2006.06.22 (Thu)
小泉米国訪問前に急遽米国産牛肉輸入再開?
ところで、米産牛肉輸入再開についてこのところ騒がれているね。米国産牛肉輸入問題の経緯と論点を読むと何が問題なのかそして、これまでの経緯がよくわかる。これに対して、小泉が米産牛肉輸入再開について、今日のニュースで又意味不明なこと言ってる(笑)。
「十分時間かけた」 米産牛肉輸入再開で小泉首相 2006年06月21日20時23分 asahi.com
小泉首相は21日、米国産牛肉輸入再開の日米合意について「これだけ時間をかけ、問題点、疑問点を洗いざらい、互いの意見をぶつけ合って協議し、全国各地でも国民の声を聴きながら、ようやく合意が出来て良かった」と述べ、拙速だとの野党の批判は「全くあたらない」と退けた。首相官邸で記者団に答えた。
さらに首相は、国民の納得は「得られると思う」とし、「米国産牛肉が良いのか、日本産の牛肉が良いのか、それぞれ好みもある。値段も高い、安いがある。様々な観点から、安全、安心どちらを評価するのか。それは個人の選択の問題だから」と語った。
小泉先生、これまた突っ込みどころ満載のコメント。笑っちゃうね。議論は時間をかければいいってもんじゃないし、国民の声を聴いても右から左じゃ聴いたことにならないじゃん。国民の声を無視すれば米国との合意なんて簡単にできるよね。国民の納得なんてこのままじゃ得られるわけないでしょう。まず、米国カナダ産牛肉の輸入再開についてのQ&Aを読んでも、納得のいく答えが見つからないもの。
「値段も高い、安いがある。様々な観点から、安全、安心どちらを評価するのか。」って、何がいいたいのかよくわからない。安全は生産者が与えるもので、安心は消費者が得るものだけど、どちらを評価するかって全く意味不明。_l ̄l○ そして、個人の選択って言うけど、お金のある人は高くて安心して食べられる日本産の牛肉を買うけど、お金のない人は危険を承知で安い北米産の牛肉を食べなくてはならない。これは、自分で選択する前に経済状況によって左右されることではないだろうか。
ところで、あまりにも突然米国産牛肉輸入の再開を決定された為、米国訪問を控えた小泉のブッシュへの手土産とか何とか言われている。実際は米国に経済制裁するぞと脅されていたようだ。
(6/22)米産牛肉の輸入再開、米が対日制裁法案提出・再開遅延を懸念 nikkei.net いきいき健康 BSE特集
【ワシントン=藤井一明】日米両政府が合意した米国産牛肉の貿易再開について、米議会の一部や生産者の間で懐疑的な見方が広がっている。米上院議員は21日、8月末を期限として実際に輸入を再開しなければ制裁に踏み切る法案を提出。全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)は同日の声明で「貿易相手国としての日本の信頼性を疑っている」と強調した。
制裁法案は民主党のコンラッド、共和党のロバーツ両氏ら超党派の議員が提案した。期限までに貿易を再開しなければ日本からの輸入品に総額31億ドル(約3500億円)の制裁関税を課す内容。31億ドルは1年間、牛肉を輸出できない場合を想定した「被害額」としている。
法案提案者には対日強硬派として知られる民主党のボーカス議員も名を連ねる。同議員は「私の経験からいって日本を変えるにはてこを使うしかない」と述べ、制裁の正当性を主張した。ただ、米議会の大半は貿易再開を歓迎しているもようで、今回の制裁法案が成立する可能性は少ないとみられる。
WOW!アメリカが経済制裁を行おうとしていたのは、テポドンで世界中の注目を集めている北朝鮮だけじゃなくて、日本もだったんだね!それにしても、こんな米上院議員からの脅しの書簡一つで、ホイホイ輸入を決めちゃう日本政府ってかなり逝っちゃってるかも。 相手だって、「日本を変えるには、てこを使うしかない」って言ってるけど、それって、マフィアが牛耳る日本に言うこと聞かせるには、平和的な議論よりも脅しが一番ってこと?なんかそんなふうに思われているなんてなさけないよ。
