2009.04.21 (Tue)
ソマリア沖の海賊に対し、どのように対処するべきか

NO.1094 ソマリア沖への派兵、「海賊対処」派兵新法案の徹底審議を要求する。
私に調査力があるかどうかわからないが、日本のマスコミが伝えない、実際にソマリア沖で何が起こっているのかということやソマリア沖の海賊問題について冷泉彰彦氏のUSAレポートから伝えることくらいならできると思う。なにしろ、ソマリア沖の海賊問題については、人々があまり興味を示さないせいか、ほとんど情報がなく、私も昨日ブログで書こうにも情報不足で何を書いていいかわからなかったのだ。
図:ソマリア沖海賊対策、海自警護は平均3隻 不況で政府説明の3割に(東京新聞4月19日より)
このニュースについては、『ステイメンの雑記帖』も【ソマリア沖】「国会の事前承認」がない限り「海賊対処法案」には反対【脱法行為】というエントリーで「海賊対処法案」に反対を表明している。
下の動画は、仏海軍がソマリアの海賊を捕獲する様子を映したものだが、すでに、欧米各国が海賊対処のための完全武装の艦隊をソマリア沖で待機させているのだし、上述の東京新聞にもある通り、世界不況の影響で船舶の運航が激減しているということなんだから、わざわざ無駄に税金を使って日本がそれに参加する必要は全くないと思う。
上記動画関連ニュース:
仏海軍が海賊11人拘束 ソマリア近海(2009/04/16 11:32 【共同通信】)
【ケープタウン(南アフリカ)16日共同】ロイター通信によると、フランス海軍は15日、ソマリア近海で、リベリア船籍の商船を乗っ取ろうとした海賊11人を拘束した。フランス国防省が明らかにした。
海賊対策のためソマリア近海に展開するフランスのフリゲート艦の艦載ヘリが同日、ソマリアに隣接するケニアの約900キロ沖合で、海賊の船に攻撃を仕掛けたという。
フランスはソマリア近海での海賊対策に積極的。今月10日には、フランス軍による人質救出作戦の際、人質1人が死亡した。
【More・・・】
それにしても、カルデロンノリコさんに関しては、日本が法治国家であることを強調して、子供の人権を無視してまで両親の違法滞在を厳しく取り締まっておきながら、ソマリア沖への派兵に関しては、自衛隊を派兵して、憲法9条が禁止している武力行使を行おうとしているといった憲法違反も平気で行うというのは、日本の国家が著しく矛盾していることを示している。下の動画で、自民党の腐れ平沢勝栄議員が。海賊が武装し武器も持っているから、それには、こちらも完全武装と武器でもって対処するべきだなどとほざいているが、実際、海賊は小さな船でやってきて、銃などの武器は持っているかもしれないが、武装はほとんどしていない。社民党のみずほタンや共産党の小池議員が強調しているように、何も自衛隊を派兵せずとも、海上保安庁の船で十分取り締まり可能なのである。同じ自民党議員が、海上保安庁は日本近海ならOKだが、ソマリア沖までは無理だなどとも間違った見解を述べているが、捕鯨船の保護で南極海まで行っているのだから、ソマリア沖だって行けるはずだ。このように全く知識のない平沢勝栄のような人物をテレビに出演させる自民党やこのテレビ局はあまりにも国民を馬鹿にしすぎていないか。
『大脇道場』NO.1032 ソマリアへ自衛隊 めちゃくちゃ違憲!伊勢崎賢治(動画あり)にある伊勢崎賢治氏の動画も必見だ。
米国にはオバマ政権側の事情があり、それを知ることは大切だと思うので、4月18日発行のJMMの冷泉氏のレポートからそのソマリア海賊について書かれた部分を転載させていただく。
『from 911/USAレポート』第405回
「オバマ政権側の事情~海賊・移民・核廃絶」
今週のアメリカのニュースは連日ソマリア沖の海賊問題を取り上げています。といっても、ソマリア沖に各国海軍が艦船を派遣していることの是非とか、海賊対策の国際協調といった政治的な課題が語られているのではありません。具体的に毎日のように、襲われたアメリカの商船の乗組員が人質になったり、米国海軍の正規部隊が海賊と交戦したり、その結果として解放された人質が無事家族と再会するシーンが放映されたり、とにかく現在進行形の事件として非常に生々しく伝えられています。
