2010.06.03 (Thu)
鳩山辞任はわかるけど、小沢辞任は納得できない
鳩山総理がついに辞任した。その後は、ぜひ小沢幹事長にと思っていたのに、「政治と金」の問題を理由に、肝心の小沢幹事長まで辞任することになってしまったのは残念としかいいようがない。なぜなら、小沢幹事長に金にダーティなイメージを刷り込んだのは、悪徳ペンタゴンだからだ。
8ヶ月半という短い間だったが、上のYouTubeの辞任会見を見ても、鳩山総理が完全に官僚によって洗脳されてしまったのがわかる。今回の辞任の理由は普天間問題と「政治と金」の問題ということが、なぜいまさら「政治と金」の問題を辞任の理由にするのかさっぱりわけがわからなかった。国民は「政治と金」の問題なんてメディアが勝手に騒いでいるだけだということを知っているからだ。ましてや、民主党にクリーンな政党を求めているわけでもない。新しい民主党ではなく、これまでの公約を実現する民主党を求めているのだ。
国民が民主党にそっぽをむいてしまったのは、鳩山政権発足時の公約が守れなかったからだ。普天間基地や高速道路の料金の問題では、最初の約束と全く違う展開となっていった。ここまで公約と違うことをやっていたら、鳩山総理が何を言っても国民は信用しないだろう。
私は鳩山総理はもっと聡明な人だと思っていたが、これまでの歴代自民党総理と一緒で、一旦、内閣総理大臣になってしまうと官僚のいいなりになってしまった。自分で考えることをせず、官僚の意見をそのまま取り入れてしまったのが問題だったと思う。ファッションショーや韓国のスターと会見するひまがあったら、もっと真剣に日米関係や沖縄の基地問題に取り組んで欲しかった。上の辞任会見もなんとなく焦点のずれたものとなっている。真剣にものごとを考えるという能力に欠けているのがわかる。
メディアでは、1日の時点でも鳩山総理は続投を表明したとされていたが、実際は、31日に辞任の意向を伝えていたという。小沢幹事長の辞任は、産経がいち早く伝えていたが、鳩山総理が無理やり小沢幹事長を辞任させたという感がぬぐえない。
鳩山総理辞任までのいきさつは、下の記事が詳しい。
【More・・・】
小沢氏が引導電話「政権もたぬ」…検証12010年6月3日03時10分 読売新聞
1日午後10時ごろ。民主党の小沢一郎幹事長は首相公邸にいた鳩山由紀夫首相に電話した。
鳩山、小沢、そして輿石東参院議員会長との2度目の3者会談から3時間余りが過ぎていた。
「参院が止まれば、法案が1本も通らなくなる。政権運営なんて、できないんだよ」
小沢は、社民党の連立政権離脱の影響を、丁寧に説明した。小沢からの事実上の最後通牒
つうちょう
だった。
鳩山の記者団への説明では、5月31日の最初の3者会談で既に、小沢に辞意を伝えたという。だが、鳩山は2度の3者会談とも、辞任の時期や方法などは具体的に語らず、条件さえつけた。
このため、「本音は続投だ」と受け止められた。小沢との1日夜の電話が、鳩山の辞任を決定づけた可能性が高い。
この電話会談の約1時間後、鳩山に近い中山義活首相補佐官がひそかに公邸を訪れた。激励するつもりだった。その中山に、鳩山は言った。
「今まで、ありがとう。『雨天の友』をこれからも大切にしたい」
中山は鳩山の辞意を悟った。鳩山と中山の会話の横で、鳩山の妻、幸が静かに、クッションに綿詰めをしていた。(敬称略、肩書は当時)
(2010年6月3日03時10分 読売新聞)
社民切りが「小沢氏の許容範囲超えた」…検証2
2010年6月3日03時10分 読売新聞
鳩山が福島罷免に踏み切る前日の5月27日夜。民主党の小沢一郎幹事長はひそかに首相公邸に入り、鳩山と向き合った。
小沢は大詰めを迎えていた沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で「沖縄県内移設」に反対する福島に配慮するよう、「円満解決」を求めた。「福島は続投。社民党も連立政権に残る」という小沢の主張に、鳩山は反論しなかった。
ところが鳩山は翌28日朝にオバマ米大統領と電話で会談したことを境に、豹変
ひょうへん
する。移設先を「同県名護市辺野古」と明記した対処方針に踏み切り、福島を閣議での署名拒否に追い込み、罷免した。鳩山から小沢への事前の連絡はなかった。
「どうして鳩山が変わったのか。分からない」
小沢は衝撃を受けた。
