2012.04.28 (Sat)
ジェラルド・カーティス講演会@外国特派員協会(FCCJ)を見て
例えば、現在、自民党は消費税増税に対して、煮え切らない態度をとっているが、野田と谷垣が手を組んで、消費税増税法案ははなんとしても成立させなければならないとか、自民党は、民主党を分断して、総選挙をするべきだなどと述べている。野田が政治生命をかけて実現させようとしている消費税増税は、米国からの指令だったのかもしれない。こうして日本政府が増税によって得た日本国民の税金を沖縄基地海外移転などの名目で、米国は奪い取ろうとしているのではないか。
今回の講演ではないが、去年の秋ごろに行われた講演でも、英語を話せる首相がいないのは、世界中でも日本くらいだ。中曽根と小泉は話せたがなどと、自民党の肩を持つ発言が目立った。又、野田総理が直面している問題にも触れ、増税問題や民主党内の分裂問題、そして、日本のマスコミが政策よりも世論調査や政治家の人格ばかりを報道するので、メディアに対する対処が難しいことなどをあげていた。日本のメディアには政治部はあるが、実際に報道しているのは、ゴシップや政局ばかり。日本のメディアを改革することが、求められているが、野田にとってメディアを改革することは、難題だろう。小泉はその点うまくメディアをコントロールしていたと述べた。
小沢氏に関しては、小沢氏は、政策ではなく、国民一人ひとりと握手をすることを政治戦略として新人に教えている。優れた政治家とは優れた政策を持っているかどうかであって、何人と握手をしたかではない。小沢氏に従うのは、何も知らない新人議員ばかりで、ベテラン議員はみんな小沢氏にそっぽを向いている。小沢氏が無罪になったとしても、民主党のリーダーにはなれないだろうと思うなど、偏見に満ちた推論を述べていた。小沢氏はぶれない政策をいつも持っており、小沢氏の支持者は彼の政策が好きだから、彼を支持しているのだ。それと握手戦術は全く別のものである。
ジェラルド・カーティスの話もむごかったが、その左どなりで、下手な英語を話していた中野晃一という上智大学の教授はもっとひどかった。英語の発音が中国語のように聞こえ、非常に聞き取りにくかったので、何を言っているのか全てを聞き取れたわけではないが、日本国民の大多数は小沢を嫌っているなど、小沢氏に関して否定的なことを次から次へとまくしたてていたようだった。
『IWJ Independent Web Journal』
2012/04/26 ジェラルド・カーティス氏講演「小沢裁判、判決結果とそのインパクト」(動画)
アルルの男・ヒロシの名前で『ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報』というブログを書かれている中田安彦氏もこの講演会に出席し、感想を述べた。
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関連記事:『ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報』
ジェラルド・カーティスとそのCIA疑惑が問われたFCCJ講演会(加筆済み)
陸山会事件は無事、小沢一郎無罪になりました。私は傍聴券抽選に参加し、予想通りに外れた後、無罪判決やその後の熱狂をを東京地裁の一階ロビーで見ていた。小沢支持者の年配の男性たちが、「良かった」と感極まって涙ぐみ、私を含めたその場にいた互いに名前もしらない人々と人々と固く握手を交わす場面、若い支持者の男性がプラカードを掲げながら、「無罪になったんだからこれから小沢は国民の生活のために働けよ」とマスコミのカメラの前で声を張り上げる姿がありました。
さて、その日、私は午後から行われた、外国特派員協会(FCCJ)のジェラルド・カーティス講演会にフリーの立場で参加しました。題名は「「小沢判決とその衝撃」。この講演は外国人記者たちが、本国に送る記事に引用するための識者のコメントを拾うための機会だろう。実際、あとで海外報道を確認すると、この講演会でのカーティスのコメントを引用した記事がいくつもあった。会場には、NYT、FT、その他フリーの記者たちが詰めかけていた。私も前の方の特等席で聞くことができました。
講演の相手役は上智大学・国際教養学部の中野晃一教授。この人も含め、講演会は全て英語で行われました。私も全部聞き取れたわけではないが、ツイッターでの他の人のコメントも見ながら、公演を聞いた。
講演会はまず、カーティスの経歴や小沢一郎の政治キャリアについて中野教授から説明があった。
