2009.11.22 (Sun)
木村佳苗容疑者がさいたま地裁に送検される


写真左:『ZAKZAK』 「勘違いセレブ成れの果て 結婚詐欺女、サンダル履きで護送」より
川越署からさいたま地裁に送検される結婚詐欺容疑の女性(中央)
詐欺罪で起訴されているにもかかわらず、木嶋佳苗容疑者に対して、いまだに実名報道されておらず、植草さんが、植草一秀の『知られざる真実』の「木村佳苗氏事件で検察が警察に出頭する異様さ」というエントリーでも触れられていたが、今度は、送検手続きもさいたま地検の検事が女の留置先の川越署に出向く、異例の形で行われたという。
上述の『ZAKZAK』によると、女はブログで華やかな生活ぶりをつづっていたが、サンダル履き姿にはセレブの面影はなく、確認できたのは同じくブログで気にしていた太め体形だけだったとか(笑)。
18日には、埼玉県警が、別の男性から百数十万円をだまし取ろうとした詐欺未遂容疑で木嶋佳苗容疑者の4度目の再逮捕に踏み切ったそうだが、これだけ証拠がそろっているのにいまだに実名を伏せて「結婚詐欺の女性」で済まされるというのは、あまりにも不公平ではないだろうか。
例えば、イギリス人の英語教師、リンゼイさんを殺害した市橋容疑者は、1人殺害しただけで顔写真や実名も公開された上に、東京駅などで驚くほどの数の報道陣の前に晒されている。一方の木嶋佳苗容疑者の場合は、すでに6人も死に追いやっており、その上、総額1億円以上の詐欺を働いているのに、祖父が議会議員を長く務め、勲五等双光旭日章を受勲しており、故中川昭一議員の別海地区後援会会長を務めていたというだけで、警察による顔写真の公開はいまだにない。
その上、前述の植草さんのエントリーによると、護送の際も警察から検察に身柄が送られる際、普通、被疑者は手錠、縄で捕捉されて送致されるそうだが、上の写真を見ても、木嶋容疑者が手錠をかけられたり、縄で捕捉された様子は全くない。そして、報道陣の姿も全く見当たらない。
県警は、一連の詐欺未遂事件の捜査を終え次第、来月にも殺人容疑で逮捕する方針を固めたそうだが、果たして、メディアによって木嶋佳苗容疑者の情報がどこまで公開されるのか見ものである。
日本の警察は、6人も殺害した木嶋佳苗容疑者に関しては、実名を隠し、顔写真も非公開として人権を尊重しているように思われる。しかし、一方では、実際に罪を犯していない人を違法に逮捕したり、証拠不十分であるにもかかわらずメディアに悪意のある実名報道を許可したりしており、人権を踏みにじっている。これまでの被疑者に対する当局やメディアにおける取り扱いを見た限り、日本の「民主主義」や「法の下の平等」はほとんど否定されてしまう。民主主義の下では、警察は、なぜこのように不公平な取り調べや報道が行われているのかを国民が納得いくように説明しなくてはならない。
政権交代したにもかかわらず、不透明な日本の警察・検察・裁判制度は依然、時代遅れで世界から取り残されている状態だ。日本で真の民主主義を浸透させ、基本的人権が尊重されるためには、諸制度の刷新が求められる。
【More・・・】
関連記事:
図:ついに暴かれる結婚詐欺女の“素顔” 殺人容疑で逮捕へ (ZAKZAK 2009.11.19)より
総額1億円以上の結婚詐欺を働き、ネットを通じて知り合った6人の男性が不審な死を遂げている東京都豊島区の無職女(34)=詐欺罪などで起訴=について、埼玉県警は18日、別の男性から百数十万円をだまし取ろうとした詐欺未遂容疑で4度目の再逮捕に踏み切った。県警は一連の詐欺未遂事件の捜査を終え次第、来月にも殺人容疑で逮捕する方針を固めたとみられる。
捜査関係者などによると、同県警は当初、今年6月に埼玉県内の駐車場で死亡が確認された東京都千代田区の会社員、大出嘉之さん=当時(41)=の殺人容疑で女を立件する方針だったが、女は関与を否定。別の男性への殺害容疑も含めて立件するには、犯行に類似性がある詐欺事件の全容解明が不可欠と判断し、今回の再逮捕となった。
再逮捕の直接の容疑は、7月中旬ごろ知り合った50代男性に「料理学校の金が払えない。卒業したら結婚してもいい」と持ちかけ、百数十万円をだまし取ろうとした疑い。知り合ってすぐに金の話を持ち出された男性が不審に思ったため、未遂に終わっている。
女をめぐる男性の不審死については、2007年8月、当時交際していた千葉県松戸市のリサイクルショップ経営、福山定男さん=当時(70)=が死亡。福山さんは生前に7400万円を女に振り込んでいた。また今年2月には、東京都青梅市の会社員、寺田隆夫さん=当時(53)=が自宅で一酸化炭素中毒で死亡、女はやはり1700万円を受け取っていた。
