2010.09.02 (Thu)
小沢vs菅 公開討論会詳細 (完全ノーカット動画)
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菅氏は、これまで、増税などを言い出し、「国民の負担が第一」路線だったのが、この公開討論会では突然「国民の生活が第一」を強調。雇用問題などにも触れているが、具体策は何もない。官僚のいいなりになっている菅に行政改革なんてできるはずもない。国民受けするリップサービスと見たほうがいいだろう。又、菅氏は「政治とカネ」の問題で、小沢氏の個人攻撃に終始した。
一方の小沢氏は、官僚主導の政治を改革し、「官から民へ」の国民主権政治、官僚でなく、政治家が国のあり方を考える政治主導政治の実現をめざす考えを強調した。雇用についても、大企業の収益を社員へ再配分するべきあるという具体案を提示し、雇用の確保を促進できることを訴えた。確かに日本企業は、利益を幹部ら上層部が独り占めし、末端の社員が納得のいく給与をもらっているとは考えにくい。その他、内需拡大や地方経済の建て直しなど今、日本経済を停滞させているさまざまな問題に切り込んだ。「政治とカネ」の問題に関しても、「1年有余の強制捜査で実質的な不正、犯罪はなかったという結論を得ているので、審査会のみなさんもよく理解してくれると思う。」と菅氏からの質問に明快に答えた。
公開討論会を見ての感想などは、『News Spiral』が面白い。
公開討論会の詳細は次の通り。
【More・・・】
【公開討論会・詳報】(1)小沢氏「日本人の精神崩壊、始まりつつある」(2日午後) (1/3ページ)(産経 2010.9.2 13:49)
菅直人首相(民主党代表)と小沢一郎前幹事長は2日、日本記者クラブ主催の公開討論会に臨んだ。菅氏は「お金にまみれた政治文化を変えなければならない」と強調。小沢氏は「官僚任せの政治行政ではなく、政治家が主導する政治を実現する」と訴えた。
公開討論会の詳細は以下の通り。
【小沢氏冒頭発言】
「このたびの民主党の代表選に立候補することになりました小沢一郎でございます。先ほどお話ありましたように、民主党の代表は今日では政権運営の最高責任者を選ぶということにあります。したがいまして、私自身、今日のような大変厳しい、困難な時期にトップリーダーとして、その責任を果たすことができるのかどうか、今回の代表選に出馬すべきかどうか、思い悩みました。しかし、一方で、今日の日本の社会を見るときに毎日、毎日、人殺しの話、親殺し、子殺しにはじまりまして、そういう本当に信じられないような報道がなされております。また、自ら命を絶つ自殺者もいっこうに減る気配がありませんし、高齢者の行方も分からないという問題も出てまいりました。こういう状況はまさに日本社会、日本人の精神的な崩壊が始まりつつあるということのシンボリックな状況ではないかというふうに考えております」
「加えて、今日の経済の停滞が学校を卒業しても就職できないという若者たち。これがたくさん増えております。そして、最近その経済がさらに一層、不透明感を増し、景気の後退が進むのではないかということが言われております。私どもはそういう中にあって、昨年の総選挙でこういう経済をはじめとする政治経済、そして社会全体の停滞を打破するためにマニフェスト(政権公約)を掲げ、官僚任せの政治行政ではなくて、国民主導、すなわち国民が選んだ代表が、政治家が主導する政治を実現するんだということを訴えて政権を委ねられたと思います」
「この今日の困難を乗り越えて、そして本当に私たちが掲げた国民の生活が第一と。国民の生活を守ると。そういう政策を実行していく。そのためには国民の代表である政治家が自分自身で決断し、そして自分自身の責任をもって実行していく。こういう政治を作り上げることが、いろいろな施策を実行する上において、まず最大の前提だと思っております。私はそのことを最大の主眼としつつ、経済の再生、国民生活の再生、そして地域の再生。そういった問題を主眼として取り組んでまいりたい。そのように考えております」
【菅氏冒頭発言】
「菅直人でございます。総理大臣に就任して3カ月に達しようとしております。こういう経済の厳しい中ですので、この代表選挙の間も総理大臣としての仕事は一切手を抜かないで、あわせて選挙戦を戦いたいと思っております。きょう午前中にも規制改革について、これはまさに政治主導でやらなければならない分野でありますが、副大臣会議の中で大胆にやってくれということの指示をいたしておきました。私は大きな点で2つの変革を行わなければならないと思っております」
