党首討論の後、メディアが支持率世論調査を発表するかなと待っていたんだけど、全く発表される気配がない。なぜかというと、これまでの悪政のツケがたまっているばかりでなく、党首討論の麻生を見て、「だめだこりゃ」と思った人が自民党不支持に周り、麻生内閣支持率はとんでもないくらい落ち込んでいるからだろう。

でも、それが前代未聞の超大型4段ロケット予算を打ち上げた後だけに、こんなはずじゃなかったと閉口している麻生内閣の面々を尻目に、さすがに自民党の犬メディアも世論調査の結果を発表できずにいるのだと思う。

もっとも、鴻池官房副長官の不倫旅行、新型インフルエンザの水際作戦の失敗、厚労省を分割すると息巻いていた麻生が、周囲の反対にあって相変わらずブレまくり、100年に一度の経済危機にもかかわらず、麻生政権は何一つ景気回復の手立てを打たず、ついには、戦後最悪のGDPを記録してしまえば、支持率が落ち込むのは当然だ。

さらに、国民的支持からはほど遠い裁判員制度が始まったり、次期衆院選から世襲制限の導入を検討していたはずが、小泉元首相の次男の出馬で世襲制限が延期されたことなど、自民党がこれだけ数え切れないほどハチャメチャなことをやっているんだから。

一方の民主党は、メディアの偏向報道に脅されて、党内が乱れた民主党の挙党一致を重んじて、不本意ながら5月11日に小沢前代表が代表を辞任した後、間髪を容れずに5月16日に両院議員総会で鳩山由紀夫新代表を選出し、素早い転換を図った。自民党がメディアを使って官僚びいきの岡田克也氏をなんとか代表に選ぼうと策略をめぐらしていたが、小沢の作戦勝ちに終わった。

鳩山氏が民主党代表になった直後に行われた世論調査において、政党支持率でも首相に相応しい党首でも民主党が優位を回復した。その後、党首討論で、麻生ｖｓ鳩山対決が行われたが、結果は鳩山代表の圧勝に終わった。党首討論で鳩山氏が圧勝した理由については、もうみなさま、すでにお読みになられたと思うけれども、植草さんがご自身のブログ、植草一秀の『知られざる真実』の下記エントリーでとてもわかりやすくまとめられている。

■ＴＶタックル小沢氏攻撃屋山太郎氏転向ですか
■総選挙接近で御用メディア偏向報道が全開
追記：植草さんが人気ブログランキングで、つつついに！長年、首位を独占していたヒロシ君を破って1位になられたようです。おめでとうございます♪それにしても、「植草事件の真相掲示板」を読んでもわかるけど、植草人気はかなり根強いものがあるよ。

giinsenkyo @ ウィキを見ても、私の知る限り、党首討論後、政党支持率に関する大手メディアによる世論調査は行われていない。

唯一の世論調査は、「政治オぴみオン」が、10代から60代という幅広い年齢層の6,400名を対象に5月21日(木)から5月26日(火)までの調査期間にネットで行った世論調査だ。それによれば、10代から60代までの全世代平均の民主党の支持率は、内閣支持率のダブルスコアとなっている。また、不支持率も麻生内閣は民主党のダブルスコアと悲惨な結果がでている。

支持率：　麻生内閣　20.6％、民主党　39.1％
不支持率：　麻生内閣　57.9％、民主党　28.3％

【More・・・】

「政治オぴみオン」から自民党と民主党の2007年から現在までの支持率と不支持率の推移のグラフや関連記事を一部転載させていただく。

(転載開始）
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iＭiネット　　　　　　　　　　　　　　　　　　株式会社ライフメディア
第272回「政治オぴみオン」
http://imi.ne.jp/abc/ 2009年5月27日（水）号
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これまでの支持率推移のグラフはこちらです。
http://www.imi.ne.jp/opimion/history.htm

《民主党代表交代で麻生内閣支持率が低下》
調査期間5月21日(木)～5月26日(火)午前10時

■麻生内閣

この二週間、民主党の代表交代劇があり、新代表誕生から10日が経過した段階での麻生内閣の支持状況である。

「敵失」による上げ底が破れたかのように、20代と30代では、支持率が有意に減少し不支持率も有意に増加した。しかし、40代以上の世代になると支持率も不支持率も変化が見えない。世代の差が目立つ結果となった。

民主党の支持状況は明らかに改善した。特に30代以上、まさに、投票意欲の高い世代で支持率が有意に伸びた。自民党は20代で支持率が急落している。

以下の分析で、支持率等の「増加」「減少」の統計的有意性の評価は、前回(二週間前)からの変化に着目してコメントしている。また、「最低レベル」「最高レベル」とはそれぞれ最低記録や最高記録から1ポイント以内に迫っていることを示している。また「最低」「最高」は2003年2月以降の期間についてのものである。ただし、60up世代については2007年8月以降となる


今回 最新回の値（％）
前回比 前回との比較（±ポイント）
最大比 グラフ範囲内の最大値との比較（±ポイント）
最小比 グラフ範囲内の最小値との比較（±ポイント）

支持系 「支持する」＋「やや支持する」
中立　 「どちらでもない」
不支持系「不支持」＋「やや不支持」



自民党


民主党



*　　*　　*　　*

小沢一郎氏の民主党代表職辞意表明が5月11日の月曜日、両院議員総会で鳩山由紀夫氏が岡田克也氏に勝って代表に選出されたのが5月16日の土曜日と、なんとも慌ただしい代表選ではあった。土日に論戦を展開して総選挙に向けたメディア露出を稼ぐ作戦は採用されなかった。両陣営があれこれ工作する時間を与えなかった。地元の民意に敏感な地方党員にも口を差し挟ませなかった。人気投票になることを恐れた。おおむねそのように理解されている。

