2011.07.29 (Fri)
民主党は、菅総理の不信任決議案を再提出するべき
一つだけ残念だったのは、通訳がいまいちだった点だ。通訳の女性が、あまり小沢氏の背景を知らない人だったらしく、ウォルフレン氏が、"case"と言ったときに、小沢氏のことを知っている人なら、「訴訟や裁判」のことを言っているとわかるのに、この通訳の場合、全く違う訳をして、上杉氏に訂正されていた。他にもあやふやな通訳をした部分が多数あり、英語が全くわからずに聞いている人にとってはいまひとつウォルフレン氏の言っていることが伝わりにくかったのではないかと思う。
自由報道協会主催だったので、通常、大手マスコミではほとんど報じられないため、神保記者が、大手マスコミに報道されるよう、「同じ会期内でも、不信任案は提出者と理由が違えば、一事不再議の原則に反するものではないはず。もう一度不信任案を出すことはないか。」とわざと気の利いた質問をしてくれた。すると、小沢氏は、それもありえると答えた。
ウィキペディアによると、一事不再議とは、会議体において一度議決・決定した事柄については再度審議することが否定されるとする原則のこと。同一事項が蒸し返されることにより、議事の効率的処理が妨げられることを防止するために認められており、会議体の合理的運営を目的とする原則である。
しかし、一事不再議の適用の原則の例外として事情変更の原則がある。事情変更の原則とは、契約締結時に前提とされた事情がその後変化し、元の契約どおりに履行させることが当事者間の公平に反する結果となる場合に、当事者は契約解除や契約内容の修正を請求しうるとする法原理をいう。
つまり、菅総理が辞任することを前提に行われた不信任案決議案の投票だが、その後、菅氏が辞任を否定したことから、事情が変更したことになる。そのため、例外として事情変更の原則が適用される。これまでに前例がないとは言え、その気さえあれば、今度は民主党が不信任案を提出し、事情変更の原則を用いて、菅氏を辞任に追い込むことは可能だ。
記者会見の終わりに小沢氏が、次期代表にふさわしい人物像として「菅さんでなければどなたでもいい」と語ると会場の笑いを誘った。そして、そのまま笑顔で会場を後にした。関連記事などと共に動画を紹介したい。
案の定、大手マスコミでこの日の小沢氏とウォルフレン氏の記者会見について報じたのは、菅を辞任させてなんとか自民党政権を取り戻したい産経、このところ原発批判に燃えている毎日、そして、なぜか時事通信でも短い記事が報道された。この会見で小沢氏に真っ向から主筆を否定された読売や菅直人の御用新聞社である朝日は完全にスルー。大手報道機関のわかりやすい動きが読めた。
110728 小沢一郎衆議院議員公開討論会および記者会見 1/2
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110728 小沢一郎衆議院議員公開討論会および記者会見 2/2
民主党:内閣不信任案再提出は可能…小沢元代表
毎日新聞 2011年7月29日 1時36分(最終更新 7月29日 9時54分)
民主党の小沢一郎元代表は28日、先月2日に衆院で否決された菅内閣不信任決議案について「不信任案は提出者と理由が違えば、一事不再議の原則に反するものではないということは憲法解釈上も多数論だ」と述べた。同じ議案を一国会で2度審議しない「一事不再議」の原則には当てはまらず、不信任案の再提出は可能との認識を示した。フリーのジャーナリストらが作る団体が主催する記者会見で表明した。【葛西大博】
小沢氏「菅さんでなければどなたでも」 退陣圧力加速へ
産経 2011.7.29 01:25
民主党の小沢一郎元代表が菅直人首相の退陣を見据えついに動き出した。政治資金問題で党員資格停止処分を受けてから表舞台に出ることを控えていたが、28日に記者会見を開き、首相を徹底批判した。盆明けに照準を合わせ退陣圧力を一気に加速させる構えだ。これに合わせ党内最大勢力を誇る小沢グループは「ポスト菅」候補の値踏みに本格的に着手し、政策の練り直しも開始した。狙うは主導権奪還だ。
「僕の常識では理解できない!」
小沢氏はフリー記者らでつくる「自由報道協会」主催の記者会見で首相がなかなか辞任しないことにあきれてみせた。
