2008.10.12 (Sun)
三浦和義自殺:ロサンジェルス・タイムズの記事
日本のビジネスマン三浦和義被告が独房で死亡して見つかる
(ロサンジェルス・タイムズ 10月11日10:40 AM PDT)
ロサンジェルス・タイムズのスタッフライター、リチャード・ウィントン、アンドリュー・ブランクステイン、モーリー・ヘネスィーによる記事
三浦容疑者は1981年に前妻を殺害した罪で米国に戻ったばかりだった。彼の死は明らかに自殺。
ロサンジェルスで27年前に妻を殺したために共謀罪で起訴された日本のビジネスマンが、出廷するために米国に到着した数時間後の夜、独房で首を吊った。
三浦和義容疑者(61歳)は、金曜日の9時40分頃、刑務所係官が見回りをした時に、独房で死亡しているのが見つかったとロス市警のジョン・ロメロは言った。
「三浦和義殺人容疑者は独房で一人彼のTシャツを縄状に編んで首に巻いて自殺したことは明らかだ。」とロメロは言った。三浦容疑者は郡USC医療センターに緊急に搬送されたが、そこで死亡が確認された。
当局はすぐに三浦容疑者の家族に伝えるために、日本領事館へ連絡したとロメロは伝える。
ニューヨークの三浦容疑者の弁護士、マーク・ゲラゴスは、地方検事によって今日の未明、12時15分ごろ、三浦が死亡したことを伝えられた。「全く意味がわからない。」とゲラゴスは言った。
ゲラゴスは、「今日、弁護士が三浦容疑者を訪問したとき、彼は背中の痛みを訴えただけで、元気そうだった。特に落胆したり、落ち込んでいるような様子も見られなかった。何か問題があるようには全く見えなかった。むしろ、三浦容疑者は、法廷での闘いに備えて準備万端といったところだった。」と伝えた。
ゲラゴスは、「単独の調査を要求しようと思うが、いまだに何が起きたのか納得できる説明がなされていない現状に不満がある」と言った。
カリフォルニア刑務所基本法によれば、独房の見回りは30分ごとに行われる。予備情報によれば、当局は、収容所係官が三浦容疑者が首吊りしているのを発見された10分前にチェックした時、何も変わりはなかったと発表している。
収容所係官はすぐに助けを求めた後、他の2人の係官とともに、三浦容疑者に人工呼吸による心肺機能蘇生法を行うために独房へかけつけた。刑務所の医務室から医療担当者も独房に応じた。
ロサンジェルス消防署の担当者もパーカー・センター刑務所に、三浦和義容疑者の救命措置を続けるように応答し、三浦容疑者をロサンジェルス郡USC医療センターに搬送した。
警察に誘導されながら、三浦容疑者は金曜日にロサンジェルス国際空港に午前5時前に到着し、警察本部に連行された。火曜日には、中央刑務所に移送される予定だった。
1988年からずっと三浦容疑者を調査し続けたリック・ジャクソン捜査官は、三浦容疑者を拘留することに意欲をみせていたグループの一人である。ジャクソン捜査官は、金曜日に何十年にも渡ってこの重要事件を追った日本のニュースの伝達者のために働いてきた多くの報道陣に警察本部で挨拶されていた。
「この20年の間に三浦容疑者に2度と会えないのではないかと思われるときが何度もあった。」とジャクソンは三浦容疑者と警察本部から戻ってきてまもなく語った。「だから、とても嬉しい。」
ジャクソン捜査官によれば、移送中、三浦容疑者は、サイパンで買った「Peace Pot Microdot」と書かれた白と黒の野球帽について捜査官に語りながら、とても「協力的」だったそうだ。到着時、三浦容疑者はとても疲れていたとジャクソン捜査官は言った。移送中に三浦容疑者が殺人罪の調査について何か語ったかどうかは一切触れなかった。
三浦容疑者は1981年の11月にロサンジェルスのダウンタウンを訪問中に、妻一美さん(当時28歳)の頭部を銃撃して殺すことを計画した罪で起訴された。三浦容疑者もそのとき、脚を撃たれた。
判事は、1988年に殺人と共謀罪の罪で三浦容疑者を逮捕する委任状を発行したが、捜査官は三浦容疑者を日本から引き渡すことができなかった。三浦容疑者は1994年に彼の妻の死を計画したとして日本で殺人罪で一度は有罪となったが、最高裁での判決は、逆転無罪となった。
「彼をここに連れてくることさえできれば、全てがうまくいくはずだった。なぜなら、たくさんの証拠があったから。」とジャクソン捜査官は金曜日に言った。