小沢が「政府の仕事」として介入を避けてきた普天間問題に口を出したのは、社民党との連立瓦解は、小沢の参院選戦略や国会運営を根幹から揺るがすと分かっていたからだ。小沢周辺は「鳩山は自覚もないままに、小沢の許容範囲を超えてしまった」と振り返る。
「鳩山降ろし」のシナリオが一気に描かれた。「6月2日か3日に鳩山が退陣を表明。その週末には代表選挙で後継を選出」というものだった。一気呵成
かせい
に事を運べば、「新首相」への“ご祝儀”もあって、参院選に多少でもプラスになるとの読みもあった。小沢の信頼が厚い中堅議員は「鳩山で選挙に臨めば民主党は30議席を割る。鳩山以外なら、誰が首相でも30議席は確保できる」と解説する。
小沢と民主党の輿石東参院議員会長は5月31日、鳩山と国会内で会談した。わずか5分。小沢が切り上げた。直後の鳩山と中国の温家宝首相との夕食会に小沢が配慮したと言われる。鳩山はこの短時間に「辞意を伝えた」と主張する。小沢周辺は「鳩山は続投に意欲を示した」と反論する。参院幹部は「鳩山は『辞める』とは言ったが、いつ、どういう形で辞めるかはっきり言わず、条件さえつけた」と、鳩山の言い方を巡る双方の受け止め方が違ったことを示唆する。
翌1日の2度目の鳩山、小沢、輿石の3者会談で、鳩山は「幹事長にも身をひいていただきたい」と「道連れ」を迫ったとしているが、小沢は「互いに期することで一致したということだ」と言うばかりだ。
「小沢は自身の資金管理団体『陸山会』の事件で、検察審査会の2度目の議決をにらみ、ここで身をひいた方が得策と考えた」との見方もある。「道連れ」ではなく、小沢が自発的に辞任を決意したというのだ。
小沢側近は「首相がああいう説明をしている以上、そうだというしかない。小沢さんは鳩山さんのメンツをたてた」と語る。一方、鳩山側近は「首相が辞めた最大の理由は自身と小沢の『政治とカネ』の問題だ。2人がひくことで少しでも参院選でいい結果が出るようにと、ずっと思っていた」と、鳩山が早くから辞意を胸に秘めていたと証言する。(敬称略、肩書は当時)
「逆風」の強さ肌で感じ「参院の乱」…検証3
2010年6月3日03時10分 読売新聞
「ビラも受け取ってもらえない」
「目の前で名刺を破られた」
5月30日夜、民主党の高嶋良充参院幹事長の携帯電話に、地元での活動に奔走する参院選候補たちの悲鳴が続々と寄せられた。
「これじゃあ、みんな討ち死にですよ」
高嶋が輿石に伝えた。それが、「鳩山降ろし」へと輿石が突き動かされていく原動力となった。輿石自身も改選を迎える。「逆風」の強さは肌で感じていた。
31日の3者会談で輿石は鳩山に「社民党抜きでは選挙だって、国会運営だって厳しい。郵政改革法案だって、廃案になりかねない」と訴えた。翌1日の2度目の会談では、語気鋭く「参院ではあなたの問責決議案だって可決しかねない情勢だ」と伝えた。
2度目の3者会談は約30分。そのほとんどの時間を輿石が一方的にまくし立てる展開となった。
輿石らによる「参院の乱」によって、鳩山が辞任を表明した2日夜。輿石、高嶋ら参院幹部は東京都内にある、輿石のなじみの居酒屋で酒を酌み交わした。出席者の一人は「まだおめでとうじゃない」と、鳩山の辞任の影響がどの程度のものになるか、測りかねる様子で不安を口にした。(敬称略、肩書は当時)
「あの親指は何だ」思いも寄らぬ波紋…検証4
2010年6月3日12時57分 読売新聞
鳩山の進退を巡る攻防が一気に鳩山不利に傾いたのは6月1日夕、小沢らとの2度目の会談を終えた後。
「続投か」と質問する記者団に、左手の親指を立ててみせたことが、思いも寄らぬ波紋を広げたのだ。
「サムアップ」と呼ばれる「承認」「同意」など前向きな姿勢を示すしぐさに多くの人が「続投で乗り切った」と受け止めた。鳩山は「自分の心を外には一切出さないように努めた」と説明、辞意を隠し、あえて元気を見せるための動作だったことを示唆している。だが、党内では「あの親指は何だ」「参院の危機的な状況が分かっていない」と反発も呼んだ。所属国会議員の間では「サムアップ」への批判がメールや電話で飛び交った。
「『鳩山降ろし』は改選を迎える参院議員の一部に過ぎない」と強気だった鳩山周辺も、「あれで衆院側にも火がつき、包囲網から逃げられなくなった」と頭を抱えた。
2日午後。鳩山はわずか8か月半の滞在となった首相官邸の執務室の片づけに着手した。簡易投稿サイト「ツイッター」には「これからは総理の立場を離れ、人間としてつぶやきたい」と、早くも心は辞任後に飛んでいる様子をつづった。