中でもドラマチックだったのは、4月12日の日曜日に起きたアメリカ人船長の救出劇です。リチャード・フィリップスという船長は海賊に襲撃され、人質として小さな救命ボートに監禁されて身代金を要求されていたのです。ですが、ここ数ヶ月、ソマリア沖での治安が悪化する中で、アメリカ政府としてはもうこれ以上身代金を支払うことはできないという方針に転換しつつありました。そんな中、フィリップス船長は5日間も小さな船の中に監禁され数名の海賊に監視を受けていたのです。
アメリカ海軍は特殊部隊を派遣しましたが、公海上ということで簡単には手が出せません。長期戦となる中で、これ以上の引き延ばしを行うと船長の身に危険が迫ると判断した海軍は、オバマ大統領に対して海賊三名の射殺命令を求めたのです。大統領はこれを即座に許可し、特殊部隊は海上にあって揺れる小舟にいる海賊を射殺するチャンスを狙い続けました。
ライフルを構えて海賊を狙い続けた狙撃手(スナイパー)たちは、正に一人一殺、一発必中の狙撃を同時に敢行し、小さな避難用船の窓越しに三人の海賊を倒したのだそうです。フィリップス船長は無事に海軍に保護されて英雄扱いとなりました。狙撃手ではなく船長が英雄になったのには理由があります。船舶が襲撃された際に船長はいち早く、20名の乗組員にエンジンルームにこもってカギをかけるよう指示、自分一人が海賊との交渉に臨み、乗員の無事を保証させる代わりに自らが人質となったというのです。
このフィリップス船長は、生粋の船乗りで大型タンカーやコンテナ船などに乗り組んできたベテランなのですが、今回はデンマーク船籍で実際はアメリカのヴァージニアに母港のあるコンテナ船に乗務していて事件に遭遇しています。この船長の「侠(おとこ)気」と、海軍特殊部隊のスナイパーの完璧な狙撃、そしてその背後で果断な指揮をしたオバマ大統領という構図、更に船長の無事を祈っていた婚約者の女性を含めた人間模様は、既にハリウッドが映画化を検討しているという報道もあるぐらいで、全米を熱狂させたのです。週末に発売された『ピープル』などの芸能週刊誌でも、大きな扱いでした。
ここ数ヶ月、緊張状態の続いていたソマリア沖の情勢は、アメリカ人にはあまり関心を呼んでいなかったのですが、ここへ来てこのフィリップス船長の事件で一気に脚光を浴びる形となりました。それにしても、オバマ大統領が特別に射殺許可を与えて特殊部隊を動かすというのは、何とも大がかりな話です。このアメリカ軍対海賊の対決はどのような方向へ向かうのでしょうか。
まず、ヒラリー・クリントン国務長官は「海賊への懲罰」作戦を発動するとして、海賊の資金源の追跡、資産の凍結などを行うと共に、今後は絶対に海賊に対して「いかなる要求の受け入れも、身代金の支払いも行わない」という姿勢を徹底すると宣言しています。また、ゲイツ国防長官は、海上に限定されていた海賊の取り締まりを「必要に応じて陸上への追跡活動も行う」と表明、かなり本腰を入れる構えです。
では、この「対海賊作戦」ですが、最終的にどこまで行くのでしょう? とりあえずは、ヒラリー長官の言うように「身代金という資金源を断ち、過去に流入した資金の流れを押さえる」という手法で「海賊というビジネスモデル」が割に合わないことを分からせるというのですが、仮にそれでも犯行が止まらない場合は、ゲイツ長官の言うように「陸上」への警察的な活動を行うこともあり得ると思います。
というのは、このソマリアの問題というのは「民主党の戦争」へと発展する可能性を秘めているからです。まず、ソマリアの無政府状態に関しては、1993年に当時のクリントン政権がガリ国連事務総長(当時)とのコンビで行ったアイディード派に対する軍事介入失敗という事件に端を発しているということがあります。米軍を中心とした国連軍は、最新の兵器を使ってアイディード派を制圧しようとしたのですが、民兵組織の抵抗と対ヘリコプターの地対空攻撃などに手を焼き、惨めな敗戦と共に撤退しているのです。特に「ブラックホーク」と呼ばれたヘリが撃墜された事件はその後映画にもなっていますし、殺された米兵の遺体が無惨な晒され方をしたなど、アメリカの世論にとってはトラウマとも言える経験になっています。
