2011.02.28 (Mon)
小沢派議員は、予算案の採決で造反し、新党を結成するしかない
菅ファシズム内閣が、会派離脱を表明した16人の議員たちに、予算案の採決で造反した場合、処分するぞと脅しをかけてきた。すでに、16人の1人、水野智彦氏を衆院予算委員会からはずし、柳田和己氏に差し替えたという。
「会派離脱組」差し替え=衆院予算委メンバー―民主
(時事通信社 - 02月28日 11:03)
民主党は28日、衆院予算委員会の同党委員について、水野智彦氏から柳田和己氏に差し替えた。水野氏は、2011年度予算案などへの造反をちらつかせて会派離脱を表明した同党議員16人の1人。水野氏が「都合により予算委員会に出られない」と申し入れてきたという。
民主党は、予算案の採決で造反しないよう、16人の説得を続けている。斎藤勁国対委員長代理は28日午前の記者会見で、「欠席や棄権も処分対象になるか」との質問に、「当然そうでしょう」と述べた。同時に「全員出席して賛成(票)を投じるのが、与党メンバーの取るべき対応だ。信じて疑わない」とも語った。
民主党菅内閣としては、本日28日の衆院予算委員会と衆院本会議で11年度予算案を可決し、同日中に参院に送付したいようだけど、野党は中井洽予算委員長と川端達夫議院運営委員長の解任決議案を提出し抵抗、また、民主党会派の離脱を表明した16議員の予算案への対応も予算案の可決に大きな影響を与えそうだ。
一方の民主党執行部どもは、なんとしてでも、予算を成立させたいようで、そのためには、手段を選ばない状況になってきた。しかし、会派離脱組16人は当然、「除名も覚悟の上」であり、視界には新党結成も入っているようだ。『時事通信』によれば、小沢氏を支持する衆院当選1回議員による「北辰会」内からも「国民との約束を本当に守れているのか疑問を感じる」(黒田雄氏)と同調をほのめかす声があるとか。
これに対し、当選2~4回の「一新会」では模様ながめの空気が漂い、小沢派の間にも歩調の乱れが見受けられるようだ。小沢氏が政権交代を実現させ、与党になった民主党だから、本来は、菅内閣執行部こそが離党するべきだ。だから、なぜ離れなければならないのかという気持ちはわかる。けれども、ここまで国民の信頼を失った民主党にいつまで居残って模様ながめをしていても、いずれにせよ、次期総選挙ではほとんどの議員が落選するだろう。だから、河村氏率いる『減税日本』を中心とした新党を結成し、なるべく早く民主党に見切りをつけたほうがいい。
JMM『村上龍、金融経済の専門家たちに聞く』で、「予算案、予算関連法案から何を読み取るべきか」という質問にたいして、経済評論家の津田栄氏がとてもまっとうな回答をしていらっしゃったので、ここに紹介したい。民主党を離れるかどうか迷っている議員にぜひ読んでいただきたいと思う。
【More・・・】
今の菅政権は、誰から見てもポリシーやビジョンがあるように見えないのではないでしょうか。菅首相の言葉は、国会答弁を聞くと、ただただ予算案と予算関連法案を通してほしいの一点張りで、そこからポリシー、ビジョンがどこにも感じられません。そもそも菅首相自身が、これまでポリシーやビジョンを持ったことがなく、ただ現状に反対し、いかに相手を負かすかに終始してきただけなのではないかと思います。それは菅首相が市民運動家を出発点にしてきたことから窺えるといえましょう。
菅政権の予算は、子ども手当などのバラマキ、そのための財源として霞が関埋蔵金の取り崩しと国債の大量発行と、前年度と大きな変化がなく、予算と関連法案が成立したときに、どういった利益を国民にもたらすのか、またどういった日本を目指しているのかを示していません。そして国民は、少子高齢化、人口減少が進行するなかで膨らみ続ける社会保障費をどのように食い止め、一方デフレをいかに解消し、また穀物価格の上昇に加えて、中東民主化の動きで原油などの資源価格も急騰し、先行き経済に影を落とし始めているなかで、どうしたら国民の不安を和らげ、経済の安定をはかるのかを、説明してほしいのに、それに応えずにいるということは、ほとんど、特に経済に対して何もビジョンを持っていないということです。
