2006.07.25 (Tue)
靖国参拝反対の世論が増加中。安倍も今年は参拝せず。

昭和天皇のA級戦犯合祀に関するメモは靖国参拝を強く主張していた安倍が靖国参拝を中止する口実のためにマスコミに流されたという噂が飛び交う中、やはり、安倍は今年の終戦記念日の靖国参拝はしないようだ。
安倍氏、8月15日は参拝せず 靖国争点、避ける狙い (Asahi.com 2006年07月23日08時32分)
安倍官房長官は終戦記念日の8月15日に靖国神社を参拝しない意向を固めた。自民党幹事長だった04年、幹事長代理だった05年には終戦記念日に参拝したが、党総裁選を控え「靖国」が突出した争点になるのを回避する狙いがある。ただ、春秋の例大祭時の参拝は否定しておらず、首相に選出された場合の対応には含みを残している。複数の関係者が明らかにした。
安倍氏に近い関係者によると、安倍氏は側近議員や学識経験者らの意見を踏まえ(1)総裁選などで靖国問題を争点化しない(2)参拝するかどうかは言わない(3)8月15日の参拝にはこだわらない――との方針を確認したという。
靖国をめぐっては、小泉首相が8月15日の参拝を総裁選公約に掲げ、中韓両国との関係が冷え込んだ経緯がある。安倍氏はこうした状況を踏まえ「15日に参拝すれば総裁選で争点化し、国益に反する」と判断した。
安倍氏は6月のテレビ番組で「外交問題に発展する可能性があれば、そうならない努力をしなければいけない」と語るなど、靖国問題の争点化の回避を訴えてきた。
ただ、安倍氏は「靖国に祭られた近代以降の戦没者を追悼するには、太平洋戦争終結の日よりも春秋の例大祭が適切」というのが持論。8月15日は見送っても例大祭で参拝する可能性は残っており、靖国問題の打開につながるかは不透明だ。
一方、谷垣財務相は22日、津市内で靖国参拝について「さしあたっては控える」と記者団に語り、当面は参拝しない考えを明らかにした。
少し前に『きまぐれな日々』のKojitakenさんがナベツネ(渡邉恒雄)が安倍を支援する条件の一つに靖国を参拝しないことがあげられていると書かれていたが、今回安倍が靖国参拝中止に踏み切ったのもナベツネの影響が大いにあると思う。そんなナベツネと安倍晋三の靖国をめぐる関係についてKojitakenさんがシリーズ化して書かれているナベツネと安倍晋三の記事は、とても面白いので、是非お薦め。
ナベツネと靖国と安倍晋三と(その1)
ナベツネと靖国と安倍晋三と(その2)
やはり昭和天皇はA級戦犯の靖国合祀に激怒していた(副題:「ナベツネと靖国と安倍晋三と(その3)」)
それにしても、ネットでいくら訴えても安倍の支持率は減るどころか増えているというのに、テレビや新聞でちょっと昭和天皇が靖国にA級戦犯合祀されていることを不快に思っているというメモについて報道するだけで、靖国参拝反対の世論が一挙に増加しちゃうんだから、まいっちゃうよ。日経、朝日、東京新聞の報道後に靖国参拝に関する全国世論調査を毎日新聞と朝日新聞が電話で22日と23日に実施したところ、靖国参拝反対の世論が毎日では54%、朝日では60%まで増加したそうだ。今年1月の時点では、反対は、毎日では47%、朝日では46%だった。これを読んで久しぶりに嬉しい気分になったのは、言うまでもなく、今までブログでさんざん訴えてきた首相の靖国参拝反対の意見が世論に少しづつ浸透してきたのかもしれない。
社説:首相の靖国参拝 世論も反対が増えている (毎日新聞 2006年7月24日 3時00分)
《調査方法》22、23の両日、電話調査をした。対象者の選択方法、有効回答数、回答率は不明。
次期首相の靖国参拝、反対60% 本社世論調査(Asahi.com 2006年07月25日06時15分)
《調査方法》22、23の両日、全国の有権者を対象に「朝日RDD」方式で電話調査をした。対象者の選び方は無作為3段抽出法。有効回答は1898人。回答率は57%。

それでも尚、こんなことを言い続けている小泉って?????