日本側もこういうときは国民の健康のためにそれはできないって断るべきだろう。それでも、向こうが折れなかったら、3500億円払えばいいじゃないか。逆に言えば、たったの3500億円と引き換えに、日本国民の健康が米国に売られてしまったと言っても過言じゃないだろう。3500億円なんて、米軍再編に使われる3兆円に比べたら安いものじゃないか。
輸入が再開されるのは、米国産の牛肉と言われているけど、実際には、カナダ産の牛肉も含まれているみたいで、実際にカナダに住んでいてカナダ産の牛肉を食べている私としては、BSE検査をしっかりやって、国民の疑問(例えば、どんな飼料を与えられて育ったかなど)さえ解決してくれれば、輸入再開してもいいのではないかと思ったりするのだが、問題は、全ての牛肉に対してBSE検査をやっていたら、莫大な費用がかかってしまうので、それは不可能だという事(現在では全体の1%の牛肉に対してしかBSE検査が出来ていない状態)と、どんな飼料を与えられていたかを調査するのは難しいことだ。だって売る方は牛肉を売りたいがために、都合のいいこと言うだろうし、日本の調査団だって、牛がどんなえさを与えられるかなんてずっと監視することは不可能だものね。
又、日本の場合、ステーキなどの生肉の場合は、その牛肉がどこの国産かは明記されているわけだけど、ひき肉とか、レトルト食品のカレーとか、その他調理済みの食品などに含まれている牛肉は原産国まで書いてないので、危険だから、食べない方がいいかもね。ちなみにカナダでは生肉にしても、どこ産か表示がないので、私はカナダ産と信じて買っているけど、結構アメリカ産だったりするかもしれない。日本国内でも狂牛病の牛が発見されているし、国内産だって100%安心とは言えないだろうが、管理面で北米産よりも信頼がおけるだろう。
『日本がアブナイ!』によれば、
人が異常プリオンによって病気になる確率は、100万分の1とか500万分の1などと言われている。単純計算で、1億人中20人~100人だ。実際に発症する確率はもっと低いという話もある。アメリカとの関係を思えば、10人や20人の犠牲はやむを得ないのかも知れない。
それに、もし感染しても発症までには数年~数十年の潜伏期間があるらしい。5年後、10年後にならないと結果は出ないし、それまでは彼[小泉]は責められることはないのだ。
ただ、もし将来、国内でプリオン系の病気による死者が出たら、私はこの輸入再開を殺人に近い行為だったと非難することだろう。<仮に因果関係が証明できなくとも>
いくら、発症率が少ないといっても、やはり北米産狂牛肉を食べるのは、避けたい。おまけに、米国産の牛肉を食べて、知らない間に狂牛病になっても、健康保険料の増加で国民はこれからはもっと多くの税金を負担しなきゃならなくなっちゃうんだけど、政府は、狂牛病になった人に対して「自己責任」という形で責任回避することは目に見えている。結局、貧乏人は北米産の狂牛病肉を食べて早く死ねと言っているのか?まあ、あまり神経質になりすぎるのもどうかと思うけど、お金がなくても、正体不明の北米産の牛肉は食べないにこしたことがないのではないかというのが、私の結論。でも、吉野家の牛丼なんて間違いなく、北米産を使うんだろうね。吉野家の牛丼が好きな人には結構つらい選択かも。あと、本当に健康に気をつけたい人は、今日のきっこのブログでも食品の中に米国産の牛肉を使う会社のリスト、『アメリカ産狂牛肉推進企業一発検索 「狂牛くん」』を挙げていたので、そちらを参考にするといいと思う。まあ、それでもこのリストが全てというわけでもないだろうが。
最後に、6月21日の森田実の『時代を斬る』には、この5年間の小泉政権に関する読者の声がたくさん寄せられていて、どれも怒りと失望が入り混じったものなんだけど、その中で牛肉輸入問題と日米関係について書かれたものを一つだけピックアップしてみた。
