2011.09.10 (Sat)
ふくいちライブカメラの謎の作業員を記者会見へ
そんなわけで、昨日はTwitterでつぶやいた通り、初クラスで緊張してエネルギーを使い果たしてしまったので、ブログをお休みさせていただいた。それにもかかわらず、いつも訪問してくださり、コメントを書いてくださる常連の読者のみなさまに心より感謝申し上げたい。
さてさて、約1週間前の8月28日に東京電力の福島第一原発のライブカメラの前で、作業服をきた男性が何やら怒ったような表情でカメラを指差しながらなにやら訴えていた動画が話題になったが、その後、彼が何を訴えたかったのかウェブ上で説明していたことがわかった。
【原発】謎の作業員?本人名乗りネット上で声明(11/09/09)
その作業員のウェブサイトを読んで、写真を見たりしていたら、福島第一原発作業員の大変さや苦しさがリアルに伝わってきた。作業中にこのような行為を行うことは決して褒められたことではないが、彼にとっては、作業員たちの労働条件を改善するために勇気を振り絞って起こした行動だと思う。
【More・・・】
自分の行動を説明した謎の作業員のウェブサイトよりhttp://pointatfuku1cam.nobody.jp/
9/9 園田政務官よりメール返信頂きました。このウェブサイトを確認したので、今後の対応協議されるそうです。

(クリックすると拡大↑)
フクイチカメラの設置場所

2011/8/30の東京電力 午後の記者会見において、指さしした作業員の特定は難しい、今後も調査する予定はないとの東京電力さんの答弁を事実と仮定した上で、私が特定されても東京電力さん及び元請け会社さんが私の所属した会社に対して制裁を加わることはないということが公式に発表されれば私は自信や当日の行動について公開します。このページ内の伏字(*)も明かします。(私は既に退社しております)
■このページの要点
・自分は会社と関係なくやったので会社に対する制裁措置は行わないようして欲しい
・労働条件の問題について政府と 東京電力さんには今一度取り組んでいただきたい
・指差しの意図は労働問題や観察することについて指摘したかったため
(中略)
■東京電力さん、及び政府の方を指さした意図と要望
東京電力さん及び政府の方々におかれましては、下請け会社への業務委託、全ての作業員の雇用状況の把握について現状の具体的な是正を望みます。
既に多く報道されております通り、 原発で働く人の中にはアウトローな領域とされる方々により手配された、止むに止まれぬ事情の方々が少なからずおられ、不当あるいは厳しい雇用条件の元、それを元請けに偽装しながら働いておられるという問題があります。
ハローワークに求人を出している会社でさえ、労働者の本当の契約先の実在を元請け会社が知らないということもあります。
過度な多重下請けは低賃金や保険未加入、 あるいは契約書を書いてもらえないといった待遇の問題として現れることは報道されるとおりだと思います。
加えまして瑣末ながら私の体験した事例を申し上げます。
私は滞在先の旅館において、同室のメンバーの勤務時間が昼夜バラバラだったこともあり、 深夜勤務の予定があるにも関わらず日中なかなか寝付けない日が何日かありました。
作業員は作業前に必ずその日の健康状態を規定の用紙に記入し提出します。 私は正直に4時間と書きましたが、目を離した隙に先輩に6時間と書き換えられました。
健康管理のできない作業員がいては会社の体裁上まずいという判断の上でのことかと思います。
また、現場で仕事をする時間が規定のもので あっても、新人の面倒や諸手続きを作業員が兼任し膨大な雑務に追われ1,2時間という少ない睡眠時間で仕事についたり車を運転するという事例もあります。
下請け企業が仕事を得るために競争すること、また少々の無理をしてもアピールすることで 元請け会社は低コストで高効率の仕事が得られますが、その構造の性質上小さな無理や弊害は上に報告されません。
随所でしわ寄せられるいくつかの弊害は非常時 においていつか重大な事故につながりかねないと危惧しています。
仮にこうした問題を会見で指摘されても東京電力さんとしては「調査します。」あるいは「そういうことのないよう協力会社にはお願いします。」としか言いようがないかもしれません。
そしてたいした報告は上がってこないでしょう。
多重に業務を委託した分だけ、都合の悪い部分を隠した報告が上がるのです。
こうした状況は正直に報告しない下請けばかりが悪いのではありません。
私は作業員個人や一協力会社に責任を問えば無くなる話だとは思えません。
締め付けを厳しくしても、安全対策にはつながりません。これは 私たちがJR福知山線の脱線事故から学ばなければならないことです。
弱い立場に対しては、仕事のための無理を隠さねばならない厳しさから解放すべきです。
多くの人のためにこの大事故を収束させねばならないという使命感だけでも大変ですから、下請けへ会社の社員には低待遇や雇用不安をプレッシャーとして課してはならない思います。
私はこの問題は雇用のシステム全体の問題として包括的に解決にあたるべきと考えております。
全員まとめて東京電力さんで雇いあげて欲しいところですが、どうしても無理だというなら、せめて全作業員の契約状況を書面で完全に把握してはいかがでしょうか(私は契約書は交わしていませんでした)。
そこに適正な賃金と保険が保障されているか。
そしてゆとりある待機人員の確保がなされているか作業シフトと人数と休日を把握してはいかがでしょうか。
本来協力会社に業務を委託するのは自社でできない専門性の高い業務を任せるためであり、管理業務を投げて責任から逃れるためではなかろうかと存じます。
事故は未だ予断は許さぬものの想定しうる最大限の危機を辛うじて免れている状態と理解しております。
管理業務や労働者のケアの不徹底が招くヒューマンエラーを防ぐことはこうした事故現場においては大事だと思います。
現場には全国から届けられた子供に書かせた寄せ書きの応援メッセージが、色紙や旗が、FAXやメールのコピーが、千羽鶴が、たくさん飾られています。
そうしたたくさんの声が「残酷な自己犠牲を強いる声」になってしまわぬよう、是非とも考えて欲しいところです。
また私の行為が誰にも咎められずに済んでしまった事実は例えば現状に不満を持つ者が現場に入り何か仕掛けたければいくらでも方法があることを示しています。
この点ばかりはどれだけセキュリティを強化しても厳しく締め上げても同じでしょう。
そうした不満など出ないまともな雇用環境を正す方がはるかに対策として妥当かと存じます。
マスメディアの皆さんには、私個人的には原発の労働状況については引き続き取材、質問していただきたい点です。
(後略)
元のライブカメラの映像:
2011.08.28 10:00-11:00 / ふくいちライブカメラ (Live Fukushima Nuclear Plant Cam)
よく週刊誌などには書かれていたが、原発で働く人の中にはヤクザなどが中間に入って作業員を手配しているというのは本当だったのか。どのような事情があるにせよ、命を懸けて働く作業員たちを過度な多重下請けで低賃金で働かせたり、保険未加入、あるいは契約書を保険もかけずに働かせてはならない。このウェブサイトを書いた謎の作業員もすでに被爆しているという。日本の政府、東電、下請け企業の常識が問われる問題だ。メディアは、この作業員を招いて記者会見し、福島第一原発での労働条件を改めて確認する必要があるのではないか。真実を知らずに改善はできないのだから。
参考記事:
福島第1原発ライブカメラに写り込んだ人物? ネットで名乗り出る 指さしの「意図」を説明
IT media ニュース 2011年09月08日 15時21分 更新
東京電力福島第1原子力発電所のネットライブカメラに8月下旬、防護服姿でカメラに向かって指をさす人が写り込んだが、その本人だという男性がネットに現れた。下請け作業員の雇用状況の改善を訴える意図があったという。
(後略)

