2006.07.07 (Fri)
安倍が「言論の自由」を破壊する
2006.7.5(その2)
森田実の言わねばならぬ[198]
安倍晋三氏を支持し、「安倍首相」を待望している愚かなる大新聞社の編集者、記者に問う――君たちは安倍晋三官房長官を次の自民党総裁にし、内閣総理大臣にしようとして、世論を安倍支持の方向へ巧みに誘導しているが、本当に日本国民にとって「安倍首相」がよいと考えているのか。それとも、今の政治権力と安倍首相を求める内外の勢力に脅されたり、買収されたりして、安倍首相づくりを推進しているのか。諸君はあまりにも愚かである。
「人間は、何を滑稽だと思うかによって、何よりもよくその性格を示す」(ゲーテ)
大新聞社の編集者、記者の諸君、君たちも読んでいると思うが、『選択』という情報誌がある。『選択』06年7月号の「交差点」(59ページ)下段の「裏通り」の一文を読んだ人は多いだろう。これを読んでもなお、諸君は安倍首相を実現するために働くのか。
『選択』は書店では販売されていない。このため、本ホームページの読者には読んでいない人のほうが多いだろう。その方々のために、以下、「選択」より大切な部分を引用する。
《記事への告訴や抗議が絶えないのは小誌の定めですが、今も次期首相最有力の安倍晋三氏から執拗な訴訟攻勢をかけられています。前編集長時代の六つの記事に対して名誉毀損で訴えてきたのが始まり。損害賠償金として五千万円を支払うとともに、すべての全国紙に謝罪広告を掲載せよと要求してきたのです。裁判官による調停に対しても極めて強硬で、判決まで持ち込まれました(今四月)。内容は、(1)五十万円を支払え、(2)その余の請求はいずれも棄却する――というもの。
当方はこれで手仕まいするつもりでいました。ところが、原告側からこれを不服として控訴してきたのです。それでいま第二回戦をやっているのですが、この裁判の過程で強く感じたことは、安倍氏側のメディアに対する挑戦的、高圧的な姿勢です。全国紙での謝罪を本気でやらせようというのですから尋常ではありません。最近の安倍氏関連記事に対する抗議文も「まだ懲りないのか」といわんばかりの脅迫まがいです。
故竹下登氏はとくに首相在職中、週刊誌から金権などで波状攻撃を受けたものですが、七通とかの訴状を用意して断固告訴を迫った側近に対し、「権力者というものはそういうことをすべきではない」と一蹴したと伝えられています。統治者たる者のひとつの見識。なんたる違いか。(Y)》
「言論の自由」は民主主義の社会において最も大切なものの一つである。政治権力者が、独裁的な考えに立って「言論の自由」を封殺しようとすれば、民主政治は成り立たない。
政治権力者が、独裁政治を求めるのか、民主政治をめざすのか――その境は、言論の自由を認めるのか否かにある。
安倍晋三氏はどちらか。 『選択』の記事を読むと、安倍晋三氏が、「言論の自由」の擁護者ではなく、「言論の自由」の破壊者であり、激しい独裁政治志向の持ち主であることがわかる。
大新聞社の編集者、記者のほとんどは「安倍支持」である。大新聞の記者たちは、安倍氏を首相にしようとしていろいろ画策している。だが、それで本当にいいのか。安倍氏を首相にした瞬間、日本の言論の自由が殺されてしまうおそれ大である。ジャーナリズムは、安倍氏の真の姿を知らせる努力をすべきではないのか。
安倍が裏でこんなことをしているから、道理で統一協会の件もあまりメディアで騒がれなかったわけだね。でも、ブログは政府と癒着することはないので、言いたいことはどんどん書いていいと思う。ただ、『反戦な家づくり』が名誉毀損の警告を受けたように、「言論の自由」を奪おうとする波は、ブログの世界にも押し寄せてきているのも事実だ。『反戦な家づくり』に関しては、相手が悪かっただけかもしれないが、なるべく個人を誹謗・中傷するときは、自分の意見を言うのではなく、本、雑誌、2ちゃんねるなどネットからの引用文を使うようにしようね(笑)。
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いつも元気な美爾依さんに敬服しております。リンクを張らせていただきます。おばさん・おばちゃんブロガー同盟の一員です。
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偉大なる指導者、敬愛する領袖、無謬な真理を語る最高指導者、サワヤカな安倍晋三様を、我ら赤子の総統に奉らん
人はなぜ繋がりを求めるか――青年マルコの冒険(7)by華氏451度
さていよいよ「安倍政権」が誕生するのを見るのかと思うと、本当に日本の行く末が心配です。昨年の衆院解散以来、ときにはやや希望が持てるかという状態に揺れ動き(疑惑四点セットの問題露見、小沢一郎民主党代表の登場と一連の地方選での与党敗退など)がありながらも、日本の全体の流れは崖から海へ飛び降りんとするレミングの大群のようなものと、小生などは悲観しています。美爾依様やネット世界の一部の良心的ブロガーの皆様頑張って下さい。人気投票クリックし続けます!言論統制に負けないで下さい。
さてヘンリー・オーツ様の以下の一文「思うにアベちゃんは小心者という感じがします。(中略)実際に総理になったとして歴史に悪名を残すことになることはわかっているのでその重圧に耐えられないのではないでしょうか?」に賛同します。安倍晋三氏は評判によれば人も知る小心者らしく、また残念なことに(?)極めて了見が狭い人であるとの評判も聞きます(ネットで集めた情報です)。確認出来ないので、これらは事実としてではなく、世間での一つの意見と御報告しておきます。決して個人攻撃ではなく、国政を預かる人の心理状態を憂慮しているのです。(彼が自民党幹事長時代、選挙の思わしくない結果を見ての、ひどくがっかりした表情も印象に残っています。その際、小泉氏は流石に現実を甘受する表情を浮かべていましたが。)
さてこれら評判がある種の真実を反映しているとすれば、彼が首相になったらどうなるのでしょうか。彼は世論操作のために(恐らく)作り出されてきたであろう、これからも作り出されるであろう対外的緊張状態に、国政の責任者として耐えうるでしょうか。領土問題などでは一触即発の大変な緊張状態の中で、押したり引いたりの交渉をせねばなりません。それに彼がよく耐え、国益を損なわない結果を出せるか、どうでしょうか。かえって乾坤一擲の危険な解決法に頼らないとも限りません。これら安倍氏の心理状態、パーソナリティが引き金になるかもしれない事態は私が常々心配するところです。オーツ様は、別のネット統制の動きという角度から彼の心理状態とパーソナリティに迫ってられたと思います。今後とも状況を分析しつつ安倍氏の政治姿勢に鋭く迫らんことを期待しております。
敬具