2011.07.16 (Sat)
菅総理のなんちゃって脱・原発宣言
しかし、実際は、ストレステストの実施も具体的な内容が明らかになる前に消えた。福島第一原発事故の現状に対しても、事態はますます悪化しているのにもかかわらず、収束に向けた動きも進んでいるなどと現状を偽って伝え、これまでの不手際を全て不安院のせいにして自分は何も悪いことはしていないという言い訳で国民を欺くための噴飯会見だった。
記者会見の質疑応答を最後まで見てみると、現在運転調整中の原発については、最終的には菅総理を含む4人の大臣で政治的に判断した上での再稼動をほのめかしている。原発を再稼動するかどうかは、国民の意見によって決定するものであり、首相を含めたアホな4人の大臣によって決められることではない。これは、まさしく脱・原発宣言を装った原発推進発言である。第一、脱・原発宣言にしては時期やその方法など具体的な内容は何一つ示されず、あまりにも現実性に欠ける。
おまけに、国民は菅氏の脱・原発宣言が政府と内閣の統一見解だとばかり思っていたら、翌日には、個人的な見解と一転して弱腰になってしまった。「信念」のしの字も持ち合わせていない男である。
耳障りのいいことばかり並べて国民を騙そうとしても、多くの国民は詐欺菅に騙されるほど馬鹿ではない。国民のヒーロー的存在である小出裕章教授もその嘘を全て暴いている。
2011-07-13 小出裕章・たね蒔きジャーナル7月13日
『晴天とら日和』「政治の世界は困ったものだ」by・小出裕章氏。で、ただいま「空き菅直人」のストレステスト中です。ご静粛にお願い致します。|ω・)ジーッ!!より
今日は夕方行われた菅総理の会見の中での発言について、ずっと聞いていたが、いろいろと「え?本当にそうなの?」と思うところがあったので、是非小出先生に伺いたい。まず、菅さんは、今の福島第一原発事故の状況について説明をしている時に、こんなふうに言った。「ステップ1はほぼ予定通りの日程で進んできている」
これは本当か?
(小出氏)(苦笑)とんでもない。
(アナ)やはりとんでもない話ですか?ステップ1というのは、何を目指していたのか?
(小出氏)安定的な冷却ではなかったでしょうか?
(アナ)そうですよね。安定的に冷却が出来ている状態を作るということ。ほぼ予定通りの日程で進んできているなんてことはとんでもないと。菅さんは、こうも言った。「冷却についても、小さいトラブルはあるが、大筋動き出していて、原子炉に対する安定的な汚染水を出さない冷却が可能になるなど、ステップ1が進んできている。」
まず、小さいトラブルがあるけど、大筋動き出している冷却システムという話、これは本当か?
(小出氏)私は菅総理は根本的に間違えていると思う。東電がこのシステムを始めに作った時は、原子炉の炉心系部分には半分まで水があるという前提でロードマップを作った。つまり、炉心はまだ圧力容器にちゃんと残っている。だから水さえ循環すれば、安定的な冷却ができる。そのために、冷温停止という言葉を私は使った。ところが、5月12日になって、実は炉心は全部溶けていたと言い出した。もうロードマップの前提自身が全くずれてしまっている。冷温停止なんているテクニカルタームはもう使えない状態になってしまっている。だから、安定的冷却もへったくれもないという状態になっている。
(アナ)冷却したかった、するべきものが、もうそこにはないという、この大前提を今も認めない状態の話だということですね。
(小出氏)私にはそう聞こえる。
(アナ)汚染水をださない冷却が可能になるというふうに、今日の会見であったが、どういう意味か?
(小出氏)私から見れば呆れた話。既に12万トンもの汚染水がコンクリートの構造物に溜まっていて、それが毎日漏れてしまっている、そういう状況。汚水の浄化設備が動いた動かないで大騒ぎをしているが、そんなことほとんど本質的に関係がないこと。
(アナ)大前提がもう違っているということですね。そして、更にこういう発言もあった。
「ステップ2を前倒しにすることで、これまで住んでいた地域の皆さんに元の場所に戻ってもらえるのかどうなのか、どこの地域の方が帰ってもらえるのかどうかということを、次第に具体化できる」 つまり、福島のみなさんにできるだけ帰ってもらえるような策をとるという意味だと思うが、これは、現実的か?
