2011.02.11 (Fri)
ムバラク大統領がテレビ演説で即時辞任否定(YouTube動画あり)
ところが、実際は9月の次期大統領選挙には出馬しないが、それまでの間、政権移行期間として、大統領の職を続けるという表明だった。それまでの期間は副大統領に権限を委譲し、市民が希望する民主化された政治を行うとかなんとか都合のいいことを言っていたけれども、これまで30年間ムバラク独裁政治に苦しまされてきた市民がそんなムバラクの言葉など信じるわけがない。
辞任しない理由がこれまたイカしてて、大統領としての「義務と責任を途中で放棄するべきではないから」そして、「他国の圧力に負けないため」ということだけど、これだけ辞任を求めて市民革命が起こり、国中が大変なことになっているのに、義務も責任もあったもんじゃないよね。結局は、2月1日の演説とほとんど同じ内容の繰り返しだったとさ。
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ムバラク大統領が辞任拒否、デモ隊の高揚は一転失望と怒りに
(ロイター 2011年 02月 11日 12:12 JST)
[カイロ 10日 ロイター] エジプトのムバラク大統領は10日、国営テレビを通じて演説し、即時辞任しない意向をあらためて表明。憲法に基づき、スレイマン副大統領に権限を委譲することを明らかにした。
首都カイロのタハリール広場にはこの日、ムバラク大統領の退陣表明を予想して多くの市民が集まっていたが、テレビ演説を受けて期待は失望と怒りに変わった。
演説が始まる前までは、広場ではエジプトの国旗が振られ、歌ったり踊ったりする人もいるなど、デモというよりはむしろ、さながらカーニバルのような様相を呈していた。
午後を通じてムバラク大統領が辞任するとの報道も相次ぎ、反政府デモ参加者の間には祝賀ムードが高まった。また、ムバラク大統領が出国してドイツに向かうとの憶測も広がっていた。
しかしムバラク大統領が話し始めると、市民らは期待が裏切られたことに気付き始め、広場は静寂に包まれた。1分も経たないうちに高揚が失望感に変わり、演説の中盤には「辞めろ、辞めろ、辞めろ」というシュプレヒコールが再び広場にこだました。
広場をすぐに去るデモ参加者もいたが、夜遅くになってもシュプレヒコールを挙げ続ける市民もいた。
デモ集会を呼び掛けた男性の1人が「あきらめるな、あきらめるな」と涙ながらに訴えると、別の場所から「あきらめない。降参しない」と返す声も聞こえた。
下記は、2月1日のムバラク大統領による演説直後の記事。
ムバラク大統領が引退表明 オバマ氏は即時退陣促す
(朝日 2011年2月2日11時44分)
数十万人のデモ隊から即時退陣要求を突きつけられたエジプトのムバラク大統領(82)は1日夜(日本時間2日朝)、9月の次期大統領選に出馬しない考えを示した。任期中は大統領職にとどまる意向を示し、即時退陣は拒否した。これを受けて、オバマ米大統領は「秩序ある移行を今、始めなければならない」とする声明を発表し、ムバラク氏に即時退陣を促した。米国がムバラク氏に対し、改めて「引導」を渡した形だ。
【カイロ=貫洞欣寛】ほぼ30年にわたって強権支配を続けるムバラク氏は、自身による統治の継続の断念に追い込まれた。その一方、同氏は演説で、9月までの任期を全うし、現体制の維持を図りたいとの思惑を強くにじませた。野党勢力が強く求めている即時辞任を否定したことで、空前の規模にまで広がったデモが収束する気配はない。
ムバラク氏は演説で、「私は義務と責任を途中で放棄することはない」と述べてあくまで即時退陣する意思のないことを明言。「平和的な権力移行を目指す」として、現在は与党・国民民主党(NDP)に極端に有利になっている大統領選の立候補資格に関する憲法規定を、9月の大統領選に向けて改正するよう、議会に指示すると述べた。
大統領選に立候補するためには、議員65人以上の署名を集める必要がある。だが、政権側の選挙干渉などにより、議席はNDPがほぼ独占しており、野党や無所属の候補が立候補するのは現状ではほぼ不可能だ。
NDPによる選挙制度の改正は、与党に有利なものとなる可能性が高く、スレイマン副大統領を後継者とし、NDP中心の現体制を維持する狙いがうかがえる。
ムバラク氏はまた「エジプトは私の母国である。私はここで死に、歴史に評価される」と述べ、国外亡命を否定。さらに、対話を拒否しているとして野党勢力を批判した。
これに対し、反政権デモを主導する野党勢力「4月6日運動」や、最大の野党勢力ムスリム同胞団の広報担当者はそれぞれ「我々が求めるのはムバラク氏の即時退陣であり、デモを続ける」と述べた。
エジプト全土では1月25日から、反ムバラク政権デモが続き、1日には数十万人がカイロ中心部の広場に集まった。
衛星テレビ局アルジャジーラによると、北部アレクサンドリアでは2日未明(日本時間同日朝)、反ムバラクとムバラク支持のデモ隊が衝突、銃声が聞かれ、軍の戦車が両者に割って入ったという。
【ワシントン=望月洋嗣】オバマ米大統領は1日、ムバラク大統領に新政治体制への「秩序ある移行を今、始めなければならない」と呼びかけ、即時退陣を促した。オバマ大統領はムバラク氏のテレビ演説後に同氏と電話会談し、こうした意向を伝達。ムバラク氏は変化の必要性を認めたという。
オバマ氏はホワイトハウスで声明を読み上げ、「政権の座にある者は人々の意思に従うべきだ」「数千年の歴史の中でエジプトにはいくつも変革期があったが、エジプトの人々の声は、今はその時だと言っている」と指摘。ムバラク氏の退陣によって、幅広い野党勢力が参加する政治プロセスを実現し、自由で公正な選挙を実施するよう求めた。
米メディアによると、米政府の非公式の特使であるウィズナー元駐エジプト米大使は1日、ムバラク氏と会談し、「米政府はムバラク氏の任期は終わったと見ている」と伝達。9月の大統領選への不出馬表明を迫ったという。
米国務省によると、スコビー駐エジプト米大使は1日、民主化指導者のエルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長と接触し、米国が「秩序ある政権移行」を支持する考えを伝えたという。
米国が辞任しろといっても辞任しないムバラク。この先、どうなるのだろうか。

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エルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長 |
顧みて日本の菅総理を見ているとムバラク大統領同様真の世論による凄まじい辞任圧力を受けて目下精神を病んでいるとみえます。国会議員がだらしなくて菅直人を辞めさせられないならばムバラク大統領のような辞め方をしてもらうしかないように思います。民主党を離党し議員辞職しなければならないのは小沢さんではなくて菅総理の方です。日本には立ち直る為に必要とされている時間は刻一刻となくなりつつあります。
以上
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まさにその通りだと思います。辞任しなくてはならないのは民意や民主党の仲間を裏切った菅の方でしょう。ただ、日本でエジプトの市民革命のような運動が起こるかというとその可能性は限りなく低いのではないでしょうか。