2012.03.02 (Fri)
アイリーン・美緒子・スミスが語る水俣と福島に共通する国・県・御用学者・企業の10の手口
■水俣と福島に共通する10の手口■
1、誰も責任を取らない/縦割り組織を利用する
2、被害者や世論を混乱させ、「賛否両論」に持ち込む
3、被害者同士を対立させる
4、データを取らない/証拠を残さない
5、ひたすら時間稼ぎをする
6、被害を過小評価するような調査をする
7、被害者を疲弊させ、あきらめさせる
8、認定制度を作り、被害者数を絞り込む
9、海外に情報を発信しない
10、御用学者を呼び、国際会議を開く
下の動画は、アイリーンさんが日本の原発を全て止める上で、大飯原発を再稼動させないことの重要性を訴えたもの。京都にお住まいだけあって、関西の地理に詳しく、大飯原発が福島第一原発と同様の事故を起こした場合、関西一帯が被害にあうことを予測している。
STOP、大飯原発(アイリーン・美緒子・スミスさんメッセージ)
Uploaded by imagine349 on Dec 31, 2011
ネット署名
http://bit.ly/vzt5Zf
説明サイト
http://bit.ly/uRmZyP
福島原発事故を繰り返したくありません
若狭の大飯原発3・4号の運転再開をSTOPできれば、
日本のすべての原発を止めるチャンスがやってきます。
原発がないと電気は高くなる?
全くの嘘、偽りです。
原発があるがために、日本の電力は
アメリカの2.5倍の料金が設定されています。
原発をたてれば、その費用は、電気料金に上乗せされ、
世界でも、類を見ない、高額な電気料金を
日本人は支払い続けています。
原発さえ、なければ、
ガスコージェネレーション、風力、太陽、火力、水力、地熱
など、もっと、人々に自然に優しく、安価な、安全な
電力を利用することができるようになります。
皆様のご協力どうぞ宜しくお願い致します。
原発の再稼動を絶対に許してはならない。
【More・・・】
参考記事:特集ワイド:かつて水俣を、今福島を追う アイリーン・美緒子・スミスさんに聞く
毎日新聞 2012年2月27日 東京夕刊
◇共通する「責任逃れ」「曖昧な情報流し」 繰り返してほしくない「被害者の対立」
「福島第1原発事故は水俣病と似ている」と語るのは、写真家ユージン・スミスさん(78年死去)と共に水俣病を世界に知らしめたアイリーン・美緒子・スミスさん(61)だ。今回の原発事故と「日本の公害の原点」との共通点とは何なのか。京都を拠点に約30年間、脱原発を訴えてきたアイリーンさんに聞いた。【小国綾子】
「不公平だと思うんです」。原発事故と水俣病との共通点について、アイリーンさんが最初に口にしたのは、国の無策ではなく「不公平」の3文字だった。
「水俣病は、日本を代表する化学企業・チッソが、石油化学への転換に乗り遅れ、水俣を使い捨てにすることで金もうけした公害でした。被害を水俣に押しつける一方、本社は潤った。福島もそう。東京に原発を造れば送電時のロスもないのに、原発は福島に造り、電力は東京が享受する。得する人と損する人がいる、不公平な構造は同じです」
都市のため地方に犠牲を強いている、というわけだ。
「『被害×人口』で考えれば被害量のトータルが大きいのは大都市で、少ないのは過疎地域かもしれない。でもこれ、一人一人の命の価値を否定していませんか。個人にとっては、被害を受けた事実だけで100%なのに……」
■
アイリーンさんの原体験は「外車の中から見た光景」。日本で貿易の仕事をしていた米国人の父と日本人の母との間に育ち、60年安保反対のデモを見たのも、香港やベトナムの街で貧しい子どもたちが食べ物を求めて車の上に飛び乗ってくるのを見たのも、父親の外車の中からだった。こみ上げる罪悪感。「車の外に出たい」と強く感じた。
両親の離婚後、11歳で祖父母のいる米国へ。日本では「あいのこ」と後ろ指をさされたのに、セントルイスの田舎では「日本人」と見下された。「日本を、アジアを見下す相手は私が許さない」。日本への思慕が募った。満月を見上げ「荒城の月」を口ずさんだ。
アイリーンさんの「不公平」を嫌う根っこは、加害者と被害者、虐げる者と虐げられる者の両方の立場に揺れた、そんな子ども時代にあった。
20歳の時、世界的に有名だった写真家ユージン・スミスさん(当時52歳)と出会う。結婚後2人で水俣に移住し、写真を撮った。日本語のできない夫の通訳役でもあった。患者と裁判に出かけ、一緒に寝泊まりもした。ユージンさんの死後は米スリーマイル島原発事故(79年)の現地取材をきっかけに、一貫して脱原発を訴えてきた。
■