(小出氏)私ももちろん帰ってもらいたいと思うが、既に生じてしまっている汚染に関しては何の手の打ちようがないんので、ロードマップが出来ようが出来まいが、そんなことは何の関係もない。
(後略)
これまでもさんざん騙されてきた日本人で、詐欺菅によるなんちゃって脱・原発宣言を本気で信じる人などほとんどいないだろう。人の弱みにつけこんで延命を図ろうとする菅直人には、ほとほとあきれかえるばかりである。
【More・・・】
菅首相会見「原発に依存しない社会を目指すべきだと思うようになった」
首相官邸 【菅総理冒頭発言】
一昨日で、3月11日の大震災からちょうど4カ月目になりました。この間、大震災に対する復旧復興の歩み、被災者の皆さんにとっては、遅々として進まないという部分もあろうかと思いますけれども、内閣、自治体それぞれの立場で全力を挙げてまいっております。そうした中で仮設住宅の建設、あるいは瓦礫の処理など復旧の分野も着実に進むべきところは進んでまいっていると、そのように認識を致しております。そうした中で復興基本法が成立をし、6月28日に復興本部が立ち上がりました。
それに先立ちまして、6月25日には、復興構想会議の方から本格的な復興に向けての青写真となる提言をいただきました。いよいよこの提言を尊重して、基本方針に今月中にはまとめ、そして具体的な復興のための予算や、さらには必要な法制度の改正。こういったことに取り組んでまいることになります。また、1次補正で盛り込みきれなかった復旧に関する予算については今月15日には第2次補正予算として、国会に提出する予定になっております。こうした中、原子力事故に対しての収束に向けた動きも進んでおります。今月の19日にはステップ1を終了する予定となっております。ステップ1の終了について、この間の経緯をいろいろ聞いておりますけれども、ほぼ予定通りの日程で進んできている。このように聞いているところであります。
例えば循環注水冷却といったものも、いろいろと小さなトラブルはありますけれども、大筋動きだしておりまして、そういったことから原子炉に対する安定的な、そして汚染水を出さない冷却が可能になるなど、そうしたステップ1のプロセスが進んでまいっております。これが進んだ後には、ステップ2、3カ月から6カ月となっておりますけれども、できるだけ前倒しをすることによって、その地域の皆さんに、元々の生活をされてきた所に、どの段階で、どの範囲の方が帰っていただけるかと、こういったことについても次第に具体化をすることができると、このように考えております。
また、この原子力事故による損害賠償についても、支援機構の法案が国会に出されて、審議がスタートいたしております。さらには、この原子力事故を踏まえて、一層必要となる再生可能エネルギーを促進するための法案も、予定通りいけば明日から、国会での審議をしていただけると聞いております。こうした形で、原子力事故、さらには将来のエネルギーの新たな確保に向けての歩みも次第に進んでいるところであります。
そういった中で、原発、あるいはエネルギー政策について、私自身の考え方を少し明確に申し上げたいと思います。私自身、3月11日のこの原子力事故が起きて、それを経験するまでは原発については安全性を確認しながら活用していくと、こういう立場で政策を考え、また発言をしてまいりました。しかし、3月11日のこの大きな原子力事故を私自身体験をする中で、そのリスクの大きさ、例えば10キロ圏、20キロ圏から住んでおられる方に避難をしていただければならない。場合によっては、もっと広い範囲からの避難も最悪の場合は必要になったかもしれない。さらにはこの事故収束に当たっても、一定のところまではステップ1、ステップ2で進むことができると思いますが、最終的な廃炉といった形までたどり着くには5年10年、あるいはさらに長い期間を要するわけでありまして、そういったこの原子力事故のリスクの大きさということを考えたときに、これまで考えていた安全確保という考え方だけではもはや律することができない。そうした技術であるということを痛感をいたしました。
そういった中で、私としてはこれからの日本の原子力政策として、原発に依存しない社会を目指すべきと考えるに至りました。つまり計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現していく。これがこれから我が国が目指すべき方向だと、このように考えるに至りました。