2月に三浦容疑者は彼のブログに米国領であるサイパンを訪問する計画について書いた。サイパンから日本に帰ろうとした時、三浦容疑者は、1988年に発行された逮捕の委任状で逮捕された。三浦容疑者は最初、引渡しを拒否するために闘ったが、先月日本での裁判を受けて、同一犯罪で被告を再度裁判にかけることを禁じる「一事不再理」で、殺人罪が却下された後、ロサンジェルスに移送されることに同意した。
銃撃犯はいまだに捕まっていないが、検察官は三浦が75万ドルの保険金を手に入れようと、おそらく誰かに銃撃するようにサインを送って一美さんを殺害するために共謀したと信じている。
先週の木曜日に郡の検察官が殺人罪を無効とした決定見直しの手続きをした。2004年に加州刑法が変わり、「一事不再理」保護法は海外での裁判には無効になったからだ。しかしながら、「一事不再理」と同じように刑法の重要な大原則として、犯罪行為時に刑事上違法とされていた場合にしか刑罰を科せられないとする「遡及処罰の禁止」の原則に従えば、加州刑法が改正された2004年前に三浦容疑者が「殺人罪」で起訴されたため、改正された刑法は適用されないことになる。
しかしながら、「遡及処罰の禁止」の原則については、これまでも裁判所によっていろいろと違った判決があり、ロスでの木曜日の公聴会が注目されていた。
ジャクソン捜査官はたとえ検察官が殺人罪を復活させることができないとしても、三浦容疑者は共謀罪が認められれば、最低25年間を刑務所ですごすことになっていたと金曜日に告げた。
ジャクソン捜査官らは、先週の月曜日に長年調査に協力してくれた調査官と会うために東京を訪問した。又、三浦一美さんの母と一緒に一美さんの墓参りをした。
「このような事件で私たちを動かすのは、犠牲者のために愛の灯を燃やすことです。一美さんは美しい女性でした。そして、明らかに、彼女の一生は短すぎました。」とジャクソン捜査官は語った。
そうだったのか。いったん「殺人罪」が無効になったのは、三浦容疑者が日本の裁判ですでに無罪とされていたから、同一犯罪で被告を再度裁判にかけることを禁じる、「一事不再理」という刑法の原則が適用されたからで、「殺人罪」が無効なら、死刑になることもないし、三浦容疑者もロスに移送されることに同意したのか。
でも、ロス市警はずっとうわてで、2004年に州刑法が変わって海外での裁判は除外することになったから、「殺人罪」を再度適用させるつもりだったんだね。確かに「遡及処罰の禁止」の原則で、州刑法が変わる前に侵された犯罪には、海外での裁判の除外はないかもしれないけど、それでも、「共謀罪」が成立すれば最低でも25年の懲役、最高で極刑に処される予定だった。これは、私の想像だけど、三浦容疑者が自殺したのも、こういった刑法の詳細を移送中に聞き、25年の懲役や極刑に処される恐れが生まれたからではないだろうか。
それにしても、ジャクソン捜査官らが、今回の三浦容疑者をロスに移送する前に日本に来て、一美さんのお墓参りをお母様と一緒にされていたなんて、とても感動的な話だ。日本にもこんな情熱のある捜査官がいれば、迷宮入りの難事件ももっと解決しただろうに・・・・。
米国共和党ブッシュ政権の崩壊と共に、日本の保守勢力もどんどん音をたてて崩れ始めたようだ。なんといっても三浦容疑者は、保守勢力によって守られていた。しかし、こういった形で三浦容疑者が自殺することによって、保守勢力にぽっかりと穴があいたようになったのでは?
関連過去ログ”
2008.10.11 (Sat) 三浦和義が自殺
2008.02.25 (Mon) ロス疑惑を振り返って
2008.02.24 (Sun) 三浦和義は、なぜ今頃サイパンで再逮捕されたのか(追記あり)
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Japanese businessman Kazuyoshi Miura found dead in jail cellMiura had just returned to the U.S. to face charges in the 1981 slaying of his wife. His death is an apparent suicide.
