2010.01.06 (Wed)
藤井財務相の後任に菅直人副総理

すばやい対応で、後任が無事決まったので、政局への悪影響はほとんどないだろう。総理から財務相に任命された後、官邸から出てきた菅氏の写真を見ると、午前零時過ぎということもあり、疲れきった表情を見せているけど、ここは国民のためにぜひともがんばっていただきたい。
写真:藤井財務相辞任:後任は菅副総理 仙谷氏が国家戦略相兼務
(毎日新聞 - 01月06日 19:33)
鳩山由紀夫首相は6日夜、藤井裕久財務相(77)の辞任を了承し、後任に菅直人副総理(63)を充てる人事を発表した。菅氏が兼務する国家戦略担当相は仙谷由人行政刷新担当相(63)が兼ねる。7日に正式決定する。菅氏は10年度予算編成の際、衆院選マニフェスト(政権公約)関連の予算の総合調整にあたっており、首相は18日召集予定の通常国会での審議に即応できると判断。官邸で記者団に「菅副総理が最も適当だ」と語った。
首相としては5日の藤井氏の辞意から1日での後任決定で今後の政権運営への影響を最小限にとどめたい考えだが、自民党など野党は通常国会で政権の「政治とカネ」や公約の一部違反などを材料に攻勢を強める構えだ。
首相は藤井氏を慰留していたが、6日午後に藤井氏が「閣僚の続行は困難」との趣旨の医師の診断書と辞表を首相あてに提出したことを受け、「医師の診断は重く受け止めなければならない」として慰留を断念した。
首相は後任選びに時間をかけると政権運営への影響が大きいと判断。6日中の決着を目指し、菅氏と官邸で断続的に協議。菅氏は一時、国家戦略担当を優先したいとして難色を示したが最終的に財務相就任を受け入れた。首相は政権運営への影響について「ダメージを最小限にするために予算案を一番近くで見て来られた方を後任にする。心配してない」と記者団に強調した。
菅氏は兼務していた経済財政担当を引き続き担当するが、科学技術担当は川端達夫文部科学相が兼務する。藤井氏の辞任で内閣法により17人が上限とされる閣僚ポストが一つ空席となるが、首相は補充について「当面考えていない」と記者団に語った。
菅氏は首相との協議後、記者団に「藤井氏が手がけた予算の仕事を引き継いでいかなければならない」と話した。また、仙谷氏は国家戦略担当を兼務することについて「肉体的にはなかなか大変だが、古川元久副内閣相は(政権発足時から)両方抱えてここまできたので、できないわけではない」と語った。
菅氏は市民運動出身で80年に衆院初当選し10期目。社会民主連合、さきがけを経て96年の旧民主党結党時に鳩山首相と共同代表を務めた。仙谷氏は同当選6回。弁護士出身で90年に旧社会党から初当選。党政調会長を務めるなど、政策通として知られているほか、民主党内の非小沢系議員の中心的存在だ。【田中成之】
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関連ブログ:『雑談』馬脚を現したというかいい加減な記事を書く朝日と産経
藤井裕久氏が財務大臣を辞任をした事で、昨日は大騒ぎであった。9月16日に鳩山内閣が誕生をする前に、藤井裕久氏が財務大臣になるのならないの、やれ小沢氏が反対しているだのと大騒ぎをしていたのを思い出した。
小沢氏自身は、現実には組閣に口出ししていないというのが、本当のところであるが、周りが小沢氏に気を使ったものまで小沢氏のせいにされたのではたまらない。
まぁ~、中には居酒屋で小沢氏の悪口を言って新聞にスッパ抜かれた「間抜け」もいたのだが、それも小沢氏が「あいつは入閣をさせるな」と言った訳ではなく、周りの思い込みでしかない。
そんな中で、藤井裕久氏の財務大臣起用には、ひとつの思惑があったのではないかと思えてならない。9月16日以降に何度かこのブログでも書いたのだが、彼・藤井裕久のアルコールの問題である。つまり、アルコールの問題が一番心配であった。
故にはじめから長くは続かない考え、小沢氏も藤井裕久氏の財務大臣起用に異を唱えなかったのではないかと思っている。
「激務に耐えられるなら、どうぞ頑張ってください」というのが、小沢氏の考えだったのではないだろうか。まぁ~、「一度だけ予算を組んで若い衆に教えてやってくれや」と言ったところだと思っている。
何よりも、今日テレ朝のワイドスクランブルに渡部恒三が出演をしていた。その時に藤井・管・仙谷・野田氏が写しだされていたのであるが、はじめに藤井氏の画面が流された時に、渡部恒三氏が酒をあおる仕草をした事に気がついた方がおったろうか。その後の話は、いつものように当の本人を大きく見せたいような素振りの話ばかりであった。
元々財政規律派とみられていた藤井氏であるが、9月7日の常任幹事会で「財源にはそこまで触れなくていいんだ。どうにかなるし、どうにもならなかったら、ごめんなさいと言えばいいじゃないか」と。それに対して鳩山氏は、これ以上赤字は増やさないという趣旨の発言をしているのである。
