2007.11.16 (Fri)
朝日のインタビューに答えた民主党小沢一郎代表の連立に対する考えについて
朝日のインタビューに答えた記事(Asahi.com)(消されると困るので、全文は続きを読むにコピペしておく。)
について私がどう考えるのかというコメントをいただいた。まず、そのコメントを紹介し、その後、コメント中に質問があればそれにお答えし、私なりの小沢氏に対する考えを述べたい。
Ryota54さんからのコメント:
朝日新聞のインタヴューで小沢氏は、大連立構想は間違っていなかったと明確に述べています。小沢氏は騙されたり、罠に陥れられたりしたのではなくて、自主的に自民党と連立を組もうとしたし、また、今でもそれが正しかったと考えているようです。小沢氏は国民に謝罪などしていません。民主党議員とマスコミに「ちょっと独断でやりすぎてごめん」と言っただけです。それでも、小沢民主党を支持すべきであると考えますか?小沢氏は自民党の一員であると私は考えます。
小沢氏は確かに連立には乗り気でしたが、それとマスコミによって罠に陥れられそうになったことは別の問題です。まずは、今回の小沢辞任劇の全容がJANJANの佐藤弘弥記者によってとても詳しく書かれているので、読んでみて下さい。
「大連立構想」は小沢失脚狙いの罠? 民主主義の成熟を妨げる黒い影(上) (11月7日)
大連立構想」は小沢失脚狙いの罠? 民主主義の成熟を妨げる黒い影(中) (11月8日)
小沢氏が罠に陥れられたというのは、読売など大手新聞社が「連立政権の話を持ちかけたのが小沢氏の方からだった」という虚報を流したことです。上の記事に、マスコミに嵌められたことに対する小沢氏の憤りが下記のようにまとめられております。
「特に11月3、4両日の報道はまったく事実に反する……私の方から党首会談を呼びかけたとか、私が自民・民主両党の連立を持ちかけた、連立構想……小沢首謀説は……事実無根……。朝日新聞、日経新聞等を除き、ほとんどの報道機関が政府・自民党の情報を垂れ流し、自ら世論操作の一翼を担っているとしか、考えられません。それにより、私を政治的に抹殺し、民主党のイメージを決定的にダウンさせることを意図した、明白な誹謗中傷報道であり、強い憤りを感ずる……。このようなマスメディアのあり方は明らかに、報道機関の役割を逸脱しており、民主主義の危機である。」
朝日のインタビューで小沢氏が「政治判断は今でも正しいと思っている」というのは、朝日のインタビューでも言っている通り、密室党首会談で福田首相が連立するなら、特措法をあきらめてもいいし、憲法解釈も180度転換しても構わないと、言い切ったからです。あくまでも国民の生活を第一に考えた民主党の政策が実現できるならという条件付きであることを忘れてはなりません。
小沢氏は朝日のインタビューで「大連立の狙いは。」という質問に下記のように答えています。
首相は連立なら特措法さえも譲って構わない、憲法解釈も180度転換しても構わないと、そこまで言い切った。農業政策、年金、子育て、高速道路無料化など、我々の目玉政策ものむかもしれない。画期的なものが民主党の主張で実現できれば、選挙に絶対有利だ。だが、みんなどうせ実現できないと思っていて民主党議員でさえそんな気がある。それは権力を知らないからだ。僕は権力をとれば簡単にできることを知っている。(朝日インタビューより)
ところが実際は、福田首相はそんなことは言っていないと否定しています。福田首相が、連立すれば特措法や改憲もあきらめるというようなことを言わなければ、小沢代表は連立にはその場で反対したでしょう。小沢代表自身の口から連立に対する考えを否定している証拠もあります。Ozawa Ichiro Websiteの『再起の辞』では下記のように連立という方法をとらずに総選挙で最善を尽くすことを誓っています。
先ほど申し上げたもう1つの思いは、衆議院では依然として自民党が圧倒的多数を占めている「衆参ねじれ国会」において、私たちが参院選マニフェストで国民に約束した「国民の生活が第一」の政策を、どうやって実現するかということであります。