「1つは行政、役所の文化であります。つまりは、今までのお役人は、お役所のために働くけれども、国民のためにちゃんと働いていない。私の取り組んだ薬害エイズも患者さんや国民よりも、自分たちの天下り先のために行動したために大変被害が拡大した。それを根本から変えなければならないと思っております。そしてもう1つは、お金にまみれた政治。政治文化を変えなければならない。この2つの文化を変えられるかどうか。私はこの選挙戦を通して、国民のみなさんに訴えていきたい。クリーンでオープンな政治を目指していきたいと思っております」
「特に難しい時代であるからこそ、多くのみなさんが政治に参加をする。政党というのは、国民が政治に参加するための、いわば土俵だと。公共財だと。そういう意味で多くのみなさんの声を政党が受け止めて、それを政策に変えていく。全員参加の政治、熟議の民主主義が必要だ。こういった新しい政治文化を作っていきたいと思っております」
「その上で、やるべき政策課題。私は1に雇用、2に雇用、3に雇用と、このように申し上げております。つまり、雇用こそが今の経済のこの低迷、あるいは社会の不安感、あるいはある意味での社会保障の問題点を変えていくキーになる。鍵になると考えるからであります。つまりは、雇用というのは仕事ですから、仕事が増えれば経済が大きくなり、あるいは税収が増えていく。介護や医療、あるいは保育といった分野の雇用は、社会保障の充実にもつながってくる。そして雇用こそが人間の尊厳、将来の不安に対して、最も必要最小限の必要なものでありまして、そういう意味では不安の解消にもつながってくると思います。そういった観点から、この日本を元気な日本に立て直し、そしてまさに生活が第一の日本にしていくためにがんばってまいりたい。このように思っているところであります」
【公開討論会・詳報】(2)小沢氏「一律シーリング10%削減は国民への約束と違う」
(産経 2010.9.2 14:34)
菅直人首相(民主党代表)と小沢一郎前幹事長は2日、日本記者クラブ主催の公開討論会に臨んだ。公開討論会の詳細は以下の通り。
【雇用】
菅氏「今、申し上げましたが、私は今の日本社会の多くの矛盾を解決していくキーになるのは雇用だと考えております。特に近年、大卒、高卒の新卒者の雇用が大変厳しい。しかし一方では、中小企業などは、もっと若い人を採りたいという人もあります」
「こういったことを解決するために、今、雇用に対する、特に若年雇用に対する特命チームをつくって全力をあげているところであります。これについて小沢さんとしても重視をされていると思いますが、どのようなかたちで雇用をとらわれているのかお尋ねをしたいと思います」
小沢氏「あの、雇用の問題は、もちろん、基本的に大変大事なわれわれの政治テーマだと思います。ただ、先程来、菅さんもいろいろ、雇用を中心にしていろいろ申し上げ、お話しなされておりますけれど、何の政策を実行し、実現していくためにも、今までの役所に丸投げ、官僚依存の政策決定をやっていたのでは、何も有効な手だてはできないと思います」
「私どもは、そういう意味で、ですから国民主導の、国民の生活が第一と、生活に目を向けた政策を実行するためには国民主導、政治主導の政治の実現が大事であるというふうに訴えてきたゆえんだと思っております」
「特に雇用につきましては、私は日本経済の体質としては、1つは外需に頼らないで済む、最低、内需でもって最低の経済成長をやっていける、そういう経済の体質にしなくてはいけないと思っております。アメリカや中国、その他の外国の経済が上下するたびに日本の経済、昔から『アメリカがくしゃみすると日本が風邪をひく』といわれておりますが、いまなお、その体質が変わっておらないのではないかと思います」
「従いまして、菅さんもおっしゃったように、社会福祉関係の事業というのは、非常にこれからの大きな成長産業だと思いますし、それを育てていく、支援するということが1つ大事だと思います」
「それからもう1つは、自民党政権下で非常に格差が広がっております。雇用の格差もその1つであります。従いまして、私は、特に大企業につきましては、その収益の再配分をきちんと社員のみなさん、雇用の、いわゆる従業員・社員のみなさんにもっと手厚く配分することによって、私は雇用を確保することがもっともっと有効にできるのではないかと思っております」
「それからもう1つは、やはり地方が非常にさびれて衰退しております。そういう意味で、私が申し上げておりますのは、補助金と呼ばれるような政策経費、あるいは裁量的経費と呼ばれるものが、ほぼ30兆円、22年度の予算でもございます。その中で、私は全部、全部、地方へ移せとは言いませんけれども、かなりの部分を地方へ交付金として交付できると思っております」
「ま、公共事業なんか例にとると簡単に分かるんですけれども、そういうことによって、地方の経済の活性化、地方での雇用の創出、地場産業の育成、そういうことを実現できるのではないか。というふうに思っております」
