2011.12.29 (Thu)
福島原発事故で日本政府が犯した4つの重過失
総ページ数が538ページにも及ぶ中間報告書は、ホームページ上で公開されており、一般からのご意見・ご感想を、平成24年1月末まで募集しているそうだ。
※中間報告についての国民の皆様からの意見募集について
当委員会では、今回中間報告をとりまとめたところですが、平成24年夏頃を目途に最終報告をまとめる予定としております。
国民の皆様から中間報告の調査内容、調査結果等について、ご意見・感想を頂き、今後の最終報告に向けた検討、活動に活かしていきたいと考えております。
このため、平成24年1月末までを集中募集期間として、下記メールアドレスにてご意見を募集しております。
・ご意見の募集はメールのみに限らせて頂きます。
なお、添付ファイルによる意見送付は、システムセキュリティ―の都合からご遠慮をお願いします。
・いただいたご意見について、個別のご回答・返信は致しませんのでご了解願います。
・いただいたご意見については、内容を公表させて頂くことがあります。
メールアドレス iinkai.goiken(a)cas.go.jp
ダウンロード→ http://icanps.go.jp/post-1.html
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会とは?
(Wikipediaより抜粋)
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会(とうきょうでんりょくふくしまげんしりょくはつでんしょにおけるじこちょうさ・けんしょういいんかい)は、「東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所における事故の原因及び当該事故による被害の原因を究明するための調査・検証を、国民の目線に立って開かれた中立的な立場から多角的に行い、もって当該事故による被害の拡大防止及び同種事故の再発防止等に関する政策提言を行うことを目的」として、内閣官房に設置される委員会。2011年5月24日の閣議により開催が決定された。
構成員
委員長:畑村洋太郎(工学者、東京大学名誉教授、工学院大学教授、失敗学会初代会長、株式会社畑村創造工学研究所代表取締役。元日立製作所社員)
委員長代理:柳田邦男(作家、科学評論家)
委員:
尾池和夫(地震学者、京都大学名誉教授、前京都大学総長、地震予知連絡会委員、財団法人国際高等研究所理事・所長)
柿沼志津子(独立行政法人放射線医学総合研究所研究員、同放射線防護研究センター発達期被ばく健康影響グループチームリーダー、専門: 放射線生物学、分子生物学、疫学)
高須幸雄(元外務省官僚、元国際連合日本政府常駐代表、元在ウィーン国際機関日本政府代表部特命全権大使(IAEAに対する日本の代表))
高野利雄(弁護士、元名古屋高等検察庁検事長、元東京地方検察庁検事正、元財団法人国際研修協力機構理事長)
田中康郎(弁護士、明治大学法科大学院教授、元札幌高等裁判所長官)
林陽子(弁護士、国連女子差別撤廃委員会委員)
古川道郎(福島県川俣町町長)
吉岡斉(科学史家、九州大学教授・副学長)
技術顧問 [編集]
淵上正朗(株式会社小松製作所顧問、同社元取締役・専務執行役員・環境、研究、開発、品質保証管掌)
安部誠治(関西大学教授、専門: 公益事業論、交通論、公企業論)
事務局長
小川新二(前最高検察庁総務部検事、東京地方検察庁公判部長、法務省施設課長、内閣府参事官)
事務局専門家(政策・技術調査参事)
社会システム等検証チーム
堀井秀之(東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻教授、専門分野: 社会技術論、安全安心研究)(チーム長)
城山英明(東京大学大学院法学政治学研究科教授、専門分野: 行政学)
事故原因等調査チーム [編集]
越塚誠一(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻教授、専門分野: コンピュータシミュレーション、原子炉過酷事故解析)(チーム長)
大井川宏之(日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究部門研究推進室長、専門分野: 原子炉物理)
中曽根祐司(東京理科大学工学部第一部機械工学科教授、専門分野: 材料強度学、シミュレーション工学)
被害拡大防止対策等検証チーム [編集]
片田敏孝(群馬大学広域首都圏防災研究センター長・教授、専門分野: 災害情報、避難行動、防災教育)(チーム長)
矢守克也(京都大学防災研究所巨大災害研究センター教授 、専門分野: 防災関連)
関谷直也(東洋大学社会学部メディアコミュニケーション学科准教授、専門分野: 社会心理、災害情報論)
本来なら、寝る間も惜しんで精力的に原発事故について語っている小出裕章先生の名前がこの構成員のリストの中に含まれるべきであり、入っていないのは、納得がいかなかった。小出先生も個人の責任は問わないと明言した畑村委員長の言葉にあきれ、原発のテクニカルな専門家が一人もいないため、事故の解明が全くされていなかったこの中間報告に対して、失望感をあらわにしていた。
