2009.06.20 (Sat)
西松建設献金事件初公判での国沢幹雄被告へのあまりにも軽すぎる求刑
「西松建設前社長・国沢幹雄被告の初公判」というエントリーで植草さんが、「西松事件初公判と政権交代実現への課題」という記事で、国沢被告の判決が「実刑」か「執行猶予」かの違いが重要であり、国沢被告は「執行猶予」を勝ち取るために、検察側の主張を全面的に認めたのではないかと主張をされていたが、まさにこの予想が的中しそうだ。
検察側は、国沢氏の責任が重いとしながらも、国沢氏が言い渡されたのは、禁固1年6月の求刑だった。日本法での執行猶予(ウィキペディア)によると、刑が3年以下の懲役または禁固の場合は、下記の条件で、執行猶予を受けることができるという。ちなみに、執行猶予とは、罪を犯して判決で刑を言い渡された者が、その執行を条件付きで受けなくなる制度のことを言う。
日本では刑法25条〜27条に規定されている。執行猶予が付された判決のことを執行猶予付判決という。逆に執行猶予が付されていない判決のことを実刑判決という。
概要
執行猶予を受ける場合のある法定条件は、
以前に禁錮以上の刑を受けたことがないか、
あるいは禁錮以上の刑を受けたことがあっても刑の終了(執行猶予の場合はそれを受けた時)から5年以内に禁錮以上の刑を犯していない者
←刑が3年以下の懲役または禁錮もしくは50万円以下の罰金であるとき
前に禁錮以上の刑に処せられたがその執行を猶予されている者←刑が1年以下の懲役または禁錮であるとき
などとなっている。
国沢氏の場合のは、植草さんが上述の記事で予想されたとおり、検察側の主張を全面的に認めるという条件の下、刑が軽減されたのではないかと思われる。
今回の西松事件公判では、検察は、西松建設から献金を受けていた自民党議員については一切に触れず、小沢代表だけを狙い撃ちしたかなり偏向的なものであるという批判が小沢氏秘書の弁護人や民主党支持者を初めとした国民から噴出している。検察は、小沢代表を極悪な犯罪人にしたて上げるため、国沢幹雄被告と司法取引をしたと思われる。
【More・・・】
原さんから、郷原氏のvideonews.comでのインタビュー動画のリンクをいただいた。郷原氏も国沢氏の初公判での検察による冒頭陳述には強い違和かを感じられているようだ。
西松裁判 検察冒頭陳述に強い違和感
郷原信郎(元検事・名城大学教授)インタビュー
下記の情報をみちのくさんよりいただいた。
自民党側にも徹底的な捜査を
【西松事件公判】小沢氏秘書の弁護人が「狙い撃ちは明らか」と大反論
二階派 838万円
二階俊博(経産相) 30万円
尾身幸次(元財務相) 2080万円
加藤紘一(元幹事長) 1400万円
藤井孝男(元運輸相) 600万円
森 喜朗(元首相) 500万円
藤野公孝(元参議院議員) 400万円
山口俊一(首相補佐官) 200万円
加納時男(国交副大臣) 200万円
川崎二郎(元厚労相) 140万円
山本公一(元総務副大臣) 114万円
林 幹雄(前国家公安委員長) 100万円
古賀 誠(元幹事長) 16万円
渡辺具能(元国交副大臣) 14万円
中島直人(参議院・自民党) 200万円
桜井 新(参議院・自民党) 100万円
自民党・伊吹派
平成研究会 「自民党・橋本派・津島派」90万円
新財政研究会「自民党・堀内派」 30万円
宏池会 「自民党・小里グループ」 28万円
上野公成(元官房副長官) 1億5000万円
「上野公成は積水ハウスと大和ハウスからの政治献金とパーティー券」
岩永峯一(元農相) 6000万円
国策捜査は許してはいけません。
その他の参考記事:
国沢前社長に禁固1年6月求刑=「違法献金を主導」と検察-西松事件・東京地裁
(時事通信 6月19日)
西松建設による小沢一郎民主党前代表の政治団体への偽装献金事件で、政治資金規正法違反などの罪に問われた前社長国沢幹雄被告(70)の初公判は19日午後も、東京地裁(山口雅高裁判長)で続き、検察側は「違法献金のすべてで主導的に関与し、責任は重い」として、同被告に禁固1年6月を求刑した。公判は結審し、判決は7月14日に言い渡される。
同社の海外事業でつくった裏金を国内に持ち込んだとして、国沢被告とともに外為法違反罪で起訴された元副社長藤巻恵次被告(68)には懲役6月を求刑した。
検察側は論告で、ダミーの2政治団体を使った西松の献金について「ヤミ献金と何ら変わらない」とした上で、「公共工事受注にかかる建設業者と特定政治家側との金銭癒着を国民の目から覆い隠したもので、極めて悪質だ」と批判した。
西松や下請け会社から、小沢氏の資金管理団体や政党支部などへの献金額が1995年から2006年までに2億円を超えたと指摘。ダミー団体を使った献金はこのうち1億2900万円に上り、「継続的、組織的に行われた」とした。