講演会が始まって15分位突然、その中野教授の方からカーティスに「あなたはCIAだという疑惑がネットでささやかれている。消費税やTPPの問題についてあなたが操っているのではないかという人もいる」とカーティスに向けられた。(もちろん中野教授はジョーク、あてにならない話の類として紹介したニュアンス)カーティスはその時、小声で何かをつぶやいていたが、なんと言っているかは聞き取れなかった。
この中野教授は、必ずしも小沢を評価するわけではないようだが、小沢デモのことや検察審査会の問題点について、一定の理解はしている。
カーティスには、質疑応答タイムでは、別の記者(マイケル・ペン氏)からも「ウォルフレンが検察による小沢に対する謀略について書いているが」という趣旨の質問も投げかけられた。これに対しては、小沢は「失敗を繰り返し、そのたびに復活してくる。メディアははじめから反小沢だったわけではない」と、嫌われる小沢の側にも問題があることを語り始める。
さらに、「小沢が90年代に登場した時には朝日は彼をひらすら持ち上げたではないか。消費税の問題にしたって、彼が細川政権の時に国民福祉税として打ち出したものだ」と反論した。しかし、小沢は増税そのものではなくプロセスを問うている。その意味でカーティスの言い方はおかしい。
カーティスは講演の後半で、思い出したように、ウォルフレンの説についての記者からの質問に答えながら、「米CIAが日本の政治を動かすという説は、陰謀論であり、クラップ(ゴミのような話)」とは吐き捨てた。「私はその説は相手にしない。(I do not buy it )彼としてはそう言うしか無いだろう。
イラク戦争の時に起きたヴァレリー・プレーム事件でもCIAエージェントの素性を一体誰が漏らしたのかということが全米のメディアで大騒ぎになったほどだ。
最近、中国で起きた薄煕来事件でも薄煕来の妻に殺害されたイギリス人実業家ヘイウッドは、イギリスの大手コンサルティング会社のメンバーでもあり、巷では「彼はMI6の情報要員ではないか」とも言われていた。
そのような民間人の立場で情報を収集する、「ノン・オフィシャル・カバード」という工作員はどこの国にも存在する。しかし、それを暴露されたからといって、表立ってそれを認めるわけにも行かない。認めてしまえばその人のキャリアは終わりになる。アセット(諜報機関の資産)としては終わりになる。
しかしながら、カーティス=CIAという話は、根拠のない陰謀論でも、別にどこかで降って湧いた話ではない。カーティスはCIAそのものではないかもしれないが、カーティスがCIAの情報提供者だという資料は存在する。
Crowley Files of 1996という資料である。ここではCIAへの情報提供者として、カーティス教授と朝日新聞の前主筆の船橋洋一の二人の名前がある。(http://www.crow96.20m.com/ )
この真偽についてもっとハッキリと確認すれば面白いことになったかもしれない。
質疑応答ではイギリス人の記者が、「検察審査会」とそれを追及する市民の会の動きについて質問する一幕もあった。検察審査会の審査員の平均年齢が二回とも同じだったということを聞かされて、
この記者は軽く笑っていた。
それから、今日の講演会の舞台となった有楽町の外国人記者クラブだが、もともと田中角栄の金脈追及が行われたいわくつきの場所である。ここが実は極めて重要だった。
http://globe.asahi.com/feature/090406/side/02.html
(引用開始)
政治がらみで外国人記者たちが大きな役割を果たしたケースとして最も有名なのは、1974年10月22日にFCCJが田中角栄首相(当時)を招いた昼食会だ。その10日余り前、74年の文芸春秋11月号に、立花隆による「田中角栄研究――その金脈と人脈」と題する記事が載った。田中の金権政治を追求する調査報道だったが、日本のマスコミが記事について質問したり、報じたりすることはなかった。
『文春』11月号の「田中角栄研究」について発言する田中角栄首相=1974年10月22日、東京・丸の内の外国人記者クラブで(朝日新聞のデータベースから)
初めて田中本人に「金脈スキャンダル」を追求したのは、FCCJの昼食会に出席した海外メディアの記者たちだった。翌23日、朝日新聞などで昼食会での詳細な質疑が報じられ、1面トップに「”田中金脈”追求へ動き急」「政局に重大影響必至」などの大見出しが踊った。特派員らの質疑応答を借り、初めて日本メディアが動いたわけだ。これで政局が一気に動き出し、35日後、田中は退陣。さらに2年後にロッキード事件が明るみに出て、田中逮捕へつながった。
