2011.05.20 (Fri)
日本政府の隠匿体質
しかし、今日の時事の報道によると、3月12日朝に首相が第1原発を視察する前に、長く公表されなかったSpeediの予測図を放射性物質の流れを知るために利用した可能性があるという。つまり、政府は、128億円もの税金で開発されたSpeediの放射性物質拡散予測図を、国民を放射性物質から守り、避難させるために使ったのではなく、首相の身の安全のためだけに使ったようだ。
オリーブニュースの資料によると、3月15日に2号機が爆発した後、かなり広範囲にわたって高濃度の放射線物質が拡散された様子が伺える。このとき、Speediの情報が公開されていたら、国民も事の重大さを理解して、ただちに避難できただろうが、どのくらいの放射線物質がどこまで拡散したかが政府によって隠匿されていたため、知らずに被曝した人も多くいるだろう。
政府は、福島第一原発事故後、ずっとSpeediデータをリアルタイムで持っていたにもかかわらず、国民がパニックに陥ることを恐れてこの重要な情報を隠していた。もしこれが事実なら、政府の隠匿行為は殺人と同等の犯罪である。たとえ、政府が情報を隠そうとしても、それを国民に公開させるのが、首相の役目である。そして、福島第一原発事故直後に、原子力村からの攻撃などものともせず、原発の全廃を明確に宣言するのが、国民から信頼、尊敬される首相というものである。
菅首相は、どうか。政府の原発事故情報の隠匿に手を貸し、国民の安全は無視して自分の安全のことだけを考える。本来なら、国民から石を投げられて当然の人物が、いまだに首相の地位にしがみつき、のうのうと暮らしている。日本国民はどこまでお人よしなのか。政治家でも、菅首相に面と向かって早期退陣を求めているのは、小沢一郎氏と西岡武夫参院議長くらいしかいないというのもまたなさけない。野党も腰抜けばかりで、指をくわえてみているだけ。こんなことだから、日本の政治家は国民から信用されないのだ。
そんな中で、京大原子炉実験所の小出裕章教授が、5月23日(月)に参議院の行政監視委員会に、孫正義氏、後藤政志氏、石橋克彦氏と共に招かれているという。政府のこれまでの隠匿体質を批判し、ぜひ、真実を追究していただきたい。
【More・・・】
菅首相視察前、官邸に予測図=放射性物質の流れ確認?
(時事 2011/05/19-22:16)
東京電力福島第1原発事故の発生直後の3月12日未明、放射性物質が原発の海側に向かうことを示す「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(SPEEDI)の予測図が首相官邸に届けられていたことが19日、分かった。民主党の川内博史衆院科学技術特別委員長や政府関係者が明らかにした。
川内氏らによると、予測図は3月12日午前1時12分、経済産業省原子力安全・保安院からファクスで送信された。第1原発1号機で格納容器の蒸気を外部に放出する「ベント」を行った場合、同3時から同6時までの間、放射性物質が全て海に向かうことを示す内容だった。
3月12日朝に首相は第1原発を視察。SPEEDIの予測図は住民には長く公表されなかったものの、首相の視察前に放射性物質の流れを知るため利用されたのではないかとの疑念の声もある。川内氏は「首相はSPEEDIを自分のために使い、住民のためには使わなかったのではないか」と話している。
【小佐古教授が泣きながら訴えた国家犯罪の核心】
(オリーヴニュース 2011/05/17 18:30)
政府が、何を隠そうとしたのかその真実の一部が明らかになりつつある。
資料1は、3月15日に爆発した2号機のSPEEDIによる拡散予測図の爆発直後のものである。
2号機から放出されたと見られる膨大な放射性物質は、その後風向きを北西方向に変え、現在の飯舘村方向に広域汚染をもたらした。
最大の問題は、右図の新聞切抜きの赤線部分記事をお読み頂きたい。
そこでは、原子力安全委員会が3月15日のSPEEDIの拡散予測値を知りながら、直ちにこの情報が公開されることは無かったとされている。
その後わずか2点の拡散予測図が3月23日(8日後=i-131半減期8.04日)に公開されたがその他の予測値が公開されたのは事故から2ヶ月以上経過した5月3日の連休中であった。
しかしそこには伏せられた根拠と見られる重要な予測情報が含まれていた。
資料2は、4月中旬にNHK「朝イチ」の報道をキャプチャされたものとのことで画面に一瞬表示されたらしい。
テロップには、3月「16日に計算されていた」と流れている。
つまりこのSPEEDIの拡散予測値は、2号機の爆発が起きた翌日に既に政府では既知のことであったことが窺える。