女は自宅近くの病院で睡眠導入剤の処方を受ける一方、今年4月にインターネットを通じて大量の練炭を購入していた。その翌月、ヘルパーとして出入りしていた千葉県野田市の安藤建三さん=当時(80)=が自宅火災で死亡。当日、安藤さんの口座からは180万円が引き出されていた。
女は7月に再び大量の練炭と睡眠導入剤を入手。8月、西池袋の高級マンションへ引っ越した直後、大出さんが死亡した。安藤さんと大出さんの遺体からは同じ睡眠導入剤の成分が検出された。このほか、首都圏に住む2人の男性の死亡も判明。さらに、婚活サイトを通じて知り合った別の8人の男性も詐欺や詐欺未遂の被害に遭ったとみられている。
「×××したいの」結婚詐欺女、日記でさらす“エロ”素顔
(ZAKZAK 2009.11.17)
結婚詐欺容疑で逮捕・起訴された東京都豊島区の無職女(34)と交際していた男性6人が不審死した事件で、女は年上の彼氏とのセックスレスが原因で睡眠薬を服用するようになった可能性があることが分かった。女は「欲求不満日記」というブログを開設。《私はどんな時でも、sexしたいのよね》などとブログに不満をぶつけていた。
女は2008年3月から、会員制の料理サイトに日記欄を開設。高級料理店で飲食したり、ベンツを乗り回すセレブぶりをつづっていた。「欲求不満日記」はこれとは別のブログサイトに開設したもので、06年5月ごろからほぼ毎日、赤裸々な下半身事情を告白していた。
ブログの副題は「10歳年上淡白彼とのお付き合いあれこれ」で、40代とみられる本命の彼氏との性生活の不満が主な記述だった。それによると、彼氏は女に対して淡泊かつインポ気味。《前戯ゼロで、全く濡れていない私に入れるし、私は勿論イケないし、 あぁ、こんなsexならしないほうがマシ…と思ってしまった》と、女はプレーそのものにも不満を爆発させていた。
日記によると、女は05年初頭から不眠症に悩まされ、《三種類の睡眠薬を処方されていた》という。このほか、うつ症状を訴えた記述には《ストレスの原因の98%は彼だからなぁ。彼とのセックスがうまくいかなくなってから私のストレスはマックスだ》とあった。
さらに女は不能気味の彼氏のために中国から精力剤を購入していた。このころから、“薬”を使って何かをしようとしていたようだ。
『六本木で働いていた元社長のアメブロ』 民主党は郷原信郎を法務大臣にしたらどうか、だってさ。
民主党は郷原信郎を法務大臣にしたらどうか/その1――検察の横暴に対する新政権の回答
民主党は郷原信郎を法務大臣にしたらどうか/その2――第三者委員会報告書の問題提起
The Journalの高野猛さんの骨太記事です。
大筋合意だけど、彼は検察の独自捜査能力は必要だって言ってるけど、私はそうは思わないな。
起訴便宜主義(起訴するかしないかは、検察の胸先三寸で決まる)がある限り、恣意的・政治的捜査・起訴はなくならないし。逮捕されるかされないか、起訴されるかされないかは、やられた本人の人生に於いては非常に重要な意味を持つから。
捜査は、検察とは独立した捜査機関がやればよい。
否認事件には起訴陪審を選択できるようにすべき。
法曹試験は一元化されているが、司法修習を終えたら一律弁護士登録させ、その中から選挙なり民主的なシステムで一定の経験を経た弁護士を検事任官、あるいは裁判官にすべき。
特に内閣が任免権を持つ認証官である検事総長・次長検事・検事長は弁護士任官などを積極的にやるべき。
私がやられた経験を踏まえて個人的にもうひとつ意見があるのは、経済事件特に金融商品取引法や会社法などに関わる事件の取り扱いである。異論はあろうが、私が訴追されている事件が百歩譲ってもし有罪だとしても、日興コーディアル・IHI・ビックカメラなどの課徴金処分の案件よりも悪質だとは思えない。しかし私は今のところ実刑判決で上告中、他方は課徴金で関係者は逮捕も起訴もされていない。
この落差は明らかに酷い。たしかにライブドアよりも歴史も伝統もある会社だ。フジテレビに買収をしかけたこともない。目立つとか歴史が浅いとかそういう理由で恣意的に検察官に狙われては堪らない。要は非常に不公平であるといいたい。
まあ、そんなわけで日本の警察が不公平であるということは誰もが知っている事実だけど、それにしても、ここまで証拠が揃っているのにいまだに詐欺、詐欺未遂容疑だけだなんて、日本の警察も案外トロいね。
今日もランキングの応援宜しくお願いします。

にほんブログ村 政治ブログ 現在 1 位
このエントリーは、
『鳩山政権 - トラックバック・ピープル』
http://member.blogpeople.net/tback/10641
