2010.02.16 (Tue)
バンクーバー・オリンピック:フィギュア男子ショートプログラム
高橋選手は90.25点の高得点をマークし、90.30点を挙げたエバン・ライサチェク選手(米国)に次いで3位、織田信成(関大)は84.85点で4位、小塚崇彦(トヨタ自動車)は79.59点で8位だった。

各選手のエレメンツやプログラム・コンポーネンツのスコア詳細は、リンク先のチャートのScore右の「+」をクリックすると見ることができる。今回1位だったトリノ五輪の金メダリストのエフゲニー・プルシェンコ選手(ロシア)と高橋大輔選手のスコアの詳細を比べると、ブルシェンコ選手は、Quad. Toeloop(4回転トゥー・ループ)とTriple Toeloop(3回転トゥー・ループ)のコンビネーションで得点を稼いだだけで、表現力やフットワークなどその他の得点においては、高橋選手の得点の方が高いことがわかる。
フリーは18日(日本時間19日)に行われる予定だ。フリーで、4回転トゥー・ループの回転不足や失敗など、ブルシェンコ選手がジャンプを失敗し、ライサチェク選手も不調に終わったら、日本勢が金、銀、銅メダルを獲得するチャンスもあるかもしれない。
カナダの期待の星パトリック・チャン選手は今日はミスも多く不調だった。やはり、カナダでの五輪で金メダルを期待されているだけにプレッシャーが大きすぎたのかもしれない。高橋選手がオリンピックに出場するのは、今大会が最後のようなので、あまりメダル獲得は気にせず、いい思い出となるように楽しみながら滑って欲しい。

写真:フィギュアスケート男子(毎日)
【フィギュア男子】ショートプログラムで演技を終え、笑顔を見せる高橋大輔=パシフィックコロシアムで2010年2月16日、須賀川理撮影
【More・・・】
五輪フィギュア:3位高橋 自己ベスト上回る 男子SP(毎日 2010年2月17日 13時50分 更新:2月17日 14時52分)
バンクーバー五輪フィギュアスケートは16日(日本時間17日)、パシフィックコロシアムで男子ショートプログラム(SP)を行い、高橋大輔(関大大学院)は90.25点の高得点をマークし、前回トリノ五輪の金メダリストで連覇を目指すエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)、昨季の世界王者で90.30点を挙げたエバン・ライサチェク(米国)に次いで3位に入った。織田信成(関大)は84.85点で4位、小塚崇彦(トヨタ自動車)は79.59点で8位だった。フリーは18日(日本時間19日)に行われる。
◇エースの力見せる……高橋
これが日本男子陣のエースの力だ。高橋がほぼ完ぺきな内容で滑り切り、観客を、審判を魅了した。
冒頭の3-3回転連続ジャンプを無難に降りると、続くトリプルアクセル(3回転半)も成功。情感豊かなステップも見せ、美しいスピンで氷上を彩った。昨年12月のグランプリ(GP)ファイナルでマークした自己ベスト(89.95点)を上回る90.25点。前回トリノの金メダリスト、エフゲニー・プルシェンコ(ロシア)とはわずか0.60点差だ。
右ひざ前十字靱帯(じんたい)断裂の手術から復帰した今季、スタミナ面に不安はあるが、演技時間の短いショートプログラム(SP)は好演技が多い。SP曲は日本のアコーディオン奏者、coba(コバ)の「eye」で、「ここという見せ場はないが、全体を通して男らしさ、男性の魅力を出せる演技をできたら」と演じてきた。哀愁を帯びたアコーディオンの音色が大人のムードを醸し出し、「男の色気」を漂わせる高橋に合ったプログラムだ。
手術後のリハビリで股(こ)関節や足首が柔らかくなり、「下(半身)から上へ力の伝わり方が以前と違う」という。以前は苦手だったスピンだが、今は得意にしている。この日もスピンは3種類とも最高のレベル4認定を受けた。
前回トリノ五輪では8位入賞。「4年前は五輪の重みを分かっていなかった。大会期間中、心ここにあらずだった」と振り返る。その時に優勝したプルシェンコ、銀メダルのステファン・ランビエル(スイス)の元世界王者がともに今季復帰し、この2人と今大会が今季初対決。GPシリーズ中は「プルシェンコは次元が違う。戦う気がうせそうになった」とやや弱気だったが、互角の展開に持ち込むことに成功した。
高橋は「五輪はこれが最後」と位置づける。その言葉通りなら18日のフリーは五輪最後の演技。目標に掲げる「五輪金メダル」に向け、視界は開けている。【来住哲司】
五輪フィギュア:4位織田 ほぼノーミスで滑る 男子SP
毎日新聞 2010年2月17日 14時07分(最終更新 2月17日 14時51分)