参議院の同僚議員が一生懸命努力して法案を作り、参議院で可決して衆議院に送付しても、「ねじれ国会」では、年金改革、子育て支援、農業再生をはじめとする民主党の主要政策は、このままでは成立させることが困難であります。
それで本当に、国民の皆様にお許しいただけるのだろうか。内外の情勢が切迫している今日、「次の総選挙に勝利して“ねじれ”を解消するまでお待ちいただきたい」と言い続けられるのだろうか。実際に臨時国会が始まると、国会の責任の半分を担う民主党の代表として、その思いが私の心の中で日に日に重くなって参りました。
その2つの課題を同時に解決する方法はないものだろうか。自民党との政策協議で「国民の生活が第一」の政策が取り入れられ、場合によっては政権の一翼を担えば、私たちの主要政策がいま実現できる。政権担当能力を目に見える形で示すことができる。それで日常活動を補うこともでき、総選挙で勝つ可能性が高まるのではないか、とも考えました。
福田総理から党首会談を呼びかけられ、政策協議の最難関である安全保障政策で総理が最大限の譲歩を示し、最後に民主党との連立政権樹立を要請された時、私は2つの課題を同時に解決する1つの方法かもしれない、政策協議に応じたらどうかと考え、役員会で提案いたしました。
しかし、役員会では、政策協議に応じないで、あくまでも総選挙での勝利によって政策実現を目指す―との意見が大勢でありました。それを受けて私は直ちに、福田総理に連立政権はもちろん、政策協議も受け入れられないと回答いたしました。
今にして思うと、あのとき役員会で、「もはや政策協議や連立という方法はとらずに、今後、日常活動を強化して、総選挙での必勝のために頑張ろう。私もその先頭に立つ」と取りまとめればよかったと、反省いたしております。
以上のことから、余程、民主党に有利な条件がない限り、小沢代表は自民党との連立(彼の意味する連立とは、政策協議のことだと思います)に対しては、否定的な考えを持っていると見ていいかと思います。
次にイオンさんからのコメントだが、少し長いので、区切りながら答えたいと思う。
イオンさんからのコメント:
美爾依様は如何なのですか?(お願いしますよ、本当に…)
今日は。しつこいようですが、この小沢問題についてはもう一言だけ。これが最後です。
本日の『朝日新聞』の小沢代表インタヴュー記事は一読の価値があります。彼は御自身の政治判断は今でも正しいことだと言っております。これは 政権交代という公約を自分の判断ミスで反古にしかけたことをまだ正当化しようとしたことを意味します。今でも正しいと思っているとは、状況次第でまたぞろやり出すかもしれないということです。このことを美爾依様はどうお考えになりますか?
この質問に関しては、前述した意見を参考にしていただけたらと思う。小沢氏が今でも政治判断が正しかったと思っていることを無条件で自民党との連立を肯定し、政権交代という公約を投げ出したと考えるのはあまりにも短絡的だと思います。
さて今朝の朝日の一面は本当に象徴的な紙面構成になっています。片や守屋氏の証言「宴席に額賀・久間氏」という見出し、片や自己の判断を正当化する小沢氏の言葉の引用。美爾依様が述べておられるように確かに福田政権はスキャンダルまみれで死の床にあるかもしれません。しかしまだ延命しているのは何故か、また国会現場の民主党を始め野党議員が頑張っているのにそれがこの一週間ほどそれ程インパクトがないように見えるのは何故か。それは私は小沢問題が尾を引き、国民の目くらましになっている、指導者の躓きで攻撃の勢いが弱まったためのように思います。確かに読売の渡辺氏や中曽根氏、森氏や福田首相自身を、談合政治の故をもって断罪するのは正当です。でもそんな謀議に乗ってしまった小沢氏の責任はどうなるのか。しかるに彼は未だに連立の判断は正しかったとする有様で、私はまたまた、怒りと深い失望を禁じ得ませんでした。彼は本当に自分のやったことを理解して謝罪したのか、これについて美爾依様は如何思われますか?