そんな吹っ切れた様子の鳩山も、幸夫人の“説得”には苦労したようだ。この日、慰労に訪れた中井国家公安委員長が「奥さんもほっとされているだろう」と声をかけると、鳩山は「理解してもらうのが大変だった」と答えた。(敬称略)
新内閣ではいまのところ、菅直人氏が次期総理になる可能性が濃厚だ。右寄りの民主党議員からは、小沢幹事長との距離を置くという条件で支持するという声もあがっているようだが、民主党が政権を握ることができたのは、小沢氏の選挙戦略が功をなしたものだということを忘れてはならない。これで、新内閣が小沢氏を排除しようとする動きを見せようものなら、小沢氏もやる気を失って次の参院選での勝ち目はないだろう。小沢氏を排除したら、それこそ悪徳ペンタゴンの思う壺にはまってしまうだろう。
今回の小沢幹事長辞任は残念だったが、私は今でも小沢氏には次期総理になっていただきたいと思っている。そして、今度こそ、官僚政治から国民主権政治へと導いて欲しいのだ。
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今回の辞任劇は小泉政権以降政権交替迄の各短命政権とはその性質が違うのではないでしょうか。
・鳩山総理、小沢幹事長辞任で犬察、マスゴミの政権攻撃封じ
・首相交代で支持率回復
を狙ったほか、社民党の福島大臣の罷免で
・社民党の支持率向上を図り
菅副総理が政権交替後今迄力量があるにもかかわらずあまり目立った仕事をしてこなかったのは既得権勢力が菅副総理を攻撃させないように図り、
・小沢さんが切り札を温存するため
であり、
・菅副総理が緊縮財政を口にしたり小沢さんとの距離を置く姿勢を見せているのは参院選迄の間既得権勢力の攻撃をかわす為
と考えればよいと思います。
したがって参院選迄の間、一時的に反小沢の面々が要職を占める可能性が高いでしょう。鳩山総理と小沢幹事長は「泣いた赤鬼」、菅副総理と福島大臣は人間と仲良くなった「青鬼」の役目でしょうか。
以上
政権の要に枝野・仙谷、政策の中枢に玄葉、財務大臣に野田。
どうしてここまでする必要があるのかというくらい、凄い。
日本はアメリカのおかげで高度経済成長をなしとげました
という理屈もまた通るのです。様々な理由があるはずなのですが・・・
ほんとにそうですね。つまり裏を返せば、本当の理由は話せないということでしょう。それも国民は感づいている。それでも本当のことを話さない。イラクと違って靴が飛んで来ないから?要するに、どんなに言葉を尽くそうが、国民はナメられ続けた。そうじゃなければ、最後くらい「日本を苦しめているのはアメリカだ」とハッキリ言うでしょう。パワハラ上司(アメリカ)に、怖くて陰口もたたけない部下(日本)。それがハッキリした辞任劇でしたね。しかし、南米大陸が今日日「反米大陸」化したように、このまま行けば、いずれ日本も「反米列島」になることでしょう。
お元気にしているでしょうか?
さてさて、一年毎に国の顔が変わる島国からお伝えします(笑。
ぼくも、小沢一郎に総理大臣になってもらうことが、
大胆な改革が出来る唯一の方法だと思います。
政権交代という表紙はかわったけれど、依然官僚機構さらには
既得権にしがみつく有象無象によって本当の改革は阻止され
矮小化した話題性に流されることが歴然とした事実だと思います。
水戸黄門気取りの爺さんと政治ごっこ七奉行などは官僚にとって
御しやすく、菅直人は財務省に洗脳され消費税ありきの頭でっかち(英国みたいに生活費及び医療品は消費税なしという議論ならまだしも)。
さらに、社民の辻元なんてコロッと国交省の官僚に取り込まれ、
国民もなんだかんだでその場の空気に取り込まれているようじゃ
何も変わらない。その点、小沢一郎こそ本質を捉えている稀有な
政治家だとつくづく感じる今日この頃です。
誰よりも働き、誰よりも倹約し、誰よりも我慢する。
それが美徳だと思うんですけど…
鳩山さんの言う通り、文句言い過ぎだよ国民は!!
初めて鳩山さんに同調したよ。
国民総モンスターペアレンツかもね?
菅直人なんかに務まる訳ないし絶対に。だって打たれ弱いし、巡礼出るし。
確かに小沢一郎にやってもらいたいね総理大臣。あと福島瑞穂とか。
やっぱり脳みそオムライスしかないね。
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やるなら、代表戦に出て菅氏を破り、参院選に勝利するしかないのです。