2006.04.28 (Fri)
栃木県警は控訴を取りやめよ
「栃木リンチ殺人事件の行方」、拝読しました
本当にむごたらしく残虐で、そして何より理不尽な事件です。
被害者はもちろんその御遺族も、
今日までどれほどつらい日々を送られてきたことでしょうか。
ところがそれに追い討ちをかけるかのように、
被害者のお父さんに
嫌がらせの手紙が送りつけられていることが
明らかになりました↓。
http://imadegawa.exblog.jp/1932470/
『読売新聞』以外の全国紙では、
この件は報道されておりません。
もしよろしければこちらのブログでも、
本件を取り上げていただけないでしょうか。
突然の書き込み、
大変失礼いたしました。
2006-04-28 Fri 02:16 | URL | 今出川通信 #-[ 内容変更]
そのいやがらせの手紙とは、
栃木リンチ殺人賠償訴訟原告に嫌がらせの手紙(yomiuri online)
(2006年4月26日11時15分 読売新聞)栃木県上三川町の会社員須藤正和さん(当時19歳)が少年グループからリンチを受けて殺害された事件で、県などを相手取り損害賠償訴訟を起こしている父、光男さん(55)方(栃木県大田原市)に、「血税を1億も取ったんだから出て行け」などと書かれた嫌がらせの手紙が25日、郵送されたことがわかった。
封筒に入ったB5判の紙1枚には、「いつまで被害者を装って英雄気取りしてるんだ」などと印字してあった。光男さんに中傷の手紙が届いたのは初めてで、光男さんは「悪質な嫌がらせ。今後も続くなら弁護士に相談する」と話した。
訴訟では、宇都宮地裁が12日、捜査の怠慢と殺人との因果関係を認め、県に最大9633万円の支払いを命じるなどした。
今出川通信によると、被害者の父親である須藤光男さんは、あれだけつらい思いをしたのに、栃木県警が東京高裁に控訴したため、まだ一円も賠償金を受け取っていないし、受け取れるかどうかもわからない状態らしい。
■事実誤認に基づく短絡的主張
確かに宇都宮地裁は12日、加害者に、県と連帯して約1億1200万円を支払うよう命じてはいる(産経新聞4月12日夕刊)。
(正確には、加害者の支払うべき約1億1200面円のうち、約9600万円が栃木県との連帯負担額)。
しかし栃木県警は判決後もこの結果を受け入れようとせず、これを不服として東京高裁に控訴したため、県の賠償自体がまだ確定しておらず、
実は被害者遺族はいまだに県から1円も賠償金を受け取っていない(下野新聞2月26日)。
(しかもその宇都宮地裁判決でも、1億1200万円は加害者が、 うち9600万円については県と連帯して支払うとされているだけだ)。
にもかかわらず、すでに遺族が「血税を1億も取った」かのように一方的に思い込み、それを根拠に「出て行け」などと言いがかりをつけるとは、事実誤認の逆恨みも はなはだしい、実に短絡的な主張である。
須藤光男さんにこのいやがらせの手紙を書いた者はどんな腐った根性をしたら、こんなことができるのか!こんな非常識な手紙を被害者遺族に送りつけるという行為に対して強い憤りを感じる。愉快犯か?それとも栃木県警の回し者か?
そして、控訴した栃木県警も全く反省の余地がないのにはあきれてものが言えない。この事件は栃木県警の怠慢さが須藤正和さんを殺したといっても言いすぎではないのだ。素直に罪を認めて賠償金を自ら支払うことによって栃木県警の犯した大きな罪を償うべきだ。それを控訴するなんて、自分の非をいまだに認めていないことになる。全く日本の県警もここまで卑怯だとは、なさけない。
最後に今出川通信さんの言葉に痛く共感したので、引用させていただきたい。
■県警の対応こそ文字通りの「税金ドロボー」
事件発生後、県警は当時の本部長が、「担当した署員らは、 仕事に対する取り組み方に欠けるものがあった。積極的に対応していれば、被害者を保護できたかもしれない」と捜査に不手際や怠慢があったことを認めていた。ところが裁判がはじまると一転して、「両親の届け出からは切羽詰った危機意識を見て取れず、具体的な危険性を予見できなかった」などと責任を否定するという実に見苦しい態度に出たのである。(宇都宮地裁は判決の中で、「県警は遅くとも99年11月には、被害者に生命の危機が切迫していることを認識していたか、十分認識できた」と、警察側の主張を一蹴している)。
警察の怠慢や不適切対応によって息子を殺された被害者遺族が、その非を訴え、損害賠償を請求するのは実に当然のことである。
栃木県警のこのような捜査のあり方が今後も変わっていかなければ、
栃木県民全員が損害をこうむるというものである。
被害者遺族は、こうした警察の対応が二度と繰り返されてはならない
間違ったものであったことを裁判という公的な場で認定させ、
いわばそうした「税金ドロボー」的行政のあり方を正す意義も含めて
損害賠償訴訟に立ち上がったのだ。
それを、「血税を1億も取ったんだから出て行け」などと、
あたかも被害者遺族の側が税金を掠め取る、いわば「県民の敵」であるかのように主張する短絡的な物言いには、疑問を通り越して憤りすら感じる。
被害者の父親は立派である。
息子を殺され、
妻も心労で亡くし、
卑劣な嫌がらせを受けてなお堂々と闘っている。
自分の顔・名前・住所・・・といった個人情報を
全国にさらしながら、正々堂々と闘っている。
この人を、どうして栃木県民は追い出すことができるだろうか。
彼こそ、栃木県民の誇りである。
■安易な「被害者バッシング」の風潮許すな
僕は今回の嫌がらせの主に対し、
直ちにこのような短絡的な見解を撤回し、
被害者遺族に対して謝罪するよう要求する。
僕たち言論に携わるものは、
安易な「被害者バッシング」の風潮を決して許さず、
断固たる姿勢をもってこれに立ち向かってゆくことが求められる。
このいやがらせの手紙を書いた犯人が自主するとは思えないが、栃木県警が控訴を取りやめることはできる。栃木県警は人間らしい心が残っているのなら、もう一度、自分たちがやったことをよく反省して控訴を取りやめて欲しい。どこまで聞き入れられるかわからないが、みんなで栃木県警に控訴をとりやめるように訴えよう。
栃木県警へのご意見・ご質問はこちら。
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どういたしまして。
それにしても、この事件の裏にはいろいろと複雑な事情があって、気が重くなりますね。
今出川通信さん、
一人でも多くの方が栃木県警にメールで訴えてくれたらいいですね。また、控訴を承認したのは、栃木県知事だという噂もありますので、県警だけではなく、知事にも訴えたらもっと効果的かもしれませんね。
とても大切なことをみんなにTBしてくださってありがとうございました。
今出川通信です。
このたびは
記事の紹介・引用までしただきまして、
本当にありがとうございました。
今回の件の犯人にはもちろん腹が立ちますが、
控訴して遺族となおも争おうという
栃木県の方針にもまったく憤りを感じます。
ご指摘ありがとうございました。
病気というのは、精神病のことではなく、単に通常では考えられないアホという意味です。でも、そういったふうに読まれると困るので、言葉を少し変えてみました。
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今出川通信さんは関西の方だと思います。
みかさんは地元の方だから、とても詳しいんですね。みかさんが教えてくださったサイトは前から知っていて読んでいたのですが、今回の訴訟のことをもう少し詳しく読んでみたら、いままで知らなかったことがわかりました。
被害者の父親が控訴したのは、加害者の両親が全く事件の責任を反省していないからなんですね。それにしても、栃木県や県警が控訴したのは、納得がいきません。