大震災後、環境市民団体代表として何度も福島を訪れ、経済産業省前で脱原発を訴えるテント村にも泊まり込んだ。テーブルにA4サイズの紙2枚を並べ、アイリーンさんは切り出した。「水俣病と今回の福島の原発事故の共通点を書いてみました」。題名に<国・県・御用学者・企業の10の手口>=別表=とある。
「原発事故が誰の責任だったのかも明確にしない。避難指示の基準とする『年間20ミリシーベルト』だって誰が決めたかすらはっきりさせない。『それは文部科学省』『いや、原子力安全委だ』と縦割り行政の仕組みを利用し、責任逃れを繰り返す。被ばく量には『しきい値(安全値)』がないとされているのに『年間100ミリシーベルトでも大丈夫』などと曖昧な情報を意図的に流し、被害者を混乱させる。どれも水俣病で嫌というほど見てきた、国や御用学者らのやり口です」
福島県が行っている県民健康管理調査についても、「被ばく線量は大したことないという結論先にありきで、被害者に対する補償をできるだけ絞り込むための布石としか思えません」と批判する。
アイリーンさんが最も胸を痛めているのは、被害者の間に亀裂が広がりつつあることだ。「事故直後、家族を避難させるため、一時的に職場を休んだ福島県の学校の先生は、同僚から『ひきょう者』『逃げるのか』と非難され、机を蹴られたそうです。みんな不安なんです。だから『一緒に頑張ろう』と思うあまり、福島を離れる相手が許せなくなる」
福島の人々の姿に、水俣で見た光景が重なる。和解か裁判闘争か。「水俣の被害者もいくつもに分断され、傷つけ合わざるをえない状況に追い込まれました。傷は50年たった今も癒えていません」
だから福島の人たちに伝えたい。「逃げるのか逃げないのか。逃げられるのか逃げられないのか。街に、職場に、家族の中にすら、対立が生まれています。でも、考えて。そもそも被害者を分断したのは国と東電なのです。被害者の対立で得をするのは誰?」
昨年3月11日、アイリーンさんは娘と2人、久しぶりの休養のため、アメリカにいた。福島の原発事故の映像をテレビで見た瞬間、胸に去来したのはこんな思いだ。「今からまた、何十年もの苦しみが始まる……」。水俣病がそうだったように。
水俣病の公式確認は1956年。77年の患者認定基準を、最高裁は2004年、「狭すぎる」と事実上否定した。09年成立の水俣病特措法に基づく救済措置申請を7月末で締め切ることに対し、患者団体は今も「被害者切り捨てだ」と批判している。半世紀たってもなお、水俣病は終わっていない。
「今、水俣の裁判闘争の先頭に立つのは50代の方々です。まだ幼い頃に水銀に汚染された魚を食べた世代です。だから、福島に行くたびに思う。小さな子どもたちに将来、『あなたたち大人は何をしていたの?』と問われた時、謝ることしかできない現実を招きたくないんです」
■
3時間にわたるインタビューの最後、腰を上げかけた記者を押しとどめ、アイリーンさんは「これだけは分かってほしい」と言葉を継いだ。
「水俣と福島にかかわっていて私自身、被害者と同じ世界にいると錯覚しそうになるけれど、でも違う。被害者の苦しみは、その立場に立たない限り分からない。分かっていないことを自覚しながら、被害者と向かい合い、発言するのは怖いです」
しばらく黙考した後、「それでも声を上げようと思います。福島に暮らす人、福島から逃げた人の両方が、水俣病との共通点を知り、互いに対立させられてしまった構図をあらためて見つめることで、少しでも癒やされたり救われたりしてほしいから」。かつて水俣を、今は福島も見つめる両目が強い光を放っていた。
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■水俣と福島に共通する10の手口■
1、誰も責任を取らない/縦割り組織を利用する
2、被害者や世論を混乱させ、「賛否両論」に持ち込む
3、被害者同士を対立させる
4、データを取らない/証拠を残さない
5、ひたすら時間稼ぎをする
6、被害を過小評価するような調査をする
7、被害者を疲弊させ、あきらめさせる
8、認定制度を作り、被害者数を絞り込む
9、海外に情報を発信しない
10、御用学者を呼び、国際会議を開く
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◇「特集ワイド」へご意見、ご感想を
t.yukan@mainichi.co.jp
ファクス03・3212・0279
毎日新聞 2012年2月27日 東京夕刊
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この事実を、毎年5000人ほどが死ぬ交通事故と比べると、原発の安全性は異常なほど高いと判断せざるを得ません。