野党議員ががんばっているというインパクトはありますよ。今回の辞任劇で、福田内閣の支持率が大幅に下がり、民主党の支持率はそれほど変わっていないことからしても、国民の小沢氏に対する信頼は薄れていないと見ていいのではないでしょうか。小沢氏に悪意を持った記事もたまに見かけますが、そういった記事はほとんどが自民党、又は他の政党寄りの人間によって書かれたものであり、その辺を見抜くことが重要になってくると思います。
確かに彼は政治的天才かもしれません。しかしその天才は謀議・談合に乗ってしまい、自分の案を役員会で否定されるや、「選任した役員たちからの反対は自分への不信任に等しい」という驚くべき非民主的な言葉を吐きました。彼は民主主義がわかっていない古いタイプの政治家で、しかもその天才は緊張するとぷっつんしてしまう不安定さをも抱え込んでいます。確かに人の緊張の糸は切れることがあります。しかしともかくも総理を目指す人で、国民の代表でその意味では「ノブレス・オブリージュ」(高貴な地位には義務が伴う)を貫徹すべき立場にあり、やはり精神的強さを庶民は期待するでしょう。私もそうでした。
また批判するなら建設的な意見を述べよと言われますが、森田実氏などは既に述べているようです。つまり民主党は小沢氏に頼るのを止めて、新しい代表を選び直せ、自立せよと訴えることです。(本当に民主党がこれが出来て、小沢氏を止めさせたら見上げた根性です。大向こうをうならせるでしょう。)
「そんなのは無理」かもしれません。しかし少なくとも小沢氏から自立せよと民主党に喝を入れ続けることは出来ます。また注文を小沢氏にも、民主党議員たちにもどんどん付けることは出来るでしょう。もっと現実的方法や技術論を出せと言われるかもしれない。しかしここ一番のときは原理原則を繰り返し相手に言うことは必要です。つまり君たちの理想「政権交代で日本を変える」はどうなったのか、君たちの理想を自分たちの指導者が否定しているのをどう思うのか、また自分たちの理想を否定する人物に自分たちと国の未来を丸投げしてもよいのか、これは党の大方の意見を(そして党に期待して投票した国民のそれを)自ら葬り去ることではないか、「民主党」という党名が泣くではないか、と。
また美爾依様は本当に今の民主党に満足なのですか、小沢代表に満腔の信頼を捧げきれるのですか、彼らに注文はないのですか、と聞きたいです。やはり庶民一人一人が政治にどんどん注文をつけていかなければ日本の政治はおろか、民主党さえ変わらず、小沢氏におんぶにだっこの頼りない連中で終わってしまいます。美爾依様、是非この機会にあらためて、本当に民主党がどんな政党であって欲しいのか、小沢氏はリーダーとしてどうあって欲しいか、彼らに日本をどう変えて欲しいか考えて頂きたいのです。お願いしますよ、本当に… 長文駄文で、釈迦の耳に説法で失礼しました。(なお私の見る所、小沢氏はその都度誠実を尽くしておられるとは思います。だからこそ困ると言えます。)
小沢氏は天才というよりも、みんなの意見を上手に聞いて、それを政策にうまく取り入れることに長けている人と見ています。いくら知的で政治的思考力が優秀でも実行力や人をひっぱっていく統率力や他人とうまくやっていくコラボレーションの能力に欠けていたのでは政治家として優れているとは言えません。一人より、二人、二人より三人の頭脳が集まれば、それだけいいアイディアが浮かぶというものです。知性では並みでも、実行力があって、誠実で(あくまでもそう見せることが大切)、人から信頼され、社会で何が起こっているかに敏感に敏感で、党内をうまくまとめることができれば、党首として優れているということが言えると思います。
