2008.10.26 (Sun)
米国大統領選:マケインが挽回に必死だが、全て裏目に出て自滅

サラ・ペイリンのピカピカの赤いハイヒール
Fairfax, Virginia, September 10, 2008. REUTERS/
Jason Reed US PRESIDENTIAL ELECTION CAMPAIGN 2008 (USA)
米大統領選まであと10日を切り、終盤を迎えているが、10月18日の『きっこのブログ』「オバマ氏が大統領に当確!」にもあったように、勝負はほとんど決まっている。それにもかかわらず、マケイン陣営はどんなに汚い手を使ってでも最後の最後まであきらめようとしないようだ。しかしながら、マケインが悪あがきすればするほど、事態はますます悪化し、オバマとマケインの支持率はますます開くばかりだ。今日は、そんなニュースをいくつか集めてみた。
「オバマ支持者から暴行」と狂言=マケイン選対スタッフ-米 (時事通信)
【ワシントン24日時事】米ペンシルベニア州ピッツバーグで24日までに、大統領選の共和党マケイン候補の選対ボランティアの女(20)が、強盗から民主党オバマ候補を支持するよう脅迫され暴行を受けたと通報したが、後に狂言だったと告白する騒ぎがあった。
CNNによると、女は22日夜、同市内の現金自動預払機(ATM)で現金を引き出した際、刃物を持った黒人の男に金を奪われた上、「バラク(オバマ氏)の支持者になれ」などと脅されて殴るけるの暴行を受けたと通報。女の右ほおには、バラクの頭文字「B」を反転させた形のひっかき傷があり、強盗犯につけられたと訴えていた。
[ 2008年10月25日9時4分 ]
しかし、いくらなんでもありといっても、ここまでやるか、普通(爆)。
さらに、これまでさんざんオバマはテロリストと親密な関係があると中傷してきたマケインだが、本場のテロリストがマケイン支持を表明した。これじゃ、全く逆効果だよね。
アル・カーイダはマケイン氏「支持」、失政継承を期待して (読売新聞)
【ワシントン=黒瀬悦成】ウサマ・ビンラーディン率いる国際テロ組織、アル・カーイダ系の複数のウェブサイトが、米大統領選の共和党候補、マケイン氏を「支持」する論評を相次ぎ掲載していることがわかった。
いずれも、マケイン氏が当選すれば「イラク戦争などで米国を疲弊させたブッシュ大統領の失政を継承する」と期待しており、想定外の勢力からの“ラブコール”が選挙戦にも微妙な影響を与えそうだ。
一連の論評は、この数週間に掲載された。いずれも米株式市場の暴落を一様に歓迎した上で、こうした事態は「イラクやアフガニスタンで米国を長期戦に引きずり込み、米経済を疲弊させるアル・カーイダの戦略が奏功している証拠だ」などと主張している。
さらに、アル・カーイダと特に密接な関係にあるとされるサイト「アル・ヘスバ」は20日、「選挙前に大規模な対米攻撃を決行すれば、米市民はマケイン氏に投票する」と指摘。同サイトの情報を翻訳した米企業「サイト・インテリジェンス」は、「米国に消耗戦を続けさせるには、対外強硬主義でタカ派と見なされるマケイン氏の方が好ましい、とのアル・カーイダの思惑が一連の情報から透けて見える」と指摘した。
[ 2008年10月25日9時14分 ]
マケインがさんざん違いを強調してきたテロリストの友達の友達(笑)ブッシュも、勿論マケインに一票。
<米大統領選>ブッシュ大統領が期日前投票、マケイン氏に (毎日新聞)
【ワシントン小松健一】ブッシュ米大統領とローラ夫人は24日、大統領選(11月4日)の期日前投票をホワイトハウスで行い、共和党候補のマケイン上院議員に投票した。ペリーノ大統領報道官が明らかにした。投票用紙は私邸のあるテキサス州に発送された。
大統領夫妻は再選を果たした04年の大統領選や02年と06年の中間選挙では、ホワイトハウスからテキサス州に赴いて投票した。
しかし、ブッシュ大統領の支持率が各種世論調査で20%台に落ち込み、共和党支持層の「ブッシュ離れ」も顕著となり、マケイン氏に逆風となっている。このため公の場に出ることなく、期日前投票を行ったとみられる。ペリーノ報道官によると、大統領夫妻は投票日もホワイトハウスにいるという。
マケイン氏は15日のテレビ討論会で「私はブッシュ大統領ではない」と強調。その後も米メディアのインタビューでブッシュ政権のイラク戦争の進め方、巨額の財政赤字などを批判し、大統領との違いを明確にすることに躍起となっている。
これで、アルカイダとブッシュがオバマを支援する意向を示していたら、状況は劇的に変わっていただろうに(笑)。
冷泉彰彦氏も今朝届いたJMMのメルマガ『from 911/USAレポート』第379回「大差の背景」の中で次のように述べている。
(前略)
では、今回の選挙戦はどうしてここまで大差がついたのかというと、やはりマケイン陣営の「自滅」という要素が大きいように思います。自滅というのは何かというと、