By Martha Groves, Richard Winton, and Teresa Watanabe, Los Angeles Times Staff Writers
12:52 PM PDT, October 11, 2008
A Japanese businessman accused of conspiring to have his wife murdered 27 years ago in Los Angeles hanged himself in his jail cell overnight, a few hours after he arrived in the United States to face charges, police said this morning.
Kazuyoshi Miura, 61, was found in his cell about 9:45 p.m. Friday by a jail officer during a routine inspection, Deputy Chief Charlie Beck of the Los Angeles Police Department said at a news conference at Parker Center, police headquarters.
"It was apparent that the murder suspect, alone in his cell, had used a piece of his shirt as a makeshift ligature around his neck," Beck said. Miura, who had been dressed in street clothes, was taken to County-USC Medical Center, where he was pronounced dead, he said.
Authorities immediately contacted the Japanese consulate general's office, which notified Miura's family in Japan.
Miura's case has long been a high-profile saga in Japan, where Miura was dubbed "the Japanese O.J. Simpson." His extradition had drawn journalists to Los Angeles from dozens of foreign media outlets, some from as far away as Bangkok, Tokyo and Saipan, the U.S. territory Miura had been visiting when he was taken into custody in February.
Mark Geragos, Miura's attorney, who spoke from New York, said he was notified of his client's death about 12:15 a.m. today by the district attorney's office. "None of this makes any sense," Geragos said.
He said a lawyer had visited with Miura earlier and that he was in good spirits, complaining only about a little back pain. "There was no indication that he was despondent or depressed," Geragos said. "There was no indication whatsoever of problems.
"He was ready and girded for the fight," Geragos said of his client.
Geragos said he will demand an independent investigation. But he said he was upset because he had still not "gotten a straight or cogent explanation about what happened."
According to California Minimum Jail Standards, cell inspections are required every 30 minutes. Based on preliminary information, authorities said that detention officers assigned to the portion of the jail housing Miura had conducted a required cell check and found nothing unusual. About 10 minutes later, an officer passing Miura's cell "saw what Miura had done," Beck said.
The officer immediately requested help, and along with two other officers rushed into the cell to administer CPR to Miura. Medical personnel from the jail dispensary assisted them.
Los Angeles Fire Department personnel responded to the Parker Center Jail to continue life-saving efforts and took Miura to the Los Angeles County USC Medical Center.
Beck said the department's Force Investigation Division would conduct a "thorough investigation," which will be reviewed by Chief William J. Bratton, the department's Inspector General and the Los Angeles Police Commission. The County Coroner's office will also investigate the cause of death.
"Irony of ironies, that after all this time he's finally back and now this," Bratton said this morning. "It's tragic in the sense that the opportunity to have him go before a court, well, that opportunity is not going to present itself. Whatever his reason for taking his own life, well, it leaves the whole matter unsettled."
Miura was accused of plotting the death of his wife, Kazumi Miura, 28, who was shot in the head while the couple was visiting downtown Los Angeles in November 1981. Miura was shot in the leg during the attack.
A judge issued a warrant for Miura's arrest in 1988, alleging murder and conspiracy, but detectives could not extradite him from Japan. Miura was convicted of murder in Japan in 1994 in connection with his wife's death, but the verdict was later overturned and he was acquitted.
In February, Miura wrote on his blog about plans to visit the U.S. territory of Saipan. He was arrested there on the 1988 warrant as he tried to return to Japan. Miura at first fought extradition, but last month he agreed to return to L.A. after a judge dismissed the murder charge as double jeopardy, given Miura's trial in Japan. A charge of conspiracy remained. On Thursday, county prosecutors filed for reinstatement of the murder charge, citing a 2004 change in state law that removed double jeopardy protection for those tried overseas. A hearing had been set for next Thursday.
Escorted by police, Miura arrived shortly before 5 a.m. Friday at Los Angeles International Airport and was taken to police headquarters, where he was booked. He was scheduled to be arraigned Tuesday on a charge of conspiracy to commit murder.
Miura was greeted at police headquarters Friday by a throng of reporters, many working for Japanese news outlets that have followed the high-profile case for decades.
Japanese Consul General Masaru Dekiba, who was besieged by Japanese media outside Parker Center, said he was "astonished" that Miura had committed suicide. Dekiba said he had spoken Friday morning with the suspect, who seemed "very nice and healthy."