日本の政治家の場合、知性は党内の優秀な議員や支援者から借りることも可能です。例えば、討論会などがあっても議題は決まっているので、前もって党内や支援者の意見を聞いておくことができ、それを討論会で自分の意見のように発表できるということです。又、日本の場合は公開討論の場が非常に少ないので、各党首がどのような知識や意見を持っているのかということを全体的に把握するのが困難だからです。選挙制度の違いもありますが、アメリカでは来年11月の総選挙に向けて大統領候補者たちが少し前から政策について日夜テレビで高度な公開討論をしています。
民主党には今の路線のまま、国民の生活に重点をおいた政策を実践しつつ、庶民を経済的に救援してほしいし、日本の経済を立て直していって欲しいです。又、外交に関しては、米国だけが貿易相手国ではないという自覚を持って、世界中のどの国も平等に扱って欲しいです。小沢代表には、菅代表代行、輿石代表代行、鳩山幹事長をはじめとする執行部の方と一緒に党をうまくまとめていって欲しいです。そして、あまり無理をしないように健康にも十分注意を払いながら、政権交代に向けて最善を尽くしていただきたいというのが、私の小さな願いです。
追記:
とらちゃんの『晴天とら日和』で知ったんだけど、『報道2001』でさえ、ついに自民党と民主党の支持率が逆転し、福田内閣の支持率も、不支持が支持を上回ったって?それにしても、リアヨロと比べたら、まだまだ支持率が高すぎるけど・・・・。
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「政治判断、今でも正しいと」 小沢代表インタビュー2007年11月16日08時01分
自ら「プッツンした」と語った辞意撤回騒動から1週間。民主党の小沢代表が15日、朝日新聞の単独インタビューに応じ、福田首相との会談をめぐる一連の経緯や、新たな政権戦略を語った。
「選挙で勝てる最大の方策で、自分の政治判断は今でも正しいと思っている。だが、みんなが望まないのだから捨てる以外ない」(大連立協議)
「渡辺(恒雄・読売グループ本社会長)さんまでは張本人だからいい」(党首会談を持ちかけてきた相手について)
「連立が最優先課題だった。特措法さえ連立なら譲っても構わない、憲法解釈、国際貢献の基本原則も180度転換しても構わない、そこまで言い切った」(党首会談での首相の言動)
「自民党は進退窮まっている。民主党の目玉政策を実現できれば選挙に絶対有利だ」(大連立の利点)
「ばかばかしい」(小沢氏離党説)
◇
――渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長が会談を持ちかけたのは、安倍政権のころか。
だったと思うけれど。8月末か9月初めか。
――首相の代理人(森元首相)とは、どういう経緯で会ったのか。
(渡辺氏には)「民主党はそういう状況じゃない」と。「お国のため」と言っても(党内は)選挙に勝てる気でいる。それと「与党が政権運営がどうしようもなくなって考える話だ」と言って、しばらく何もなかった。直前に「会ってくれ」というから会った。僕は「内々に会うのはいやだ。総理のお話なら断ることはしない」と答えた。
――一連の過程で斎藤次郎・元大蔵事務次官が仲立ちした説もある。
いや、そんなことは言っちゃいけない。渡辺さんまでは張本人だからいい。だが、あとは信義として言っちゃいけない。
――菅直人代表代行、鳩山由紀夫幹事長と事前に相談しなかったか。
誰にもしていない。渡辺さんの話だけで相談するのは変でしょう。
――党首会談で解散時期を話し合ったか。
全然ない。
――民主党が首相をとる可能性はあったか。
それはないさ。彼は首相でいたいんだから。首相が連立の話を出してきた時に「おかしい。私は参院で首相指名を受けた。本当は首相指名の前に話をしなければならない」と言ったんだ。
――具体的な閣僚ポストの割り振りは話し合ったか。