【1】TKさんの意見「コイズミ政権5年間の象徴としてのプレスリー邸訪問」(6月16日)
《米国牛輸入解禁を手土産に、ブッシュ大統領とコイズミ首相がプレスリー邸を訪問する予定だそうですが、重要法案を放り投げて国会をさっさと閉めて、ブッシュ大統領とコイズミ首相がプレスリー邸訪問しても、日本国民には何一つ良いことはありません。まさに、コイズミ政権の5年間が、日本国民の生命財産を犠牲にして米国に貢ぎ米国に盲従することでコイズミ政権を維持したことの象徴です。ブッシュ大統領とコイズミ首相のプレスリー邸訪問に、この5年間のコイズミ政治の本質が顕著に出ていると思うのです。》
これは、誰もが感じていることだろうね。国民が小泉改革の荒波にのまれて苦しんだり、米国産牛肉の輸入で不安になっている時に、自分は得意げにブッシュにしっぽふりにアメリカくんだりまで行って、ごほうびに大好きなプレスリー邸にご招待されて有頂天になる小泉を想像すると、本当にあきれちゃう。あれ?結局今日もけっこう過激な記事になってしまった!(笑)
【More・・・】
http://sun.ap.teacup.com/applet/souun/135/trackback- 関連記事
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これでは何にも食べられなくなりますね。小泉氏も「牛肉を買えと言ってるのはアメリカだけ」や「アメリカが買えと言うから買わなければならないのか」とか「ひとつの問題で経済制裁するのはおかしい」といえよな。と思いますよね。
記事には書かなかったのですが、あと北米の牛肉には成長ホルモンも含まれているらしいです。だから、子供が食べると、女子は早く初潮を迎えたり、胸が牛のように大きくなったり、成長が早まるという研究の結果も出ています。だから、狂牛病だけではなく、その他にもいろいろな健康的弊害をもたらしかねないのです。
おっしゃるとおり。米産牛肉を選択することなど不可能です。人殺しに近いですねこれは(近いではなく人殺しそのものかも)。子どもが汚染された牛肉を食べ続けた場合どうなるのか心配です。
このような首相の下で生活していると、ストレスが募るので
何かのたびに「どこかに移住しようか」という話が出ている
我が家です。<カナダも候補>
次の首相候補もとんでもない感じですし、もし憲法が改正されて
徴兵制もどきでも始まった暁にはマジにそうしたいと考えています。
もちろん、それまで微々力ながら、ブログを通じて憲法改悪反対
を唱えて行きたいと思っていますが。
ニケさんがお休みしてチョット寂しいですけど、お互いに
身体に気をつけて頑張って行きましょう。
p.s. 私の知り合い(ドイツ人)の猫もティガーという名前でした。
ティガーにコイズミンを成敗してもらいたい気持ちです。(~~)
>日本政府ってかなり逝っちゃってるかも。
はい、完全に逝っちゃってます。(哀)
>貧乏人は北米産の狂牛病肉を食べて早く死ねと
正解!年金問題が解決します。
危ない牛肉はアメリカ産だけでは無い。
最近のニュースでは、ドイツでソーセージを食べるのは良いが、お土産は駄目。税関で没収されるそうです。何でも自己責任なんですね。
TB有難う御座います。
お体を大切に、水と牛には御注意下さい(爆)
協議もなにも、本質的なところは何も変わっていないから、ちっとも安全になっていないと思います。なぜ安全ではないかはトラックバックさせていただきますね。
選択の自由といっても、加工食品、外食、牛肉と同じ工場やキッチンでつくられる食品まで明快に表示しないかぎり事実上選択の自由があるとはいえません。
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米牛輸入に関し、小泉、アメリカ発言に「怒」 &C型肝炎の問題
人はなぜ繋がりを求めるか--青年マルコの冒険(2) by McRash
でも・・ホント物まねは・・笑えた・・。