8月15日靖国参拝「世論に影響されない」…首相(読売新聞 2006年7月25日0時46分 )
中曽根が首相だった時、多くの国民が首相の靖国参拝に反対しており、中曽根はすぐに参拝を中止した。一方、今は、小泉が5年間参拝し続けていても国民によって強く反対されることもなく、小泉は任期最後である今年も又、参拝を続行しようとしている。まさに国民の思考力の低下が進んでいるのか、仕事が忙しすぎてそんなことは考える余裕がないのか、小泉政権によって右翼化が進んだからなのかわからないが、中には反対した人もいたとは思うが、ほとんどの国民が何の抵抗もなく小泉の靖国参拝を受け入れていたのは事実だ。
国民は日本の正しい歴史をよく知った上で、もっと政治にも関心を持つべきである。この日本史上最悪と言われた小泉政権のおかげで、誰が日本の政権を握るかによって自分の生活が豊かにも貧しくもなるということを思い知った5年間ではなかったか。祖父の代から戦争好きなアメリカのポチである安倍晋三のような人物が日本の首相になった日には、若者は戦争に駆り出され、命が脅かされることもあるということを忘れてはならない。
- 関連記事
-
- 8月15日に靖国参拝をした小泉への批判と感謝 (2006/08/15)
- 首相の靖国参拝 その3 (2006/08/14)
- 首相の靖国参拝 その2 (2006/08/12)
- 靖国参拝反対の世論が増加中。安倍も今年は参拝せず。 (2006/07/25)
- 小泉のカナダ訪問と靖国神社問題 (2006/06/28)
Doblogは調子悪いみたいで、訪問してもブログが読めなかったり、コメントが残せなかったりしました。今日は大丈夫だったようです。それにしても、Doblog離れが思った以上に進んでいて、びっくりしました。
日本人は旅行するにもせかせかし過ぎますね。13日間一ヵ所にとどまるなんて考えられないような人が多いでしょう。カナダ人は1ヶ月くらい同じところにいますよ。そこで、自然や現地の人とのコミュニケーションを通して、旅行の楽しさを味わいます。
私は安倍晋太郎のことなんてほとんど書いていませんが・・・。安倍晋三のことでしょうか?それでしたら、不毛な議論だなんて全く思いません。ネットで安倍晋三がどんなに腹黒い人物か追求することは、日本国民にとっても、日本の将来にとっても有益なことだと信じています。
私も全く同感です。海外ではよほど興味を持たない限り、あまり詳しいニュースは入ってこないので、こういった評価をする方がいてもおかしくないかもしれません。まあ、在外投票はそれほど投票率は高くないと思うので心配には及ばないのでしょうが・・・。
小泉政権については私はAjaさんと全く反対の意見です。
1.改革とは口ばかりで、実際は改悪ばかり。
2.確かに総理就任直後に北朝鮮に行ったことで人気をものにしましたが、結局はいまだに横田めぐみさん拉致の件も何の解決にもなっておらず、期待はずれに終わったというのが事実ではないでしょうか。
>地位に拘らず早々と勇退の時期を自ら決める。
こんな人がこれ以上政治界にのさばっていたら、日本は本当に大変なことになったでしょうし、これだけ失態をやらかしたら、自分でも政治家の素質がないと気づかない方がおかしいのでは?
>また、民主党の偽メール問題でも傷ついた相手の深追いをしない。この潔さは武士道であり日本人は大好き。
偽メール問題も、もとはといえば官邸によってしくまれたものという噂もあり、永田は民主党を貶めるために裏で小泉と手を組んでいたかもしれません。だから、そんな永田を深追いしてもしょうがないでしょう。
3.失言だらけだったと思いますが・・・(汗)。一国の政治指導者として自覚に欠けた発言が多すぎ、なんでもひとことで簡単に済ませてしまうところは、知性のほどが疑われています。
4.褒められるべきことも少しはやったのかもしれませんが、あまりにもマイナス面が多すぎて日本史上最悪の首相というイメージがぬぐえないのは私だけではないと思います。
小泉は天災であっても、決して天才ではないことだけは確信しています。はっきり言って、小泉が天才と呼ばれたら、この世の中にバカはいなくなってしまうでしょう。
日本国民は2度とこのような首相を誕生させないようにこれからもブログで訴えていくつもりです。
こちらこそ、面白い記事をありがとうございます。
副題にその3もあったんですね。気がつきませんでした。さっそく追加させていただきますね。
小さな国です。こんなところに13日間というのは私の本意では
なかったのですが。。。。
しかし、ぼやいていても仕方ないので、なるべく詳しく書きたい
と思ってます。とにかく大金をかけての旅行ですから。