その上で国沢被告について、偽装献金の仕組みを構築し、運営に当たるだけでなく、小沢氏側への寄付も当初から実行を指示したと非難した。(2009/06/19-19:06)
何が何でも“小沢潰し”に突き進む検察——西松事件冒頭陳述の異様"(News Spiral 6月 19日 )
19日に行われた西松建設事件の初公判での検察の冒頭陳述は、まるで同社が小沢事務所にのみ献金してきたかのような記述に終始し、その一点に絞って同社の国沢幹雄=元社長を政治資金規正法違反で起訴するという異様なものとなった。
これについて、19日付読売は「当初、検察内部には『西松側の公判で、必要以上に小沢事務所がらみの立証を行うのは“欠席裁判”との批判を受けかねない』との慎重論もあったが、事件の全体像を示すことを優先したとみられる」と書いた。しかし、全体像というなら、これは小沢の秘書の裁判でなく西松建設の元社長の裁判なのだから、同社が自民党議員を含む政界全般に広く献金をバラ撒いて公共事業の受注を図ってきたかの全貌を描いて、検察の言うところの“悪質性”を際だたせるのが本当だろう。
ところが冒陳は、2つの政治団体を通じた献金システムがあたかも小沢事務所の指示で、小沢のためだけに作られて、しかも「天の声」という言葉を躍らせて小沢事務所が岩手県や秋田県の工事受注について実質的な決定権を持っていたかの印象を与えるように腐心している。秘書逮捕以来の「政治捜査」批判に応えて、何が何でも小沢の悪党ぶりに世間の注目を集中させ、それを大久保裁判へと繋げていこうとする検察の執念が浮き出ている。
東京新聞が西松事件の捜査批判特集!? (News Spiral 6月 17日 )
東京新聞は17日、小沢一郎前代表の秘書が逮捕された西松献金事件について、検察の一連の捜査を検証する『誤算 西松建設巨額献金事件』と題する連載を同日付朝刊から開始した。
第1回は「揺らいだ特捜神話」という見出しを大きく打ち出し、政権交代を目前に行われた不自然な逮捕劇に対し、有権者から前代未聞の批判を受けて動揺する検察内部の声を紹介している。
西松事件発覚以降、これまで新聞各紙は小沢氏に批判的な報道が多く、紙面上での検察批判は有識者や記者個人の署名記事に委ねることがほとんどだった。そのため、有権者には「新聞は検察を批判できないのではないか」との疑念が広まり、その原因とされる記者クラブのあり方も厳しい批判を受けていた。今後、東京新聞はどこまで検察批判に踏み込めるのか。新聞の真価が問われる特集となりそうだ。
「天の声」事実ない=狙い撃ちと検察批判-小沢氏秘書弁護団
(時事通信 6月19日20時30分配信)
西松建設事件で、政治資金規正法違反罪に問われた小沢一郎民主党前代表の公設第1秘書大久保隆規被告(48)の弁護団は19日、同社前社長国沢幹雄被告(70)の初公判の中で、小沢氏の事務所から談合組織に「天の声」があったとする検察側冒頭陳述の指摘を否定した。
弁護団は、国沢被告の初公判についてコメントを発表。その中で「大久保氏が公共工事の受注者を決めたという事実は一切なく、この点に関して検事から取り調べを受けたこともない」とした。
また、自民党の国会議員が西松の政治団体から献金を受けていながら、検察は実態を明らかにしていないと主張。「大久保氏のみを狙い撃ちしたことは明らか。欠席裁判に等しいだけでなく、著しくバランスを欠いている」と訴えた。
【西松事件公判】小沢氏秘書の弁護人が「狙い撃ちは明らか」と大反論
6月19日16時31分配信 産経新聞
西松建設前社長、国沢幹雄被告(70)の初公判を受け、政治資金規正法違反の罪で起訴された小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規被告(48)の弁護人は、大久保被告に関係する部分の所感として、コメントを発表した。コメント全文は次のとおり。
◇
本日の国沢氏の公判に関し、特に大久保隆規氏に関係すると思われる部分について、弁護団としての所感を申し上げます。
1 西松関係の2つの政治団体による政治献金やパーティー券購入の相当部分は、他の団体へのものも相当あるにもかかわらず、国沢氏の起訴事実は、陸山会と民主党岩手県第4区総支部に対する献金だけに限られています。
政治資金規正法上、献金を行うことの違法性は、献金を受ける側が違法と思っていたかどうかとは全く関係ありません。検察官が、ダミーによる、西松建設株式会社自身の献金と断じる多くの部分を不問に付し、特定の団体分のみを起訴したことに正当な理由があるのか、先日報道された東京検察審査会のご指摘にもありますが、疑問と言わざるを得ません。