バンクーバー五輪フィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)で84.85点で4位に入った織田信成(関大)。五輪デビューの演技としては、上出来だった。ほぼノーミスの内容で、日本男子選手として歴代最多のグランプリ(GP)シリーズ通算5勝の実績が、だてではないことを示した。
冒頭のトリプルアクセル(3回転半)、続く3-3回転連続と得点源のジャンプを確実に決めていく。中盤のサーキュラーステップでは観客から手拍子が起きた。3種類のスピンも、狙い通り最高のレベル4認定。自己ベスト(87.65点)には届かなかったが、84.85点の高得点だ。
今季の織田はフリーに比べ、SPをやや苦手としてきた。優勝したフランス杯、2位に入ったGPファイナルや全日本選手権は、フリーで順位を上げた。フランス杯SPでは表現力などを示すプログラム構成点の低さに、「夏場は表現力を課題に練習してきたのに。すごいショック」と涙を流したほどだ。
SP曲の「死の舞踏」(原曲リスト作曲)は曲調が速く、「疲れると曲に(演技が)遅れて焦ってしまう」とやや苦手意識を持つ。今大会に向けて「SPはすべてのエレメンツ(要素)を確実にこなすこと。力強さを見せたい」と心掛けてきた。前回トリノ五輪女子で優勝候補筆頭だったイリーナ・スルツカヤ(ロシア)がSPでこの曲を使い、総合3位に敗れた。だが、そんな“縁起の悪さ”も、今季好調の織田には関係なく、持てる力を十分発揮した。
日本男子初の五輪メダル獲得に向け、2日後のフリーにつながる演技。フリーでは今季成功のない4回転トーループを跳ぶのか。「フリーでは笑顔を見せられたらいい」。先祖の戦国武将・織田信長譲りの勝負強さを発揮できるか、いよいよ真価を問われる時だ。【来住哲司】
五輪フィギュア:男子・小塚選手の94歳祖父 感激の涙
毎日新聞 2010年2月17日 14時27分(最終更新 2月17日 14時47分)
夢がかなった瞬間、祖父の目には感激の涙が流れた。バンクーバー五輪のフィギュアスケート男子シングル・小塚崇彦選手(20)=トヨタ自動車=の祖父光彦さん(94)は17日、名古屋市天白区の高齢者介護施設で、孫のショートプログラム(SP)の滑りをテレビ観戦した。目を見開き、固く結んだ手。時折うんうんとうなずく光彦さん。テレビ画面の向こう、五輪の大舞台で舞う崇彦選手は、懸命の応援に応えるようにSP8位で折り返した。
光彦さんは戦前、旧満州(現中国東北部)でカメラマンの傍らフィギュアスケート選手として活躍。戦後は愛知県スケート連盟設立にもかかわり、現在の愛知県フィギュア界隆盛の土台を作った。満州時代から「子や孫が五輪に出てくれるのが夢」だったという。
光彦さんの次女後藤光代さん(61)によると、80歳くらいまで毎日のように崇彦選手の練習を見に行くなど、期待を込めていた。
この日、光彦さんは崇彦選手からもらった日本チームのベストを着て、施設入所者らも手作りの日の丸を振って応援した。
練習の滑りを画面で見て「まだまだだなあ」と辛口の批評。それでも演技が始まると、食い入るように画面を見つめ、思わず眼鏡を外して、ハンカチで目頭を押さえた。
光彦さんにとって、長男嗣彦さん(63)の68年グルノーブル五輪出場に続く快挙。崇彦選手の滑走後、「あんなもんじゃ」と辛口コメントだった光彦さん。だが、長年の夢の達成に満足そうな笑顔だった。【黒尾透】
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小塚崇彦 |
三人の日本選手のSP素晴らしかったです。
うちの両親は、「織田君や高橋君は、どん底を味わったり、それを見たからこそ今の力になってるのかも、それと今日の小塚君はかなり緊張してたんじゃないかな」などと言ってました。
私は、織田選手の演技や笑顔が好きですが、小塚選手の演技も高橋選手の演技も素敵だと思ってフュギュアスケートの番組を見てます。
話は変わりますが、小塚選手のお祖父様にとって、バンクーバーオリンピック出場は最高のプレゼントですね。
小塚選手、精一杯おじいちゃん孝行してくださいね。
三人ともフリーの演技がうまくいくようにまた、メダルのことを考えないで心から楽しんで踊ってほしいです。
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カナダのアナウンサーも驚いていましたが、SPでは日本の選手が活躍していましたね。
3人とも本当にすばらしかったですが、私はこの3人では高橋選手が群を抜いてすばらしいすべりをしていると思いました。明日がとても楽しみです。メダルのことは忘れて滑って欲しい。