2006.06.13 (Tue)
日本の医療制度改悪法案が無理やり可決!
少し前の記事でも触れたが、日本の女性でピンヒール(←死語。今はミュールと呼ばれているの?)をはいた人があまりにも多かったので、少し心配になった。背が低い人がハイヒールをはいて高く見せたいのならわかるが、どうして、巨人のように背の高い女性までハイヒールを履いているのだろうか。それにしても、若者の身長は完全に高くなっているようだ。そんなことを考えていたら、膝の関節に関するショッキングな記事をみつけた。
変形性膝関節症、50歳以上女性4分の3発症 東大調査2006年06月12日23時45分 asahi.com
膝(ひざ)の関節がすり減る変形性膝関節症の人の割合(有病率)は、50歳以上の女性で75%に及ぶとみられることが、東京大「22世紀医療センター」の調査で示された。男性でも54%にのぼり、国内で計3000万人以上が患っていると推定できた。研究グループは今後、股関節なども含めた関節症の発症や進行のメカニズム解明を目指す。
同センター関節疾患総合研究講座の吉村典子・客員助教授らは昨春以降、東京都板橋区と和歌山県日高川町の住民約2200人に協力を得て、関節の状態をX線撮影で調べた。
その結果、50歳以上では女性の74.6%、男性の53.5%に関節の軟骨のすり減りなどが見つかり、変形性膝関節症と診断できた。50歳以上の国民に当てはめると、女性1840万人、男性1240万人が該当する計算になる。
変形性膝関節症は、痛みがひどいと人工関節が必要になることもある。高齢者の生活の質を低下させる病気だが、発生率や有病率はこれまでよくわかっていなかった。
グループは、今回調査した2カ所に別の地域も加えた計5000人について生活習慣などを調べ、発症とのかかわりをみていく。すでに発症した患者5000人も追跡し、症状の変化についても調べる。
私の両親も最近は足の具合があまりよくないらしい。特に母は朝はなんでもないんだけど、夕方になると関節が痛くてとても立っていられないそうだ。日本人は少しくらいの痛みはがまんしてしまう傾向があるけど、カナダでは考えられないことだ。痛みをがまんするということは精神的にも肉体的にも大きな苦痛を伴うので、痛みに弱いカナダ人にはあまり考えられないことなのだろう。又は、カナダでは診察代が無料だからか何か問題があるとすぐ病院に行くせいかもしれない。例えば、私の住んでいるオンタリオ州ではOHIP(Ontario Health Insurance Program)という健康保険のプラスチックのカードを見せると診察は無料になる。だから、カナダに移住して一番最初にしたことはこのOHIPカードを作ることだった。残念なことに、クスリ代は会社で負担してくれる場合やクスリ代が無料になる保険に入っている場合は無料だが、それ以外は実費がかかる。
日本では米国のために全く役立たずの米軍による防衛を理由に3兆円以上もが国民の血税から米国に支払われる一方、これからは、日本国内では医療費の負担が多くなったり、増税が行われたりして、国民の生活はますます苦しくなるばかりだ。
長周新聞の「医療訴訟、10年で3倍」 という記事によれば、それに追い討ちをかけるように小泉改革によるアメリカ型訴訟社会の後追いが、医療を大きく歪めているようだ。
大都市で医療訴訟専門の弁護士があらわれ、小泉政府はアメリカ型訴訟社会をならって法科大学院を設置し、弁護士を大量生産する。そして医療から必要な人材がいなくなる。すでに、労働条件が厳しく、リスクの高い産科や小児科に進む研修医が、それぞれ4割も減っている。
急性期総合病院のある小児科医師は、「医学生のころ、明るい子どもたちの世界にひかれ、子どもたちのためにがんばろうと、小児科医となった。ところが、市場原理一点ばりの医療政策で、小児科は不採算部門にされた。子どもの診察は、採血一つをとっても人手がかかる。大人のように検査はできず、投薬も半分。だが社会に子どもがいる以上、小児科は不可欠であり、とくに次代を生み育てるために重要だ。社会的に保障されなければならない」と語る。
子どもの急病は、休日・夜間を問わず救急対応が要求され、小児科医は厳しい過重な労働を迫られる。しかし、たいしたことのない症状のケースも少なくなく、サービス業のように扱われる。一方で大人のように症状を説明できず、検査も大人のようにはできない子どもの病気は、専門小児科医の診断と適切な対応が求められる。このため不幸な結果となるリスクも高い。医療訴訟となるケースも少なくない。
アメリカ型訴訟社会の後追いが、医療を大きく歪めている。急性期病院の勤務医たちは、10年前に比べ、仕事量が2倍、3倍となっている要因に、医療の高度・専門化のほかに「医療訴訟」対策があると指摘する。裁判になって突っ込まれないために検査の件数も増え、カルテにこと細かく医療行為を書きこまなければならない。カルテに書いていなければ、最善を尽くして当然やった医療行為でも認められないからである。
医療訴訟の増大は、当然にも医師がリスクを避ける傾向を強める。「最善を尽くしても結果が悪ければ、罪人として責められるのなら、やってられない」。内科医が子どもの病気は見たがらず、外科医が麻酔をかけることをやめ、婦人科はやっても産科はやらないなどである。「七万人産まれるのに、産科医は6万人しか対応できず、1万人の“出産難民”をどうする」という問題が現実に起こっている。
医療費の負担が増えてその分サービスがよくなるのならしかたがないけど、市場原理一点ばりの医療政策で医療の質が落ちるなんてとんでもないことだ。一方では少子化が進んでいるから生めよ増やせよと言っておきながら、産科の数が一万人も足りなくなってしまったら、それこそ医者の助けを借りずに自分ひとりで生めということか?それじゃ、出産でトラブルが生じるのを恐れて誰も子供なんか生みたくなくなるじゃないか。こんな感じで小泉改革は本当に矛盾したことばかりやってきたが、ポスト小泉がサワヤカな安倍だったら、靖国参拝を初め、小泉改革を受け継ぐと公言しているし、国民の生活はますます悪化するばかりだろう。長周新聞がこの記事の中で最後に訴えているように
「人間社会のきずなをズタズタにするようなことを、日本の医療界に広げる小泉改革を、医師と国民が結束して阻止し、医療の社会的保障をめざさなければならない。」
そのためには、国民の生活を犠牲にしてまで、軍国主義を復活させようとしている安倍を絶対にポスト小泉にしてはいけない!