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第三者調査委員会は、国民の側に立った真相解明を行うべき。
北海道電力:00年にも「やらせ」 泊3号機増設、住民に賛成意見促す - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20110910ddr041020005000c.html
北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)増設の賛否を巡り、泊村で00年に開かれた道主催の「道民のご意見を聴く会」で、北電社員が原発周辺の住民らに参加を要請していたことが9日、住民らへの取材で分かった。同3号機のプルサーマル計画を巡る08年のシンポジウムでも社員を動員していた「やらせ」問題が発覚しており、北電による多数派工作が常態化していた実態が浮き彫りになった。
「聴く会」は00年3月30日に開催。当初は99年秋に開かれる予定だったが、開催前に社員による賛成意見の多数派工作が発覚し、道が開催を延期していたが、半年後にも同様の工作が繰り返されたことになる。
(後略)
北電また「やらせ」…ご意見聴く会へ賛成要請 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110910-OYT1T00128.htm
北海道電力:やらせ指示 調査の中間報告「困難」 第三者委が初会合 /北海道 - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20110909ddlk01020236000c.html
第三者委員会は、九州電力の圧力に屈せずに真相解明を行うべき。
九電三者委報告 信頼回復につなぐはずが / 西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/262658
2011年9月10日 10:40
九州電力が設けた第三者委員会だが、その調査活動に九電が少々手を焼いているように見える。もうこれ以上の詮索は必要ないとでも言いたげに見える。
(中略)
知事との面談がなかったら、説明番組の話が出なかったら、やらせメール問題はなかった。外部から見ると、第三者委も九電の主張も大同小異に思える。むしろ、密談のようなことをしていた。その印象の方がもっとマイナスだろう。
中間報告は、経産省原子力安全・保安院が佐賀県に玄海原発の安全性を説明する様子を公開した5月17日のインターネット中継にも疑いの目を向けた。
佐賀県幹部が知事の希望として「書き込みをしてほしい」などと九電に「やらせ」を要請していた、と認定した。
これに対し、古川知事は幹部などへの聞き取りを基に、直ちに否定した。
委員会と九電の関係がぎくしゃくしたのは、九電に内部資料を廃棄する動きがあったからだ。8月9日に表面化した。
そもそも、九電は真相の徹底究明を求めていたのか。委員会設置で体裁を整える。そんな考えだったら第三者委の活動は行き過ぎ、予想外と感じるだろう。
(後略)
asahi.com通報に30分、揺らぐ信頼 川内原発ぼや-マイタウン鹿児島
http://mytown.asahi.com/kagoshima/news.php?k_id=47000001109100001