35年前の昼食会について、その場にいたサム・ジェームソン(72)から当時の話を聞くことができた。米紙ロサンゼルス・タイムスの東京特派員だったジェームソンは、田中に「金脈スキャンダル」について尋ねた最初の記者だ。きっと使命感に燃え、満を持して質問したのかと思ったが、「偶然だった。それからの展開には、今でも驚愕している」という。昼食会までの経緯と、当日の雰囲気を生々しく語ってくれた。
74年6月末までFCCJ会長だったジェームソンは、春に新宿御苑で開かれた首相主催の花見の会で、田中に日本語で「総理が外人記者クラブにいらっしゃっていないのですが、何か、外国特派員が怖いでしょうか」と尋ねた。田中は大笑いし、「わかった、わかった」と答えたという。
10月22日の昼食会の日程は、秋口に設定された。その直前、外務省の報道担当者から予想される質問を聞かれたジェームソンは、「それまでに文芸春秋の記事について誰にも聞かれていなければ、質問されるだろう」と答えた。当日、最初の記者2人は、核政策と翌月に予定された米大統領の訪日について質問した。「おや、『金脈』についてまだ、だれも聞いていないな。それなら、自分で聞いてみるか」と思ったジェームソンは、挙手してマイクの前に立った。
「米国では上院がネルソン・ロックフェラー副大統領候補の個人財産を調査中です。首相は、政治家に自分の財産についての説明を求めることが日本でも適当だと考えるか。不適当なら、なぜか。適当だと思うなら、文芸春秋の記事にコメントしてくれますか」
田中は「この種の記事で政治への信頼に影響があるとすれば残念なことだ」「記事で個人の経済活動と公の政治活動が混交されていることは納得いかない」などと答えた。さらに、ジェームソンによると、「FCCJが保管する英語の録音テープには残っていないが、私の記憶では、確か田中氏は『文藝春秋の記事には納得いかない部分もある』と答えたと思う」という。「『納得いかない部分もある』と言えば、『納得いく部分もあるのか』と理解されて当然でしょう」
それがきっかけで、外国人記者たちから「金脈」に関する質問が立て続けに飛んだ。「日本国民に個人資産を報告するつもりか。また、雑誌の記事について何らかの行動を取ることを考えているか」「文藝春秋の記事を否定するか、それとも正しい記事なのか」――。
「まるで、私の質問を発端に、あちこちで花火が上がったような状況だった」とジェームソン。「田中氏のことは人間として好きだったが、私は記者としてすべき質問をした。その結果、日本の政治を変えてしまった。本来なら、日本人記者が果たすべき役割だったのに・・・無意識のうちに利用された気分だ」と、悔しそうに語った。
(引用終わり)
この引用記事の中で質問者として角栄金脈追及に利用されたらしい、ロサンゼルス・タイムズのサム・ジェームソン記者は今日も出席していた。彼は、石原慎太郎と政局の話について質問をしていたと思う。
カーティスは終始、小沢に対して辛辣な言葉を浴びせかけた。しかし、彼自身は「自分は反小沢ではない」とも言う。また、橋下徹の勢力はかなりの議席を取り、キャスティングボウトを握るとも。ただ、同時にどこも過半数を取れないカオスになる可能性もある("It will become even more politically chaotic")、とも。消費増税についてかなりの時間をさいて発言していた。カーティスは「野田は小沢が無罪になったからといって、消費税に政治生命を賭けているので退くこともできないだろう」とも。
確かに政局が流動化すれば日本政治はカオスになる。カーティスは、「民主党政権、最初の鳩山首相がうまく行かなかった時、私はこれは創造的破壊への第一歩になるとしてしばらく様子を見ていた。しかし結果的には創造のない破壊だけが残った」と言っている。実際にそのようになるかどうか、小沢一郎がどこまで自分の目標とする政治改革を実現できるかにかかっている。
長年の老練なジャパノロジストが、世界に向かって配信される動画中継の中で、CIAとの関わりについて問われる瞬間。皮肉なものである。彼は工作員だったとしても、もうその立場としては終わりだろう。「カーティス先生、カーティス先生」と周りでこれまで慕ってきた彼の教え子たちの行動を私はじっと観察していきたい。
小沢のことを古い政治家とカーティスは語る(Ozawa's a man of the past who just refuses to go away. He'll come back w/ a vengeance, look for revenge.)が、彼もまた、過去のジャパンハンドラーとして終わっていくのだろう。