しかしその一方で、国民の生活や産業にとって必要な電力を供給するということは、政府としての責務でもあります。国民の皆さん、そして企業に関わっておられる皆さんの理解と協力があれば、例えばこの夏においてもピーク時の節電、あるいは自家発電の活用などによって十分対応できると考えております。この点については、関係閣僚に具体的な電力供給の在り方について計画案をまとめるように既に指示を致しております。
これまで私が例えば浜岡原発の停止要請を行ったこと、あるいはストレステストの導入について指示をしたこと、こういったことは国民の皆さんの安全と安心という立場。そしてただ今申し上げた原子力についての基本的な考え方に沿って、一貫した考え方に基づいて行ってきたものであります。特に安全性をチェックする立場の保安院が現在原子力を推進する立場の経産省の中にあるという問題は、既に提出をしたIAEAに対する報告書の中でもこの分離が必要だということを述べており、経産大臣も含めて共通の認識になっているところであります。
そうした中で、私からのいろいろな指示が遅れるなどのことによって、ご迷惑をかけた点については申し訳ない、このように関係者の皆さんに改めてお詫びを申し上げたいと思っております。
以上、私のこの原発及び原子力に関する基本的な考え方を申し上げましたが、これからもこの基本的な考え方に沿って、現在の原子力行政の在り方の抜本改革、さらにはエネルギーの新たな再生可能エネルギーや省エネルギーに対してのより積極的な確保に向けての努力。こういったことについて、この一貫した考え方に基づいて是非推し進めてまいりたい。このことを申し上げておきたいと思います。
記者との質疑応答:
菅首相会見 原発再稼働「多少は指示が遅れたが、一番の問題は保安院」
【質疑応答】
(内閣広報官)
それでは、質疑に移ります。指名された方は、まず所属とお名前をおっしゃってから質問をお願いいたします。
平田さん、どうぞ。
(記者)
毎日新聞社の平田です。最初に内閣記者会の幹事社から質問をさせていただきます。
その前にひと言要望があるんですが、先週松本大臣の辞任の際に、記者会見を申し入れましたが応じていただけませんでした。総理がご多忙なのは重々承知しておりますが、様々な総理ご自身の言葉でご説明していただきたいこともたくさんあります。総理の都合のいい時だけ記者会見するという現状の改善は是非お願いしたいと思っております。それでは質問させていただきます。今回、玄海原発の再稼働を巡って、政府内の混乱が表面化しました。総理は在任中は原発の再稼働は認めないおつもりなのでしょうか。今年の冬や来年の夏の電力供給まで考えたとき、その見通しを具体的にどう考えてらっしゃるのでしょうか。また今回の対応について、先ほどお詫びの言葉をおっしゃられましたが、総理ご自身のリーダーシップの在り方についてどのように評価されているのでしょうか。ご説明お願いします。
(菅総理)
ただいま申し上げましたように、私の基本的な考え方は、今回の事故を踏まえて、従来の法律でいえば、例えば再稼働については、経産省に属する原子力安全・保安院が一定のこうすべきだということをいって、そしてそれを自ら審査をして、そして自ら判断をして、最終的には経産大臣の判断で行えるという形になっております。しかし今回のこの事故が防げなかった理由は、数多くありますけれども行政的にいえばこの原子力安全・保安院が、ある意味原子力政策を推し進める立場の経産省の中にあるということが、一つの大きなチェックが不十分な原因ではないかと、これは当初から強く各方面から指摘をされておりました。そういった基本的な問題意識を持っておりましたので、そのことについてはIAEAの報告書の中でも述べて、そしてそうした保安院を近い将来、少なくとも経産省からは切り離す、このことでは海江田大臣とも全く同じ認識を持っているところであります。
今回の問題について、私が多少指示が遅れた点はありますけれども、一番問題としたのは、そうした保安院だけで物事を進めていくことが、国民の皆さんにとって本当に理解を得られ、安心が得られるのか、この1点であります。そうした中で改めて私の方から関係大臣に指示をして、そうした国民の皆さまの立場に立っても理解なり納得が得られる、新しいルール、新しい関係者がどういう関係者かということも含めて、そういう新しいルールと判断の場を持ってどのようにすればいいかということを考えて欲しい、こういう指示を出しまして、先日官房長官からも皆さんにご報告をさせていただきましたけれども、統一的な見解を出すことになったわけであります。