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清原氏の解説を最後の結論のところまで
読んでおられないようです。
あちらのブログは一日に複数のエントリーがあるようですので、
結論の部分が書かれたそれに気づかれなかったのでしょう。
美爾依さんがおっしゃっているのは、
656条ではなくて、三浦事件とは関係のない条文である
3041条の5についての遡及効のことでしょう。
4月18日のエントリーのところに、
アメリカ連邦最高裁による刑事法における、
遡及効禁止の適用基準が明示されています
http://uslaw.blog.so-net.ne.jp/archive/20080418
【ルール1】明らかに実体法といえる法規は、
常に刑罰法規不遡及の原則が適用される。
【ルール2】実体法とはいいがたい法規や手続法といえる法規は、
改正前と改正後の法規の内容を比べ、
改正後の法規を適用すると被告人に科せられる刑罰が
重くなる危険性が相当程度ある場合に限り、
刑罰法規不遡及の原則が適用される。
改正カリフォルニア州刑法の当該条文(656条)の
遡及効が争われたサンディエゴ郡地裁の判例において、
上記の基準を適用した結果、
この条文の遡及効が否定される判断が下されています。
三浦事件においても、この適用基準を当てはめれば、
新656条の遡及効は否定され、殺人罪で起訴することは出来ないというのが
清原氏の結論ですし、
上記のルールを何度読み返してもきわめて
妥当な結論であるといわざるを得ないと思います。
ただし、清原氏も
>もっとも、地裁の判断にすぎず、連邦最高裁を含め上級審が
>この判断を支持するかどうか、注視する必要があります。
との留保はつけておられますが。
私は、上記の理由から、当該条文の遡及効を認めることは
許されないという立場であり、
美爾依さんは、遡及効を認めるべきだとという立場である。
ということですね。
2004年に法改正されたからといって、過去に日本で無罪判決が確定した事例について、旧カリフォルニア州刑法では一事不再理の規定により 訴追できないものが、事後法により訴追しようとするのは、 遡及効禁止に該当するんじゃないですかね?
清原博弁護士のブログに詳細がありましたが、 2008年4月16日から19日のエントリーにかけて この件についての解説がありました。
http://uslaw.blog.so-net.ne.jp/archive/20080416
やはり、判例によっても、当該カリフォルニア州刑法の規定での遡及効は認められない旨の判断が出ています。 ですので、 2004年改正法による殺人罪の立件は難しいのではないですかね? 三浦氏は当然、そこは承知の上でロスに赴いたでしょうし、 この件に関しては三浦側に勝算があったと思います。
ちょっと勘違いをされているようです。紹介くださった清原博弁護士のブログを読んでみましたが、私は逆にとらえました。下の文は清原弁護士のブログから引用しました。
私たちの生活を守るために憲法が保障している刑罰法規不遡及の原則。これは、「刑罰法規の効力は、その施行後になされた行為にしか及ばず、施行前になされた行為にさかのぼって適用してはならない」というルールでした。ところで、この「刑罰法規」とは具体的にどんな法規を意味するのでしょうか?
「そんなの、刑法に書かれた全部の条文が『刑罰法規』になるに決まっているよ」なんて返答が聞こえてきそうですが、そんなに簡単ではありません。
実際、アメリカ連邦最高裁は、「カリフォルニア州刑法3041条の5は『刑罰法規』に該当しない」と判断し、同条の改正法を、その改正前に犯罪を行った被告人に適用しても刑罰法規不遡及の原則に違反しないと言いました。
つまり、このアメリカ連邦最高裁の判決によると、その改正前に犯罪を行った被告人に改正後の「刑罰法規」が適用され、改正前の「刑罰法規」は適用されなかったということです。
ですから、『一事不再理の規定』は、2004年以降、外国での判決を除くことになりましたが、裁判所によっては、2004年前の判決にも適用されることもあるということではないですか?それをロス市警は、期待していたのでしょう。そして、三浦容疑者はそこまで知らなかったのだと思います。
もちろん、『殺人罪』が成立しなくても、『共謀罪』で終身刑になる可能性は十分あったということは、三浦容疑者自身は知っていたと思います。
平成13年にはなんと20%を切っています。
最悪の犯罪国家となった訳です。
現在は多少盛り返してはいますが、先進国として自慢できる数字ではありません。
とりあえず‥‥‥
追記
まァ なんにしても、美爾依さんによるこの事件に関する考察は、独りよがりと偏見が多く含まれており、正確さと冷静さを欠いたモノという気がしてなりません。
「あぁ、そういう捉え方もあるんだ‥‥‥」などという風に、人の意見にも全く聞く耳を持ち合わせていないようです。
ちょっと残念ですね‥‥‥
いつも敬意を持って拝読しているあなたの文章とは思えません。
前段は何ら異論はなく、同感です。
私も、アメリカのみならず日本での政権交代を熱望する一人です。
しかし、三浦氏が保守勢力に守られていた、というのはどういう趣旨ですか?