『民主党 - トラックバック・ピープル』
http://member.blogpeople.net/tback/09160
『自エンド - トラックバック・ピープル』
http://member.blogpeople.net/tback/09077
ブログ村トラコミュ『鳩山政権』
ブログ村トラコミュ『自エンド』
にトラックバックしています。
【政権交代】を実現させたブロガーリスト
- 関連記事
-
- 日本って本当に世界一の長寿国なの? (2010/08/06)
- 山本真純アナの自殺の原因は産後うつ病か? (2010/07/28)
- 木村佳苗容疑者がさいたま地裁に送検される (2009/11/22)
- 市橋容疑者逮捕、移送で東京駅が騒然となる (2009/11/11)
- 木嶋佳苗の取り扱いからしても、日本がまぎれもなく警察国家であるのがわかる (2009/11/10)
Tags : 木嶋佳苗 |
結婚詐欺 |
睡眠薬 |
詐欺罪 |
詐欺未遂事件 |
練炭 |
料理サイト |
セレブ |
どちらかというと木嶋佳苗容疑者を吊し上げたのだから今迄の過剰リークには目をつぶれと警察・検察・マスゴミが言ってくる可能性があるだろうことを指摘したまでです。
一番よいのは木嶋佳苗容疑者を実名で吊し上げた後、今迄の警察・検察・マスゴミ過剰リークの落とし前もつけてもらうのが一番よいかと思います。
ちなみに最近神州の泉様とカナダde日本語様の両方の記事に警察によるストーカー犯罪捏造等の事例として「大森警察署」を挙げましたが、Googleで「ストーカー犯罪捏造_大森警察」と入力して検索しても上記に投稿したコメントが検索されないのです。警察がよほど大森警察の悪事を知られたくないのかGoogle八分を依頼したのではないかと疑がっています。
以上
松本サリン事件は明確に公安警察による過激派キャンペーンを意図としてデマが流されました。
よって、そのような現実を国民の総意として批判するのが重要であって、すでにそのような意図的な隠蔽とデマ報道が実態として存在するわけですから、「推定無罪」の言説を展開して火消しするような論理をたてるのは間違いだといえます。
実際、市橋容疑者に対する検察官の尋問や、足利事件などの冤罪事件をみても、批判すべきは権力側に対するそれであって、「推定無罪」で話をごまかすのは言語道断だといえます。
ということで私は美爾依さんの展開を支持したいですし、美爾依さんの重要な提起にあえてぶつけてくるような意見には反対です。
みにーさん今回のエントリもなるほどと思っています。
キーワードはこれらでしょう。
文化勲章をもらった「由緒」ある家柄の人間が、保険金詐欺で6人も殺してしまったという「事実」を世間に知られたくはないという権力側の面子と、オーバーかもしれませんが、「体制維持」という面子があるものと推察されます。
さらに、市橋容疑者への取調べをした検察官の問題発言は、明白に憲法の想定からはずれています。
市橋容疑者は殺人犯だから、検察官の問題発言が「許される」ものではなくこうした事柄からみましても、植草先生のブログでずばり指摘されているように、「前近代的」といわざるをえないと思います。
そんな人たちが「支配」してきたのだという証拠なのだと思います。
しかしここで木嶋佳苗容疑者の実名が報道されないのがけしからんとして世論に押されてマスメディアが実名報道を始めるなど有力者のコネがない事件の容疑者と同等の扱いをしたらどうなるでしょう。
木嶋佳苗容疑者の人道的な取り扱いを批判して他の事件の容疑者の取り扱いと同じにする方向性に持っていくと、逆に他の事件の容疑者への非人道的な取り扱いを批判しにくくなるという矛盾が生じるような気がします。
木嶋佳苗容疑者の犯している罪が本当ならば非常に重い罪なので警察・検察・マスメディアもいずれは公式に実名を出さざるを得なくなるでしょう。
木嶋佳苗容疑者の実名報道がないことを批判する方向に持っていくよりは、逆に木嶋佳苗容疑者の実名報道がないことを引き合いに出しながら、推定無罪の原則に則って人道的に扱うべき他の容疑者が実名報道されたり犯人扱いされたりしたことなどを批判する方が警察・検察により効果的な打撃を与えられるように思います。
例えば長野県警の松本サリン事件で当初容疑者扱いされていた人の件や大森警察署の警察署長セクハラ事件、同署の誤認逮捕事件などはよい攻撃材料になります。
以上
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
>私も日本国憲法擁護連合様と本音は同じです!
