2012.04.14 (Sat)
大飯原発再稼動で野田政権の官僚依存がいっそう明らかに
ウォール・ストリート・ジャーナルに関西電力の大飯原子力発電所3、4号機の再稼働について読者の意見を聞く投票を1週間行なった結果が載っていたが、13日午後1時半現在で、投票数1万2000票を超えており、これまでウォール・ストリート・ジャーナルが行った投票で最高の投票率だったそうで、この問題に対する国民の関心の高さが伺われる。
大飯原発再稼動についてのアンケート結果:
賛成 7%
反対 92%
どちらでもない 1%
寄せられたコメント400通以上は、ほとんどが反対意見であったという。それでも、民意を無視して再稼動を決めた理由は何だったのか。
ロイターによると、再稼働の必要性ありと判断した最大の根拠として政府が示したのは、原発ゼロの場合、関電管内の電力供給が需要に対してどれだけ不足するかというデータだそうで、9日と13日に首相官邸内の会見場で配布された関電からの報告を元に資源エネルギー庁が発表したところによると、一昨年夏並の猛暑だった場合は18.4%(9日時点提示では19.6%)、1割の節電要請を呼びかけた昨年夏並の暑さだったら5.5%(同7.6%)のそれぞれ供給不足になるということだ。
ただ、これはエアコン需要が急増する日中の時間帯での数値で、この時間の需要を減らして他の時間帯に誘導するなどの工夫をすればこうした危機を回避できるそうだ。又、企業などの節電分を電力会社が買い取るネガワットなど節電を「供給力」として活用することによって需給ギャップを乗り越えることも可能だそうだ。
国のエネルギー政策議論に参加する飯田哲也・環境エネルギー政策研究所(ISEP)所長は、再稼働が必要との野田政権の判断について、「(政府や国会の)事故調査委員会の結果も出ていない、(原子力)規制庁が立ち上がっていないし、どんな規制庁になるか分かっていないし、地元の安全対策も出来ていない。安全性以前に政治的な手続きがあまりに破廉恥だ」と批判。こうした状況に陥ったことについて飯田氏は「民主党は政治主導といいながら政治主導のやり方を全くしなかった。原子力村や経産省の古い考えを持った人に取り囲まれ、官僚の全体の枠組み、考え方に染まってしまう」と分析しているが、まさにその通りだと思う。
又、菅直人前首相のもとで内閣官房参与として原発事故の対応に当たった田坂広志氏は、2月に行われた講演で原発の再稼働の条件について「政府が国民に信頼されていること」を挙げたそうが、今の政府が国民に信頼されているとはとうてい思えない。福島第一原発の収束宣言といい、今回のあまりに拙速な大飯原発の再稼動の決断といい、野田政権への国民の信頼がゼロに近いのは、誰もが感じていることだろう。
官僚や野田政権の閣僚には、いまやらなければならないので4号機を補強するべきで、がれきをばらまいたり、大飯原発を再稼動をやっている場合ではないと官邸前で再稼動反対を訴える市民の声をもう一度聞いて欲しい。そして、大飯原発は、再稼動どころか廃炉にするべきであることに早く気づいてほしい。
3 首相官邸前 揺れ動く大飯原発再稼動に抗議
【More・・・】
オーストラリアでも、原発の燃料であるウランを採掘して日本に輸出することに反対している人々がいる。そんな人々からの日本人への応援メッセージ。オーストラリアからの反原発メッセージ
参考記事:
大飯原発再稼働、経産相が福井知事に要請へ
(2012年4月14日12時41分 読売新聞)
枝野経済産業相は14日午後、福井県庁を訪れ、西川一誠知事らと会談し、関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を要請する。
枝野経産相は会談で、大飯原発の安全性が確保されていることや、関電管内で今夏の電力不足が懸念されることなどを説明し、再稼働に理解を求める見通しだ。
枝野経産相は西川知事のほか、大飯原発が立地する同県おおい町の時岡忍町長や県議会議長とも会談する。
民主党の仙谷由人政調会長代行も14日、福井入りし、同党福井県連関係者と面会する。
政府は13日に開いた関係閣僚会合で、大飯原発の安全性について最終確認した。また、今夏の関電管内の電力需給について、一昨年夏並みの猛暑で原発が再稼働しないと18・4%(570万キロ・ワット)の供給力の不足が発生すると試算し、再稼働が必要と判断した。
焦点:信頼不在の大飯原発再稼働、政権の官僚依存が露呈
ロイター 2012年 04月 14日 03:29 JST
[東京 14日 ロイター] 野田政権が、関西電力(9503.T: 株価, ニュース, レポート)大飯原子力発電3、4号機(福井県おおい町)の再稼働が「必要ある」とした13日の政治判断は、国民の信頼が大きく欠けた中で行われた。