医療費の負担を増やし、医師の数を減らすなら、その分、政府は医療に関する充実したサイトを作って、国民がそれを読めば自分の病気の予防や治療を薬剤師の助けを借りながらでもできるようにするべきだ。又、田舎の病院の設備を充実させたり、環境を整えたりして、都会と同等のサービスが受けられるようにするべきだ。それが国民の平等というものだろう。そうすれば、都心に人口が集中することもなくなるのだ。今の小泉政権の下では都会と田舎の格差や貧富の格差があまりにも広がりすぎてしまった。
不満が噴出する前にこの辺で話を「クルリンパ」と元に戻すと、カナダでは医療に関するウェブサイトがとても充実していて、とても気軽に医療に関する詳しい情報を手に入れることができる。母の関節の痛みの話を聞いて調べてみたら、きっと私の母は上のasahi.comの記事で書かれている変形性膝関節症を患っているのだろうと思ったので、カナダで関節の痛みを和らげるサプリとして一般に知られているグルコサミンとコンドロイチンのサプリを買って日本に持っていってあげたら、やはり効果があるようだった。それを飲むと夕方になっても関節がほとんど痛まなくなったそうだ。
ところで、日本ではサプリの値段がカナダに比べてとても高いのだが、その分サプリの質がいいのだろうか?それとも厚生労働省が儲けているだけだろうか?もし後者だったら、国民は海外のサプリとの値段と効果を比べた上でもっと苦情を言うべきだ。実際、カナダでも少し前に海外のビタミンとの値段を比べて高いことがわかり、政府に訴えて値段を下げてもらった前例がある。だから、日本でも可能だと思う。
例えば、日本ではグルコサミン120粒入りだけで5000円近くもするが、カナダではグルコサミン120粒入りだったら、2000円くらいだ。

グルコサミンとコンドロイチンとヒアルロン酸が120粒で4200円はまあまあかもしれないが、カナダではグルコサミンとコンドロイチンが同じ量一緒にパックされたものでバーゲンの時は2000円くらいで買える。

どうしてこれだけの差が生じるのかを調べてみると面白いかもしれないね♪
追記:
『とくらブログ』で医療制度改悪が審議不十分なまま採決を強行されてしまったことを知り、ショック。これで、老人の保険料負担が1割増え、一番病気になりやすい老人もおちおち病気にもなれない生活を送ることになりそうだ。
高齢患者の負担増や入院日数の短縮、生活習慣病予防の徹底などで医療給付費の抑制を図る医療制度改革関連法が14日の参院本会議で、与党の賛成多数で可決、成立した。
これにより、10月から現役並みの所得がある70歳以上(夫婦2人世帯で年収約520万円以上)の窓口負担は2割から3割に、2008年度からは、それを下回る一般的な所得の70-74歳も1割から2割に引き上げられる。また療養病床の70歳以上の入院患者は、今年10月から食費と居住費の全額負担を求められる。
一方、子育て支援策の一環として、08年度から、小学校入学前の3歳以上の窓口負担は3割から2割に引き下げられる。
(共同通信) - 6月14日11時23分更新
参考記事:
『Yamaguchijiro.com』 「小泉改革の遺産」「メディアの頑張りに期待」
『カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの虚業日記』の「[安倍晋三]サワヤカな安倍晋三・新テンプレート 」
『とくらブログ』「世界の笑われ者の二人のために、医療制度改悪、米産牛肉輸入再開?」
民主党HP【参院厚労委】医療制度改革法案 審議不十分なまま採決を強行
共同通信「70-74歳の窓口負担2割に 医療制度改革法成立」
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WCのドサクサにまぎれてこんな法案が可決されていたとは・・・。
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あのカルトオタクの安倍が時期総理になるのだけは勘弁ですが、もしなったら、日本はおしまいですね。