あなたは控訴審判決、最高裁決定全てを精読された上でそう言われるのですか。
「共謀罪」という、日本の法制度になじまない、人間の内面に介入する法律の適用をよしとされるのですか。それが「革新」なのですか。
私は、今回の一件は米司法グローバリゼーションの一環と危惧します。
「保守勢力に守られた」など、見当違いも甚だしい。
>カナダは感謝祭の週末で、とてもいい日が続いています。次のエントリーでその様子を紹介しますね。みなさまも、すてきな週末をお過ごしください。
結構なことです。但し三浦氏は生贄の七面鳥ではありませんよ。
私は、今回の一連の逮捕・移送には重大な疑義を持っている。
いやしくも、日本の最高裁で無罪が確定した国民の海外での拘束に抗議しないばかりか、司法協力まで申し出た日本の司法当局は、司法権の独立を言う資格はないだろう。
しかも、アメリカ当局は1981年の犯罪を、2005年に改正されたカリフォルニア州法という事後法で裁こうとしている。「東京裁判」が事後法だと批判されている右派論客の方々が声を挙げないのが不思議である。
私は、三浦氏が「無実」だとは言っていない。「判例時報」などで、銃撃事件に無罪を言い渡した控訴審判決全文を精査したが、むしろ、心証としては限りなく「クロに近い灰色」である。
しかし、日本の刑事裁判において、挙証責任は検察にある。どんなに状況証拠を積み重ねようとも、物的証拠・直接証拠がなければ「砂上の楼閣」に過ぎない。
銃撃事件で、警察は三浦氏に加えてロスの駐車場経営者のO氏を実行犯として逮捕・起訴した。
一審はO氏は証拠不十分で無罪、三浦氏は無期懲役。検察は二人について控訴したが、O氏無罪は揺るがないと判断したのか、途中から「実行犯は身元不詳の第三者」と主張しはじめる。この時点で検察の負けである。高裁は二人に無罪判決を下した。検察は三浦氏についてのみ上告、無罪判決が確定する。O氏を上告しなかったのは、間接的に「実行犯」の誤認逮捕を認めているわけであり、検察立証の破綻を物語っていよう。
「あの男がやったに違いない」と誰もが思っても、最高裁が判断を下した以上、それを尊重せねば、司法制度も三審制も成り立たない。それが最低限のルールである。
今回の逮捕状について、ロス地裁は「妻殺害は無効だが、共謀は有効」とした。
ただ、あくまで新証拠が無いという前提だが、妻殺害の共謀については女優Yを使嗾しての殴打事件で有罪が確定しているほか、銃撃事件控訴審判決でも、このYの供述や、三浦氏から殺害を持ちかけられたすし職人らの供述の信用性が詳細に吟味されている。その上での無罪なのである。だとすれば、既存の証拠のみで立証するつもりだったのなら、明らかに「一事不再理」に抵触すると思われる。
三浦氏の死によって、法廷も開かれず、従って検察側の「隠し球」(あるとすれば)の開示も行われなくなった。日米当局の三浦氏への対応とともに、釈然としない思いのみが残る。
納得できない点がありまして・・・
私は法律のど素人ですので、詳しい方がいたら
正して頂きたいのですが、
一事不再理の規定によって一度確定判決の出た事件について
二度訴追することは出来ない。
しかし、
2004年のカリフォルニア州刑法改正により、
海外での判決については除外されることに
なったということですよね。
ところで、近代法の大原則である
遡及処罰(刑罰法規の遡及効)の禁止というのが日米の憲法にも規定されています。
つまりは、刑罰法規の制定ないし改正された場合、
その適用は、当該法令施行後以降の
事例になされるものであって、施行以前の事例について遡って適用することを
禁じたものであるということですよね。
ですので、
2004年に法改正されたからといって、過去に日本で無罪判決が
確定した事例について、旧カリフォルニア州刑法では一事不再理の規定により
訴追できないものが、事後法により訴追しようとするのは、
遡及効禁止に該当するんじゃないですかね?