枝野幸男経済産業相は13日の記者会見で、電力需給について「楽観論に軽々に与し、供給が足りなることは許されない」と語ったが、「原発ゼロでも夏は乗り切れる可能性がある」とした1月末の自身の発言と矛盾する。有識者からは官僚に取り込まれた民主党政権の限界を指摘する声が聞かれる。
<本当に電気は足りないのか>
再稼働の必要性ありと判断した最大の根拠として政府が示したのは、原発ゼロの場合、関電管内の電力供給が需要に対してどれだけ不足するかというデータだ。9日と13日に首相官邸内の会見場で配布されたが、資源エネルギー庁が関電からの報告を基に提示した不足の割合は、一昨年夏並の猛暑だった場合は18.4%(9日時点提示では19.6%)、1割の節電要請を呼びかけた昨年夏並の暑さだったら5.5%(同7.6%)のそれぞれ供給不足になるという。
ただ、これはエアコン需要が急増する日中の時間帯での数値で、この時間の需要を減らして他の時間帯に誘導するなどの工夫をすればこうした危機を回避できるとの見方は少なくない。関電によると、昨年夏(7月―9月)の需要が、今年の原発ゼロ想定の供給力(9日時点提示の2574万キロワット)を上回ったのは11日間の合計56時間。昨年夏並の暑さなら、3カ月間のうち10日間余りの日中の需要をうまく他の時間帯に誘導すれば、危機は回避できる。
同様に、一昨年夏の需要の場合、今年の原発ゼロ想定の供給力(同2489万キロワット)を上回ったのは51日間の計473時間で、この前提ではたしかに厳しそうに見える。ただ、国のエネルギー政策議論に参加する飯田哲也・環境エネルギー政策研究所(ISEP)所長は、「最大需要は、一昨年の異常値は去年と比較すると350万キロワット多いが、内訳は気温要因が160万キロワット、関電が需給調整した分とその他節電効果で190万キロワット。一昨年並の猛暑となった場合でも、160万キロワット分は、去年から今年に出来る節電側のピークマネージメント(最大需要抑制)で楽に減らせる」と指摘する。
大飯原発に隣接する滋賀県の嘉田由紀子知事は今月6日、ロイターのインタビューで、需給ギャップを乗り越える手法として、「(企業などの節電分を電力会社が買い取る)ネガワットなど市場メカニズムの中に節電を取り入れること」を挙げるなど、節電を「供給力」として活用すべきとする声が高まっている。
<節電に商機あるが>
電力危機を契機に、ピークカットに対応するニュービジネスが生まれる機運も高まっている。東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)がこのほどピーク需要抑制に向けたビジネスプランを募集したところ、6件が採用された。その中に、エナリス(東京都足立区)という見慣れない企業が顔を出す。同社は多数の需要家のピーク抑制を行う、2004年設立のベンチャー企業だが、日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)、ダイキン工業(6367.T: 株価, ニュース, レポート)の大手2社と組んだ提案が東電に採用された。
こうした事業環境の整備に動いてきたエネルギーコンサル会社、クリーングリーンパートナーズ代表の福井エドワード氏は、節電分を集める事業者(デマンド・レスポンス・アグリゲーター)という業種の役割について、「50キロワット―500キロワット(小口高圧)の需要家が東京電力管内で20万件くらいあるが、そこの節電が手付かずだ。オフィスなどのこれら需要家が全てエアコンの出力を2割程度下げるだけで、東電管内のピーク需要(昨年夏で5000万キロワット弱)のうち1000万キロワット程度を抑制できると試算している」と解説する。
<官僚の考えに染まった>
福井氏は「危機や制約のあるところに創意工夫やイノベーションが生まれて新しい産業が育つ」と指摘するが、野田政権にはこうした声が届かなかったようだ。枝野経産相は「節電すれば需給ギャップは解消されるという声にも耳を傾けたが、細部まで確信できる議論には出会ってない」と語った。エネルギー分野で構造変革に踏み出すには長いリードタイムが必要となるが、新しい試みに否定的な態度こそ、再生可能エネルギーの本格拡大や、国際パイプラインの敷設を通じた安価な天然ガス調達など現在の危機に対応する上で必要な環境を整える芽を摘み取ってきた。