放射性物質の拡散予測図、事故直後に2000枚作成 公表は2枚
(産経 2011.4.19 18:58)
放射性物質の拡散を予測する国の「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」で、東京電力福島第1原子力発電所事故後に2000枚以上の拡散試算図が作成されていたことが18日、分かった。SPEEDIは原発事故時の避難対策などに活用することになっているが、所管する原子力安全委員会が公表したのはわずか2枚だけ。
開発、運用には約128億円の予算が投じられたが“本番”でほとんど使われず、国の情報発信の姿勢や防災計画の実効性が問われそうだ。
安全委がSPEEDIの拡散試算図を公表したのは、3月23日と4月11日。福島県飯舘村など原発の北西方向を中心に、屋内退避区域の30キロ圏の外側でも、外部被曝(ひばく)の積算値が1ミリシーベルトを超えたなどとの内容だった。
これら2回の公表は、避難や屋内退避の区域が設定されたり、農産物から放射性物質が検出され出荷制限がなされたりした後だった。安全委は、予測に必要な原子炉の圧力や温度、放射性物質の放出量といった放出源情報を入手できず、事故前の想定通りに拡散予測はできなかったと強調していた。しかし、文部科学省がSPEEDIの運用を委託する原子力安全技術センター(東京)によると、風向、降雨といった気象や放射性物質の放出量など、さまざまな仮定の条件に基づいた試算を繰り返している。ほかにも事故直後から1時間ごとに、その時点で放射性物質が1ベクレル放出されたと仮定して3時間後の拡散を予測。作成した拡散試算図は、2000枚以上になるという。

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Tags : 福島第一原発事故 |
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とくに、何でもアケスケに語る美爾依さんには、まったく解せないことでしょうね。
かつて、「政権交代したら情報公開を徹底する」とか言っていた岡田氏。それをやり抜くほどの「原理主義者」なのだろうと期待したら、「原理主義者」=「ただ狭量なだけ」でした。
空き菅の場合、「本当のことがバレたら責められるから」という前に、そもそも人を騙すことを何とも思っていないのでしょう。自分が生き延びるための正当な手段だと思っているフシがある。映画「プライベート・ライアン」に出て来る卑劣極まりないドイツ兵と同じです。このドイツ兵は、最後には騙した相手に撃ち殺されましたが。
日本政府は、放射能汚染水の海洋放出が米国の命令だったことも隠していましたが、それをバラした平田オリザ氏は、一転して発言撤回してしまいました。平田氏はもう一度会見すべきではないのか-「撤回は本意ではない。日本政府からの強い圧力があった」と。
まあ、そう言わずとも、もう国民は分かっている。だからこそ、昨夜のテレビ朝日「報道ステーション」に米国の対日工作員=ジェラルド・カーティス氏が出てきました。「米国は、こんなにも日本の皆さんのことを気遣っているのですよ」と。
「ニッポン研究40年」は伊達じゃない。日本の国民感情をよく把握していて、「カァーチスは、いいこと言うなァ」と、しっかり印象付けることに成功してました。その上で狙っている結論に持っていくのです。
これは、竹中ヘイゾーに散々見せられた手法ですが、ヘイゾーほどマヌケじゃないかもしれない。
それで植草氏もいち早く注意喚起されているのだと思います。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/g-5da2.html
しかし、古舘伊知郎氏も相槌打つだけでなく、「カーティスさんが日本政府にズケズケ言うように、例えば寺島実郎氏などが米国の大手テレビに出て、米政府に『ああしろ、こうしろ』と言うことはできますか?」と訊くべきではないのか。
経産省職員は全員福島事故原発原子炉から100メートル以内での作業員として再配置
とする法律をつくらない議員は次回選挙で落選させろ!
>経産省、東京新聞を出入り禁止へ
http://momovip656.blog33.fc2.com/blog-entry-1857.html
日本ってほんと、中国以下だよね
こんな腐りきった国を一新できないなんて
国民もどんだけ腐りきってるんだか
これで自民党に票入れるようではもうこの国民はこのまま絶滅だね
●ジェラルド・カーティス氏は一見優しい語り口だからかえってこわい!