2 また、献金を受けた側から見ても、本日の公判における検察官の冒頭陳述については、検察審査会が自民党関係の政治団体の事件に関し指摘した事項がそのまま当てはまります。
すなわち、係る団体ほか自民党関係の団体が西松関係の政治団体から献金を受けた事実については、検察官は、証拠が十分にあるにもかかわらず、その実態を明らかにしておりません。
結局、大久保氏のみを狙い撃ちしたものであることは誰の目から見ても明らかです。このような冒頭陳述は、大久保氏にとって欠席裁判に等しいだけでなく、著しくバランスを欠くものであり、到底容認できるものではありません。
3 検察官は「特に岩手県下の公共工事については小沢事務所の意向に基づいて受注業者が決定され」ていたなどと主張しました。一部の者の一方的供述に基づくものであり、その主張内容もそれ自体が極めて抽象的です。大久保氏が、具体的な工事について、検察官の言う、小沢事務所の「決定的な影響力」なるものをいつ、いかに行使したのか、そもそも公共工事における「決定的な影響力」とは何であったのか、全く具体性を欠いています。検察官主張のように、大久保氏が公共工事の受注者を決めていたなどという事実は一切なく、大久保氏がこの点に関する取調べを受けたこともありません。現に、本日の証拠の要旨告知においても、大久保氏の調書に関する限り、この重要な点について、何も触れられていません。
4 結局、検察官の主張は、ゼネコン関係者の一方的な供述に基づくものに過ぎません。しかも、受注業者の選定に決定的な影響力、などという、極めて抽象的な内容に終始しています。それを具体的に裏付ける証拠も何一つ出されていません。
大久保氏の裁判に関する当方の主張は、また公判廷において明確にして参ります。
以上
2009年6月19日
大久保隆規氏弁護人
弁護士 伊佐次啓二
西松建設の違法献金事件 (Yahoo!リンク集)
献金問題で、検察は、自民党議員には捜査を及ばせず、小沢代表だけを狙い撃ちした。初公判では、一部の者の一方的供述からのみ作られた冒頭陳述を述べ、さらに西松建設前社長国沢幹雄被告と司法取引をした検察は、許せない。検察は、なぜこのように偏向した捜査を行ったのか説明責任を果たすべきと思ったら、今日もランキングの応援、よろしくお願いします。

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ご指摘ありがとうございました。書き方が悪かったですね。さっそく書き直しました。
検察や警察のルートは旧日本軍の幹部やA級戦犯となるため、超保守傾向があるのでしょうね。それに最近では、創価学会が力を増してきて、創価信者が加わったのでしょう。
裁判員制度を導入しても、みせかけだけのものだとしたら、なぜそこまでして、税金の無駄遣いをするのでしょうね。全てが茶番劇になっていますね。
http://www.videonews.com/interviews/001999/001049.php
つまり、既存勢力、超保守傾向にあります。
政治権力のみならず司法の権力も限界に来ており、だからこそ裁判員制度を導入してその判決に説得力と言うか”市民も参加したんだから文句ないだろ!”と言いたい訳です。
因みに、この制度は一審のみで高裁と最高裁判決においては従来のままですから、例え市民の判断が正当であっても、上級審では旧来の司法の常識で裁かれてしまいます。
さて、どうしますかね?
私も今回の西松事件は、検察の腐敗を国民に広く知らしめるための布石になったと思っています。日本がここまで堕落してしまったのは、やはり、自民党政治が長く続きすぎたせいでしょう。改めて、政権交代の大切さを感じました。
政治がからんでない部分ではある時は正義の味方のようにも国民に思われていたかもしれないけど、今回の西松国策捜査は、ほんとうに醜いです。
これが、自民党、政府関係からの要請によってなされたものなのか、検察の暴走なのか今のところは分かりませんが、とにかく劣化してることだけは、間違いないと一般市民としては思います。
政権交代の暁には、ぜひこの事件の検証をして欲しいと熱望します。
つまり検察もマスコミも、国民そっちのけの、権力にゴマする集団だってことですね。
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【西松問題】官僚主導の政治体制打破するためにも団結して立ち向かうべきだ!【検察ファッショ】
小沢事務所の『天の声』で談合取りまとめ」。ふざけてないか検察は!
この郷原氏のインタビューはまだ見ておりませんでした。
貴重な情報をありがとうございます。
さっそく、参考資料として、文中に追加させていただきました。