2011.06.01 (Wed)
内閣不信任案同調への波
自民、公明両党が一両日中にも菅内閣への内閣不信任決議案を衆院に提出する中、民主党の小沢一郎元代表に近い50人超の衆院議員が賛成する意向を固めたという。小沢派の議員はたしか、100人以上いたはずなのに、その半数が小沢氏の意向を無視し、目先の利益や権力に負けてしまったのか。嘆かわしいことだ。 これまで小沢氏と歩調を合わせてきた鳩山由紀夫前首相も、これまで菅政権を批判してきたにもかかわらず、今のところ、はっきりと内閣不信任決議案に同調するとは言っておらず、決議案を可決させるために必要な民主党票の78議席に達するかどうかわからない状態だ。
少し前に、フェイスブックのお友達になっていただいた原口一博前総務相は、党が分裂するのは本望ではないので、党内融和を図るために両院議員総会の開催を執行部に求めたが、執行部は一向に両院議員総会を開こうとしないため、最後の手段としての内閣不信任案への賛成を示唆している。
フェイスブックには、原口一博を応援する会もあり、100名以上の方が原口議員を応援している。小沢氏が次期総理になられたら、小沢氏を手となり足となって支えて欲しい人が原口議員だ。裁判などの事情で小沢氏が総理になるのが難しい場合は、裁判の終わるまでの間、原口氏に総理になっていただきたい。
植草一秀の『知られざる真実』の植草さんが、これまでにも何度か菅首相が辞任すべき理由を述べられているが、とてもわかりやすくまとめてあったので、彼の今日のブログから引用させていただく。
菅首相が不信任案を突き付けられている理由は、
①原発事故発生への対応で致命的な誤りを示し、原発事故を重大させるとともに、最重要課題である国民の生命と健康を守る行動を怠ったこと。より正確に言えば、情報の隠ぺいにより、多数の国民を大量被ばくの犠牲者にしてしまったことである。
②震災・原発事故を受けて、政府が全力をあげて取り組むべき課題は総合経済対策の策定だが、これを先送りし、さらに、大増税を盛り込もうとしていること。主権者国民の意思を踏みにじる行動である。
③今回の原発事故の発生原因を「異常に巨大な天災地変である」と認定していないにもかかわらず、原発事故損害賠償責任を東電に求めず、一般国民に転嫁する東電救済策を提示したこと
これらが、震災・原発事故発生後の管内閣の対応の誤りであり、内閣不信任を突きつけられて当然の失態である。
震災・原発事故以前の問題として次の三点を示すことができる。
④菅直人氏が政治資金規正法違反の行為を取ったことが明らかにされたことである。捜査当局は菅氏を直ちに取り調べる必要があるが、政治的配慮から適正捜査が行われていない。
⑤菅直人氏が民主党の本来の主流派を党内政治で排除していること、および、2009年8月総選挙で主権者国民と約束した政権公約を片端から破棄し続けていること。民主主義の根幹を踏みにじる行動を示している。
⑥菅首相は2010年7月11日の参院選を菅内閣に対する信任投票であると位置付けた。その参院選で民主党は大敗した。したがって、菅内閣は不信任を突き付けられたわけで、本来、菅直人氏は昨年7月に辞任していなければならなかったこと。
これだけの事由が整っているのだから、菅氏は首相を辞任するべきである。これが憲政の常道である。
国民の7割は菅氏の退陣を求めている。
国難の時期であるからこそ、主権者国民の意思を正しく反映するリーダーが日本復興の先頭に立つべきである。リーダー不適格者がこの国家の命運を分ける時期の日本を先導することは許されない。
菅政権への内閣不信任決議案めぐり 民主党(11/05/31)
不信任決議案が可決されたら、この民主党を貶めた執行部や内閣閣僚たちから、ただちに民主党の党員資格を剥奪するべきだ。そして、一刻も早く小沢氏中心の内閣を作り、福島第一原発事故の情報の透明化、事故の収束、被災者への義援金配布、被災地復興に向けての対策などを速やかに行うべきだ。問題解決能力が全くない菅内閣不信任案同調への大きな波を期待したい。
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参考記事:不信任案、小沢氏系50人超が賛成意向 執行部締め付け
朝日 2011年6月1日5時0分
自民、公明両党が一両日中にも衆院に提出する方針の菅政権への内閣不信任決議案に対し、民主党の小沢一郎元代表に近い50人超の衆院議員が賛成する意向を固めた。朝日新聞の取材でわかった。小沢氏系議員らは中間派議員にも同調を求める一方、党執行部は締め付けを強めている。菅直人首相も31日夜、鳩山由紀夫前首相と約2時間会談し、不信任案否決に理解を求めた。
内閣不信任案は、横路孝弘議長と欠員の1人を除く478人が採決に臨んだ場合、可決には、社民党を除く野党と、民主党から78人の賛成が必要だ。ただ、採決を欠席する意向の議員も数人程度いるため、その動向次第で可決ラインは変わる。現段階の約50人の賛成だけでは可決に達しないが、大量に造反議員が出ることで、首相の政権基盤が一層弱体化することは確実だ。