ところで、ビジョンがなければ、そのもとでの行動規範に当たる理念もなく、またそれに基づいたポリシーもないことになり、あってもその場限りのものとなってしまい、ポリシーは読み取れません。今振り返ると、一昨年政権交代で掲げたマニフェストを見ると、無駄の排除による財源確保、子ども手当や農業者戸別補償などのバラマキというのが民主党が掲げたポリシーということになりますが、それが現実的ではなかった、あるいは現実にするために実行する覚悟がなかったために、今や内容の後退・修正、削除あるいは大幅な変更を悪気もなくいとも簡単に行い、民主党内の対立・分裂につながっています。それは、どういった日本にしたいのか、国民の心を響かせる日本の未来図は何かというビジョンがないから、ポリシーであるマニフェストを簡単に変えてしまうのではないでしょうか。
そして、今や、菅首相は、マニフェストの修正とともに、税と社会保障の一体的な改革という抽象的な言葉に拘り、その結果として日本がどういった姿になるのか、国民に向かって提示していません。昨年6月の首相になった時、強い経済、財政、社会保障の「第三の道」を主張し、7月の参議院選では10%の消費税を訴えて、国民から不評を買って敗北したにもかかわらず、今度は消費税増税と社会保障改革を同時に行うことを主張しています。これが今回の予算案や関連法案にはのっておらず、今年6月に結論を出すから、その前に昨年と同じ大量の国債発行とバラマキ予算を認めてくれというのでは、ころころ主張を変えて、ビジョン、理念、ポリシーに何もないことをさらけ出しているとしか言いようがありません。
しかも、消費税増税で経済がどうなるのか、それで、本当に国民が望む社会保障制度改革ができるのか、全く不明です。消費税増税で税収が伸びるのは、経済成長をしているときです。それもドーマーの定理によれば、名目経済成長率が国債の名目金利を超えているときだとしています。今のように、名目成長率が名目金利を下回っているようなデフレ時には、増税をすれば経済を冷え込ませ、むしろ税収減による一段の財政悪化を引き起こすことも起こりえます。その結果、社会保障改革も絵に描いた餅になるかもしれません。それでは、最初に掲げた第三の道は、破綻しかねません。あるいは、今後、資源・穀物価格の上昇による物価上昇でインフレになるかもしれませんが、それが景気悪化と物価上昇の同時進行となって、名目成長率の下落と名目金利の上昇という最悪の状況もありえます。問題はそういう事態で消費税増税をするのかということです。
そういった経済的観点から見ると、菅首相には、日本の将来を考える余裕がないのか、あるいはそうした考えがそもそも頭にないのかもしれませんが、そうした経済的な見方がなく、その結果としてビジョン、ポリシーが全く感じられない点で首相としては失格ではないでしょうか。そして、今の菅首相を見ていると、国民生活の基盤である経済を考えず、ただバラマキ予算で国民が困らず、その財源を消費税増税で賄えば国民が支持するはずだと考え、そうなれば歴史に名を残せるという一念で政権にしがみ付いているように感じます。その結果として、現役世代に重い負担をかけながら、退職した年金受給者への所得移転をして、経済をさらに疲弊させるかもしれません。もちろん、民主党がそれを容認するのであれば、それが実行された後の未来の日本のあるべき姿であるビジョン、それを実現するためのポリシーを示して、解散総選挙で国民に信を問うべきでしょう。
もちろん、それでは、野党がビジョン、ポリシーを持っていて、国民に提示しているかというと、それもないというのが現実でしょう。先日私の田舎の山間地域の高齢の住民たちと話をしても、民主党だけでなく、自民党を含めた野党も、国や国民のことを考えていない、未来には何もいいことがない、今度選挙といっても誰に投票していいのか分からないと言っていたのが印象的でした。高齢者にも民主党、自民党にも失望、いや政治に失望している姿を見ると、もはや国民の失望は大きなものになっているといえます。その点で、日本を、そして日本国民をどういった姿にしたいのか、これまでビジョン、ポリシーを国民に示してこなかったことが、今の政治不信を招いているのではないでしょうか。その象徴が、今回の菅政権の予算案と予算関連法案の成立の可否だけの報道に集約されているのではないでしょうか。
経済評論家:津田栄
本当に国民のための主権政治を行いたいのなら、今の菅政権と正反対の『減税』を訴えた新党を結成するべきだ。今の民主党の詐欺集団的なイメージから離れた、独自の政党を作ること。それが、小沢派の議員たちに課せられた使命なのだ。

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菅政権は打倒せねばならない
とタイトルが打たれ、サブタイトルには
・菅総理はリーダーの器ではない?