違う違う。連立というのは政策と人事だ。だから、人事だって「きちんと割り振る」と首相も言った。連立だから当たり前でしょ。だけど、何にしてもまずは政策協議だと。
――大連立の狙いは。
首相は連立なら特措法さえも譲って構わない、憲法解釈も180度転換しても構わないと、そこまで言い切った。農業政策、年金、子育て、高速道路無料化など、我々の目玉政策ものむかもしれない。画期的なものが民主党の主張で実現できれば、選挙に絶対有利だ。だが、みんなどうせ実現できないと思っていて民主党議員でさえそんな気がある。それは権力を知らないからだ。僕は権力をとれば簡単にできることを知っている。
――中選挙区制に戻す話はなかったか。
論外だ。そんなことは出ない。小選挙区制だから、政治にケリがつけられる。中選挙区制だったらぐちゃぐちゃで意味不明になる。あくまで選挙で戦って民主党が勝つためにどうするかを考えていた。
――首相の申し出を受けた民主党役員会はまとまると考えたのか。
政策協議に入るぐらいいいじゃないかと言ったが、ダメだとなった。
――小沢氏が参院議員を連れて離党するとの話が出回った。
ばかじゃないか。そういうばかげたことを言う人が党内の一部にいるから、いやになった。民主党で政権とるためにどうしたらいいかだけを一生懸命考えているのに。そんなことする気なら最初から自民党を出ないよ。
――山田洋行について小沢氏への献金や、航空自衛隊出身の田村秀昭元参院議員との関係を指摘する報道もある。
何の関係もない。(事務所の政治資金)担当者を何代さかのぼってもわからない。「何で献金があったんだ。知っているのか」と言ったら「知らない」と。もう全部返した。パーティーかどっかで会ったのかも知らないが、全然知らない。わけがわからん。
――一連の経過の総括と今後の政権戦略は。
政治判断は今でも正しいと思っている。選挙で勝てる最大の方策だ。だが、みんながそれを望まないというんだから、その方法は捨てる以外ない。残念だけど。もう選挙で勝つ以外ないさ。特別なことは何もない。
――次の総選挙目標を「衆院第1党」としたが、単独過半数に届かない場合どうするのか。
野党で過半数でいい。共産党を入れるわけにはいかないが、きわどい状況なら、首相指名で共産党はどうするのか。自民党に入れるのか、どっちに入れるんだとなる。
――自民党と組む選択肢はないのか。
こっちが過半数取っているのに自民党と組むことはない。最低でも野党連立までいきたい。
――衆院解散・総選挙は来春が天王山か。
わからない。補給支援特措法次第じゃないか。特措法ができずに選挙をしたらまた特措法成立まで2カ月遅れる。特措法ができなければ、その次の臨時国会までできないことになる。たぶん、首相は米国に行って、どうしても通したいということになるんじゃないの。特措法がどうなるかが一つの大きな要素になるだろう。
――衆院3分の2議席で再可決する正当性をどう考えるか。
いいさ、使えるなら使ったって。憲法で認められているんだから。けれども、それはそう簡単な話じゃないね。
――首相問責決議案は法的には解散に直結しないが、政治責任は伴う。
まだ考えていない。参院にきたばっかりだ。心配ない。見ていればわかるよ。フフフ……。
――衆参ねじれ国会で対立を打開するルールをどう考えるか。
選挙する以外ない。衆参で勢力が違っている時の政策協議は、連立協議と同じようなものなんだ。連立を否定している限りは、基本的な問題の政策協議はできない。ケリつくまでやりましょうと、デスマッチみたいなものだ。国民生活に直結するもの、薬害や災害のような人道的な問題はやるが、基本的に考え方の違うものはどうしようもない。国民が選ばなきゃいけない。
――総選挙の争点設定は生活重視か。特措法や安保問題は。