テレビや新聞で、小沢氏が党の要望を突き詰けたことから、「嫌気」がさしたなんて話はトンでもない話である。確かに、一時期鳩山氏と藤井氏の話の内容が間逆になったこともあるのは事実ではある。
しかし、小沢氏は一貫してマニフェストを重視をし、財源が足らなくなくなり予算が組めない状態で「暫定税率」を言い出し財源を作ったのである。
あえて言うと、財務省が最後に信じたのは藤井氏ではなく小沢氏だと言うことになる。その時点で藤井氏の存在価値は無くなったに等しいのである。
まずは、断っておきたいには、財政規律派が良いか開放派というか景気重視派が良いかを論ずるつもりはない。どうせ、規律派の論をとれば、成長やなにやらができないとほざくだろうし、開放派の論を書いたら、孫・子の代まで借金を残すのかと吼える輩が出てくることだろう。そんなものに一々付き合ってはいられない。現に自民党内でも財政規律だ!と叫ぶ議員もいれば、景気が優先!だと騒ぐ議員もいる。
話を、藤井氏の話に戻そう。
小沢氏と衝突してまで鳩山氏が藤井財務相に固辞をしたのとはどうも様子が違うと自分は思っていた。同時にやけに高橋是清を持ち出すのも変な感じがしていた。ところがよく考えると高橋是清は過去に7度だったかな?の大蔵大臣をつとめてはいるのだが、短期(40日・実際には45日だったかな)での大蔵大臣を受けているのである。つまりこの度も、22年度予算を組むまでと鳩山との約束であったのではないかと思えてしまう。
同時に、藤井氏は間違いなく次の選挙には出馬はしないであろう。その時に藤井氏と同い年の渡部恒三氏の先は見えたと言うことになる。渡部恒三氏の顔を見ていて、仙谷由人氏や野田佳彦氏の顔が映し出された顔と小沢氏・菅氏・鳩山氏の顔が映し出された時の顔の表情の違いに気がついた人間はかなりいるはずである。まぁ~、好きにさせておこうw
一見、ガチガチの緊縮財政派(実際は?)だと考えられていた藤井が菅直人へ財務相の座を譲ったことで、必ずしもマイナスにはならないとの意見が多いのも面白い話である。
これからは、テレ朝・朝日新聞&産経が生き死にの総攻撃をかけてくると思われる。しかし、マスコミは視聴者・新聞の購読者がかなり今のマスコミ報道を懐疑的な見方というより信用をしていない事に気がつくべきであろう。
植草一秀の『知られざる真実』 菅直人副総理財務相就任で政権体制は盤石に」より抜粋
鳩山政権閣僚のなかで、もっとも明確に「霞が関主導からの脱却」、「脱官僚」の方針を示してきたのが菅直人副総理であり、この意味で、菅直人副総理の財務相就任は最適人事であると評価できる。
財務省は菅直人副総理の財務相就任を最も嫌ったと考えられる。財務省が影響力を行使して、マスメディア報道では、野田佳彦財務副大臣、仙谷由人行政刷新相の財務相就任が誘導された形跡が色濃い。鳩山首相はこうした誘導をはね返して菅直人副総理の財務相就任を決定した。
マスメディアと霞が関守旧派勢力が結託して鳩山政権攻撃を継続している。小沢一郎民主党幹事長の政治資金をめぐる検察の行動は常軌を逸しているとしか言いようがない。自民党議員の政治資金に巨大な闇が厳然と存在しているにもかかわらず、自民党議員の巨悪にはまったく関心を示さない。
「守旧派勢力=悪徳ペンタゴン」の一角を占める大資本は「カネ」の力でマスメディアを支配して鳩山政権総攻撃を応援している。悪徳ペンタゴン中核の米国が一連の鳩山政権攻撃の黒幕であることは言うまでもない。
『保坂展人のどこどこ日記』 藤井大臣辞任、国家戦略局はどうなる」より抜粋
ただ、残念なのは「国会戦略局(室)」の具体像と機能がまだ見えないうちに仙谷氏にバトンタッチをしてしまうことだ。年末に発表された経済成長戦略にも「菅カラー」は見えなかった。一方で、国会戦略局と行政刷新会議は「脱官僚」「脱自民党政治」のシンボリックな車の両輪だったはずだ。国家戦略局が新時代を画する「基幹産業」を創出するぐらいの「夢」をつくりだし、行政刷新会議が官僚統治の下で放置されていた行政の無駄を洗い出すというバランスで「政治のかたち」を変える試みが始まると言われてきた。しかし、行政刷新会議の「事業仕分け」が先行して、「国家戦略局」は起動が大幅に遅れた。ようやく菅氏のもとに国会議員のメンバーも集まり、さあこれからという時に、いくら仙谷氏が有能だと言っても一人二役は難しいのではないか。
しかし、藤井大臣辞任もアクシデントだとしたら、とっさの判断の時間しかなかったわけだから、これから後戻りは出来ない。予算審議まであと2週間あまり、政権交代の曙の時期に迎える最大の試練が今回の予算審議だと思う。「八ッ場ダム」も「普天間基地」も、鳩山政権が決着をしていくしかない問題だが、なぜこのように複雑で長期間にわたって未解決のままに放置されてきたのかの「責任追及と検証」を忘れてはならない。「自民党政治の失敗」、これを棚にあげて議論をさせないという気概が必要だ。

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