2008.12.24 (Wed)
消費増税:迷惑なクリスマスプレゼント

昨日はアイスワイン用葡萄の収穫日だった。雪が降り注ぐ零下15℃の寒空の中、夜中の12時過ぎまで働いている人々。本当にご苦労様と言いたい。
今日は、クリスマス・イヴだけど、自民党がとっても迷惑なクリスマス・プレゼントを国民に用意したようだ。私は、きっともう一つの国民にとって嬉しいクリスマス・プレゼントが用意されていると期待したいけど、どうかな。
嬉しくないクリスマス・プレゼントは、今日の午前に2009年度予算案が発表となることだ。2011年に消費税が増税されると正式に発表されるのだろう。植草さんも下記のエントリーでちぐはぐな政策を批判し、麻生の辞任、解散総選挙、そして政権交代こそ最も効果的なの景気対策だと述べている。
植草一秀の『知られざる真実』「大政奉還」を決断すべき麻生首相
経済状況の深刻化に対応して麻生政権は景気対策を提示しているが、政策対応のちぐはぐさが際立っている。2011年度に財政再建目標を実現するとの方針を定めた2006年度の基本方針をどのように位置付けるのかがはっきりしない。景気対策を提示しながら2011年度に消費税を増税する方針を示している。
【More・・・】
金融危機で国民が収入減の辛い思いをしているこの時期に、消費増税をわざわざ明言する自民党の馬鹿加減には、誰もがあきれかえっていることだろう。3年後に自民党が政権を握っているはずないのに、なぜ今から3年後に消費税を上げる事を「中期プログラム」の政府原案に記述せねばならぬのか。消費税をあげる前にまずは政府による無駄遣いをなくすべきだ。政府はまず下記のことを実施してから消費税をあげるべきだと思う。1.年間12兆6千億円の天下り廃止
2.年間8兆円の省庁による無駄遣い根絶
3.年間7兆円の大企業・大資産家向け優遇税制法廃止
4.年間5兆円にのぼる軍事費削減や防衛省幹部による軍事利権廃絶
5.1,253億6千万円の国の公共事業をめぐる地方公共団体による不正経理撲滅
これだけで約33兆円(農林省林野庁・防衛省・社保庁の年間無駄遣い金額不明)を節税できる。発表されていない税金の無駄遣いは底なしに存在するだろう。政府は自分たちはいい思いをして、国民だけに増税を押しつけようとしても、国民は納得しない。政府が無駄遣いをなくせば、消費税をアップする必要はないからだ。
社会制度が充実している北欧やカナダのように消費税を10%~20%台にして、社会保障が改善されるならまだ納得できる。しかし、増税によって社会保障が改善されるとの説明は何もないのだ。
3年後に消費増税を明記することについては、麻生太郎が公明党と政府の板挟みになって四苦八苦しているブザマな姿が目に浮かぶ。この消費増税については、麻生が総理に就任した直後から一貫して主張していることだが(特に自慢できることではないだろう)、3年後に消費税を上げることを明言するかどうかをめぐって、麻生はずっと迷走を繰り返している。
総理就任直後に3年後に増税することを発表すると、公明党の反対に屈し、景気が良くなったら上げるということを主張し始めた。その後、11月末の世論調査で支持率の急落が発表されると、12月に入って、麻生太郎首相が臨時の記者会見で追加景気対策「生活防衛のための緊急対策」を発表した。その時、公明党に言われるまま3年後の増税を明記しなかったら、官僚のイヌ額賀に強く明記を求められて、結局は明記することになった。すると今度は、公明党が次期衆院選に影響することを懸念し、「景気回復過程の状況などを見極め、予期せざる経済変動にも柔軟に対応できる仕組みとする」との文言を追加することを強く求めた。
今、一刻も早く実行しなければならないのは、年の瀬に不安を強める国民が切実に求めている雇用や中小企業の資金繰り、暮らしの対策である。それなのに、国民の願いに応える中身もないのに臨時の記者会見まで開き、首相が何をアピールしたかというと、消費税増税である。麻生は、「百年に一度の金融危機」だからと言って、生活防衛や内需拡大の必要性を主張しながら、暮らしと家計を痛めつけて内需に冷水を浴びせる消費税増税を打ち出した。
麻生の漢字の読み方と一緒で、全く支離滅裂だ。国民生活を心配するふりをして、実は自分たち与党が次の選挙で得票を増やすために、官僚や大企業のことしか考えていないということがバレバレなのだ。これでは国民の信頼を失うばかりだろう。
何よりも、3年後には政権が変わっているのに、この時期にわざわざ国民を不安に陥れるようなことを発表するKYさには開いた口が塞がらない。そんなひまがあったら、野党のように国民が一番求めている雇用や零細企業の資金繰り、暮らしの対策をスピーディに実行すべきだろう。
消費増税のカラクリについては、友さんがとてもわかりやすくまとめてくださっている。
『大脇道場』NO.836 ありがたくないクリスマスプレゼント 消費税 11年度増税明記。(消費税増税反対キャンペーン第2弾�)