小出先生の電話インタビューの書き起こし:小出裕章が語る、政府事故調査委員会中間報告「個人の責任を問わないで済むなんてことが私にとっては想像もできない」12/26
時間があればこの膨大な中間報告を読むことができるけど、今は、誰もが年末年始で忙しいとき。『サーチナ』が日本政府が犯した4つの過失について、この報告書を非常に簡潔にまとめていたので、ご参考まで。
日本政府が犯した4つの過失
過失1:放射能漏れ事故防止の大局観に欠け、事前の準備を怠った。
過失2:「想定外の現象」という言葉で原発事故を表現し、責任を軽減しようとした。
過失3:原発事故発生後、すぐに情報を公開せず、悪影響を残した。
過失4:原子力管理機構と原子力エネルギー産業発展機構を同じ部門に所属させたことで、対応に影響を与えた。菅直人氏の被災地視察が多大な混乱を招いた。
【More・・・】
福島原発事故での日本政府の4つの過失、調査機関が中間報告(1)【社会ニュース】 2011/12/28(水) 19:46
東京電力福島第一原子力発電所の独立調査機関である「事故調査・検証委員会」は、26日、中間報告を発表した。政府と原子力発電所の運営会社である東京電力の事故対応に混乱があり、多く問題点があったと指摘した。28日付で中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は同記事より。
■<東日本大震災>福島原発 - サーチナ・トピックス
災害が想定を超えたことは「理由にならない」
507ページに及ぶ報告書のなかで、独立調査機関は、政府と原発運営会社・東京電力を原発事故の防止という大局観に欠けており、原発事故や自然災害が同時に発生することを予見せず、事前措置を怠ったと言及している。
東京電力に対しては、事前の内部調査で放射能漏れの理由として「津波の規模が想定外だった」ことを挙げているが、今回の報告書では「(政府と運営会社は)原発事故の防止面で大きな問題があった」として、津波の規模が想定外だったことは、「状況を制御できなかった言い訳にならない」としている。
また、報告書では政府が「想定外の現象」という言葉で福島原発事故を表現している点について、自己責任を軽視しようとするものと批判している。
日本政府は、原発事故が発生してから、情報をすぐに市民に公開せず、内部責任を明らかにしなかったことが直接危機対応に影響したと指摘。ついで、災害救助の過程においても、日本政府の中枢部門、原子力安全保安院、東京電力で情報共有が十分に行われなかったことが事態の拡大を招いたと厳しく批判した。
原発事故が発生してから、政府は逃げの姿勢で、原子炉が深刻な状況にあることを認めず、危機情報の市民への公表を遅らせた。そのほかにも、放射能が拡散してから、政府が適時、放射能の影響が及ぶ地域へ情報を公開しなかったことで、緊急避難が必要だった地域住民が放射能の影響を受けることになった。
情報公開の遅滞以外にも、事故原因・検証委員会は、日本の原子力管理機構と原子力エネルギー産業発展機構が同じ部門に属していることが、原発事故対応に影響したと批判している。
福島原発事故での日本政府の4つの過失、調査機関が中間報告(2)
数百人の政府担当者、関係者にリサーチ
「事故原因・検証委員会」は東京大学名誉教授の畑村洋太郎氏を委員長として、6月から福島原発事故を調査してきた。この調査委員会は2012年に当時の首相だった菅直人氏への質疑を予定しており、12年夏の最終報告提出をめざして、引き続き調査を行う。12月16日までに、委員会は東京電力の管理職、内閣構成員、そのほかの政府職員など456人にリサーチを行った。
日本政府が犯した4つの過失
●過失1
放射能漏れ事故防止の大局観に欠け、事前の準備を怠った。
●過失2
「想定外の現象」という言葉で原発事故を表現し、責任を軽減しようとした。
●過失3
原発事故発生後、すぐに情報を公開せず、悪影響を残した。
●過失4
原子力管理機構と原子力エネルギー産業発展機構を同じ部門に所属させたことで、対応に影響を与えた。
菅直人氏の被災地視察が多大な混乱を招いた。
独立調査委員会の報告書では、当時の首相であった菅直人氏の責任も直接追及している。3月11日に大震災が発生してから、菅氏は夜7時03分になってやっと、「放射能緊急状態」を宣言している。しかも午後5時42分には、当時の経済産業大臣であった海江田万里氏が直接、東京電力から報告を受け、緊急に首相官邸に出向き緊急事態宣言を要求していたにもかかわらず、菅氏が6時すぎに野党の会議に参加しなければならなかったという理由で宣言が1時間以上遅れた。
福島原発事故での日本政府の4つの過失、調査機関が中間報告(3)
報告書では、菅氏が12日にヘリコプターで被災地の視察に出向き、原発の緊急作業に関与したことに対し、当時、原発の現地では菅氏がこのような切迫している状況下で視察に来ることに懸念を示していたことを明かしている。原発の所長であった吉田昌氏の当時の談話として、「大勢の管理職に首相を接待させず、私一人で対応すればよかった」という証言を載せている。