鳩山氏選出後、メディアは一斉に世論調査をおこない、政党支持率でも首相に相応しい党首でも民主党が優位を回復したと報じた。

民主党代表選の最中、5月13日、自民党の鴻池官房副長官は、議員の無料JRパスを使って極めてプライベートな新幹線旅行をしたことを週刊新潮に写真入りで報じられ、健康問題を理由に辞任した。

5月16日、神戸で渡航歴のない高校生が新型インフルエンザに感染したことが確認され、その後20日には東京と川崎でも米国から帰国した高校生らにも感染が確認された。政府の水際作戦が無意味だったことが明らかになった。

5月20日、麻生首相は、自民党の次期衆院選のマニフェストに、厚労省を「社会保障省」と「国民生活省」に分割する構想を盛り込む方針である、と報じられた。

5月21日、1月～3月のGDPが年率▲15.2％と戦後最悪であったと発表された。与謝野財務相は平成23年までにプライマリーバランスを黒字化する政府の財政健全化目標は、もはや到達できないと述べた。5月22日、白川日銀総裁は国内景気の最悪期は過ぎたと述べている。

国民的支持からはほど遠い裁判員制度がスタートし、5月21日以降に起訴される重大な殺人事件などが対象になるという。ちょうどこの日、中大教授殺害事件の容疑者が逮捕されたと報じられた。

自民党は次期衆院選から世襲制限の導入を検討しており、具体的には、小泉純一郎氏の次男が公認されず無所属立候補になりそうだというので、結果的に、次男氏のメディア露出が急増している。

5月23日、韓国のノムヒョン前大統領が自殺したことが報じられた。

麻生首相と鳩山代表の党首討論は27日と決まったが、討論中は「節度あるヤジ」を与野党で申し合わせたという。

鳩山代表として最初の首長選となったさいたま市長選は、5月24日、民主党系の清水氏が現職候補に対して圧勝し初当選した。代表交代効果だとの論評が目立っている。

5月25日、北朝鮮は地下核実験を行ったと発表した。また短距離ミサイルも発射した。


各年代別のサンプル数(レスポンス数)は以下のとおり。
15-19歳677 20-29歳648 30-39歳888 40-49歳1058 50-59歳1498 60up1626

2007年7月の参院選直後のレス数を100%とした場合の今回のレス数の水準。
政治への関心レベルの一つの尺度と見ることができる。
15-19歳93.8% 20-29歳74.7% 30-39歳78.7% 40-49歳79.4% 50-59歳80.8% 60up74.9
%


━・調査方法・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・
「政治オぴみオン」 http://www.lifemedia.co.jp/release/pr030225.html
》調査対象者iＭiネットメンバーから、年齢階層ごとに6,400名を、
》都道府県の男女別実人口に比例して無作為抽出し回答依頼
》調査期間2009年5月21日～5月26日
》有効回答総数15～19歳：677 20～29歳：648 30～39歳：888
40～49歳：1058 50～59歳：1498 60歳～：1626
》都道府県分布一致率 87.74％
※15歳以上の実人口の分布とオぴみオン回答者分布との相関係数※
━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━

以上
発行責任者：
〒108-0072
東京都港区白金1-27-6　白金高輪ステーションビル8F
株式会社ライフメディア http://www.lifemedia.co.jp/
政治オぴみオン事務局　鎌倉　章
問い合わせ先　opimion@lifemedia.co.jp
(C)2003-2008 Lifemedia, Inc., All Rights Reserved

（転載終了）

一方、これだけ不人気の麻生内閣を早く終わらせようと麻生降ろしの動きが党内からも出ている。
6月3日の毎日新聞の＜衆院選＞内閣改造論じわり　政権浮揚かけ「解散直前に」という記事によると、　首相に近い自民党議員が麻生内閣では限界を感じ、「もう政策でこれ以上得点を上げられるわけじゃないし、改造しかないだろうと思っている」と、衆院解散の前に内閣改造と党役員人事を行い、若手を大胆に抜てきするなどの必要性を強調したようだ。

９月下旬に出産予定の小渕優子少子化担当相も交代時期だし、日本郵政の西川善文社長の続投に反対している鳩山邦夫総務相を改造で代え、その後、新総務相の下で西川社長の続投を決めれば混乱を最小限に抑えられるとの意見もあるらしい。

さらに、障害者団体向け郵便割引制度を悪用した郵便法違反事件で、大阪地検特捜部が5月２６日に、厚生労働省障害保健福祉部企画課係長、上村勉容疑者（３９）と、違法ダイレクトメール（ＤＭ）発送に名義を貸したとされる障害者団体「白山会」（東京都文京区）の前身団体「凜（りん）の会」幹部、河野克史（こうのただし）容疑者（６８）を虚偽有印公文書作成・同行使容疑で逮捕した。実は、この事件に民主党議員もからんでいると言われていて、政権交代をなんとか阻止させたい自民党としては、最後の手段として、第二の小沢秘書逮捕事件のような展開にもっていきたいのだろう。

ところが、この裏には、自民党の鳩山邦夫総務相もからんでいるようなのだ。だから、今のうちに、内閣改造して鳩山邦夫総務相を辞任させておいた方が自民党にとっては都合がいいのかもしれない。

さて、最悪9月30日の任期満了まで続いたとしても、衆院選まであと4ヶ月あるが、内閣改造などという馬鹿らしいアホウマンスで支持率が回復できるとでも思っているのではあるまいね。ほとほとあきれ返ってしまう。

麻生内閣閣僚名簿

それにしても、民意のない内閣改造なんてするだけ無駄だということがいまだにわからない自民党に、衆院選の結果を持って教えてあげようではないか。

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