2010.06.09 (Wed)
荒井聡国家戦略担当相が事務所費問題で辞任か
昨日のブログで菅内閣はあまり「クリーン」を強調しないほうがいいと書いた途端、このザマだ。民主党の細野豪志幹事長代理は一部の報道について否定しているが、荒井聡氏本人からはまだ何の説明もない。
これが又、よりによって、蓮舫さんが、「政治とカネの問題でもう2度とみなさま方にご懸念、ご疑念を抱かせないクリーンな政治をすることをお約束させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか!」 と公言した後だったから、あまりにもタイミングが悪すぎた。
この件について、記者から問われても、菅総理はただ「おはよう」と言っただけで何も答えていないそうだ。「透明な政治」を強調していたはずの菅内閣だが、身内からまずいことがでると、説明もせず、ただ逃げるだけ。これじゃ、国民の信頼を失うのも時間の問題だろう。荒井氏本人がよほど、うまく説明しない限り、これで、菅内閣の支持率は60%から40%くらいまで一気に下がるのではないか。
荒井聡氏がどのような人物なのかはわからないが、街頭演説のYouTube動画を見た限り、なかなか好感の持てる人物だった。
それにしても、「クリーン」で「政治とカネ」の問題は一切なし、そして、「透明な政治」を強調していたわりに、内閣発足の翌日に事務所費問題が公になるとは、なんともなさけない限りだ。植草さんが、「菅政権は対言論人官房機密費供与を透明化せよ」という記事に書かれているように、官房機密費についてはいまだに不透明なのも納得できない。
おまけに、菅内閣が目指すのが「最小不幸」とは、なんともセンスの悪いコピーのようなスローガンだ。なぜなら、最小も不幸もとてもネガティブな言葉であり、少し考えないと何を意味するのかわからない。英語で言えば、「minimum unhappiness」となるのだろうが、こんな目標を掲げる政党があったら、カナダでは誰も支持しないだろう。「最大幸福」を目指す政治の方がまだましだが、なんとなく、幸福実現党のような響きがあり、よくない。そもそも、人によって不幸と感じる度合いは違うのであり、不幸を最小限にするといっても、実にあいまいでわかりにくいではないか。その点、小沢氏の提案した「生活が第一」は、聞いた瞬間や読んだ瞬間にすぐ意味がわかり、とても好感が持てた。
いまだに、鳩山・小沢の突然のダブル辞任がなぜ行われたのか、よく理解できない人が多いのではないかと思う。小沢一郎による参院選のための選挙対策なのか。それとも、普天間飛行場の移設問題において鳩山政権がごたごたし、米国の怒りを買ったからなのか。「最低でも県外」との約束を守れずに日本国民、特に沖縄県民の怒りを買ったからなのか。
菅内閣に移ってからは、普天間問題はいつのまにか、「政治とカネ」の問題に摩り替えられてしまい、ほとんど話題にもならない。きっと普天間基地問題の迷走は、鳩山・小沢を辞任させるためのマスコミの作戦だったのだろう。
平野貞夫氏が今回の辞任劇を小沢氏に近い立場から見て書かれたコラムがあったので、紹介させていただきたい。これを読んで少しでも今回のダブル辞任劇の深層や菅直人氏の人間性を理解することに役立てばと思う。
【More・・・】
5月28日(金)午後4時頃、JR常磐線で上野へ向かっていたところ、小沢幹事長から携帯電話があった。内容は、国会会期末から参議院選挙に至る政治日程と憲法や国会法、公職選挙法などの運用についての話だった。
夕刻にかけて電話のやり取りがあり、私が感じたことは、参院選挙の環境を良くするため「鳩山首相・小沢幹事長が退陣し、挙党一致体制をつくる」ことであった。
6月4日、民主党両院議員総会で菅直人氏が代表に選ばれ、8日には菅新体制が発足する。民主党や新政権への支持率は、V字型にアップし、予想どおりの展開になった。しかし、挙党一致体制については挙党どころか混乱体制となった。首相交代ドラマについて、さまざまな情報が流され錯綜しているので、私が関わった事実を中心に問題を整理しておく。
■鳩山首相退陣の深層
6月2日の民主党両院議員総会で鳩山首相は「10日ぐらい前から退陣を考え、小沢幹事長にも自分の指示で辞めてもらう」という主旨の発言をした。これが真実かどうか問題である。私は5月28日の小沢幹事長との電話のやり取りで「自分の退陣を犠牲にして、首相に退陣を説得する」との心境を感じとっていた。
小沢幹事長は、自分が悪役になって他人を立てて事態を収拾するのが得意である。鳩山首相は責任を他人のせいにして問題に処してきた政治家である。
想い出を話しておこう。平成14年秋、鳩山民主党代表が自由党に突然合併を申し入れたことがある。小沢自由党党首は「せめて役員会の了承をとってからにしてくれ」と留保した。