今回の取材では、与党の民主、国民新の両党と与党系無所属議員計314人のうち、首相や民主党執行部に近い96人を除く218人を対象とした。このうち150人には本人に不信任案の賛否を尋ねた。原則実名での回答を求めたが、大半は匿名との条件付きでしか答えなかった。他の16人は最近の発言を精査するなどして判断した。
31日夜時点の取材によると、166人のうち、不信任案に「賛成する」としたのは53人。小沢氏に近い議員や小沢グループに属する議員が大半だ。小沢氏側近の松木謙公氏は「予算関連法案を通してもらうかわりに首相を辞めるべきだ。辞めないなら不信任案に賛成する」と明言した。
一方、不信任案反対は62人。うち小沢氏系でも4人が反対を表明した。51人が賛否を明確にしなかった。
壊し屋」小沢氏、最後の賭け 不信任案、同調の動き 失敗すれば、離党覚悟
産経 2011.6.1 07:38
民主党の小沢一郎元代表(69)が内閣不信任案同調に向け、突き進んでいる。成功すれば菅直人首相を総辞職に追い込み、半年以上にわたる政争にピリオドを打つことができるが、失敗すれば離党を覚悟するしかない。平成5年6月、「政治改革」をめぐる攻防の末、宮沢喜一内閣の不信任案に同調して18年。つねに政界を揺るがしてきた「壊し屋」は最後の賭けに出るのか-。(加納宏幸)
◇
年齢・公判…焦り
小沢氏は31日夜、側近の平野貞夫元参院議員と都内の中華料理店で会談、宮沢内閣不信任当時の思い出話に花を咲かせた。菅内閣の不信任案採決に向け情勢分析をしたとみられるが、小沢氏は記者団の「同調するのか」との質問を無視し、車に乗り込んだ。
これに先立ち、小沢氏支持の衆院中堅・若手グループ「一新会」(約40人)は会合を開き、小沢氏が決起を促すことに期待したが、結局は姿を見せることはなかった。
「首相の自発的な辞任が望ましい。そうならないのならば不信任案に賛成するしかない」
小沢氏は5月30日午後、衆院第1議員会館に羽田孜元首相(党最高顧問)を訪ねた。平成5年の不信任案に同調し、自民党を離党したかつての同志。旧新進党でたもとを分かったが羽田氏は民主党入りした小沢氏の「理解者」だった。
小沢氏は不信任案同調に理解を求めたが、羽田氏は頑として首を縦に振らなかった。「党を割ってはいけない」。羽田氏は小沢氏の「壊し屋」の顔を見るのが嫌だったのかもしれない。
小沢氏には焦りがある。5月24日に69歳の誕生日を迎えた。体力にも衰えを感じている。何より、政治資金規正法違反罪で強制起訴され公判を控える。「これが最後のチャンス」と考えているかにみえる。
しかも東日本大震災や、東京電力福島第1原発事故への菅首相の対応はあまりに稚拙だ。お膝元である東北地方の危機を目の当たりにし「黙っているわけにはいかない」との思いを強めたようだ。
チルドレン及び腰
「原発の状況はますます悪くなっている。今動かなければ、皆さんは今の政治に関わった政治家として、将来非難されることになるんだぞ!」
小沢氏は5月30日、一新会幹部に切々とこう訴えた。それでも首相の解散風に恐れをなし、自らが手塩にかけ育て上げた若手議員でさえ不信任案同調に及び腰だ。中間派はさらに慎重で、首相への不満はあるが「小沢色」が強まることを嫌う議員も少なくない。
これを意識してか、小沢氏は「党内が穏便に収まるよう努力する」とも語る。そんな小沢氏の焦りと迷いを感じ取った渡部恒三最高顧問は5月30日、小沢氏とひそかに会い自制を求めた。
だが、今回の不信任案は、自民党分裂、新進党解党、自自公連立の解消-と破壊を続けた「壊し屋」人生の集大成でもある。小沢氏の決意は固かった。渡部氏はあきらめきれない顔つきでこう漏らした。
「みんなで苦労して政権を取ったんだ。小沢君がまた『壊し屋』と書かれることがないよう説得する…」
「僕にも覚悟ある」民主・原口氏、賛成を示唆
産経 2011.6.1 09:06
民主党の原口一博前総務相は1日午前のTBSの番組で、党内融和を図るために両院議員総会を開催するべきだと主張した上で、同日中に提出される内閣不信任決議案への対応について「どうしても(執行部が)両院総会を開かないのなら僕にも覚悟がある。明日になったら覚悟ある行動をしたい」と述べ、内閣不信任案への賛成を示唆した。
不信任案が否決された場合には「そのときは(造反議員が)新党をつくって政界再編という形になる。(造反議員が)民主党に残るのは、政党人としては理屈にあわない」とも指摘した。
首相「小沢切り」決意、小沢系は新党結成も視野
(2011年6月1日06時54分 読売新聞)
菅首相は内閣不信任決議案をめぐる民主党内の対立を機に、小沢一郎元代表との決別も辞さない構えだ。