(サブタイトルの末尾には「?」がついていますが本文を読むと「!」です)
・子供手当に対する誤解
・沖縄に対する差別を許すな
・古い政権を打倒することがミッションだったはず
が展開されています。タイトルやとサブタイトルを見ただけでも内容は凡そ察しがつくのですが、植草さんの政策指南がほぼ反映されたものとなっています。小沢さんの離党(というよりは実質民主党A(減税党)と民主党B(増税党)への分党)については最後のサブタイトルの中で説かれていますが、その中で民主党Aには従来の民主党の枠を越えて志を同じくする者を糾合すると宣言しています。この分党についての記事は日刊ゲンダイにも簡単に紹介されていました。
一方、植草さんも同じ月刊日本3月号(66~67頁)の中で
名古屋で蜂起した「増税日本」への対抗軸「減税日本」
と題して次期総選挙で「減税日本」が「増税日本」を負かさなければならないと説きます。
あとは原口元総務大臣が宣言通りに動き続けるかどうか見守ることになります。
それから昨日のNHKと警察・検察は美爾依さんの記事に敏感に反応したのではないかと思われる節があります。昨夜のテレビやラジオのNHKでカメラマンの逮捕のニュースを目立たないように放送していました。それから私が指摘した木嶋佳苗被告が埼玉の勾留施設に移送されたニュースも合わせて手短に放送されていました。恐らく恣意的に報道を控えていないとのアリバイ作りではないかと想像しています。
以上ご報告でした。
「植民地なき帝国の落日 属国のゆくえ」
>>http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51758507.html
が、過去の世界史の因縁の結果現在日本に起こっていることの「因」の部分に迫る分析として簡潔にまとめられていてよかったです。
特に
「軍隊を駐留させることができ、政府が言いなりなら、植民地経営の負担から逃れながら実質的には植民地をもっていることになります。これは、きわめて効率的な、新しいタイプの植民地支配です。」
やはり日本もフィリピンのように米軍基地ノー!といわなければ。
しかし米傀儡霞ヶ関政権の力が強い現在、最も効果的な戦略は国会決議で「日米地位協定」を即時一方的に破棄することだと思います。外交条約批准の可否という国会の専決事項を国会で行う。これには米帝政府も相手が国会議員であるゆえいくら霞ヶ関官僚を遠隔操作しても国会内破棄決議を左右できないから手が出せません。
この「地位協定即時破棄緊急国会決議」によってのみ、日本が米軍事政権の「核の牧場」という65年間以上続く植民地支配から脱出することができ、真の独立国として国際連合に復帰できると考えられます。
これこそが無血の武器を用いない日本の独立戦争であると思います。国際間の紛争を解決する日本の最強の武器は軍事力でも核抑止力でもなく、和を以って貴しとなす「日本国憲法第九条」そのものなのです。
また、非核三原則の日本は米軍事政権の「核の牧場」政策によって基地拡大だけでなく同時に原発濫造をも強いられていますから、地位協定を国会で破棄決議することによって「米軍基地ノー!」と同時に「原発ノー!」も非核三原則の国策のもとに世界に対して堂々と宣言できることになります。
民主党議員のうち、政府に入っていない議員はほとんど発言権がない状態だ。これは小沢幹事長時代より比較にならないほどひどい。党政調はとっくに形骸化している。以前は、各選挙区からの陳情は、選挙区の議員が小沢氏のもとに持ち寄れば、鳩山政権に直言して、国政に反映されるシステムになっていた。もちろん優先順位はあってもかならず発言権はあったのだ。
管政権では、政府の面子だけで政策をきめているので、委員会のメンバーを外されても特段変化はないように思える。政府に入れない議員が政府への発言権がないので、16人の造反も起こってしまったのだから、制裁するとはますます逆効果だろう。
16人を含め、多くの新人議員は、どうせ近々に解散でクビになるなら、せめて自分の正当性を示してから国会を去る方がいいと考えるはずだ。そのように考える議員は、今後ますます増えるだろう。多くの新人議員は、自分の職業を捨てて国政にやってきた。まさか、自分が政権の尻拭い役になってしまうとは思ってなかっただろう。
政府の政策の正当性を、議員は自分の選挙区で説明できない。擁護もできない。政策に具体性がない。政策によって犠牲があれば保護対策の詳細もない。毎週袋叩きに遭うので、いいかげん地元に帰りたくなくなっている。
そういう鬱憤が岡田幹事長の帰れコールに現れているのであり、もはや枝葉の政策の実効性の次元を超えて、失望感や嫌悪感などの気持ちの問題が上まわった。
執行部は、政権の政策が正しいと信じているのなら、それこそトコトン説明する義務がある。まずは身内の議員に対して、それから選挙区の支援者に、メディアを通して国民へ、という多方向へ訴える義務がある。説明責任があるのは、少なくとも小沢氏よりも現政権・執行部の方だろう。
個人的には、安住がいちばん気に入らない。鳩山政権時代は、テレビに出て政権・執行部に散々文句をいっていた。ヒラの自分が執行部になったとたん、前の執行部よりも独裁になっている。大した政策も説明力も持っていないのにゴリ押しする姿はもはや哀れとしか言いようがない。
すこし、今回は感情的な文面になってしまいました。はあ~。
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植草さんも原口元総務大臣の月刊日本への寄稿文を紹介されています。御覧になって下さい。