その後のソマリアは、完全に群雄割拠状態で、冷戦時代に流入した武器に加えて闇ルートで入ってくる兵器を各派が保有して不安定な状況が続き、最近ではその武器を使った海賊行為が横行しているというわけで、正に「ビル・クリントンの失敗」が招いたのが現在の混沌とした事態であるというわけです。ブッシュ前大統領が「父の行った不完全な戦争」を完遂しようとしてイラク戦争にのめり込んでいったように、「失敗したソマリア平定」を何とか実現して過去の清算をしたいという動機は民主党政権には十分にあると言わねばなりません。
今回のフィリップス船長の一件でいきなり「ソマリアへの第二次派兵」となることはないと思いますが、今後も事態が好転しない場合はそうした流れになる可能性はあります。オバマ大統領にしても、例えばソマリアほどではないにしても、部族間抗争で治安が不安定化したケニアは正に「父なる国」であり、良くも悪くもそのケニアの安定にアメリカが寄与したいという気持はあると思います。今回のソマリアの海賊に関しては、逮捕した海賊を抑留する施設はケニアに設置していますし、ケニアに大きな援助を行うことで、部族間抗争を安定化させたい、そうした動きや予算についてソマリアがらみで支持を取り付けたいという思いはどこかに見え隠れするのです。この問題は、オバマ政権の今後の軍事外交を占う上で、無視はできないと思います。
米国にはオバマ政権がソマリア海賊問題をきっかけにケニアに援助を行いたいという目的もあるのだろう。それを正当化させるためにフィリップス船長の人質事件も仕組まれた可能性もある。しかし、日本には、不況で交通量の少なくなったソマリア沖に自衛隊を派遣しても、どんな利益があるというのだろうか。憲法違反の前例を作るだけだろう。だんだんとこのように九条が軽んじられ、いつかは戦争が始まるのではないか。
もしどうしても、世界への面子が立たないというのであれば、ソマリアの海賊問題は、自衛隊ではなく、海上保安庁で対処するべきだ。なぜなら、自衛隊は日本が危機に陥ったときに日本の国土を守るものであるからだ。例えば、ソマリアの海賊が日本海や太平洋から日本に危害を与えようとしている場合、自衛隊を派遣するべきだが、ソマリア沖の海賊が日本の国土を脅かすとは思えないからだ。日本船が狙われるというのなら、それは、日本の海上保安庁や欧米の戦艦に守ってもらったらいいではないか。
参考記事:
ソマリア沖に海上自衛艦を出すな! 海賊問題に名を借りた海外派兵新法に反対する!
『米流時評』ソマリア海賊との全面戦争を国連が承認!
『ブログ blog で 情報交換』アメリカとソマリアの因縁 ソマリア沖海賊 根治的対策
追記ソマリア関連記事:
読者の方から教えていただいたブログ。ソマリアに関する情報満載。
『マスコミに載らない海外記事』 ソマリア
民主党は社民党や共産党のように、ソマリア沖の自衛隊派遣に断固反対するべきだと思ったら、今日もランキングの応援宜しくお願いします。

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あ、ご指摘ありがとうございました。ちょっと調べたら、戦艦は記念艦として保管されているのみだったのですね。
ただ、ソマリアは無政府状態が続いていて、海上警察や陸上警察が
機能していません。
詳しくはhttp://obiekt.seesaa.net/article/117852089.html
なぜ、軍が必要になるかが詳しくあります。
こらからモンスーンもおさまり海賊も活発になるでしょう。
今回の件で憲法のその場しのぎの拡大解釈ではきつくなりましたね。
読売ではまた憲法改正への気運があがっているそうですね。
いっそ次回の選挙の争点にしてみたらどうだろうか?与野党で割れて
有権者も選びやすいだろう。
共産党の笹井議員もテレビで恥をかくのはみっともないですね。
民主党の中でも意見が割れてますからどうなるのやら。
拙ブログでも触れたのですが、
この裏には、なにやらあやしい闇が潜んでいるように思います。
アマチュアの推理にすぎませんが、
国民の正義感を「戦争」にむけて利用する輩がいるとしたら許しがたい!