そういった意味でいろいろとご指摘をいただいておりますけれども、私が申し上げているのは、まさに経産省の中にある原子力安全・保安院だけの判断で、こうした形をとることについて適切でないという、その認識から行ったもので、それ以外の理由は全くありません。見通しについて今ご質問をいただきました。見通しについては先ほども申し上げましたけれども、この夏、そしてこの冬、そして来年の夏、それぞれ現在、経産省、あるいは戦略室の方に私の方から、エネルギー需給の見通しなどについて、きちっとした資料、説明をするように、かなり以前から指示をし、一、二度説明を受けているところであります。
まだ最終的な形にはなっておりませんが、ピーク時の節電の協力など、そういう形を得られることをお願いをしなければなりませんが、そうすれば十分にこの夏、さらにはこの冬についての必要な電力供給は可能であるというのが、今、私の耳に入っている他の大臣等からの中間的な報告であります。そう遠くない時期にきちっとした計画をお示しをしたい、このように思っております。来年以降については若干時間がありますので、例えば天然ガスなどを活用した、そういう発電所といったものについてどのようにしていくのか、そういったことも含めて計画を立ててまいりたい、このように考えております。
(内閣広報官)
それでは、次の方どうぞ。
今市さん、どうぞ。
(記者)
TBSテレビの今市です。このところ各社の世論調査で、内閣支持率が2割を切っているという状況、結果が出ています。そして、そのいわゆるストレステストを巡る対応でもですね、与野党だけでなく閣内からも批判的な言葉が相次いでいて、総理の早期退陣を求める声が強まっております。総理ご自身の国会答弁でも、退陣、辞任という言葉を自分自身について使ったことはないというふうにおっしゃられたんですが、こうした状況の中で2割を切った支持率をどう受け止めていらしてですね、総理ご自身が、では退陣、辞任という言葉を使ってその意思を示すのはいつごろになるとお考えでいらっしゃるのか、それについてお伺いしたいと思います。
(菅総理)
世論調査を含めて国民の皆さまの意見というのは真摯に受け止めなければならない、私自身にいつもそのように思っております。そして今、原子力政策について、あるいは復旧、復興について、内閣として取り組まなければならないこと、取り組んでいることを申し上げましたが、そうしたことに全力を挙げていくということであります。既に6月2日の代議士会で申し上げ、また記者会見でも申し上げた私の進退に対する発言については、そうした発言の中で真意を申し上げていると思いますので、それをご参考にしていただきたいと思います。
(内閣広報官)
それでは、次の方。
それでは山口さん、どうぞ。
(記者)
NHK山口です。総理は将来的には、原発ゼロの社会を目指すとおっしゃられましたけれども、それを争点に衆議院の解散・総選挙はお考えにならないんでしょうか。
(菅総理)
原発ゼロという表現は、今日の某新聞の大きな見出しになっておりましたが、今私が申し上げた趣旨は、かなり共通してるかもしれませんけれども、私の表現で申し上げたのは、原発に依存しない社会を目指す、計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がない社会を実現する、そのように申し上げました。そしてエネルギー政策というのは、ある意味では社会の在り方そのものを決める極めて大きな政策でありますので、私は国民が最終的には、どういうエネルギーを、そしてどういう社会の在り方を選ぶか、これは当然国民が選択すべき大きな政策課題、政治課題だろうと、このように考えております。ただ私がですね、この問題で、解散をするとかしない、そういうことは一切考えておりません。
(内閣広報官)
それでは、外国のプレス。
坂巻さんどうぞ。
(記者)
ブルームバーグの坂巻と申します。熱中症の対応について伺います。今年は福島第1原発の事故と節電の影響で熱中症の患者が急増しております。6月に救急搬送された人は昨年の3倍。それに対して、厚生省はパンフレットなどを作っているようですが、更に踏み込んで具体的な国民へのアドバイス、あるいは対策を取るお考えはあるでしょうか。
(菅総理)
今年は割と早い段階から梅雨が明け、高い温度の地域が増えておりまして、高齢者の方などに熱中症によって体調を壊されたり、あるいは亡くなられる方が多いということは、本当に申し訳ないといいましょうか、注意をいただかなければならない問題だと思っております。また節電の取り組みを進める場合にも、熱中症になるようなことがないような、無理のない範囲での協力というものをお願いしたいと思います。そういった意味で、この問題についてはこの問題として、それぞれ厚生省であったり、あるいは他の機関かも知れませんが、十分に注意をする。あるいはどういう生活をすれば、あるいはどういう行動をすれば、熱中症に罹らないで済むかということについてのアドバイスをしっかりする。そのことには私からも関係閣僚にも検討及び指示をしてまいりたいと、こう思っております。