今国会では6月2日に内閣不信任案が否決されており、同じ国会で再提出するのは「一事不再議」の慣例で認められないとされる。だが、小沢氏は「不信任案は提出者と理由が違えば一事不再議に反するものではない」と強調し、再度提出された場合は賛成する可能性をちらつかせた。
側近たちも動き出した。旗印は「反増税」だ。
衆院当選1回の小沢系議員でつくる「真の政治主導を考える会」は28日、代表選出馬の準備を進める馬淵澄夫前国土交通相を招き勉強会を開いた。
「増税は瀕死(ひんし)の重症患者にバーベルを持ち上げさせるようなものだ」
首相の増税路線を批判した馬淵氏は会合後、記者団に「リーダーとして立った場合、どう考えるか検討していく使命がある」と述べ、代表選への強い決意を示した。出馬に必要な推薦者20人を集められるかが焦点だが、会合出席は小沢氏との連携を模索するのがねらいとみられる。馬淵氏の反増税路線は小沢氏と軌を一にしており「小沢氏は馬淵氏を推すのでないか」との臆測も流れている。
もっとも、会合の狙いは違うところにあると、中心メンバーの一人は明かす。
「攪乱(かくらん)作戦の一環だ。臆測を呼ぶために仕掛けたんだ。小沢グループが誰につくのか最後まで分からないようにもっていくのが俺たちの仕事だ」
小沢グループの中核「一新会」も「公約実行のための財源確保勉強会」を設立し初会合を開いた。参院小沢系も加わり出席者は約50人。ここでも批判の矛先は首相の増税路線に向いた。
小沢氏は足場固めにも余念がない。28日夜には1回生議員約10人と都内の洋風居酒屋に繰り出した。
「みんなで一致結束して頑張ろう!」
赤ワインを口にしながら気勢を上げる小沢氏。その姿はまるで「血の結束」を誓い合うかのようだった。小沢グループには有力候補はいないが、結束すれば「数の力」を発揮でき、党内主流派への返り咲きも可能となる。
小沢氏は代表選で誰を推すことになるのか。会見では「自分の責任で決断できる人。約束を守り、みんなが信頼できる人」と首相と正反対の人物像を挙げ、最後に不敵な笑みを浮かべながらこう語った。
「菅さんでなければどなたでもいい」(坂井広志)
小沢元代表、菅・岡田氏のマニフェスト不履行陳謝を痛烈批判「『間違ってました。さようなら』では全くの嘘つきになってしまう」 1/2ページ
NCN 2011年7月28日(木)21時26分配信
民主党の小沢一郎元代表は2011年7月28日に行われた自由報道協会主催の会見で、政権交代の原動力となった2009年の総選挙で民主党が掲げたマニフェストの不履行に関して、21日に岡田克也幹事長が、翌22日に菅直人首相が陳謝した件について、「(マニフェストを掲げて国民から)政権をもらった。100%やれとは国民の皆さんも思っていない。しかし約束したのだから、それを実現するための努力は一生懸命やるべきだ」と語った。さらに「『こんなこと間違ってました。さようなら』というのでは、これはもう全くの嘘つきになってしまう」と菅首相、岡田幹事長らを強く非難した。
また、次期総理の条件については「個別(政策)の話というよりも、自分自身の責任で決断できる人。それで約束を守る。もっと大きく言えば、みんなが信頼できる人」が次の日本のリーダーにふさわしいと述べた。
小沢氏、新党はつくらず「民主党が原点に帰るのがやりやすい」
NCN 2011年7月28日(木)19時55分配信
民主党の小沢一郎元代表は2011年7月28日、自由報道協会主催の記者会見に出席し、菅直人首相の進退ついて「岡田幹事長や執行部、その他の支持されている方も、『(菅首相が)お盆前にやめる』と言っているので、当面は見守る」と発言した。また、なぜ民主党を出て新党をつくらないのか? という質問に対しては、「最も効果的・効率的に考えれば、民主党が本来の原点に帰るのが一番やりやすい」と述べ、新党をつくらず、民主党が国民の信頼を取り戻すことが大事であると強調した。
小沢氏はこの日、『誰が小沢一郎を殺すのか?』の著者でオランダ人ジャーナリストのカレル・ヴァン・ウォルフレン氏と対談。原子力政策、菅首相、検察、そして金融などさまざまなテーマについて、日本人の特性と日本社会への見解を織り交ぜながら、語り合った。そして、その直後の記者会見で
「民主党への期待は地に落ちて、もはやこのままでは(次期)総選挙の惨敗は火を見るより明らか」
と現政権を批判。菅首相の進退問題については
