2006.09.03 (Sun)
道州制導入と誹謗・中傷を再考する
道州制導入、3年で道筋 安倍氏が表明 Flash24 (2006年 9月 3日)
安倍晋三官房長官は2日午後、自民党総裁選に向け松山市で開かれた党四国ブロック大会の討論会で、後継首相になった場合の道州制導入に関し「次の任期中に骨格を決めるのが第1弾だ」と述べ、党総裁として1期目の任期である3年間で道筋を付けたいとの意向を表明した。
道州制は、都道府県を廃止して「道」や「州」の広域自治体に再編、国から権限や税財源を移す構想で、首相の諮問機関の地方制度調査会が今年2月に「導入が適当」と答申。竹中平蔵総務相も7月末、「3年以内にいつ導入できるかめどを付けたい」との考えを示している。
安倍氏は、これまでも道州制導入に積極的な姿勢を示しており、1日発表した政権構想にも地方分権に向けた道州制ビジョンの策定が盛り込まれている。討論会で安倍氏は「道州制は国から大幅に権限を移譲する大改革だ。今はそれぞれのイメージがあり、まずそれを統一する。焦ってはいけない」と指摘した。
ただ、これも説明不足で、国民に不安を与えるだけのものになってしまっている。これだけ読むとついに日本もアメリカのようにカタカナ州制度を適用するのかもしれないとか、いまよりももっと大雑把に全国10州くらいに分けられて、地方のサービスももっと雑になるのかとか、「きっこのブログ」でも話題になっていたが、じゃ、日本でオリンピックが開催される頃には東京都が東京州になってしまうのだろうとか、いろいろな憶測をめぐらせてしまうのは、私だけではないだろう。政府としては、こういった新しい政策をメディアに発表する前に、もう少し詳しく説明する準備を整えなくてはならない。
なぜこのように変えることになったのか、具体的には、どうして国から権限や税財源を広域
話はクルリンパと変わって、おとといの記事の続きになるが、このところ、誹謗・中傷の意味について再考する機会を与えられた。誹謗・中傷は心理的なものであり、ただ辞書にこう書いてあるからと言って、書き手側が誹謗・中傷ではないと言っても、受け取った側がそう受け取れる場合もあるということだが、ただここで見落とされているのは、その内容だ。具体例はYannisさんのコメントの一部を引用させていただこう。
こんにちは。どうも残念な事態になってしまっていますね。まずはテッサロニケ氏にとって。
以下の引用文を見る限り、彼の問題となっている記事の続編、これは氏御自身の名誉のためにも書かれるべきではなかった。
(引用はじめ)
それが善意の批判か悪意の誹謗中傷かどうかを判断するのは、まずは誹謗中傷(批判)を受けた側であって、誹謗中傷(批判)を発した側ではない。今回の場合、最初にそれが誹謗中傷かどうかを判断するのは(受け手の)安倍晋三であり、そして最終的には第三者である裁判所が審決する。…(中略)… 誹謗中傷を正当な批判であるとして正当化する論法は、侵略戦争を防衛戦争だとして正当化する右翼の詭弁とよく似ている。それが侵略戦争であったかどうかは、まずは侵略を受けた側の中国の人々が判断する問題なのであって、戦争を仕掛けた日本の判断や定義が普遍的に妥当し通用するものではない。
(引用終わり)
確かにここには真理は含まれています。つまり被害というものは被害者がそれを感じ取り、被害を受けたと判断するものであって、加害者がそれを規定するものではない、ということです。しかしその被害の内容が問題だということがこの記事から抜け落ちているように思います。一方はある程度は、あるいはかなり真実をついている批判を(少し茶化した感じの批判を)受けた事がその「被害」、片方は40年近くも文化を圧殺されたり、あるいは十数年も国土を戦場とされたり、また一つの都市で何万人か何十万人かが虐殺されたしたことが「被害」です。一方は真実が明るみにでれば、「被害者」が反論出来なくなる「被害」、もう一方は「加害者」が反論出来なくなる「被害」ですね。
どうもテッサロニケ氏は仰るところの「誹謗中傷」が完全悪とするあまり、完全悪としての「戦争」をアナロジカルに引き合いに出し(ここまでは論理的には正しく見えます)、ついで不適切な例を挙げてしまったようですね。安倍晋三氏に見る日本の右傾化を憂いていたり、実際に日本の占領政策や戦争で自分や家族が犠牲になった中国人や韓国人がこの記事を見たら何と思うでしょうか。中国や韓国に友人が多いであろう氏にはこのような記事は書いて欲しくありませんでした。まあこんな意見は感情的に聞こえるかもしれませんね。
又、誹謗・中傷というのは、全く根拠もなく相手を貶め傷つけることであり、少しでもその理由があるのであれば、誹謗・中傷とは呼ばれない。ある不快な出来事があって相手に対して文句を言ったりする場合は、非難(相手をとがめること)と呼ぶのが正しいだろう。非難される側も、自分がなぜされるのかという根本的なところを考えることもなしに、ただ非難する相手にむかって「誹謗・中傷するな」と言っても逆効果である。もし、自分に何の非もないのに非難されているとしたら、それを正々堂々と相手に伝えるべきではないだろうか。それもせずに非難を誹謗・中傷と呼ぶのはおかしいだろう。