下の文章は友さんのブログから引用だが、これが、赤旗からの引用なのか、友さんが書かれたものなのかははっきりしないが、この時期に日本で消費税増税が実行されることがいかに馬鹿げているかを簡潔に言い表していたので、紹介したい。
世界的な経済不安の中で、イギリスでは期限付きながら付加価値税(消費税)引き下げで2兆円規模の大衆減税。それは、ヨーロッパに広がろうとしている。
日本経済にとって今一番必要なことは、輸出・外需依存を見直し、国民の懐具合を暖かくして内需中心の経済に方向転換すること。政府自身もこのことは認めているが、やることが「2兆円の定額給付金」。それは、子どもと高齢者には2万円、それ以外には1万2千円を、1回給付するというもの。
小泉内閣以来の庶民増税や社会保障負担増・給付減は、年間13兆円。国民1人当たり実に10万円だ。毎年毎年10万円を巻き上げながら、一回こっきりの1~2万円でどうにかなるものではない。子どもだましにもならない。
総務省予算では定額給付金を給付するために必要な経費が2兆395 億13 百万円(給付金額1兆9,570 億円、給付に要する事務費825億13 百万円)だそうだ。事務費だけでも825億円!これだけあれば医療や福祉のためにどれだけのことができるだろうか。
しかも、「その先には消費税増税だぞ!」といえば、財布の紐を引き締めるしかない。もし税率10%になれば13兆円。新たに国民一人当たり10万円吸い上げるということだ。しかも毎年毎年の事になる。(実際は順次引き上げるということのようだが・・・いずれにせよ増税だ)
国民が3年後の増税に財布の紐を引き締めるため、経済効果が全く望めない2兆円の給付金を給付するために825億円の事務費がかかるとは、まるでお笑いの世界じゃないか。それもそういった事情を知っている国民の約80%が給付金に反対しているっていうのに、無理矢理押し進めようとしている。そりゃ、くれるっていうならほとんどの人がもらうだろう。さんざん小泉の悪政によって所得も減って家計も苦しい時だから、もらうのが当然だ。
でも、今この不景気に一人当たりたった1万2千円ほどの給付金で、3年後には再び小泉政権によって減収されたのと同じ額、年間一人10万円にものぼる消費税を負担しなくちゃいけないなんてあまりにもむちゃくちゃすぎる。政府による無駄遣いをなくせば、消費税を増税することもないのに、無駄遣いは放置し、国民に増税を求める政府に言われるがままの自民党。その経済政策の一環として行われる消費増税は全くの謎である。これほど国民を馬鹿にした政党とは早くおさらばして、意味のない消費増税には強く反対しよう。
関連記事:このエントリーを書いた後に植草さんが同じ趣旨のエントリーをアップされていた。
植草一秀の『知られざる真実』「天下りを死守して消費税大増税しますけど、何か」
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参考資料:
<中期プログラム>消費増税「11年度」明記で自公が合意(毎日新聞 - 12月23日 02:01)
防衛省、国際相場の50倍で装備品調達 山田洋行から(iza ニュース 12月21日)
政府緊急対策 消費税への固執が不安広げる(しんぶん赤旗 12月14日)
【年金改ざん】:組織的改ざん認める。ということなんですが、・・・(11月30日)
税の無駄遣い 厳罰処分をためらうな(東京新聞 11月8日)
会計検査院:平成19年度決算検査報告で税金の無駄遣いなど1253億円。その会計検査院の存在が日本で一番税金の無駄遣いカモヨ!(11月8日)
税金の無駄遣い 総額(00~07) 64兆11億円(6月30日)
関連過去ログ:
年金問題:税金の無駄遣いがすぎる社保庁(12月1日)
医療制度偽装の愚:後期高齢者制度から長寿医療制度へ(追記あり)(4月4日)
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消費税については、友さんの説明は本当にすごくわかりやすかったです。
できれば、参考にした赤旗の記事と、あのシーソーの絵をどの赤旗の記事から取ったのか教えていただけたら嬉しいです。
記事の紹介ありがとうございます。
>これが、赤旗からの引用なのか、友さんが書かれたものなのかははっきりしないが・・・
私の情報源、学習資料の多くはは赤旗です。それれを自分なりに噛み砕き、あまり政治に詳しくは無い知り合いに話すにはどう伝えたらいいか、と言う思いで、優しい言葉と言い回しで書くよう努力しています。
引用はそれとわかるように示すことにしています。・・・ということで。
今後ともよろしくお願いします。
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こんな状況で増税を発表する政府はどうかしてるんじゃないでしょうか。かえって経済的にも逆効果だと思います。あと、引用されている解説ですが非常にわかりやすかったです。