作業員の経験不足が被害を拡大
報告書は原発の運営会社の東京電力について、1号機ユニットで水素爆発が発生したとき、全作業員に緊急冷却装置の操作経験がなかったことを明かしている。
緊急冷却装置の操作ミスにより、原発の技術者は適時、原子炉に注水できず、危機対応が4時間遅滞した。当時の技術者がこの緊急冷却装置が正常に運転しているものと思い、システムの警報シグナルに注意を払わなかったことで、原子炉のメルトダウンをもたらしたという。
また2008年、当時の東京電力分析員が、福島周辺海域に15メートルを越える津波が発生する可能性があると認識していたが、東電の責任者はこれを参考数値に過ぎないとして、何も対応措置を研究しなかった。当時の日本の経済産業省・原子力安全保安院もこの評価報告書を受け取っていたが、東電に対してなにも対応措置の要求を行っていなかったことを明かしている。
(編集担当:米原裕子)

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早速ですか先日のコメントにさらにコメントをします。確かに事故を故意に起こせば原子力利権に属する面々が得する要素はないので故意に事故を起こすことはないと思います(一部にこれを故意に事故を起こしたと主張する人もいるようですが…)。
しかし当事者が
・安全でないものを安全と言ったり
・他の発電手段よりも経済的と言ったり
したのは故意ではないかと思います。このことによって当事者が危険を認識しながら安全設計に対するコストをカットして無理やり低コストで成り立っているように偽装しなければならなかったわけで、原発が大震災や津波に充分に耐えられないばかりか事故が起きた時の対処も万全から程遠かったという結果を招いたことは間違いないでしょう。
ただ過失か故意か分からない部分もないではありません。政府が事故発生から1ヶ月間、「メルトダウンしていない」と言い続けたのは東電から情報が入らなかったからなのかそれとも政府、官僚、東電がぐるになって隠していたのかは想像はできても自明ではありません。
それから、「故意」と「過失」の中間的な表現ですが、当事者として「善管注意義務(=善良な管理者の注意義務、民法第400条)」がある場合に
・善管注意義務を果たしていた
→過失なし
・善管注意義務を果たしていなかった
→過失の程度に応じて
軽過失:多少なりとも欠いていた場合
重過失:著しく欠いた場合
に分類されているようです。したがって過失を2分類するのが妥当かと思います。今回の事故は人命に関わるものだから故意でないけれど過失がある場合は重過失になる可能性が高いでしょう。あるいは過失も故意も含めた「罪」とするのもありかと思います。
いろいろと細かいことを言ってすみません。ただ今回の原発事故は間違いなく人災でその当事者たちはこの命に関わる人災に対する責任を厳しく問われた上でその代償をしっかり払うべきと考えます。その前提として原子力利権に関わる者達が自らの罪を少しでも軽くしようとする口実を断ちたいわけです。
その辺のところは植草さんが「無実」と「無罪」の違いを問題にしたり、民間人が罪を犯すと「逮捕」→懲戒解雇で、警察官が罪を犯すと「書類送検」→依願退職→退職金をゲットという傾向があることを指摘したことにならいました。
以上
お久しぶりです。
確かに、過失というと、故意ではなかったという意味ですから、ちょっとやわらかく聞こえますね。ただ、故意といのも強すぎる気がします。実際は、わざと事故を起こしたわけではなく、原発設備を完全に装備しておけば、事故を防ぐことは十分可能だったにもかかわらず、コスト削減と怠慢から事故が起こってしまったわけですよね。過失と故意の間の言葉で適当な言葉はないでしょうか。
> 多忙でなかなかコメントができなくてすみませんが簡単にコメントします。
>
> 「過失」というと法律の世界ではそれが「重過失」でないと罪に問われない場合が多いと思いますが、日本政府が犯した4つの過失は「過失」ではなくて「故意」ではないでしょうか。これは関係者がこの4つの「過失」を「知らずに」犯したのか少し考えればわかると思います。
>
> 以上
「過失」というと法律の世界ではそれが「重過失」でないと罪に問われない場合が多いと思いますが、日本政府が犯した4つの過失は「過失」ではなくて「故意」ではないでしょうか。これは関係者がこの4つの「過失」を「知らずに」犯したのか少し考えればわかると思います。
以上
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明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
補足説明ありがとうございました。もちろん、今回の事故は人災はもちろんのこと、過失としたら重過失ですね。単なる過失というのは、とても軽いものに聞こえますので、ブログ記事エントリーのタイトルを重過失に変更したいと思います。
よいお年をお迎えくださいね♪