2011.08.24 (Wed)
カナダにも米国バージニア州M5.8地震の余波
そろそろ日本語のクラスが9月上旬に始まるので、このところその準備に忙しい。日本語のクラスはできるだけ毎年違った趣向でやろうと思っている。今年は、ただ日本語の文法や日本の文化を説明するのではなく、物語風な語りを多く取り入れながら教えたら、面白いのではないか。授業の中に語りを入れることによって、生徒との距離を縮めることができ、生徒を授業により深く引き込むことができ、学習項目をより長く記憶できるなど、数え切れないほどの多くの利点が研究によって明らかになっている。
今日は、その物語風な語りについてのセミナーが朝の8時半から夕方の4時まで大学であったので、参加してきた。2日間の無料セミナーで軽い朝食と昼食付きだ。お昼が済んで、午後のセミナーの第一部が終わり、ちょうど短い休憩をとろうとしていたときのこと。2時ごろだったと思うが、いきなり、すぐにビルの外に出るようにと指示するアナウンスがはいった。
少し前にも地下のカフェテリア(学食)で小火(ぼや)があり、真冬の寒い中、外に長い間出された経験があるので、また火事でも起こったのかと思ったら、バージニアで発生したマグニチュード(M)5.8の地震の余波がカナダまで来たようで、少し揺れたのだとか。
地震に敏感な私は全く気付かなかったくらだから、ごくわずかに揺れただけだと思う。おそらくマグニチュード2以下だろう。それなのに、セミナーは中断され、2時間もビルの中に入れなかったのだ。日本人がこの様子を見たら、思わず笑ってしまうだろう。

ビルの前に黄色いテープが張られ、中に入れないようにしたタワー
大学には3階建てのビルがほとんどだが、一つだけ13階の「シュモン・タワー」と呼ばれるビルがあり、そのビルが崩壊するのを恐れたそうだが、体で感知できないような揺れでどうやったらビルが崩壊するのか。あまりにも大袈裟な避難指示がでたので、あきれてしまった。おかげで、セミナーは途中で中止となり、みんな家に帰った。

タワーに近づけないように進入禁止にして道を塞ぐ白いトラック
日常、ほとんど地震を体験することのない米国では、今回初めて地震を体験した人も多く、M5.8の地震で、人々がパニックになるのもわからなくはない。ワシントンやニューヨークの空港、駅は一時閉鎖され、携帯電話が一時不通になったり一部地域で停電が発生したそうだ。米メディアは地震関連の報道一色に切り替わり、ワシントン市内ではホワイトハウス、連邦議会などの職員が私と同じように屋外に避難したとか。
気になるのが、米国の原子炉だが、米原子力規制委員会によると、震源近くのノースアナ原子力発電所の原子炉2基が運転を停止したそうだ。6つの州の12の原子炉で異常事態が生じたが、放射能漏れなどの事故はまだ報道されていない。やはり、米国も地震がないので、安心して莫大な数の原子炉を作ってきたが、今回の地震で、オバマ大統領も少しはあせったのではないか。やはり、私たちの想像を超える自然の力の下で、原子炉を稼動させるのはどんな国でも危険だと思った。
【More・・・】
地震:米東部でM5.8…大揺れ93年ぶり毎日新聞 2011年8月24日 10時57分(最終更新 8月24日 12時05分)
米首都ワシントンの中心街で地震に戸惑う人々=2011年8月23日、AP
【ワシントン白戸圭一】米東部バージニア州で23日午後1時51分(日本時間24日午前2時51分)、マグニチュード(M)5.8の地震が発生し、米東海岸の広い範囲で揺れを感じた。首都ワシントン市内などで建物の壁が壊れるなどの被害が出た。
米地質調査所によると、ワシントンで近郊を震源とする地震による一定の揺れを感じたのは、1918年以来93年ぶり。米国には日本のような震度階級制度は存在しないが、ワシントン市内の揺れは日本の震度3~4程度に感じられた。だが、住民の多くが生まれて初めて体験する地震に一時パニック状態となり、地震への備えのない米東部社会の脆弱(ぜいじゃく)さを浮き彫りにした。
同調査所によると、震源はワシントンの南西134キロで、震源の深さは約6キロ。
米原子力規制委員会によると、震源近くのノースアナ原子力発電所の原子炉2基が運転を停止した。また六つの州の12の原子炉で「通常と異なる現象」があったが、放射能漏れなどの事故は起きていないという。
ワシントンやニューヨークの空港、駅は一時閉鎖され、携帯電話が一時不通になったり一部地域で停電が発生した。米メディアは地震関連の報道一色に切り替わり、ワシントン市内ではホワイトハウス、連邦議会などの職員も屋外に避難した。ワシントン市内のオフィスビルから路上に避難したミシェル・キンケイドさん(26)は「恐怖で思わず叫び声を上げた。こんな体験は初めて」と興奮した様子で話した。
「爆弾テロかと思った」 ビジネスマン、地震で高層ビルから飛び出す NY
産経 2011.8.24 09:32
【ニューヨーク=黒沢潤】米東部で23日に発生した地震は、高層ビルが林立するニューヨークの市民をも不安に陥れた。
この街には、比較的大きな地震を経験したことのない人も多く、地震直後には、30、40階建ての高層ビルからビジネスマンらが次々と慌てて飛び出し、ビルの上部を不安げに見つめる姿もあった。
2001年の米中枢同時テロから来月でちょうど10年になることもあり、「大きな爆弾テロが発生したのかと思った」と語る女性(40)もいたが、地元テレビNY1は「総じて市民はパニックにならなかったようだ」と伝えた。
米地震で停止原発の非常電源1機故障 NRC「警戒」を宣言
産経 2011.8.24 12:50
ロイター通信などによると、米東海岸の地震で23日、バージニア州の震源から約20キロの距離にあるノースアナ原発で停電が発生、原子炉2基が運転を自動停止した。非常用電源で電力供給し原子炉の冷却を行っているが、4機の発電機のうち1機が故障、同原発は、米原子力規制委員会(NRC)の原発非常事態を示す4段階レベルで下から2番目の「警戒」を宣言した。
同原発の運転を担当する会社によると、原発はマグニチュード(M)6・2の地震に耐えられる設計になっているという。同日の地震はM5・8で、専門家からは「設計基準に気掛かりなほど近い」と安全性を懸念する声が出ている。
NRCは「原発は安全に停止し公共に被害が及ぶ危険はない」としている。しかし外部電源をいつ回復させられるのかは不明。(共同)
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