ISEPの飯田所長は、再稼働が必要との野田政権の判断について、「(政府や国会の)事故調査委員会の結果も出ていない、(原子力)規制庁が立ち上がっていないし、どんな規制庁になるか分かっていないし、地元の安全対策も出来ていない。安全性以前に政治的な手続きがあまりに破廉恥だ」と批判。こうした状況に陥ったことについて飯田氏は「民主党は政治主導といいながら政治主導のやり方を全くしなかった。原子力村や経産省の古い考えを持った人に取り囲まれ、官僚の全体の枠組み、考え方に染まってしまう」と分析する。
菅直人前首相のもとで内閣官房参与として原発事故の対応に当たった田坂広志氏は原発の再稼働の条件について「政府が国民に信頼されていること」(2月の講演)を挙げた。今の政府が国民から信頼を得ているかどうかについて枝野経産相は、「昨年3月11日にそれまで起こらないと言われていた事故が起こったのだから、国民の皆さんが簡単に政府を信頼してくれるとは思っていない。理解をいただけるかどうか最大限努力したい」と語った。
(ロイターニュース、浜田健太郎)
大飯原発の再稼働―読者投票を行ってみて
WSJ 2012/4/13 16:38
関西電力の大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働について読者の意見を聞く投票を1週間行なったが、この問題に対する関心の高さに驚いた。
13日午後1時半現在で、投票数1万2000票を超えている。これまでJRTが行った投票で最もたくさんの方が参加してくださったのではないか。賛成は7%、反対92%である。寄せられたコメント400通以上は、ほとんどが反対意見であった。
この1年、われわれは福島原発事故、そしてその処理の行方を一喜一憂しながら見守ってきた。その結果、この投票に表れたように多くの国民が原発に強い反対意見を持つようになったようだ。
だが、再稼働せず、電力が足りなくなれば、ダイレクトに景気への悪影響が及ぶ。また原子力が使えず早期に稼働が可能な施設を使って発電するとしたらその多くは火力発電であろうから、原油価格高騰の折、発電コストが大きく膨らむ。そうしたことを考えて、記者は、この投票を呼び掛けるとき、再稼働やむなしという人もかなりいるのではないかと思っていたが、予想以上に反対意見が多かった。また電力は不足していないという見方が多かったのも意外だった。
大飯原発再稼働に反対する人の中には、再稼働は検討せざるをえないが、政府の再稼働へ向けた動きが拙速であるとか、安全基準をさらに高めた上でなら認めてもいいといった意見の人もあるはずだ。そう思い、選択肢として「どちらでもない」を置いたのだが、この選択肢を選んだのはたった1%だった。経産省は猛暑になった場合19.6%の電力不足になるとしている。
もちろん、この投票結果が、世論をそのまま表しているというつもりはない。そうは言っても、かなり多くの国民が再稼働に反対だというぐらいは言っていいだろう。
先週来、大飯原発再稼働に突っ走ってきた政府は判断を下すとみられていた昨夕の関係閣僚会合では結論を見送った。ただ、国内メディアによると、これは反対の人々に配慮し慎重に検討していることを示すためで、今夕の会議で再稼働への結論を出すとみている。14日にも枝野経済産業相が福井県を訪れ、西川一誠知事などに再稼働への同意を求めるという。
3月下旬、枝野経産相は再稼働には地元だけでなく国民全般の理解が必要だとしていたが、現状を国民の理解が得られたと考えているのだろうか。大飯原発から30キロメートル圏内に含まれている京都府と滋賀県の両知事は、昨日そろって大飯原発の視察をし、さらに安全性を高める必要があるとしてあらためて再稼働に否定的な見解を表明しており、地元の理解を得られているとは言いにくい。
それでも政府は、これまでに表明したように、大飯原発は安全性の基準におおむね適合し、再稼働しなければ大幅な電力不足になるという説明を繰り返して最終結論を出すのだろうか。
記者: 竹内カンナ
大飯“安全宣言”で地元は安堵も、同意は予断許さず
産経 2012.4.13 23:08
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の地元の福井県では、再稼働に向けた初の“安全宣言”に、「やっと決まった」と安堵が広がった。残るステップは地元の同意と政府による最終判断のみ。ただ、地元同意については「手続き面で未定の部分もある」(おおい町関係者)ため、再稼働までは予断を許さない状況が続きそうだ。
「まだかまだかと思っていたものが、やっと出た」。関係閣僚による安全性の確認を受け、大飯原発3、4号機を抱えるおおい町の時岡忍町長は同日夜の記者会見で政府の判断を歓迎した。また、約10日間の会合での結論についても「これまでにも判断に向けた準備期間で十分議論がなされており、拙速という言葉は当たらないと思う」と述べた。