小沢に関しては、無罪判決が出た以上、あとは彼の政治的手腕だけで純粋に判断されるべきだろう。それは小沢支持のデモに関わっていた人も私に同じ事を言っていた。このあと、小沢が消費税法案を審議する国会において、どのように政治家として動くのか。ここを私はじっとみていこうと思う。
小沢は指定弁護士が控訴しないことを見極めて会見を開くと言われている。小沢に対する無罪判決が出たこと、因縁の外国特派員協会でジャパン・ハンドラーのカーティスが「醜態」をさらしたこと。アメリカと日本の官僚連合体が、4半世紀以上前に「田中角栄に仕掛けた呪い」が解け始めている。そして、これを解いたのは、竹下派7奉行の一人である小沢一郎本人だった。小沢は「角栄の呪い」を自らが国策捜査の犠牲者になってまで、体を張って解きにかかった。
実はこのことが日本の政治にとって一番重要だったのである。
その意味で、一つの時代に区切りがついたとはいえるのではないだろうか。
私なりの見立てを披露すれば、ロッキード事件以来の戦後日本の政治史に一つのケリがついた。そういう判決だった。

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消費税法案が衆議院本会議で審議入りしましたが、ANNニュースによると、成立は難しそうですよ。どうなるのでしょうね。
消費増税法案が審議入り 野田総理は協議呼びかけ(05/11 14:00)
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/220511016.html
野田総理大臣が政治生命をかけるとした消費税増税法案が衆議院本会議で審議入りしました。野田総理は成立に向け、改めて野党側に協議を呼びかけました。
野田総理大臣:「政治がこの困難な課題から逃げることなく、与野党が互いに胸襟を開いて大いに議論し、決められない政治からの脱却を目指したい」
消費税増税法案は、社会保障の財源を賄うため、2014年4月に8%、2015年10月には10%まで引き上げることなどが盛り込まれています。野田総理は野党側の理解も得て成立を図りたい考えですが、問責決議を受けた2人の閣僚の問題などで、協力を得られるめどは立っていません。さらに、増税に反対する小沢元代表らが抵抗を強めていて、法案成立どころか衆議院通過への道筋も見えていません。
国民福祉税 今の野田総理の消費税増税と 同じようなことかなぁ?
小沢さんは 消費税増税反対派ですよね。
1994年 細川内閣は 3%から7%に しようとして 人気がなくなるのかなぁ?
阪神大震災後 消費税は3%から5%になる。ある程度?震災復興後、各地にいろいろなものができて
丸投げ 民営化問題~。事業仕分けするという民主党は 政権を握ったということで いいのかなぁ?
消費税増税審議。 国会決議 最終的に 消費税増税になるのかなぁ?消費税増税になる確率は~。
消費税増税反対の小沢グループが 動き出す 展開が 見たいけれど もう遅いのか?
最近の総理大事と国会法案決議。民営化、今回の消費税~ 歴史に刻む(年号) 総理大臣名と決議 そのときの 各大臣は~
政治研究会(名前検討中 消費税と歴史
民営化と消費税の時の 総理 各大臣 年代 について 調べにくいですね。
民営化については どの企業が 民営化したのか わからなくなることも。
>>http://www.youtube.com/watch?v=aGvIS6CxIhs&feature=youtu.be
得手に帆上げて。
チェルノブイリに学ぶこと。
チェルノブイリでは熔融炉心からの地下水汚染を防ぐ地下隔壁を日本のシールド工法によるトンネル建設で達成し、トンネル内部へ汚染土壌を隔離保管している。日本の優秀な土木技術をもってすれば福一石棺桶化などたやすいことである。除染をさらに効果的にするために福一を錫や鉛や水銀で熔融炉心冷却棺化し地下トンネル隔壁を造って全体を石棺桶化しよう。
扶桑の島の住民日本人はただちに得手に帆上げて「地位協定破棄と福一石棺桶化」あるのみ。
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次の衆院選で正規雇用者増加主張議員の過半数当選を祈る・経済成長こそ財政再建の道
だいたいにおいてアメリカ人や親米派やアメリカに留学してたような人は、みんな同じように小沢一郎を悪く言う。まるでそういう指令でも来てるみたいに。