朝日の社説「弁護士資格を返上しては」に激怒する橋下の知的レベル
まず、19日に兵庫県伊丹市の陸上自衛隊伊丹駐屯地であった記念行事に参加した時、祝辞の中で
「人の悪口ばかり言う朝日新聞のような大人が増えれば、日本は駄目になる」
と述べ、その後視察した同府島本町のウイスキー蒸留所で、報道陣に対し、朝日新聞3日付朝刊の社説「弁護士資格を返上しては」への批判だったと説明した上で、
「一線を越えたからかい半分の批判であり、たいへんな怒りを感じている」
と不快感をあらわにしたそうだ。
橋下って、やっぱり若いだけあって、喧嘩っ早いね。橋下がこんな発言したのはみなさまもご存知の通り、10月2日に、山口県光市の母子殺害事件の弁護団に懲戒請求するよう呼び掛けたことを巡る裁判で敗訴したことにある。この判決に対し、朝日の社説は「判決を真剣に受け止めるならば、控訴をしないだけでなく、弁護士の資格を返上してはどうか」と主張していた。橋下が敗訴した件については、下の毎日新聞が詳しい。左写真:敗訴を受け、深々と頭を下げる橋本知事=大阪府中央区の大阪府庁で2008年10月2日午前11時11分、平川哲也撮影 (毎日新聞10月2日より)
橋下を激怒させた10月3日付けの朝日新聞の社説の全文を読んでみたいと思って、Asahi.comで探したんだけど、過去の社説を読むには、有料会員にならねばならないとのこと。そこで、ネット検索したら見つかった。
橋下TV発言―弁護士資格を返上しては(朝日新聞社説 10月3日)
歯切れのよさで人気のある橋下徹・大阪府知事のタレント弁護士時代の発言に、「弁護士失格」といわんばかりの厳しい判決が言い渡された。
山口県光市の母子殺害事件をめぐり、橋下氏は昨春、民放のテレビ番組で、少年だった被告の弁護団を批判し、「弁護団を許せないと思うんだったら懲戒請求をかけてもらいたい」と視聴者に呼びかけた。
その発言をきっかけに大量の懲戒請求を受けた弁護団が損害賠償を求めた裁判で、広島地裁は橋下氏に総額800万円の支払いを命じた。判決で「少数派の基本的人権を保護する弁護士の使命や職責を正しく理解していない」とまで言われたのだから、橋下氏は深く恥じなければならない。
この事件では、少年は一、二審で起訴事実を認め、無期懲役の判決を受けた。だが、差し戻しの控訴審で殺意や強姦(ごうかん)目的を否認した。
少年の新たな主張について、橋下氏は大阪の読売テレビ制作の番組で、弁護団が組み立てたとしか考えられないと批判した。弁護団の懲戒を弁護士会に請求するよう呼びかけ、「一斉にかけてくださったら弁護士会も処分出さないわけにはいかない」と続けた。
こうした橋下氏の発言について、広島地裁は次のように判断した。刑事事件で被告が主張を変えることはしばしばある。その主張を弁護団が創作したかどうかは、橋下氏が弁護士であれば速断を避けるべきだった。発言は根拠がなく、名誉棄損にあたる――。きわめて常識的な判断だ。
そもそも橋下氏は、みずから携わってきた弁護士の責任をわかっていないのではないか。弁護士は被告の利益や権利を守るのが仕事である。弁護団の方針が世間の常識にそぐわず、気に入らないからといって、懲戒請求をしようとあおるのは、弁護士のやることではない。
光市の事件では、殺意の否認に転じた被告・弁護団を一方的に非難するテレビ報道などが相次いだ。そうした番組作りについて、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は公正性の原則からはずれるとして、厳しく批判した。
偏った番組作りをした放送局が許されないのは当然だが、法律の専門家として出演した橋下氏の責任はさらに重い。問題の発言をきっかけに、ネット上で弁護団への懲戒請求の動きが広がり、懲戒請求は全国で計8千件を超える異常な事態になった。
橋下氏は判決後、弁護団に謝罪する一方で、控訴する意向を示した。判決を真剣に受け止めるならば、控訴をしないだけでなく、弁護士の資格を返上してはどうか。謝罪が形ばかりのものとみられれば、知事としての資質にも疑問が投げかけられるだろう。
橋下の暴言に対し、朝日新聞大阪本社広報部では、