(1)候補指名を獲得するためもあって、ブッシュの後継という立場を固めてきたのだが、イラク、そして金融危機というブッシュ政治のマイナス面が噴出する中で、ブッシュ後継という色彩が予想以上の逆風になった。
(2)ペイリン指名によって、宗教保守票と中道票の獲得を狙ったが、一旦はつかんだように見えた中道票はペイリンの軽薄さを嫌って逃げて行った。
(3)金融危機に際して、ブッシュの公的資金注入策に対して終始消極的に見えてしまった。今現在も何となく注入には消極的な「顔」をしているが、それがマケイン独自の「大企業批判」なのか、ブッシュ批判なのか、あるいはペイリンのおかげで和解できた宗教保守票のホンネだからなのかは全く不明であり、国民の最大の関心事に対して態度が全く不鮮明となっている。
(4)金融危機にあたって、アメリカの一国主義に限界が見えてきた。各国連銀の協調介入、各国政府の公的資金注入、日本の銀行証券による米証券の救済など、他国に一緒に動いてもらったり助けてもらわなくてはダメな時代ということが露呈する中、一国主義的な愛国心の鼓舞は何とも場違いになってきた。
(5)ペイリンの連れてきた「コテコテ」の白人宗教保守票が「ヤル気」になってしまったために、そしてそれが唯一の集票手段という計算のために、反オバマのネガティブキャンペーンに走っているが、ご本人としては「イヤイヤやっている」という雰囲気が濃厚であり、これもチグハグな印象を与えている。
(6)そもそも、中絶や銃規制、グアンタナモでの拷問問題など、マケインは共和党にしてはリベラルな「一匹狼」というイメージが中道票に好感を持たれていたのだが、こうした面を封印する中、持ち味が消えている。
(7)撤退準備に入りつつあるイラク派遣軍、タリバンとの宥和姿勢に転じつつあるアフガン戦線、同じく経済的にも(アメリカだけでなく中国と韓国の経済苦境という現状を考えると)宥和路線しか取りえない北朝鮮政策、同じく経済危機で自滅の方向であるロシア、と「ブッシュのアメリカ」がどんどん対外柔軟路線に転じている中、「戦う大統領」というイメージ自体が現実とのすれ違いを起こしている。
というような点だと思います。
こうした細かなポイントでの失点が積み重なって大きな流れになってしまっている、それがマケインが支持を失いつつある原因だと思うのですが、こうした失点の集積として、今回の選挙の勝敗とは別に、もう一つ無視できない問題が出てきました。それは、共和党の支持母体の分裂という問題です。
(後略)

ハワイの高校の卒業式で祖父母から熱い抱擁を受けるオバマ
(chicagotribune.com)
終盤に来て、人種問題がクローズアップされ、投票の瞬間になれば黒人候補に対して白人有権者が躊躇するのではという言い方もされていますが、丁度オバマはハワイ在住の祖母を見舞いに行っており、白人の祖母に育てられたオバマというストーリーが改めてメディアに出ていますから、この問題も言われているほど票を取りこぼすことにはならないでしょう。
私としては、マケインが副大統領候補に指名したサラ・ペイリンは、実はヒラリーの友達の友達(笑)で、わざとマケインに不利になるような言動をしたのではないかと思っている。でなければ、ここまで見事にマケインを貶めてくれるわけないだろう。副大統領候補となったサラ・ペイリンが20代の頃にミス・アラスカ・美人コンテストに出場したことも、今となっては失笑を買っているし・・・・。
SARAH PALIN SWIMSUIT COMPETITION!! Miss Alaska Pageant 1984 ...
まあ、冗談はさておき、国民が副大統領に求めるものは、容姿よりも知性や人格だ。美人コンテストに出場する人の中に知性がある人はどのくらいいるのか。こんな女を副大統領候補に指名したマケインのオツムの程度が問われ、支持率はますます落ち込んでいる。こりゃ、駄目だ。
冷泉氏も上述のコラムの中で、ペイリン効果について下記のように述べている。
ちなみに「ペイリン効果」ですが、こちらはそのペイリンがNBCのお笑い番組「サタデー・ナイト・ライブ」でソックリさんに散々バカにされているにも関わらず、その番組にノコノコ出ていって、ペイリンに対するかなり高級な「毒」がちりばめられた台本で番組が進行しているにも関わらず、ニコニコしているだけで終わった、その時点で「政治的資産」はゼロになってしまったと言えるでしょう。前後して出てきた「15万ドル(1400万円)」分の衣装代が選挙費用から出ていた疑惑が追い打ちをかけました。その「豪華な流用」に対しては、草の根保守からも批判が出る始末です。
尚、サタデー・ナイト・ライブの動画はこちらで見られるよ。
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