非難する側にも理由があるから非難しているのであって、非難される側もその理由は何なのかを考えて反省することがなければ、問題は一向に解決に向かわず、同じ非難がいつまでも繰り返されるばかりである。多くの者は、過去に心理的に傷つけられて相手を非難するのであり、それを理解しようとせずに非難を誹謗・中傷とすりかえるようでは、人格を疑われてもジンジャエールじゃないか。そういった過去の事件や問題を知らない読者のメールをもって自分の意見として代弁するのも全く意味がないことだ。
又、そこに書かれていることは、次のように全く違う2つのことが同じものとしてとらえられており、理解しがたい文章になっている。
1.「日本の侵略戦争」と「個人(本人)に向けての誹謗・中傷」といっしょくたにしている。
2.「悪政を司ると見られる一国の総理候補への批判」と「一ブロガーである自分への誹謗・中傷」を混同している。
3.「国の平和を願って有志が寝る間も惜しんで書いている批判記事」と「思想が違うというだけで個人を罵倒するネットウヨの落書き」と一緒にしている。
誹謗・中傷は相手に心理的ダメージを与えるものだが、少なくとも、安倍NDにTBされた批判記事は、安倍晋三にとっては新しい政権を構想する上で一般国民の意見としてかなり参考になっていると思う。それをうまく利用するかしないかは安倍自身に委ねられているのであり、私たちは、ただ日本の平和を願って書き続けるだけである。どうしてこれを誹謗・中傷などと呼べるのだろうか?
本人からリクエストがあったこともあり、今日で権力側に媚を売るブログのリンクをはずすことにした。そのブログを訪問することはこれ以後2度とないだろう。
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- 危険な安倍の政権公約 (2006/09/02)
- TBSが安倍の政治生命を傷つけたって? (2006/07/26)
どうしても通りません^^;;
同じエントリについて
コメントさせていただきました。
また後日、試してみます。
セクハラやパワハラとおんなじで、受けた側の気持ちですよね。
今回の記事はコピペより、minieさんのご意見が多かったようですね。
話し変わって
私や大津留さんが同時並行で取り組み中の「藤原紀香さんを護憲の共同候補に!」というサイバー上の運動はどう思いますか?
ありとあらゆる残虐な犯罪を起こしています、元刑事さんがおっしゃるには現在の日本はちょっとした紛争が
おこっておられるらしいのです、これは非常に憂慮すべきであり、すでにチャイニーズマフィア200万人は日本を手に入れようとすでに大量の組員を忍ばせております
これが今のかりそめの平和に隠された真の事実なのです
理屈ぬきに現代の日本はまずいことになっております
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ブログで悩まない為に コメントTB削除、利用制限、禁止こそ義務
計画されていた9・11――主要メディアに見られる200以上もの「決定的証拠」【永久保存版】(1)
安倍ソーリ肝いりの『共謀罪』『米務省』、再始動 @アメリカの"下請け"自衛軍による軍事費拡大 と 不都合な言論の抹殺
緊急提言! ネットでの暴力から言論の自由を守るために。潰されるのも覚悟です!(笑)
計画されていた9・11――主要メディアに見られる200以上もの「決定的証拠」【永久保存版】(1)
拝啓 今回も愚見を大きく取り上げて下さり有り難うございます。御礼申し上げます。
美爾依様が始めた運動、次第に大きくなっていくのは結構なことですが、幾らか問題も出てきているように思います。僭越ながら指摘させて下さい。
1.他者に学ぶ姿勢の点でやや問題があること。
2.長期的な戦略やそのための工夫が今ひとつ感じられないこと。
1.についてですが、今回の問題でわかったことはどうもブロガー同士の反目があった際に、その後はお互いに背を向け、全く後の対話のチャンネルを残そうとしないことです。以前のコメントでは問題となったブログについて彼は私の中でパージされているというようなお言葉があり、(僭越ながら引用致せば)御自身のお言葉でも「そのブログを訪問することはこれ以後2度とないだろう」というのがあります。つまり相互に(時には一方的に)「破門」するがごとき言葉が少なくないのは残念です。お互いに背を向け合い、後は一顧だにしないという断絶宣告は格好いいようですが、互いに大きな損失です。
1.i)まず相互断絶は大きな目標へ向けての大同団結には全く益しません。自明の理です。
1.ii) これは2.にも関わります。相互断絶は、これも当然ですが、相互に戦略を学ぶ道を断じるでしょう。