菅首相会見 脱原発「廃炉計画は中長期の展望で議論」
(内閣広報官)
それでは、次の方。
神保さん、どうぞ。
(記者)
ビデオニュースの神保です。総理は先ほど原子力安全・保安院が原発推進省庁の経産省の中にあるということで、そのままで評価をするというのは問題であるというお話をされました。それはもちろんごもっともだと思うんですが、もう一つ疑問なのは、その経産省が原発を推進する立場ということが、今総理がおっしゃった菅政権の立場と明らかに違っている点です。内閣総理大臣の権限や地位をもってしても、経産大臣を通じて本来は経産省を指揮・監督する立場にあると思いますが、その役所が、総理大臣の方針と違う方針を持っている省である、だからその傘下にある保安院の評価では不十分だというのは、その前提の部分でちょっと分からないところがある。なぜ経産省のその方針というのを、内閣総理大臣の権限をもってしても変えることができないのか、それを教えてください。
(菅総理)
例えばエネルギー基本計画というものがあります。この計画は経産省の中にあるエネルギー庁が一定の法律に基づいて作成を致しております。私はこの事故が起きたときに、このエネルギー基本計画、2030年には原子力による発電の比率を確か53%に高めるという内容でありましたが、それを白紙撤回をすると、そして白紙撤回の中で検討をすると。場合によったらこの検討は、従来通り経産省、エネルギー庁がやるべきなのか、例えば戦略室が行うべきなのか、現在戦略室でもこのエネルギーの在り方についての議論を行っておりますので、そうした従来の仕組みをそのまま全て受け入れていくということにはならないと思っております。
そういうことを前提として、今のご指摘でありますが、経産省の姿勢について私もいろいろな指示をしたり、あるいはいろいろな資料の説明を求めたりいたしているところでありますが、やはり行政というのは政策的なレベル、例えば予算案の決定とか、そういう形で動かせる比較的速い、何といいましょうかスピードを持って動かせる部分と、基本的な大きな政策を変えていくには、それなりの議論とあるいは理解が必要であり、そういう点では、今ご指摘がありましたように、全て私が考えたことが即座にそれぞれの役所の方針になるという仕組みにはなっておりません。
やはり一定の議論が内閣として、場合によっては与党として、場合によっては国会として、議論が必要になる。これから野党の皆さんも原子力政策について従来とはかなり、何といいましょうか、違う方向性を打ち出されておりますので、そういう中では従来の経産省の1つの考え方も、少なくともそうした議論の中で変更されることは十分にあり得ると、こう考えております。
(内閣広報官)
それでは、次の方。
松浦さん、どうぞ。
(記者)
共同通信の松浦です。先ほど脱原発、大変大きな目標を出されたと思うんですが、これは何年までにどのぐらい減らしていくのかという目標をまず明示すべきではないかということが1つと、もう1つ、その大きな目標に取り組むのは9月以降、菅総理なのか、それとも違う総理大臣なのか、ここをはっきりさせていただきたいんですが、その2点お願いします。
(菅総理)
私も割と先に先にものを考える方ではありますけれども、こういう大きな政策を進める上では、まずは基本的なところからきちっと積み上げていく必要があると思っております。先ほども申し上げましたけれども、まず現在の状況そのものが既に3月11日の事故を踏まえて、ご承知のように多くの原子力発電所は停止状態にあります。しかしそのことが、国民の生活やあるいは日本経済に大きな悪影響を及ぼさないために何をやるべきなのか、またそれのためにはどういう政策が必要なのか、そこをまずしっかりと、まずは計画を立ててまいりたい。このように考えております。
そして、原子力政策についていえば、現在存在している炉の中でも、かなり長い間運転を続けている、簡単にいえば古い炉もありますし、比較的新しい炉もあります。そういったことも含めて、どういう形で安全性を確保しながら、ある時期まではどの炉は安全性を確保して動かすけれども、しかしある時期が来れば古い炉は廃炉にしていくといった、そういった計画については、今後しっかりと中長期の展望を持って議論をし、計画を固めてまいりたい。
