを殺しにきたら日本人だって過激になりますよね。そりゃ。水産庁の方たちは、その辺がわからないのでしょうか。KYなのか?
シーシェパードだって日本近海での捕鯨だったらあそこまで反対しないと思いますけど。
確かに自分が家でウサギを飼っていて可愛がっていたら、レストランで急に目の前に殺されたウサギが出されたら泣いちゃうでしょうね。
これだけ反対されて、尚も税金を使って捕鯨するのはなぜか? 本当に理解しかねますね。欧米が反対しているのは、日本がわざわざ北極まで行って、何の罪もないクジラを調査という名の下で密猟しているからです。調査ならクジラを殺さなくてもできるはずです。商業目的で捕鯨しているのはもうとっくの昔に見破られているのに。これだけ派手にやり合ったら、環境団体を怒らせるのも無理もありません。彼らが強く反対するのも当然でしょう。今日、カナダのラジオでは、日本が発砲し、ワトソン船長がもう少しで生命の危機を迎えるところだったと大きく報じられていました。今に世界中で日本への捕鯨反対運動が繰り広げられるのではないかと見ています。日本はこれ以上、事が大きくなる前に、一刻も早く捕鯨性を引き上げるべきです。
べるのさん、
そうでしょうか。彼らは死にものぐるいでクジラを守っています。それは、日本がなぜこれだけ大量にクジラを殺すのか、納得のいく説明をしていないからです。日本が説得できるだけの理由があれば、彼らだって何もここまで無謀なことはしませんよ。
欧州の家庭では、ウサギ料理は日常食として食卓に並びますが、日本の家庭においてウサギ料理が食卓に並ぶことは、まずありません(そもそもお肉屋さんで売られていません)。
私が以前レストランで務めていた時に、ある女性客にランチ定食の一品としてウサギ料理を提供した時に、その女性客が泣き出したことを今でも鮮明に覚えています。
捕鯨に反対している人々のクジラに対する意識は、このウサギ料理を目にして泣き出した女性客と同じ意識だと思います。
よって、日本政府は捕鯨反対国に対して、公海での捕鯨を禁止するが、自国の領海内では捕鯨の自由を認めてもらうように交渉するのが、最も適切な対応だと思います。
シーシェパードが、何かを投げ込んでいるビデオ画像が日本では報道されています。
また、オーストラリアの大臣が、いかなる理由でも暴力行為は許されないという見解は出したものの、シーシェパードを取り締まるつもりはないとも言ってました。
日本側が警告弾を投げた話は日本では全く伝わっていません。
私としては、どちらの側にしろ、暴力はいけないと思います。
シーシェパードは、ノルウェイの捕鯨船に体当たりして沈めた過去もあり、彼らが一方的に正しいとも思えません。たぶん、双方がやっているのでしょう。
捕鯨問題については、子供のころ給食で出た、クジラ肉の竜田揚げに郷愁はありますが、ここまで騒がれてでも捕鯨を継続する意味があるのか疑問に思っています。
確かに、クジラは知性を持っていると主張して、反捕鯨を支持する多くの人々は、クジラを守るためなら人間を傷つけても構わないというような、本末転倒のようなことをしているのはおかしいと思いますが、そこまでされて捕鯨を続けるのはなんでかなぁと思います。
まぁ、アメリカでは中絶を行う産婦人科医が暗殺されたりするほどの本末転倒が起きており、それは行きすぎだと思うのですが、たぶん宗教的背景があるのだと思っています。
いずれの側にしろ暴力は許せませんが、知性はともかくとして、アメリカバッファローを絶滅寸前まで追い込んだアメリカ人に言われたくないという気もしますが、私も捕鯨には消極的です。
私は、人間以外の知性体に非常に関心があり、最近ではクジラの言語が解明されつつあるとか(トンでもかもしれませんが)。もしそれが事実なら、クジラやイルカと会話して、彼らの独自の哲学などを聞いてみたいと思ってます。
その意味では私も反捕鯨です。
なんで細々とではあるが、捕鯨を続けることに日本がこだわるのか全く理解できません。
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揺れる船の上からライフルで陸上の標的を狙撃するのですが、これが難しい。
今回撃たれたと主張する船長は船の上にいた。
撃ったほうも船の上にいた(いたとすればですが)。
一秒間に何十発と撃てるマシンガンでも持ってこないとまず当たりませんよ。
漫画レベルの凄腕の暗殺者ならば可能でしょうけど。
>日本が説得できるだけの理由があれば、
>彼らだって何もここまで無謀なことはしませんよ。
美爾依さんも認めているようにシーシェパードの行動は無謀です。
日本の行動の是非を問うことと、シーシェパードの行動の是非を問うことは別問題として考えたほうがいいと思います。