蜂鳥のジョーさまのご意見をインターネットで検索してわかったのですが、非常に同感するご意見が多いです。
日本の警察権力が大変恣意的な組織であるという点、謀略的な策動を警察権力は戦後直後からやってきた組織であるという点などいくつもの問題点などです。
>どちらかというと木嶋佳苗容疑者を吊し上げたのだから今迄の>過剰リークには目をつぶれと警察・検察・マスゴミが言ってくる>可能性があるだろうことを指摘したまでです。
人権擁護をたてにしてくるということでしょうが、警察の都合で情報は意図的に遮断それたり、意図的に過剰報道されているのが日本の現状なのです。私はそのような警察とマスコミの「体質」そのものを批判しなければならないと思っています。
この国は警察が支配しているのではなく主権在民なのであって、ナチス型社会・夜警国家ではないのですが、どうしても警察権力は、自分たちが法の番人であると認識しているようで、警察官のなかには「俺たちが法律なんだ」「お前たちには言論の自由はないのだ」「裁判にかけて有罪にしてやるぞ」といいながら弾圧するものさえいるそうです。
>一番よいのは木嶋佳苗容疑者を実名で吊し上げた後、今迄の>警察・検察・マスゴミ過剰リークの落とし前もつけてもらうのが
>一番よいかと思います。
一番よいのは、記者クラブ制度を廃止すること、警察づめで新聞記事やテレビ報道がてできている関係を廃止することです。
でなければ、公正な記事はできません。
もともと警察権力に公正さをもとめるのは、非現実的だと私は認識しています。
>ちなみに最近神州の泉様とカナダde日本語様の両方の記事
>に警察によるストーカー犯罪捏造等の事例として「大森警察
>署」を挙げましたが、Googleで「ストーカー犯罪捏造_大森警
>察」と入力して検索しても上記に投稿したコメントが検索されな>いのです。警察がよほど大森警察の悪事を知られたくないの
>かGoogle八分を依頼したのではないかと疑がっています。
>以上
蜂鳥のジョーさまのこの大森警察暑のご指摘はものすごく重要です。
ちなみに、埼玉と千葉で殺人事件まで発生したストーカー事件ですが、いずれの被害者も警察に相談しながら、警察から「民事で介入できません」と追い返されているそうです。人を死なせたのは、警察の怠慢以外ありません。
ところが、警察は気に食わないやつをはめるためには、ストーカー犯罪捏造をやることさえするという悪辣ぶりなのです。
これは松本サリン事件で、河野さんが過激派よばわりされて誹謗中傷を公安警察から仕掛けられたり、坂本弁護士がオウムに拉致されながらも国労に反対する過激派と国労支援の過激派との内ゲバに巻き込まれたのだと過激派キャンペーンのネタにさえつかったのが警察権力でしたが、そんなことをしているすきに、オウムは地下鉄サリン事件を起こしてしまったのと同様の出来事です。
つまり警察権力という組織は、あまり信用してはならない組織だという実例が結構あるのです。
私は警察を国家暴力装置と認識しており、恣意的な権力機関だとみています。
でこういう指摘をすると警察は組織的に嫌がらせをやるからまったくこまった人たちなのです。