(安全保障には)国民は関心がない。それは政治家や政党の責任、見識できちっとした政治をやればいい。国民は生活の話だ。国民生活を、どちらの政党がちゃんとみてくれるのか。生活上の心配はみんな大変だ。選挙の時は、どんな時でもちゃんと生活を安定させていきますよと訴えるのが一番だ。生活できるようにするのが政治じゃないかと、国民はみんな思っている。
――あとは選挙に全力投球か。
少しゆっくりしてからだ。かなりいい状況ではある。運動量で自民党に負けないようにすれば勝つ。自民党の半分でもやれって言うんだ。絶対勝つよ。ほんとにもうイライラする。
――国際治安支援部隊(ISAF)への参加が可能とした考え方は党内に十分浸透したか。
何にでも参加すると言っているんじゃない。その時の政府が吟味して、どの分野にどれだけ参加するかを決める。国連活動に参加することはマニフェストで国民に約束したことだから、これから論議する話ではない。何でそんな単純な議論がわからないのか不思議でしょうがない。
――社民党は反対だ。選挙協力に響かないか。
反対でいい。反対だけれど、それ以上に自民党政権を倒さなきゃいけないなら、それでいい。そういう割り切りが日本人は不得手だが、ドイツの連立だって全部一致しているわけじゃないでしょう。他の政策が多少違ったって協力すればいい。政権取った時に一緒に連立を組むかは別だ。選挙協力は何もおかしくない。共産党とだっておかしくないが、政権に入れるかというと別問題だ。
――日米関係を心配する向きがある。
何の心配もない。ブッシュ大統領なんて米国民に支持されていないんだから、何で気兼ねするんだ。いま米国内でもブッシュ大統領の政策は批判の的だ。
――党首会談では恒久法で合意したのか。
そんなことはない。原則がはっきりしなければ、法律もつくれない。「自衛隊派遣、安全保障については憲法解釈がクリアにならなければ、連立もへちまもない。特措法には応じられない。あなたが土下座して頼んだって無理だ」と言った。(2回目の会談が)中断したのは「無原則な自衛隊派遣はダメだ」と言うと、首相は「私もそう思う」。「一人では決められない」と言うので、「法制局になんか聞いたってダメだ」と言ったら、「法制局じゃない」と。基本原則があいまいでは基本法をつくりようがない。
――総選挙前に恒久法制定に向けた政策協議を自民党と行う可能性はないのか。
ないない。
――政権を取れば制定を考えるのか。
憲法に逐条として出ていない部分について、自衛隊派遣のきちんとした原則を明記して憲法を補完する基本法が必要だ。そうしないと憲法を改正するまで憲法問題が続いちゃう。選挙で多数取れば、基本法を進めたほうがいい。
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1.一般的に「連立」というと自公連立しかイメージしない。これは私の言う「連立」とは異質のものだ。選挙協力までやる「連立」は私の言う連立とは違う
2.ドイツの連立をイメージしている。「連立」と言うより政策協定の進化型だ
3.福田首相は「連立」と引き換えに、「連立に応じてくれるなら、国連決議に基づく軍事的国際貢献という安全保障政策の転換を認めても良い」更に「インド洋給油の新特措法にこだわらない」と約束してくれた
4.その後の記者会見で福田首相がこの約束の存在を否定したことは、私の報告となんら矛盾しない。大前提の「連立」を断ったのだからそれと引き換えに約束したことは、否定するのが当たり前だ
5.アフガンに対しては給油以外に、人的貢献の伴う2000億円の援助をしているのだから給油を止めたからと言って国際的に非難を受けることはありえない
「真の戦後レジュームからの転換」は安倍前首相の唱えていた戦後民主主義の否定と言うアナクロニズムでは決してない。戦後レジュームの最たるものは正に「アメロカべったりの安全保障政策」であり、政官財に蔓延した依存体質(自立的に考えない、無原則主義)だと思います