翌朝、鳩山代表から私に「鳩山―小沢極秘会議で小沢さんは、自由党は党名・理念・政策・人事もすべて条件をつけない。丸ごと合併すると言った。これを役員会で発言してよいか」との電話があった。「それは小沢さんに聞くことで。意見というなら、何にもしらない自由党議員は大騒ぎとなり合併の話は不調となる。小沢は全力を上げて協力するとのことで説明すべきだ」と私は伝えた。この時の合併話は、民主党でまとまらず、鳩山代表は引責辞任をした。
鳩山首相の退陣をめぐって、鳩山・小沢・興石三者会談が数回開かれた。6月1日の三者会談で興石参議院会長は参院の審議状況、選挙に臨む候補者の心境を鳩山首相に叱るように説明したと聞いている。この時点で退陣せざるを得ないことがわかったようだ。方法は、小沢幹事長がふりつけていた「鳩山首相が小沢幹事長の首を切る」というやり方だ。会談後の〝親指〟は、そのことで、返事は2日ということで話を持ちこした。
■何故、挙党体制がつくられなかったのか
この三者会談の夜、鳩山・菅会談が行われたとの情報がある。時期は別にして会談は事実のようだ。以下収集した情報を整理して、要点を再現すると。こんな感じになる。
鳩山首相「やめるので後をやってほしい」。
菅 「わかったが、小沢を切ろう!」というものといわれている。
この夜、鳩山首相は松井副官房長官に、退陣用の演説の原稿の執筆を指示する。
私は、5月28日、小沢幹事長と電話でやりとりをした夕刻、菅グループに属する親しい参院議員に、鳩山首相退陣の流れを説明し、菅氏中心の政局となるので挙党一致体制をつくるよう心がけるようアドバイスをしておいたが、まったく逆の方向になったのは残念だ。
6月2日(水)午前9時すぎ、小沢幹事長の代理から電話があり、鳩山首相退陣とその後の政治日程について憲法上、国会法上の運用や前例についての意見を求めてきた。会期末でもあり、参院選挙の日程も固まっている状況だけでなく、朝鮮半島問題、国際的経済危機、災害など危機管理のためにも、政治空白を最小限にするよう意見をいう。
同日午前の両院議員総会で鳩山首相が退陣挨拶する時期まで挙党一致体制が実現できそうになっていた。どうもおかしいと感じたのは、午後2時頃、民主党幹事長室から「官邸は首班指名を6月8日(火)に延ばしたい」との話が入ってからである。
「そんな発想だから鳩山政権はもたなかったのだ。国民の生命、国家の安全を考えない政治を続けるのかと、言いなさい」と伝えておいた。
情報通によれば、この頃、幹事長周辺に、6月1日の「鳩山--菅会談」の内容が伝わり、挙党一致体制が崩れたとのこと。ここら辺が事実に近いのではないか。
菅氏は2日の鳩山首相退陣を受けて、4日に行われる代表選挙に立候補を表明する。小沢氏は挨拶をしたいという菅氏に会おうとしない。私の推測は「鳩山--菅密談」を知ったからだと思う。
■菅代表の憲法感覚と人間性
菅氏は立候補の記者会見で「小沢幹事長は国民の不信を招いたことについて、少なくともしばらくは静かにしていただいた方が、ご本人にとっても、民主党にとっても日本の政治にとってもいい」と発言した。テレビや新聞のコメンテーターなどは「しばらく」とは小沢に甘いといっているが、そんな問題ではない。この菅氏の発言こそ、憲法感覚の欠如と人間性の欠陥を自分で吐露したものである。
■憲法感覚の欠如
人間は基本的人権として、言論と行動の自由をもっている。まして与党の幹事長を勤め、党の代表として政権交代に自己を犠牲にして貢献した小沢一郎という政治家に「日本のためにも静かにしていろ」との暴言は見逃せない。この発言は、政治家の言論・活動の自由を侵害するという憲法上、由々しき問題である。日本の有識者、政治家がこのことに気がつかないことが、日本の知的危機といえる。
■人間性の欠陥
この暴言は、憲法原理に対する無感覚と無知を表すだけでなく、小沢一郎の人間を冒涜したものだ。人間の尊厳がいかなるものか、わかっていない証である。
なんのために、四国八十八ヶ所を巡ったのか。空海の思想が何かを知らない、形だけの信仰なら空海の怒りも強かろう。小沢氏を外すにしろ、言い方がある。「小沢は悪者」と断言したと同じだ。これで政権を担当できると思っていたら大間違いだ。
実は3年前の平成19年元旦、小沢邸で菅氏は私をつかまえ国会運営の真髄について質問してきた。当時の小沢代表の意向もあり、その後2年間ぐらい国会運営や政治についてアドバイス役をやった。
率直にいって、菅氏の性格は他人を利用して自分の地位や利益向上に利用するというきわめて自己本位で人間としての礼や信や道に欠ける態度であった。「脱小沢」の選挙劇場を演ずる役者としては適当かもしれないが、日本の社会や国民の生活を一新させることは無理である。
■政治と金とは何か
菅代表はじめ反小沢グループが、念仏のように言う小沢氏の「政治と金」とは、東京地検特捜部と巨大マスコミがつくり上げた虚像であることは明確である。