「岡田幹事長や執行部、その他の支持されている方も、『(菅首相が)お盆前に辞める』と言っているようだ。辞めると言っているのに、辞めさせるのも変なので、当面は見守る。それも全然話が違って辞めないということであれば、それは民主党議員全員が深刻に考え、決断すべき」
と語った。その一方で
「震災という大危機、非常時のときは制度を変革する最大のチャンス。それをやり遂げれば国民の信頼は戻る」
と持論を述べ、地方分権システムの確立や、政治家主導の政治の実現を、今こそなすべきであると主張した。また記者からの「日本に危機感を持っているのになぜ民主党を出て新党をつくらないのか?」という質問に対しては、
「(衆議院の)過半数を取って初めて政策が実行できる。考えられる枠内で、最も効果的・効率的な方法を考えるとすれば、民主党が本来の原点に帰るというのが一番やりやすい」
と新党はつくらないことを明言。民主党が国民の信頼を取り戻すことを重視し、国家主導の迅速な原発事故対応や、マニフェスト継続の努力などが必要であると述べた。
(岩本義和)
菅降ろし「見守る」=新党結成は否定―小沢氏
(時事通信社 - 07月28日 21:05)
民主党の小沢一郎元代表は28日午後、フリー記者らでつくる「自由報道協会」主催の記者会見で、菅直人首相が辞任時期を明確にしないことに関し、「執行部や、菅さんを支持してきた方々が(首相は)辞めると言っているので、当面は見守る」と語った。同時に「国会は来月に閉じる。辞めるなら結構だが、辞めないならば民主党議員が意を決する時が来る」と述べ、8月末までの延長国会最終盤が焦点になるとの見方を強調した。
小沢氏は、次期代表にふさわしい人物像として「自分自身の責任で決断できる人。約束を守り、みんなが信頼できる人」と指摘。個別の名前には言及しなかったが、「菅さんでなければどなたでもいい」とも語った。自らが新党を結成する可能性については「今、考えているわけではない。最も効率的な方法は民主党が原点に返ることだ」と否定的な考えを示した。
小沢氏 “結束して退陣迫る”
NHK 7月29日 6時4分
民主党の小沢元代表は、ほぼ2か月ぶりに記者会見し、遅くともお盆明けには党内が結束して菅総理大臣に退陣を迫るべきだという考えを表明する一方、みずからに近い議員との会合を連日こなし、菅総理大臣の後継を選ぶ代表選挙に向けて、グループの結束固めに努めています。
小沢元代表は、菅内閣に対する不信任決議案が否決されて以降、ほぼ2か月ぶりに、28日、記者会見し、菅総理大臣の退陣について「岡田幹事長らが『お盆前に辞めろ』と言っているので、それを当面は見守ろうと思う。しかし、話が違って辞めないとなれば、民主党議員全員が深刻に考え、決断すべきだ」と述べ、遅くともお盆明けには党内が結束して退陣を迫るべきだという考えを表明しました。そして、内閣不信任決議案について、憲法解釈上は提出者と理由が異なれば同じ国会でも再度、提出することは可能だという認識を示し、退陣時期を明らかにしない菅総理大臣をけん制しました。一方で小沢氏は、このところ、みずからに近い議員との会合を精力的にこなしていて、28日夜も当選1回の衆議院議員13人を集め「ばらばらの動きをしても、1つの力になり得ない」と述べ、結束を呼びかけました。一連の動きについて、民主党の代表選挙でキャスティングボートを握ることがねらいではないかという見方がある一方、小沢氏に近い議員からは、菅総理大臣が直ちに退陣することはないという認識のもと、みずからが退陣に追い込む機会をうかがっているという見方も出ていて、小沢氏の動向に再び注目が集まりつつあります。

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・一時不裁議の例外である事情変更の法理の適用で内閣不信任案再提出
・内閣新任案を提出して否決
・一時不裁議は慣例であって明文化された法律ではないからもう一度内閣不信任案を提出
といった考察をコメントしましたが、その全てが日刊ゲンダイに紹介され、植草さんも内閣不信任案再提出が可能である旨指摘しました。ついに山が動く時が間近に来た感があります。
一昨日の日刊ゲンダイでは小鳩新党の結成が話題となっていましたが、これは菅下ろしに失敗した時の手段なのでしょう。
平成のジャコバン派菅政権を打倒し、今度こそ真の革命政権を樹立してほしいと切に願います。
以上
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