「ですから、このことに、思い切って、こういったことに切り込んでメスを入れないといけないし、官僚の既得権のところに大ナタをふるう勇気を持たなければならないというふうに考えておりまして、そういう意味で、単なる雇用に対するいろいろな補助とかそういうものだけでなくして、全体のトータルとしての日本経済の活性化と雇用の安定というものを図っていくべきであると考えております」
菅氏「私も8月後半からずっと地方を回って、地方の疲弊を実感してまいりました。しかし、中には日本で立地しようか、外国に出ようかというときに、日本で立地をしてくれれば、低酸素型の産業については最初のリスクマネー、一部応援しますと、それによって、北九州などでリチウムの電池の会社とかですね、国内立地を選んでくださった方もあります」
「ま、そういったことで、内需にもつながる、雇用にもつながる、その点では私も小沢さんと同じようなかたちのことを今、内閣として実施しているところであります」
【社会保障と財源】
菅氏「そこで第2点に移りたいと思いますが、私は社会保障のあり方については、大きく2つの考え方があるのではないかと。つまりは、ある程度、負担してでも将来が安心できる社会を目指していくのか。負担はできるだけ小さくして、あとのことは自己責任でやっていくという社会を選ぶのか。私はやはり、前者の、ある程度、負担しても、将来安心できる、老後も安心できる社会をつくることが国民のみなさんの多くの願いだと思っております」
「まあ、そういった意味で、社会保障とその財源の問題については一体として議論をしていく必要があるだろうと。こう思っております。これに対して小沢さんとしてはどのようなお考えをお持ちか、お聞かせください」
小沢氏「あのー、負担と福祉の問題につきましては、私は何割まで負担していいのか、とかいう議論ではなくて、それは相対的な問題だと思っております。日本社会において北欧型のような非常に大きな負担をするという福祉のあり方という*[の]は、私はちょっと無理ではないかと思っております」
「ですから、一定のもちろん負担していく、ということは当然でありますけれども、その意味においては、私は、その、お互いの負担とその効果と結果ということを勘案して決めていかなくてはならないと。そのように思っております」
「まあ、具体的な話として言えば、私、この、代表選にあたってのメモにも申し上げておりましたが、まあ、年金は一元化して新しい制度をスタートさせたいというが1つでありますが、そのほかの老人医療、あるいは国保、あるいは介護、あるいは生活保護といったものは、トータルで13兆円、4兆円という規模になっておりますが、これは地方へのほとんど補助といいますか、不足分の補填(ほてん)であります」
「私は、実体は全部、地方自治体が、市町村がやっているわけです。ですから、これも、例えば介護や老人の医療やケアについても、厚生省でいろんな、あの、かたちのものを全部、特養がどうだ、どうだどうだということを決めたものを、市町村に押しつけるという言葉はいけませんが、やってその通りやれ、と、こういう話になっています」
「私はそれぞれの地域、それぞれの市町村でみんな事情が違うと思います。ですから、本当に国保も全く黒字のところも中にはあります。それで、医療も、ですから、病院にかかる老人も本当に少ないというような施策をきちんと自分たちで行っているところもあります」
「それは特例ですけれども、そういった十数兆円の経費もですね、実体として市町村がやっているならば、私は、これは今すぐとはいえないですけれども、市町村にむしろそのお金と権限を任せて、それぞれその市町村で老人医療はどうする、介護はどうする、というような知恵を出して、お金を有効に使い、自分立ちの郷土を、ふるさとを作り上げていくと。こういうやり方が、私は将来、いいのではないかと思っております」
【予算編成】
小沢氏「私は先ほども最初のあいさつの時に申し上げました、われわれの最大の主張は、官僚の行政から、官僚の政治から、国民主導、国民の代表の政治家主導の政治に改めないと何事もわれわれの言っていることは実現できないということを訴えてきたはずであります」
「その中で、例えば予算編成、今、来年度の予算編成、進行しております。これはまさに、最初から民主党がつくる予算の最初の予算でございます。この予算編成にあたってですね、この間、いわゆる一律にシーリングと、10%カットという決定がなされました。これではまったく今までの自民党政権下と同じ手法、同じ結果しか出てこないのではないかと私は思っております」