特捜が不起訴としたものを、市民目線と称して人民裁判のように操っているのは、旧体制の自民の亡霊たちである。本来なら、菅氏自身が、民主政治の危機として彼らに反論すべき立場であった。それを小沢排除に利用したといえる。市民運動家・ポピュリストの限界で、世論を説得しようとせず、逆に世論を利用して小沢氏を切り捨てる方策に走ったといえる。小沢氏の問題はきちんと収支報告を出している問題への検察権力の意図的関与である。議会民主政治の確立のためには、こんなことを政治が許容してはならないことだ。
■菅新政権で気になること
菅首相、仙谷官房長官、枝野幹事長という三役揃い踏みで、日本の政治が始まることになる。三人の過去を問おうとは思わない。これからの政治にたいする姿勢次第だ。
しかし、早くも6月7日には、小沢グループの抱き込み人事が始まり、切り崩し作戦が展開している情報がどんどん入ってくる。これも問題である。
菅・仙谷・枝野三氏が進めようとする政策は、新自由主義の思想による「小泉亜流構造改革」の再生、ネオコン政治を私は予感している。仙谷氏と米国シティグループとの関係はよく知られている。枝野氏がやってきた仕分けは、まやかしで、人間性を無視した形だけのもの。民間の小泉ブレーンを活用し、新自由主義に有利な仕分けをしているだけだ。制度の根本を仕分けするものではなかった。
小沢グループは、自由党時代「日本一新11基本法案」を国会に提出して、共に生き共に幸せになろうという「共生社会」の実現を国民に公約したことがある。
小沢氏が、民主党代表選に出馬したとき、この理念を公約している。これを民主党の理念・政策に生かすことをこれからの活動方針にすべきだ。
「小泉亜流構造改革」の復活を阻止して「国民生活第一」の「共生社会」の実現をこれから、民主党の政治にどう取り入れ、日本に真の議会民主政治をいかに実現していくか、民主党の課題は重大である。
自民党政権が崩壊し、民主党政権に交代した後、民主党の「ネオコン派」による「小沢排除」が起きると想定していた。菅氏が、代表戦の出馬会見で小沢潰しを宣戦布告したことは「共生社会派」にとっては絶好のチャンスである。起用された政策担当者から、小泉政策の評価さえ言外に感じる。これからは、どちらが国民や国家社会の爲になるのか。どちらが本物なのか。民主党の洗濯が始まるのだ。
◎万人幸福の栞(丸山敏雄著・倫理研究所)に「得るは捨てつるにあり」という言葉がある。小沢一郎は平成15年7月、この教訓を活用して自由党を解党、民主党に合流した。今回は鳩山首相を説き伏せ、身を捨てて、参院選挙に勝利して日本に民主政治を確立しようとしているのである。
小泉政権のときのような国民無視で官僚や大企業だけを優先した新自由主義政策は2度とごめんだ。菅・仙谷・枝野は、自民党の政治家のように自分たちの利権のために金持ちを優遇した政策を実施し、増税で国民を苦しめようと企んでいるに違いない。しかし、国民は難しい選択を迫られている。次期参院選で民主党に投票した場合、菅内閣を評価することになる。そうすれば、このまま菅内閣が継続しかねない。小沢氏には民主党を飛び出してもう一度だけ新党を作ってもらえないだろうか。
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お体の調子が悪く、一時お休みをされていた時は、寂しく思っていました。
貴女の視点は、賛同するものです。きっこさんよりマイルドな所が好きです。
小沢氏の考えに、賛同しているので、菅氏のアメリカよりの又は、小泉の2代目のような、ポチ的な考えは、絶対付いて行けません。でも選挙では、他の所にする訳にも行かないので、考え中です。亀井さんのところにしようかとも思っています。
ひしめきあ~っていななくは~♪
なんてところでしょう。
これまでの繰り返しで「もううんざり!」となるか否かは、それこそ菅氏しだいだろう。彼が、これまでやってきた事だけをみると期待できないし、人間、齢を重ねるほど理想・理念が汚辱にまみれていく事は、元(似非)市民運動家の菅氏に限ったことではない。
反戦な家作り」様
http://i-know.jp/hinomaro/?did=fqgPSRzsJ6uLbAx3
「aobadai life」様
http://m.ameba.jp/m/blogTop.do?unm=aobadai0301&guid=ON
植草さんはまだ断定しないとしておりますが、真実なら早急なる政界再編をすべきでしょう。国民新党や社民党に民主党の小沢さんを支持するメンバーや他の友党のメンバーを合流させて新しい政党を作るしかないでしょう。
今思えば田中康男さんの動きは納得がいきます。
荒井氏の辞任もクーデターの一環としての邪魔者の排除と考えた方がよさそうです。
ずっと以前に菅氏が小泉ジュニアが国会で初質問に臨んだとき「なかなかよかっかた」とおべっかを使ったのは一体何のため?それを考えると非常に不気味です。
以上
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そうしないと、民主党の政治は、第二の小泉に戻りそうです。
それで無いと、この支持率は得られていないはずです。以前から、支持率なんて、捏造以外の何物ではないのですが。