今私が具体的なところまで申し上げるのはあまりにも少し早過ぎるのではないかと思っております。ですから何月というようなこともいわれましたけれども、このエネルギー政策の転換というのは、やはりかなりの議論を必要といたしますので、今まさに国会においてもその議論が活発に行われているところでありますので、そういう議論も踏まえながら、私が責任を持っている間は私の段階でもちろんその議論、あるいは計画を、立案を進めますけれども、私の段階だけでそれが全てできると思っているわけではありません。
(内閣広報官)
時間が迫っておりますので最後の1問とさせていただきます。
それでは犬童さん、どうぞ。
(記者)
日本経済新聞の犬童です。先ほど原子力の依存を将来なくすということで、中長期の大きな政策の転換ということですけれども、やはりその退陣表明をされてもう1カ月過ぎましたが、退陣表明をされた後にこういった大きな政策転換を進めるというのはやっぱり無理があると思うんですね。やはり新しい方に譲って、その中でその政策転換を進めていくか、あるいはその退陣を撤回されて腰を据えて取り組むか、そうしないとなかなか前に進んでいかないという気もしますが、総理はどのように考えていらっしゃるかということと、もう1つ、細かな点でいうと原発を先ほど再稼働させる気があるのかという質問に直接お答えになっていないんですけれども、安全性が確認されれば再稼働させる気はあるんでしょうか。例えば今、調整運転している大飯、泊とか2つの原発がありますが、これについては営業運転という形に進めていくということなんでしょうか。お答えください。
(菅総理)
まず3月11日というこの大震災、そしてこの原子力事故としても日本にとって未曾有であり、本当に大きな事故を全国民が体験したのであります。そういう中に私がちょうど総理大臣という立場にいたわけでありますから、その立場でこの大きな事故を経験し、そしてそれを踏まえて、原子力政策の見直しを提起するのは、私は逆にその時代の総理としての責務ではないかと、このように思っております。また再開の問題について、先ほどのご質問と同じようなご質問をいただきましたが、私は何かこの全て、この炉はこうだからいいとか悪いとかという、そういう技術的、専門的なことを、もちろん全部判断できるわけではありませんし、する立場でもありません。
私が申し上げているのは、何度も申し上げましたけれども、例えば裁判所という手続きは、裁判官が国民から信用されているからその判決に従うべきということになるわけでありまして、そういう意味で現在の状況は、法律では保安院が単独でいろいろと基準を出して判断をしてもいいけれども、しかしそれは今のこの大きな事故があった中で、それが国民的に理解されるとは私は思えないわけです。
ですからそういう国民の皆さんから見ても、このしっかりした形であればきちっとした判断ができるという、そういう形を作ってもらうために1つの統一見解を出していただきましたので、そういった統一見解に基づいて、きちっとした形での項目に沿った判断がなされて、そしてその判断が妥当なものだと、最終的には先日の4人、私を含む4人の大臣で、政治的にはその4人で最後は判断しようということで合意をしておりますけれども、そういう専門的な立場の皆さんのきちんとした提起があれば、そしてそれが大丈夫ということであれば、4人の中で合意をして稼働を認める、そのことは十分に有り得ることです。
(内閣広報官)
それでは、これで総理会見を終わります。どうもご協力、大変ありがとうございました。

にほんブログ村 政治ブログ
このエントリーは、
『国民の生活が第一 - トラックバック・ピープル』
http://member.blogpeople.net/tback/10888
『民主党 - トラックバック・ピープル』
http://member.blogpeople.net/tback/09160
にトラックバックしています。
【政権交代】を実現させたブロガーリスト
- 関連記事
今のところ唯一国民に真実を伝えてくださっている小出教授が、政府がいまだに嘘をつき続けているのを暴露されていますね。そのうち、小出教授を失脚させるような動き(すでにコメント欄に小出教授を悪者に仕立て上げようとする魂胆みえみえのメッセージが届いています。)が出てくるかもしれませんが、国民がみんなで小出教授を守っていかなければならないと思います。
相変わらず、のらりくらりと菅総理は、嘘をつき続けてますね。
もう呆れてものも言えません。