私は福島の事故を境に、原発賛成に寝返りました。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/eq2011/information/20120302-OYT8T00300.htm
関東地方埋められず「限界」
群馬県 83トン
栃木県 1320トン
茨城県 2237トン
東京都 980トン
千葉県 1976トン
関東地方の一般焼却灰から高濃度の放射能物質が検出され、
行き場を失った焼却灰が焼却施設にあふれている。
ごみ収集の回数が減るなど市民生活に影響が出ている。
埼玉県、神奈川県は焼却灰基準値以下。
神奈川県横浜市の水路跡地から高濃度セシウム検出
綾瀬区二ツ橋町の水路跡地から最大で1キロ・グラムあたり
10万4500ベクレルの放射能セシウムを検出した。
原発事故の体験「伝えて」 カストロ前議長が訴え
http://www.47news.jp/CN/201203/CN2012030301000977.html
【ハバナ共同】キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長(85)は1日、
ハバナで日本の非政府組織(NGO)ピースボートやキューバ政府が開催した
「グローバル・ヒバクシャ・フォーラム」に参加、
東京電力福島第1原発事故や広島と長崎の原爆被害について
「体験した日本の人々は世界に広く伝えてほしい」と訴えた。
前議長は昨年4月にすべての主要な役職から引退した後、
公の場に姿を見せる機会が極めて少なくなったが、
この日は3時間以上にわたり同フォーラムに参加。
約800人の日本人の聴衆を前に熱弁を振るった。
東日本大震災1年:汚染の広がりと対策(その1) 日常奪った放射能
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120304ddm010040030000c.html
◇福島第1原発事故による放射性物質汚染の広がり(日付は公表日)
2011年
3月11日 東日本大震災発生
12日 福島第1原発1号機爆発
19日 埼玉、東京など6都県で水道から微量の放射性セシウム、ヨウ素検出
20日 福島県内の原乳や千葉、群馬などのホウレンソウや春菊などからヨウ素を検出
同日 山形、栃木など8都県で雨などからヨウ素
21日 東京など10都県の雨などから最大9万3000ベクレルのヨウ素
23日 政府が福島県の葉物野菜などに対し初の摂取制限を指示
同日 東京都内の浄水場の水から0歳児の飲用基準の2倍にあたるヨウ素
24日 福島県飯舘村の雑草からセシウム265万ベクレル
4月 5日 北茨城市沖のコウナゴで初めて食品衛生法の暫定規制値を超えるセシウム
10日 福島県飯舘村など3市町村の露地栽培シイタケから規制値超えセシウム
30日 福島、茨城など1都4県の女性7人の母乳から微量の放射性物質を検出
5月 1日 福島県郡山市の下水道処理施設で処理後の汚泥から高濃度のセシウム
13日 福島県内のワカサギとアユから県内淡水魚初の規制値超えセシウム
16日 茨城県内の茶葉から規制値超えセシウム検出。神奈川、栃木、千葉などでも
26日 福島県いわき市の海藻のヒジキとアラメから規制値超えの放射性物質
28日 福島県伊達市でウメの実から規制値超えのセシウム
6月 3日 福島県内河川の川底の砂から最高1キロあたり3万ベクレルのセシウム
9日 静岡市内で作られた製茶から規制値超えのセシウム
7月 8日 肉牛から初めて規制値超えのセシウム
10日 千葉県柏市内の焼却灰から1キロ当たり7万ベクレル超のセシウム
下旬 栃木県産の腐葉土からセシウム検出相次ぐ
8月19日 宮城県角田市の山間部で捕獲された野生のイノシシから規制値を超すセシウム
9月30日 福島第1原発から約45キロ離れた福島県飯舘村などでプルトニウム
11月16日 福島市大波地区産のコシヒカリ(玄米)から規制値超えのセシウム
12月 6日 粉ミルクから初のセシウム検出
東日本大震災1年:汚染の広がりと対策(その2止) 除染効果は限定的
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120304ddm010040038000c.html
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枝野が言っていたとおり、もちろん、ただちに影響を与えることはありませんが、放射線は、年数をかけてじわりと健康を害する恐ろしい物質です。まだ、事故から1年しかたっていないので、結果はまだわかりません。
又、今回、福島第一原発事故の放射線の影響で亡くなった人はたくさんいますが、マスコミが報道しないだけです。目先の工作に騙されてはいけません。