(トラックバックさせて頂きたかったのですが、失敗しました・・・)
ところで私も心配しているのですが、ミニちゃん見つかりましたか?
北朝鮮は少数民族が住んでいないから,こういう差別問題は起こってないけど,日本は「少数民族の存在を認め,互いに尊重し合う」体制が未成熟です.最近,ようやくアイヌ民族に対する法律ができたけど,他の少数民族に対しては「犯罪者扱い」=常にパスポート携帯 (但し米軍兵士は別) を義務づけている.
私は米海兵隊岩国基地の近くに住んでいるので,日曜などは若い米兵とよく出会う.また,フォードのスーツを着たエリート社員とも出会う.彼らと世間話をしながら,パスポートいま持ってるかい,と話すと,兵舎やホテルに置いてきたと言う.日本の法律では,外国人はパスポートを携帯しないといけないんだよと言うと,初めて知った,ありがとうと握手されることが多い.(白人兵士には「うるさい」と吐き捨てた奴が若干名いたが) アメリカ人は特別扱いなんだろうな(笑)
それに,ソマリアの漁民が武装した理由は,もともと 日本やギリシアの漁船が出鱈目な操業をソマリア沖でしたせい で,回転寿司に乗っかっている 100円とか200円なんていう安いネタのほとんどは,そういう違法操業でぱくってきた魚ばかりなんです.
逆に言えば,日本やギリシアの遠洋漁業者やブローカーや回転寿司屋を「犯罪者」としてぱくるべきで,海上自衛隊がソマリアの漁民たちを威嚇すること自体,内政干渉以外の何ものではない!
直ちに,ソマリアの漁民たちから「海賊」というレッテルを剥がすべきである.彼らもメシを食うためにやむを得ず遠洋漁船や貨物船を襲って,乗組員たちを拉致監禁して,インターネットで身代金を要求しているのです.当然,その身代金はイギリスのハートセキュリティー社への負債に充てられるというからくりなのですな.
そうですよね! 海上保安庁は奄美沖の不審船に対して見事な射撃で撃沈せしめた実績があります。なにも自衛隊を派遣するまでもなく、海賊どもをバタバタとやっつけてくれることでしょう。
ソマリアの海上警備行動によって、海保に予算が回らず苦労している海保の予算が増額されれば良いなあと思います。
今朝のバタタバで・・・、後ほどゆっくり読ませていただきます。
取り急ぎ、お礼まで。
ところで、ミニちゃんは無事でしたか?
http://www.youtube.com/watch?v=lqpyR3yh5zU&hl=ja
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自公与党は国会議員としての自分たちを不要な存在だと言っています。海賊対処法案への態度でわかります。
NO.1095 ソマリア沖海賊問題カナダde日本語 」美爾依(みにー)さん 有難うございました。
【ソマリア沖】「国会の事前承認」がない限り「海賊対処法案」には反対【脱法行為】
私達が安穏と豊かな暮らしを享受できる背景には安全な海運が欠かせません。銃を突きつけられ、言葉も通じない海賊に生殺与奪を握られる怖さが想像できますか?
我が国だけでなく他国の船員の命もまた平等だと思いませんか?
海保の薄い装甲にRPGが撃ち込まれたとしてもただ死ねというのでしょうか
金だけ払って守ってくれない日本の船舶を他国の海軍が命を張って護衛してくれるでしょうか
海賊は犯罪です 取り締まる政府は機能していません
どなたか答えてください、会った事もない船員の命はそんなに軽いのでしょうか