(例えばかのブログにはinformativeにして、かつ社会と政治、歴史について洞察とアイディア豊かな記事が多かった訳ですし(小生などは「学恩」すら今でも感じています)、これからも学ぶべき点があるかもしれません。例えば最近では「護憲勢力は慶応商学部の有名教授からマーケティングを学べ」という記事は従来の左翼の「手作り情宣」方法の問題点を指摘し一考に値します。かのブログが一顧だにされなくなる程、裏にどのような事情があるかわかりませんので私の発言も慎重にならざるを得ませんが。)
さて2.についてですが、長期戦略、計画的戦略が美爾依様や皆様におありでしょうか。またTBやコメントを互いにやりとりして次第に周囲を巻き込み、だんだんと運動を大きくして行くというより他の方法論をお持ちでしょうか。無論それは皆様がブロガーであられる以上、ネット空間でまずなすべき正攻法でしょう。しかし以上のような考察すべき点が残ります。
2.i)長期戦略の必要性について;美爾依様もまた他の何人かの皆様も御指摘のように、殆ど「消化試合」と化した感のある自民党総裁選から真の山場は来年7月の参院選へ移っていますし、そうするとこの運動は長丁場になります。例えばいつまでに何をし、その効果がどれ位見込めるか、これ位だったらある方向をプッシュする、それが達成不可能だったら別のことを用意する、など一応のロードマップが無く、TBとコメント交換のみでは中だるみしないでしょうか。仮に安倍政権が来期国会などで矢継ぎ早に様々な法案を出してくることが考えられますが、それに一々対処する(これは勿論大切な事です)のみで終わるのではないでしょうか。来年7月の参院選へ向けてのロードマップは御自身らが今どの地点にいるかを明らかにするでしょう。
2.ii) 多様な方法の必要性:小生は現在でも本当に中高年の人たちがどれほどネットに接続し、その上社会問題ブログや政治ブログなどを多数閲読するか疑問に思っています。前回総選挙の際、公的意見形成の牽引車としてのネットが注目を浴びましたが、それも政権与党やマスコミが下駄を履かせた結果なのか、本当にネットを見ただけ与党に投票するという行動に駆立てられた人がどれだけいたか、納得出来る論説文に未だ出会っていません。(何か御教示頂けたら幸いに存じます。)
2.ii)-a)そのため一つ賭けですが、ネットの海から皆さんが浮上してみることも必要ではないかと思います。(以下のブログに興味深い提案がなされています。それは一般庶民の情報源としての「口コミ」に注目し、これを政権交代のための一助として利用しようではないかというものです。
http://spring.livedoor.biz/archives/50718427.html
一考に値します。しかし「デマをとばした」と言われやすいのが大きな難点かもしれません。) 何らかの機会にネット署名運動をしてそれをプリントアウトして各政党本部へ出すとか、何かの政党や候補者(すでにネットの世界から参院選に一人、自治体議員選に一人候補者が出ているのは周知の通り)を応援するためのネット上募金とか、色々考えられると思います。
2.ii)-b)ネットのヴァーチャル空間から浮上するのと同時に本来のネット空間での仕事を充実させることも必要です。安倍政権批判の論陣を張っている評論家、学者(例えば森田実氏や山口二郎氏など)、さらに有力ブロガーにコンタクトを出来るだけつけ、支持表明を頂いたり、情報を交換することです。(この点、かのSTKはやり方がうまかったと思います。一応それ専用のページも立ち上げ、何人かの評論家の支持表明もあり、一時期はネット界でまずまず注目されたのではないでしょうか。ここから学ぶことも必要です。)
2.ii)-c) すでに苦戦が囁かれる参院選で安倍政権は乾坤一擲、国民の安全を守る事をたてに憲法改正に打って出るとする観測(これもその指摘はかのブロガーの方や、最近では他の方々もしています)、あるいは「安全問題」を大々的に取り上げ選挙を有利に運ぶという観測がちらほらと出ています。この問題は真剣に考え、情報と対処のアイディア交換が絶対必要でしょう。これは昨年の衆院選に学ぶ点です。つまり踏み絵を踏ませる論法(「郵政民営化か改革後退か」「国民の安全かその放棄か」)への対処を今から練っておかねばならないおちうことです。
最後に二点申し上げます。一つには大きな目標に向かうには、誰からでも有用なものは学び取るという姿勢が大事で、誰某が言っているからカテゴリカルに駄目、A氏は誰某とのつながりがあるからつながりを断つとするのは損失しか生まないということです。ここで批判や非難された方が皆様にとって真の敵とは決して思いませんが、「敵を知り己れを知れば」の精神は何においても有用でしょう。
もう一つ、以上のような提案は、ブログすら開設していない小生にとって心苦しいのですが、現在日本は本当に昨年の衆院解散以来、ずっと国難にあるという思いがあり(北朝鮮のミサイル実験などこれに比べれば国難でなく、その効果音でしかありません)、そのためにまた長文をしたためた訳です。今後の運動の進め方の御参考になれば幸甚です。
美爾依様ほか皆様のますますの御活躍を祈念してやみません。どうぞ御自愛下さいますよう。(当分は長いコメントは自制する必要がありそうですね。失礼しました。)
敬具