ライジング・サン(甦る日本)様の記事より
http://m.ameba.jp/m/blogArticle.do?unm=kriubist&articleId=10579295902&guid=ON
を検索し、知識を整理していたらなんと植草さんが私と殆ど同じ思考をして記事を作っていたので何故かうれしくなってしまいました。
他には上記記事で引用されているCIAのWIKIの記述も参照し、米国の世界支配を支える役割を担っているCIAについても確認してみましたが、2つ注目した点があります。
1.CIAの手先として利用されていることに気付いていない要員がいる
2.イランなどの反米国家ではCIAはテロ組織とみなされている。
ということです。9.11テロを米国の自作自演でなくCIAの情報収集力が事前に及ばなかった為としている点は引っ掛かりますが、あのWIKIにしては結構書いているなと思ってみました。
改めてCIAの手口は日本の公安警察と似ており、公安警察はCIAと繋がりがあることを思い知らされます。
ジェラルド・カーティス氏は果たしてCIAの手先として行動していることを自覚しているのでしょうか。もし自覚しているとしたら日本人妻をどういう気持ちでめとり、一緒に暮らしてきたのでしょう。
昨日の報道ステーションでは被災地に赴き、被災者に対していかにも同情と共感を示すような表情をカーティス氏は見せていました。カーティス氏に対する事前の情報を持ち合わせていない視聴者は多分学者肌の優しそうなお爺さんと見てしまうでしょう。マスメディアのこの演出の凄さには驚きます。
原発事故の処理にもカーティス氏は菅政権に何か裏で影響を与えているのでしょうか。現政権を支える強力な力が悪徳ペンタゴンから加えられているのは間違いないと思います。西岡参院議長以外の議員、とりわけ小沢さんが菅総理の退陣をあまり強硬にやらないのもそういう力が影で働いているからではないかと思います。
CIAがテロ組織という認識は日本でも持たないと本当に危ないと思います。既にドイツでは不当に誘拐・監禁を行ったCIA要員を国際指名手配したとの話もありました。日本もその位の道理を示せなくては。もっとも今の公安警察では絶対無理でしょうが。何しろCIAと従属的な協力関係にあるのだから。
2CHなどでは既に書き込みに対する規制が強化されているらしく、「植草一秀」や「副島隆彦」を含むコメントを書き込みしたら規制にかかって書き込みが成立しなくなるのではなく、書き込み完了のメッセージが出ながら、書き込みがなされないという怪現象が報告されているのです。真の政権交代に対する悪徳ペンタゴンの妨害は常人の予想をはるかに超えるほど凄まじいものがあります。
ところで武田教授と小出助教が相次いで原発関連の新刊書を出版されているようです(下記)。
原発大崩壊! 第2のフクシマは日本中にある
武田邦彦/著
出版社名:ベストセラーズ
出版年月:2011年5月
税込価格:840円
http://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/4584123292
放射能汚染の現実を超えて
小出裕章/著
出版社名:河出書房新社
出版年月:2011年5月
税込価格:1,365円
http://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/4309245528
読み終えた段階でネットに充分に出てこない情報があれば報告したいと思います。
以上
http://www.asahi.com/national/update/0514/TKY201105140193.html
浜岡5号機、炉内流入の海水は約5トンに
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110518-OYT1T01302.htm
静岡県御前崎市の中部電力浜岡原子力発電所5号機で、
運転停止作業中に原子炉に流入した海水量が約5トンに上ることが18日、分かった。
タービンを回す水蒸気を水に戻す「復水器」の配管が何らかの理由で破損し、
配管内の海水が流入した疑いが強く、
経済産業省原子力安全・保安院は配管の傷が予想以上に大きいとみて、
中部電に詳しい原因調査を求める方針だ。
復水器内に漏れ出た海水量は400トンに上ることが判明しているが、
中部電が原子炉内の冷却水に混入した不純物の量を分析した結果、
炉内に流入した海水は5トンに達する可能性が高いことが分かった。
同社は異常に気づいた14日夕、復水器から原子炉へ給水するポンプを停止したが、
それ以前に原子炉内に海水が浸入してしまったらしい。
復水器内の古くなった配管に傷が生じた例は、
過去にも他の原発であるが、
浜岡原発5号機は2005年に運転を始めた比較的新しい原発だ。
中部電は配管計約2万1000本を対象に破損部を特定する調査を始めたが、
破損の詳しい原因はわかっていない。
原発事故は人間の能力の限界を超えました。
小出裕章氏は教授ではなく助教です。
教授、準教授の次が助教でかつては助手と呼ばれてました。
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原発事故所感その12~愚かな「東電詣で」と原発反対派の脆弱なレトリック
以前もangrybearさんから同じご指摘をいただきましたが、こちらのコメント欄にも書いた通り、
http://blog40.fc2.com/control.php?mode=control&process=comment&rno=18471
私は尊敬の念を込めて、教授と呼ばせていただいております。