10月3日付の当社の社説は、山口県光市の母子殺害事件を巡る橋下徹知事のタレント弁護士時代のテレビ発言について、橋下氏敗訴を言い渡した判決を論じた上で、橋下氏の責任を厳しく指摘したものです。陸上自衛隊記念行事での当社に関する発言については理解いたしかねます。
と困惑している。
みなさま、どうでしょう。この社説が悪口やからかい半分の批判に思える?悪口どころか、最初に「歯切れのよさで人気のある橋下徹」って褒めてるじゃん。その後は、事実に沿って書かれているだけでしょう。どこが悪口なのか、からかい半分なのか、さっぱりわからないんだけど。これは、どう読んでも、橋下がこれまでやってきたことをきちんとまじめに批判した文だよね。
正論の新聞社説までコントロールしようとする橋下は、大阪知事という権力を手に入れた自分の優位性を誇示し、相手を萎縮させて、言論の自由をさまたげようとしているとしか思えない。英語で言えば、れっきとしたパワーハラスメントだ。こういう人物が権力を手に入れることは非常に危険なことだ。これまでにも多くの問題を起こして来た橋下の本質を見抜けずに彼を大阪府知事にするために支援した自公政権や、彼に一票を投じた大阪府民は、多いに恥じるべきだ。
それにしても、謝罪したかと思ったら、今度は他の公の場で、持論を繰り返すって、ちょっと前に衆院選に出馬するとかしないとか迷走したモンスター中山前国交相にそっくりじゃない?橋下もこれまで数多くの失言をしてきたわけだけど、それにもめげずにこのザマじゃね。中山と同じ運命をたどらなければいいけど・・・・。口は禍いの元だよね。
関連動画:
橋下知事が謝罪
関連記事:三浦和義氏に対する意見は、全く違うけど、橋下氏に対する意見はほぼ一致するブログを紹介。秋原葉月さま、TBとコメントありがとうございました♪
『Afternoon Cafe』
橋下氏、自衛隊記念行事で自分を批判した朝日を批判 (10月20日)
追記・橋下氏の賠償命令の判決文を読んで (10月4日)
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橋下徹大阪府知事が又とんでもない失言をしてくれた。19日に兵庫県伊丹市の陸上自衛隊伊丹駐屯地の記念行事に参加した時、祝辞の中で、
「人の悪口ばかり言う朝日新聞のような大人が増えれば、日本は駄目になる」と述べたそうだ。その後視察した同府島本町のウイスキー蒸留所で、報道陣に対し、朝日新聞3日付朝刊の社説「弁護士資格を返上しては」への批判だったと説明。「一線を越えたからかい半分の批判であり、たいへんな怒りを感じている」と不快感を示した。
伊丹駐屯地での発言に対し、報道陣からは「大人げないのでは」との指摘も出たが、橋下知事は「朝日も言いたいことを言っているわけだし、お互い様だ」と話した。
橋下知事は2日、山口県光市の母子殺害事件の弁護団に懲戒請求するよう呼び掛けたことを巡る裁判で敗訴した。これに関し、同紙の社説は「判決を真剣に受け止めるならば、控訴をしないだけでなく、弁護士の資格を返上してはどうか」と主張していた。
橋下知事:「くそ教委」放言続々 謝罪傍ら控訴の意向(毎日新聞 10月2日)
敗訴を受け、深々と頭を下げる橋本知事=大阪府中央区の大阪府庁で2008年10月2日午前11時11分、平川哲也撮影
「橋下氏の発言を批判する判決だ」と話す原告側弁護士ら=広島市中区の広島弁護士会館で2008年10月2日午前10時46分、寺岡俊撮影
「一斉に弁護士会に対して懲戒請求をかけてもらいたいんですよ」−−。2日の広島地裁判決は、思い切った言動が身上の橋下徹弁護士(現・大阪府知事)がテレビ番組内で行った発言を「弁護士の使命・職責を正解しない失当なもの」と断じた。府知事に就任後も、さまざまな発言が物議を醸し、世論の関心を集める手法を用いてきた橋下氏だが、厳しい判決に「重く受け止める」と神妙な表情をみせた。
判決を受け、府庁で報道陣の取材に応じた橋下氏は冒頭、「地裁の判断は重く受け止める。表現の自由の範囲を逸脱していた」と神妙な面持ちで頭を下げ謝罪した。一方で、控訴の意向も表明。「3審制なので高裁の判断も伺いたい。1審の判断が不当だとかではない」と理由を説明した。