「小沢切り」で子ども手当など政権公約(マニフェスト)見直しへの異論を封じ込め、財政再建などに道筋を付けたい考えと見られる。一方、元代表支持グループの議員らは不信任案賛成後の新党結成も視野に同調を呼び掛けており、対立は一層激化してきた。
「危機の中、次の段階まできちんとつないでいくのが自分の役目だと考えているので、その義務を果たしていく覚悟だ」
菅首相は31日の衆院東日本大震災復興特別委員会で、野党の退陣要求を改めて拒否した。
民主党執行部は不信任案への同調者を最小限に抑え込み、否決に持ち込む方針だ。党所属議員が不信任案に賛成したり、採決を欠席したりした場合は、除籍(除名)処分など厳しい措置で臨む。平田健二参院幹事長は31日の記者会見で「党の規約に従って厳正にやったらいい」と強調した。
首相は、昨年の代表選で小沢元代表と一騎打ちを演じて以来、仙谷由人代表代行(官房副長官)らとともに「脱小沢」路線を進めてきた。しかし、マニフェスト見直しや消費税率引き上げを含む社会保障と税の一体改革には、元代表グループなどが強く反発してきた。首相周辺には「追い出せばスッキリする」と、元代表らが不信任案に同調することを歓迎する声すらある。
ただ、大量の造反者が出れば、政権の不安定化は避けられない。

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【政権交代】を実現させたブロガーリスト
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福島第1原発を認可したのは自民党だ。自分達の責任をどう取るつもりか。
立法府に居る議員のすることは早急に必要な法律を作ることである。
金権政治はもう沢山だ。
「逮捕逃れの解散総選挙」
菅は総理大臣を辞めたら即逮捕される。それを先延ばしにするために解散総選挙を必ず選択する。
そして新年早々からいつでも無免許犯罪政治内閣不信任案を提出できたのに今に至ってもまだ自分で不信任案提出しない小沢氏は、新党を作っても有効な反菅反小泉政策を出せず民主党の駄目イメージを拭えず菅もろとも選挙で敗れ去るだろう。離党のタイミングが遅すぎた。1月に離党しとけば勝てたのにね。
もっとも、昨年の菅内閣発足以来内閣不信任案を出すことだけが存在意義だった野党小泉詐欺師手下集団も、いままで不信任案出さなかったんだから菅犯罪政治の共犯者という点では与党議員よりも情状的に犯意悪質かもしれないね。
菅は選挙で落選しても新内閣が発足するまでは首相の地位にとどまれるので、選挙期間中は選挙運動そっちのけでその間に首相権限と不逮捕特権を利用して自分の犯行の証拠隠滅工作に精を出すだろう。約1ヶ月の間菅の動きに注目だね。
でも結局は逃げ切れない。なぜなら福島原発事故の重大刑事犯罪の共犯者である東電と保安院の両者がかならず訴追され有罪となり、菅内閣との証拠隠滅工作共謀を自白供述するからである。
犯罪者同士の信頼関係などもろいものだからね。総理でなくなったらただの犯罪者である菅くず直人の保身のために共謀して証拠隠滅した犯行を黙っておいてやる義理などこれっぽちもないわけだ。ましてや保安院をトカゲの尻尾切りにして憲法テロリスト集団霞ヶ関本体の闇権力を守りたい人事院にしてみれば、菅を逮捕させて世間の注目をそちらへ集めてなんとか逃げ切りたいだろうからね。
菅はアメリカスパイ霞ヶ関の思う壺にはまらないためには、地位協定破棄動議を不信任案提出にぶつけて可決させれば、霞ヶ関の闇権力を無力化することができる。米軍の治外法権がなくなればスパイの後ろ盾がなくなるからね。
まあ窮鼠猫を咬むと面白いんだけどな。空き缶だからそこまで頭が回らないか、やっぱし。
とりあえず東電と保安院を整備不良原発運転してメルトダウンの重大事故を起こした刑事重過失犯だから国会に関係なく逮捕、ね。
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小沢新党結成も止むを得ない選択かも・管内閣は「国民の生活」破壊の政策推進
それで、人々には、行き着く先の新しい社会に想いを寄せる習慣がない。
だから、政治問題に関心がなく、その解決策にも関心がない。
「指導者は、何もしないのが最大の貢献である」とか、「指導者には、いますぐ辞めてもらいたい」といったものばかりが考えとなる。
現在の指導者を助けて長持ちさせ、改革の効率を少しなりとも上げるといった考え方はない。
より良い指導者を推薦することもなく、より良い政策を提案する能力もない。国民に対して未来に関する選択肢は与えられていない。
どうして現在の指導者を退陣に追い込むかに頭を使っている人が大勢いる。
問題解決の能力はないが、事態を台無しにするだけの力を持った人がいる。
それで、各首相の政治生命は結果的に甚だ短い。
http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812