清原博弁護士のブログに詳細がありましたが、
2008年4月16日から19日のエントリーにかけて
この件についての解説がありました。
http://uslaw.blog.so-net.ne.jp/archive/20080416
やはり、判例によっても、当該カリフォルニア州刑法の規定での遡及効は
認められない旨の判断が出ています。
ですので、
2004年改正法による殺人罪の立件は難しいのではないですかね?
三浦氏は当然、そこは承知の上でロスに赴いたでしょうし、
この件に関しては三浦側に勝算があったと思います。
やはり、問われたのは共謀罪だったのではないでしょうか?
連続の長文投稿、すみません。
国民の80パーセントの指紋を採取して保管し犯罪謙虚に役立てているアメリカに比べれば数倍の検挙率ですので、日本の捜査官云々はそういったことからもおかしいです。
これは、法律の問題ではなくて、作戦の問題です。いくら法律に詳しい三浦容疑者でも、一度は無効とされた「殺人罪」を戻す予定は知らなかったでしょう。
憂国の士さま、
私は植草氏の考えは共感する部分が多くいつも尊敬の念を抱きながらブログを読ませていただいておりますが、全ての意見が一致するというわけではありません。憂国の士さんが引用して下さった部分は、植草氏の考え方であって、一つの考え方でしょう。私には三浦逮捕とインド洋での給油活動や海上自衛隊のイージス艦衝突事件が繋がっているかどうかはわかりません。
ただ、ロス市警は、20年以上も前からこの事件を調査していて、日本人被害者のために事件の真相を探ろうと三浦容疑者を再逮捕したのであって、それとインド洋での給油活動やイージス艦衝突事件が繋がっているとは考えにくい部分もあります。
ロサンゼルス銃撃事件で米当局に逮捕された三浦和義元社長(61)の自殺が報じられた。三浦元社長が逮捕されたのは、2008年2月22日金曜日だった。
この直前、2008年2月19日に海上自衛隊イージス艦「あたご」が、千葉県の漁船「清徳丸」に衝突し、「清徳丸」が船体をまっぷたつに切断され、乗船していた2名の漁師が死亡する事件が発生した。
自衛隊によるインド洋での米軍への給油活動を定める旧テロ特措法は、2007年11月1日に有効期限が切れた。海上自衛隊はいったんインド洋から撤退した。政府が2007年10月17日に提出した法案は2007年11月13日に衆議院で可決されたが、2008年1月11日に参議院本会議で否決された。
福田政権は同法案を同日再可決して法律が成立し、自衛隊によるインド洋での給油活動が再開されることになった。日本国内では、政府が衆議院の数の力に頼り、参議院の決定を無視して給油法案を可決成立させたことに対する批判が渦巻いた。
海上自衛隊のイージス艦衝突事件は、こうした状況下で発生した。インド洋での給油活動を日本に強制しようとしていた米国にとって、最悪のタイミングでの事件発生だった。
事件が発生したのは火曜日だった。日本のメディアは連日イージス艦事件をトップニュースで伝えた。石破防衛相の引責辞任も当然の流れになった。週末の情報報道番組はイージス艦事件、給油法の是非をめぐる論議一色に染まることが確実な情勢だった。
そこに、突如降ってわいたニュースが三浦元社長のサイパンでの逮捕だった。テレビ報道はイージス艦事件報道から、三浦元社長逮捕報道に全面転換した。単なる偶然とは考えられない。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/ より。
ロサンジェルス市警の会見‥‥‥ 疑問点があるのをお見逃し。(記事ではない)
>私の想像だけど、三浦容疑者が自殺したのも、そんな裏側の話を移送中に聞いたからかもしれない。
彼は長い収監中に数多くの法律書を読破、日米の法律にはヘタな弁護士より精通していたのは、有名な事実。
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Blog Action Day Night poverty参加記1
『ロス疑惑』(三浦和義、ロス市警本部の留置場でTシャツで首を吊って自殺。)
私は、上記の理由から、当該条文の遡及効を認めることは
許されないという立場であり、
美爾依さんは、遡及効を認めるべきだとという立場である。
ということですね。
そうです。ちなみにこういった面白いアンケート調査がありましたので、ご紹介します。
皆で考えよう!法の建前と現実
【質問】日本で無罪が確定した人物が外国で再び審理を受けることの是非について
(投票総数:1129票)
http://www.hou-nattoku.com/independent/enq/archive/39_itiji-fusairi/view_opinion.php