2006.05.19 (Fri)
九条を守ろう:中東戦略のためのグアム移転費用をなぜ日本が負担するのか?
NoMDチームの『ムックの日記』で『マガジン9条』の「森永卓郎の戦争と平和講座」が更新されたと聞いて、さっそく読んでみた。内容は昨日私が書いた記事を短くしてわかりやすく書かれているといった感じだった。こうやって書けば読者はわかりやすいなととても勉強になった。
もともとどうして沖縄に駐留する米軍海兵隊のグアム移転を日本が負担しなくてはならないのかとても疑問だったのだが、森卓氏も同じようにおかしいと思っていたらしい。
私は、今回の米軍再編が日本の要請に基づくものだというアメリカの主張自体が、おかしいのではないかと考えています。例えば、グアムに移転する海兵隊は、陸空海の3軍に続く、アメリカの第4の軍隊で、上陸作戦などを主な任務としています。実際、沖縄の海兵隊は、さかんにイラクに派遣されてきました。そもそも、沖縄や日本を守るための兵隊ではないのです。
アメリカは、中東への兵力をグアムに集中させて、効率的な運用をしようと考えています。つまり,米軍の中東戦略のために沖縄の海兵隊を移動するのですから、これは明らかにアメリカの都合なのです。
どうして、占領軍が米国の自国の基地に引き上げるのに、日本がその費用を払うのか政府はうやむやにしており、きちんとした説明をしていない。額賀防衛庁長官は日曜日のTV番組で「沖縄の負担軽減のため」と言っていたが、この森卓氏の記事や昨日の私の記事を読めば誰でもそれが単なる言い訳にすぎないということは一目瞭然だ。本当の理由を言ったら国民の猛反対を受けると知っているから本当の理由は言わないのだ。
又、森卓氏によれば、日本の駐留経費負担においても、日本の負担は4億1334万ドルと突出しており、ドイツの2・8倍、韓国の5・2倍、イタリアの12倍になっており、日本の駐留経費負担の金額は、日本を除く26の同盟国全体よりも大きいそうだ。
なぜ、日本はここまでアメリカの為に軍事費を負担し続けているのか?それは、思考力停止中の小泉が神霊教ならず白米教のブッシュ教祖を盲目的に崇拝しているからだろう。小泉にとって「アメリカは偉大であり、信じていればきっと奇跡が起こる」という挿入感、じゃなくて、先入観じゃなくて信教心があるに違いない。それ以外になぜここまで日本がアメリカの軍事費を負担するのか全くわけがわからない。
こういった軍備費が確かに日本を防衛するために有効であれば誰も文句は言わないだろう。しかし、森卓氏は次のように指摘している。
さらに、自衛隊はミサイル防衛(MD)でも、米軍と情報を共有し、アメリカと共同で防衛網を築くことになっています。しかし、軍事の専門家に聞くと、例えば北朝鮮から日本にミサイルを撃たれたとしても、日本までは到達時間が短いために、MDで迎撃することは不可能で、アメリカ本土への攻撃を防ぐこと以外に、ミサイル防衛の効果はないと言います。
結局、いま日本が行おうとしている応分の負担というのは、単に米軍の軍事費を、米国のために負担しているだけに過ぎなくなっているのではないでしょうか。それはお金をドブに捨てるということだけには止まりません。それは、世界の平和を脅かしているアメリカが仕掛ける戦争を支援することになるのです。
日本は、平和憲法を持っているのですから、戦争のために人的協力も資金協力もしませんと、なぜはっきりと言えないのでしょうか。それを言う能力がないから、日本の為政者たちは、憲法改定を急いでいるのかもしれません。
つまり、今の現状はバックにヤクザがついているインチキ新興宗教にはまってしまった政治家が教祖さまに求められるままに多額な寄付を自分の貯金からではなく、国民の血税から支払っていて、結局そのお金が殺人に使われるのと同じで、ブッシュ教祖さま率いるアメリカ教を崇拝している小泉がおしげもなく国民の血税をイラク戦争のために使っているのだ。そして、それを正当化するために平和憲法まで変えようとしているのだ。
こういったことは普通に生活しているだけでは全く情報が入らないし、わからないので、国民の間に危機感はない。しかし、今のうちにくいとめておかないと、宇宙空間が核戦場と化し放射能汚染が地上を襲ったあとではもう遅いのだ。まずは、私たちにできることは何だろうか。九条を守ることから始めよう。
参考記事:
『ムックの日記』「今週のマガジン9条、ほか」
『マガジン9条』「森永卓郎の戦争と平和講座」
『世に倦む日日』「小森陽一の戸別訪問論 - 九条を訪問販売する宣教の精神主義」
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本当に人々が一生懸命に働いて収める税金をただドブに捨てるだけじゃなくて、人を殺すために使うというのはまるでマフィアの国みたいですね。一人でも多くの人がこの現実を知ってくれたらと思います。