「今後の表現手法に影響するか」と問われ、「今回の訴訟ではある意味、個人を攻撃した。政治家として扱っているのは大きな組織や社会制度。知事としての職務には影響しない」と話した。
刺激的な表現は知事になってからも物議を醸しているが、最近は政治的メッセージを伝える手法と認識されている。9月には、全国学力テストの公表に消極的な教育委員会に対し、ラジオの生放送で「くそ教育委員会」と言い放った。府議会で批判され、「二度と言わない」と答弁したが謝罪はしていない。
一方、判決後、広島弁護士会館(広島市)で開かれた会見で原告側弁護団は、「品性に劣る行動だった。あれが許されればなんでも許される」などと橋下氏への憤りを口にした。弁護団団長の島方時夫弁護士は「橋下弁護士は、光市母子殺害事件弁護団に対して謝罪すべきだ」と話した。【石川隆宣】
◇法の解釈逸脱
広島地裁判決について、作家の高村薫さんは「痛快な判決だ。『ともかく懲戒請求すればよい』という橋下氏の論法はむちゃくちゃで、その不当性を裁判所は明快に示してくれた」と評価。一方、情報の受け手側に対しては「私たち一人一人が少しでも法律の感覚を持っていれば、このような懲戒請求がおかしいことは分かる。来年5月から裁判員制度が始まるが、参加する市民の側に弁護士活動への最低限の理解がなければ、信頼できる制度にならない」と指摘した。
田島泰彦・上智大文学部教授(メディア法)は「マスメディアは橋下弁護士に乗せられたことに、深刻な自己批判をしなければいけない。第三者の目で物事を冷静に伝え、正当な批判・検証をするのがメディアの役割。一方の意見に利用されることは絶対にあってはならない」と指摘。橋下氏の発言については「表現の自由の範囲を超えている。数にものをいわせ、魔女狩りのような状況を作り出した。正当な活動をしている弁護士を萎縮(いしゅく)させ、自由な議論を妨げることにつながる」と批判した。
◆知事の主な発言◆
「たかじんのそこまで言って委員会」(読売テレビ、07年5月27日放送)
「ぜひね、全国の人ね、あの弁護団に対してもし許せないって思うんだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求かけてもらいたいんですよ」
「懲戒請求ってのは誰でも彼でも簡単に弁護士会に行って懲戒請求を立てれますんで、何万何十万っていう形であの21人の弁護士の懲戒請求を立ててもらいたいんですよ」
「懲戒請求を1万、2万とか10万人とか、この番組見てる人が、一斉に弁護士会に行って懲戒請求かけてくださったらですね、弁護士会のほうとしても処分出さないわけにはいかないですよ」
【ことば】光市母子殺害事件
差し戻し控訴審判決によると、元少年は99年4月、山口県光市の会社員、本村洋さん(32)方で、妻の弥生さん(当時23歳)を強姦目的で襲い、抵抗されたため絞殺。長女夕夏ちゃん(同11カ月)も床にたたきつけたうえ絞殺した。少年側は1、2審で殺意を認め無期懲役となったが、弁護団が代わった最高裁で強姦目的や殺意を否認し、「ドラえもんが何とかしてくれると思った」「精子を入れるのは生き返りの儀式」などと主張した。最高裁は06年6月、無期懲役を破棄して差し戻し、広島高裁が今年4月22日に死刑を言い渡した。
◆事件や橋下徹弁護士発言の経過◆
<99年>
4月14日 山口県光市で主婦、本村弥生さん(当時23歳)と長女夕夏ちゃん(同11カ月)が殺害される
18日 近くに住む当時18歳の少年を逮捕
6月4日 山口家裁が山口地検に逆送決定
<00年>
3月22日 死刑の求刑に対し山口地裁が無期懲役の判決
<02年>
3月14日 広島高裁が検察側控訴を棄却
<06年>
6月20日 最高裁が無期懲役判決を破棄し、広島高裁へ差し戻し
<07年>
5月27日 テレビ番組で橋下氏が弁護団への懲戒請求を呼びかけ。各弁護士会に対する請求は07年末までに8095件
9月3日 弁護団の4人が橋下氏を相手取り広島地裁に提訴
<08年>
4月22日 広島高裁が元少年に死刑判決





