----------------------------
しかし「安倍晋太郎」のことなど、書くのは、おやめなさい。不毛な議論です。
良い悪いは別にして、なぜそういう気分になるのかを考えてみました。
1. 小泉首相は族議員、派閥、そして官僚の抵抗に遭いながらも改革に挑戦した。結果は十分とは言えなかったけども、少なくとも20年くらいかかりそうな政治スタイルの変更を5年でやったのけた。
2. 政権への拘りを示さず、保身的な言動がなかった。ライ病患者への謝罪、北朝鮮への訪問、は歴代の内閣が長年ぐずぐずしてきた問題に勇気ある行動を示した。そして郵政民営化では政治生命を賭けた総選挙に打って出る。しかも地位に拘らず早々と勇退の時期を自ら決める。また、民主党の偽メール問題でも傷ついた相手の深追いをしない。この潔さは武士道であり日本人は大好き。
3. 小泉首相は「ぶれがない」という言葉が使われたように言動が一貫していて、安心感がある。そして大胆な発言のようでいて失言は意外と少なかった。
4. 道路公団民営化の失敗、財政再建の遅れ、中国・韓国との外交問題、などマイナス面もいろいろあったけれど、全体としてみれば、与野党問わず他の人だったらここまではできなかっただろうという相対的評価。
なんか、小泉首相を褒めちぎっているみたいになってきましたが、その「天才」小泉がなぜ靖国ごときにこだわるのでしょうか。
私はこれは自己のアイデンティティーの確認ではないかと思うんです。それは、日本人とはなんぞやみたいなところから始まっているんでしょう。それはいいけど、そこから次に「富国強兵」「愛国主義」の昔が良かったという懐古主義に進んじゃうのが稚拙だと思うんです。そこが「バカボン」。
日本は確かに一国平和主義的で平和ボケしていると思います。諸外国は強烈な国家主義や一神教を背景にガンガン日本を責めたててるのに日本はあまりに無防備で無策です。(Imagine there is no country. No religions too... You may say I'm a dreamer, but I'm not the only one. 大好きなレノンの詩ですが世界は正反対ですもんね。)
でもそれを打開するのに昔の軍国主義・帝国主義を今更担ぎ出してどうするんでしょう。それで大失敗したシステムなのに。
とにかく「天才」だから大目に見られた靖国参拝。今度の「小物」候補者が真似をしたら短命の政権に終わるのは間違いないでしょう。そのためにもわれわれ国民は参議院選挙ではっきり意思表示をしなければいけませんね。
私はアメリカ在住12年ですが、数年前に始まった在外投票は欠かさず投票しています。日本で税金払ってないから悪いような気もするけど、アメリカでは選挙権がないのでお許しを。
失礼しました。
今日からまた続編を書き始めようと思うので、今週中にはアップできると思います。
今度は一転して、魚住昭氏の著作を援用しながらナベツネを批判する予定です。
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
今回、靖国参拝に対するマスコミの報道や議論が不十分だと思いこのサイトを探し当て、皆さんのよく研究された情報に感心して投稿しました。私はここでの議論が広がることを願いながら、自分の所感を述べたまでです。単眼的な見解は極力避けたつもりです。一方で、結構威勢のいい、論理的な反論も期待していたのですが、「小泉が天才だなんていう人がいるなんて信じられない」、「在外投票はしないでもらいたい」ですか。うーん、私は、みなさん個人はもとよりそのお考えも中傷していないので、ちと残念。
五年間で悪くなったもの、についてももっと分析が必要ではないでしょうか。バブルが原因のもの、小泉政権が原因のもの、それに中国インドの台頭など国際競争が原因のもの、など。この辺りも皆さんともっと議論を深めたかったです。
このブログは、優れた人的資源があり、単なるアメニティーではなく、今後の政治の方向性を提言しようという志がある、あるいはそれが可能ではないかと推察しています。それならば、今後は世論の大勢を占める「何となく小泉支持派」や「靖国強硬支持派」の意見にも耳を傾け、議論を展開されればいのではと思っています。例えば靖国支持派などの多くは、戦争ごっこ的気分とアイデンティティー探し(=日本人とはなんぞや)をしているだけだから、日本人とはこうだ、こうして戦争に負けた、今後はこうして国を守るんだ、そんな議論ができればと思うんです。
ポスト小泉などについても、まだまたいろいろ書きたかったのですが、これで筆を置き、みなさんの今後の活躍を期待します。