大飯原発の長期停止に伴い作業員の利用が減っている同町内の民宿街。「国は再稼働させる腹は決まっていたのだろうが、世論が受け入れやすいタイミングを見計らっていたのではないか」。民宿を経営する男性は“遅すぎた判断”に不満を口にしたが、再稼働への着実な前進を評価した。
今後の焦点は政府の最終判断の前提となる地元による同意の可否だ。おおい町議の一人は「政府が再稼働を事実上決めたようなものだから、地元での意見集約はそれほど時間がかからないのではないか」と話すが、別の町議は「枝野幸男経済産業相の福井入りがスタートライン」と慎重な見方を示す。
同町は国による住民説明会の開催を求めているが、場所や定員の規模は未定となっており、周辺自治体住民にも参加を許可するかも決まっていない。反原発グループが町外から集結する可能性もあり、「地元住民があまり会場に入れなくなる最悪のケース」(同町議)も想定されるだけに、同町側も開催方法に苦慮している。

にほんブログ村 政治ブログ
このエントリーは、
『国民の生活が第一 - トラックバック・ピープル』
http://member.blogpeople.net/tback/10888
『民主党 - トラックバック・ピープル』
http://member.blogpeople.net/tback/09160
にトラックバックしています。
【政権交代】を実現させたブロガーリスト
- 関連記事
-
- 原発再稼動反対派の小出裕章氏と推進派の澤田哲生氏の討論 (2012/04/19)
- 福井県庁前で枝野に帰れコール (2012/04/16)
- 大飯原発再稼動で野田政権の官僚依存がいっそう明らかに (2012/04/14)
- 福島第一原発4号機の冷却装置が停止して24時間たとうとしている (2012/04/13)
- 大飯原発再稼働を許すな (2012/04/05)
お仕事etc.でご多忙の中、コメントありがとうございます。
なんとか空元気でやっております(笑
特権官僚にしてみれば-ひと度譲歩したが最後、国民が雪崩を打って次から次へと民主的で真っ当な要求を突きつけてくる、そんなことになれば、ついには自分たちの特権がなくなって、ただの公僕になっちゃう、冗談じゃない!-ということでしょう。
> 理論が破綻している上に、とにかく説得力が無い
つまりこれも、連中はどんなウソでもデタラメでも「特権」で許される、としか言いようがありません。
残念ながら日本はそういう国なのだと思います。
それにしても害虫センダニ...たしかガンを患った経験の持ち主のはずです。
そういう大病を克服した人は、その後私心を捨てたかのような振る舞いに変わったりするものですが、センダニはからっきしダメで、それどころか「日本のガンになってやる!」との意気込みすら感じますね。根っからの害虫なのでしょう。
お元気でいらっしゃいますか。ここまで国民が反対することを実行するなんて、官僚は国民が望んでいるものを妨げるのが生きがいなのではないかと本当に思ってしまいますね。特に仙谷が今再稼動に向けてやっきになっているようですが、原発を再稼動させるための理論が破綻している上に、とにかく説得力が無いので、かえって国民の反対を煽るような状況になっていますね。ここまでしゃしゃりでてくるということは、仙谷が原子力村とズブズブの関係にあるということでしょうね。害虫センダニは即刻駆除しなくてはなりません。
燃料費の値上げによる負担増など電力会社は考えない、料金を上げればすみますが 値上げによる会社経費の監視の目、世間の風当たりが厳しくなり、やり難い事への恐れです 再処理の目途もなく、最終処分の方法、土地もないまま、再稼働、福島の処理、賠償
除染もなく(除染はできない) 再稼働は電力会社の救助が目的
いわゆる利権の保護です。
少々お久しぶりです。
> 寄せられたコメント400通以上は、ほとんどが反対意見であったという。それでも、民意を無視して再稼動を決めた理由は何だったのか。
国民が「本当に」反対しているからでしょう。
サラリーマンが念願のマイホームを建てた途端に転勤になるとはよく聞くことですが、
それでうな垂れているのを見て悦に入るのが「会社」側の習性ということで。
対象が何であろうと、国民が本当に望んでいることを意地でも妨げる-それが特権官僚たちの生き甲斐なんです。
それ以外、説明つかないじゃないですか!
連中とつるんでいる政治家etc.含め、ただ駆除あるのみでしょう。
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
ははは・・・・。確かに、害虫センダニには、「日本のガンになってやる!」という意気込みが感じられますね。それにしてもヤツがガンを患った経験の持ち主だったとは知りませんでした。