うちの父は、「菅さんは、8月までは居座るんじゃねーか。原爆記念日にテレビで映りたいから」
といい、母は、「あと一年くらいやりたいんじゃないの?」と言ってました。
二人とも、あーあうんざりという感じでした。
民の心が離れても、総理でいたいとは恐れいります。
脱原発も居座るための嘘だと思うと悔しいです。
半月前から、被曝のような症状が出て体調を崩していたので、気が弱くなってるのかもしれませんが、パフォーマンスのために首相の座にしがみついてるなんて滑稽だと思わずにいられません。
首相は、辞任詐欺をやめてきちんと辞任してお遍路にでも行ってほしいです。
最初は延命寺と聞いてます。
国民のために、願のひとつでもかけてほしいです。
経済産業省は、旧通商産業省時代から半世紀近くも
ほぼ切れ間無く東京電力などの電力会社への天下りを行っている。
日本の代表的な電力会社である東京電力については、
1962年に石原武夫・元次官が東電の取締役に
就任し副社長などを歴任したのが始まり、
その後も、増田実・元資源エネルギー庁長官(1981年 - 1989年)、
川崎弘・元資源エネルギー庁次長(1991年 - 1999年)、
白川進・元資源エネルギー庁次長(2000年 - 2010年)と、
いった調子で、ほぼ切れ目なく天下りで取締役のポストを得てきた。
その結果、東電6人の副社長ポストのうち1人分は
「経産省OBの指定席」などと見なされる始末だった。
このような天下りによる癒着は東京電力に限らず、
他の電力会社でも起きているという。
本来、原子力発電の安全性を審査する役目を担うはずの組織として
原子力安全・保安院が存在してはいるが、
この保安院は経済産業省の下部組織であるので、
上部組織の経産省が天下りによって電力会社と癒着したことで、
原子力安全・保安院の機能も損なわれてきたと見なされている。
2011年に行われた経済産業省の調査によると、
経済産業省から電力会社への天下りが過去50年間で
68人あったとの調査結果を発表した。
このうちの13人は現在も顧問や役員などの肩書で勤務しているために、
監督官庁である経産省とのこのような緊密な関係は原子力発電所の
安全基準のチェックを甘くさせるなどの弊害などがあるとも指摘されている
(ただし、沖縄電力には原子力発電所は存在しない)。
この調査では経産省(前身の通商産業省、商工省を含む)の
元職員で、再就職先で常勤の役員か顧問だった人物を対象とされた。
天下りの人数
北海道電力 - 5人
東北電力 - 7人
東京電力 - 5人
北陸電力 - 6人
中部電力 - 5人
関西電力 - 8人
中国電力 - 3人
四国電力 - 4人
九州電力 - 7人
沖縄電力 - 4人
日本原子力発電 - 8人
電源開発 - 6人
はじめまして。
菅総理、ほんとうに口先だけで“いい格好”して、中身はスッカラ菅ですね。
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
匿名掲示板に、福島県双葉町が補助金目当てに
原発を積極的に誘致していたことが書きこまれています。
ちなみに福島県は核燃料税として年に44億円を東京電力から徴収していたようです。
原発停止で税44億円見込めず、福島県が苦慮
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110420-OYT1T00024.htm
福島原発
東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故に伴い、
第一、第二原発の原子炉全10基が停止していることで、
福島県が2011年度当初予算に計上した44億7000万円の
核燃料税の収入が全く見込めない状況になっている。
核燃料税は定期検査の際、燃料を原子炉に装てんした時点で課税され、
事業者の東電が納税する。事故で燃料の出し入れができないため、
税収はゼロとなるのが確実で、県は「原発事故の対応で出費がかさみ、
核燃料税が入らなければダブルパンチだ」と苦慮している。
核燃料税は、主に原発周辺地域の安全・防災対策を目的としており、
2010年度の当初予算では44億3000万円を計上、
7割にあたる31億円は県が放射線測定や防災ヘリコプターの維持、
避難用の道路整備、被曝(ひばく)医療を担う
県立医大病院の運営などの費用に充てている。
残る3割の13億3000万円は地元の
楢葉、富岡、大熊、双葉の各町と周辺の6市町村に
交付金として配分されている。
原発誘致した所全部補助金目当てで安全、安心の事は何も考えていません。