「役所の中でもって政策の優劣、あるいは予算配分についての優劣を、お役所自身が財務省といえどもつけることはできない。従って、結局は全部一律削減だ、ということになってしまってきたのが従来の自民党政権下の予算編成でありました」
「今回もこの一律10%削減というシーリングのことを聞きましたときに、結局、同じようなことをやっているのではないかと。これではちょっと、国民に約束したことと、現実の民主党政権のやっていることと違うんじゃないかという感じが、私、個人的に持ちました。この点について最高の責任者である菅総理のご意見を伺いたいと思います」
*筆者が追加。
【公開討論会・詳報】(3)菅氏「真摯な姿勢で臨めば野党も応えてくれる」
(産経 2010.9.2 15:14)
【公開討論会・詳報】(4)小沢氏「参院過半数、6年ではとても無理」
(産経 2010.9.2 15:43)
【公開討論会・詳報】(5)菅氏「小沢さんの政治のあり方は『お金と数の原理』が色濃くある」
(産経 2010.9.2 16:21)
【公開討論会・詳報】(6)小沢氏「(訴追の首相同意)私は逃げません」
(産経 2010.9.2 16:25)
【公開討論会・詳報】(7)小沢氏「高速道路、都道府県につくらせる」
(産経 2010.9.2 16:37)
【公開討論会・詳報】(8)小沢氏、普天間移設代替案「案があるとは言っていませんですよ、僕は」
(産経 2010.9.2 16:51)
【公開討論会・詳報】(9)完 小沢氏「総理の職責は健康的には十分やり抜ける」
(産経 2010.9.2 17:01)

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http://www.labornetjp.org/news/2010/1283470350266staff01
> 以下は市民フォーラム21メーリングリストに「はなゆー」というハンドル名
> の方が投稿されたものの転載ですが、非常に由々しき事態です。
> このように公共放送で、少数政党の意見封殺、排除が進み、国会で
> 現在、菅政権により推し進められようとしている比例定数削減とも
> あいまって、少数政党、少数意見が圧殺されてゆくことを許しては
> なりません。NHKに抗議を!
NHK にも官僚体質がありますから。
「はなゆー」さん、頑張ってますね。転載を推奨します。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010090200352
> 社民党の重野安正幹事長は2日の記者会見で、民主党代表選に出馬した小沢一郎前幹事長について
> 「幹事長時代から(米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への)移設はいかがなものかと一貫して言っている。
> 沖縄問題に限って言えば、小沢さんの発言に共鳴を感じる」と述べた。
> また、福島瑞穂党首は常任幹事会でのあいさつで、「代表選の中で辺野古に基地を造らない動きが大きく前進し、
> 日米共同声明の撤回などになるよう頑張っていこう」と語った。(2010/09/02-12:03)
社民党は普天間問題を保留にしてでも連立に復帰すべきです。
でなければ、民主党は他の政党と連立してしまいます。
普天間問題は短時間では解決しません。
まず派遣法を改正し、その後でじっくり普天間問題に取り組むことが期待されます。
生活者視点から見れば、「政治と金」という思考停止のマジックワードはどうでもよく、「政策」そのものを吟味すべきなのに、マスコミは世論誘導の為、バッシングを繰り広げてます。
情けないのは、どの新聞、TVも同じ論調で、翼賛体制下のファシズム報道に酷似している様です。
ともあれ、日本丸の舵取りは、芯があり、相手を敬う気持ちの人間に任せたいと思います。
以下、一目瞭然の政策
◇小沢一郎
「僕には夢がある。国民の生活が第一。」 http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/s/e/n/sensouhantai/ozawa5_senkyokouhou.jpg
◇菅直人
「元気な日本の復活を目指して」
http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/s/e/n/sensouhantai/kan5_senkyokouhou.jpg
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◇菅直人 「元気な日本の復活を目指して」 http://blog-imgs-32-origin.fc2.com/s/e/n/sensouhantai/kan5_senkyokouhou.jpg