2006.08.21 (Mon)
ロシアによる日本漁船銃撃・拿捕事件
北方領土問題を初め、竹島や尖閣列島などの領土問題については最近はほとんど語られなくなってしまったというのは、領土問題の解決が高度な交渉技術を必要とすることを考慮しても、これまで何一つ進展が見られず、その経過も国民に告げることをしないことは、現在の日本の外務省がいかに無能集団であるかの証しでもあるだろう。
今回の漁船銃撃拿捕事件についてのいろいろな記事を読んでみると、日本の外務省がロシア側と全くコミュニケーションが取れておらず、肝心な交渉ができていないというのは日を見るよりも明らかであり、小泉のアフォーマンスと共に、地位と名誉に酔いしれ横柄な態度を取ることしかできず、楽な仕事しかせず、難しい問題は後回しという姑息で卑怯な外務省の態度が招いた悲劇である。
<漁船銃撃拿捕>露当局「銃撃控える」00年に非公式で意向 [ 08月20日 03時04分 ]
ロシアによる日本漁船取り締まりに絡み、同国の国境警備庁が00年、「今後、銃撃は控える」との意向を海上保安庁に非公式に伝えていたことが19日、日本政府関係者の話で分かった。同庁は、銃撃が途絶えた実績を踏まえ、今年5月の06年版「海上保安レポート」で初めて「日本漁船への銃撃をしなくなった」と記述した。しかし、今回の銃撃・拿捕(だほ)事件はその3カ月後に起きた。ロシアが漁業資源枯渇への警戒などから方針を再転換した可能性もあり、同庁は漁船、漁協への指導強化を含め、対策を検討している。
複数の関係者によると、銃撃を控えるとの方針は00年9月、プーチン大統領の来日に同行したトツキー国境警備庁長官(当時)が荒井正吾海保庁長官(同、現参院議員)に口頭で伝えた。密航取り締まりの協力などを盛り込んだ覚書の調印に際し、「日本漁船に対する銃撃を控える」と語ったという。当時、ロシアは日本との経済交流拡大を目指しており、そうした情勢が背景にあったとみられる。
荒井氏は毎日新聞の取材に対し「記憶はあいまいだが、このころから銃撃はなくなり、拿捕されてもすぐに解放されるようになった」と話している。実際、それまで毎年数件ペースで起きていたロシアによる銃撃は01年以降途絶え、拿捕そのものも減少傾向をたどっていた。
今回の銃撃は、こうした流れに逆行するだけに、政府は神経をとがらせている。ロシア政府は、好景気をテコに、北方領土への大型投資を計画するなど、日本の領土返還要求へのけん制を強めており、ロシアの対日姿勢の変化が事件の背景になった可能性もある。【大場伸也】
上の記事を読んでもあまりにもアバウトな荒井正吾海保庁長官(同、現参院議員)の発言にただただ驚かされるばかりだ。銃撃を控えるとの方針をロシアからただ口頭で伝えられただけで、「はい、そうですか。よろしくどうぞ。」で終わってしまっては、銃撃されたって、文句は言えまい。口約束ではなく、きちんと文書で誓約書などを交わさなければ、法的に訴えることもできず、日本は泣き寝入りで終わるだけだ。外務省側は評判を落とすくらいでいいだろうが、被害者やその家族達はどうなるのか?
何日か前の韓国のニュースで、竹島の代わりに独島、日本海の代わりに東海と書いた世界地図を出版し、世界中に配布するというのを読んだが、これが繰り返された場合、既成事実となってしまい、10年後、竹島や日本海の世界地図上での名前は独島、東海となってしまうだろう。へっぴり腰の外務省は、目を覚まし、こういった事実をどんどんと国民に伝え、韓国に抗議するべきである。日本の中で習った地名が海外に行ったら全く別の地名になっていたなんてことにならないようにしなくてはならない。日本の名が残る「日本海」(英語表記:Japan Sea)という名称を後世に残さねばならない。
領土問題は複雑であるのは承知しているが、小泉のおかげで近隣諸国との関係が悪化している今、安倍が総理になることによってますます悪化し、今度は韓国や中国に国境線を越えたということで、漁船が銃撃されてしまう可能性もでてくることは、否定できない事実である。次期新政権や外務省には、領土問題を少なくとも一つでも解決するべく、これからの一層の努力を期待したい。
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あきれるばかりですね。
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本当ですね。山中あきこ外務政務官(60)にしても、何のために行ったのか全くの役立たずでした。外務省も小泉のなまけ病に蝕まれてしまったようです。