2008.08.13 (Wed)
北京五輪:開会式の足跡花火はCG、林妙可ちゃんの歌は口パクだった

アジアを代表する中国の独特な雰囲気のある北京五輪開会式の映像には、魅了されるばかりで、昨日も豪華な開会式の花火を紹介したばかりだが、実は、その演出効果のためにCGが使われたり、愛らしい少女の歌が実は口パクだったという情報がある。
五輪=開会式の映像、花火など一部は事前制作による合成(2008年 08月 12日)
[北京 12日 ロイター] 世界的に高い評価を受けた北京五輪の開会式だが、花火などの映像の一部は事前に制作されていたものだったことが分かった。北京五輪組織委員会(BOCOG)の関係者らが12日に明らかにした。
花火や華麗な踊りで観衆を魅了した開会式の様子は、世界中で約10億人が視聴したと推定されている。
BOCOGの王偉副会長は記者団に「一部の映像は、演出効果のために開会式の前に制作されていた」と説明。事前に制作されていた映像には、北京の上空に浮かび上がった花火による「足跡」なども含まれているという。
この「足跡」花火に関しては、『Gigazine』がCG(コンピュータ・グラフィックス)だったかどうか詳しく検証してくれている。
北京オリンピック開会式の花火による「巨人の足跡」は本当にCGだったのかどうかを検証してみた(2008年08月12日 15時23分00秒)
Gigazineによると、NHKで放映されていた映像の右上には「Live」の表示があったということだが、実際に上空から放映された映像は、事前に制作されていた画像だったので、「Live」ではなかったとのこと。しかし、下記の共同通信によると、足跡花火は実際に打ち上げられたという。だが、ヘリコプターからの撮影が危険をともなうため、その映像だけ合成映像を使用したそうだ。
巨人の足跡花火はCG映像 五輪開会式、1年かけ制作(共同通信 8月12日)
【ロンドン、北京12日共同】北京五輪の開会式の際に、全世界にテレビ放映された花火で描いた“巨人”の足形の映像は、コンピューターグラフィックスによる合成映像だったと、英デーリー・テレグラフ紙などが12日までに伝えた。五輪映像効果担当者が、合成と認めた。約1年の時間をかけて制作したという。
英スカイニューズ・テレビによると、開会式の映像は、全世界の30億人以上が視聴した。
映像は、開会式の開始直後に、北京市中心部の上空に巨人の足形のような形で花火が打ち上げられ、永定門から天安門広場を経て五輪メーン会場、国家体育場(愛称・鳥の巣)まで、巨人が歩いて近づく様子を空撮で表現していた。
花火は実際に打ち上げられたが、航空管制などで空撮ができないため、合成映像を使用することを決めたという。
担当者によると、映像は55秒間で足形は計29個あったが、「鳥の巣」上空で最後に打ち上げられた花火を除き、残りは事前に用意した特殊映像だった。
実際に足跡花火があげられたのは、下のYouTube動画からも明らかだろう(もし、これがCGじゃなければ。笑)。
Olympic footprints
まあ、そんなわけで、足跡花火がCGだったというのも、開会式を盛り上がらせるための演出効果だったわけで、サービス精神旺盛な中国に悪意があったわけではないので、別にいいんじゃないかなと思う。実際に花火があがったわけだしね。
一方、開会式で「歌唱祖国」を独唱し、その愛らしい歌声と笑顔が世界中から賞賛を浴びた赤いドレスを着た少女、林妙可(LIN MIAOKE)ちゃん(9歳)の歌が、実は口パクだったというニュースが世界に衝撃を与えており、こちらは、ちょっとまずいのではないかと思う。
China Olympic Media Doctoring - Girl Lip Sync
上のニュースのタイトルが「Wold Class Fake(世界級のニセモノ、世界中を騙した偽り)」となっている通り、この口パク問題は海外でも批判されている。中国当局によると、実際に歌を唄ったのは、上の動画にも写真が載っている別の7歳の少女、楊沛宜(YANG PEIYI)ちゃんだが、その少女の姿を見せなかったのは、少しふっくらしすぎていて、歯並びの悪いその少女の顔がオリンピックの開会式という檜舞台にふさわしくなかったからと発表している。

完璧な声を持つ楊沛宜と完璧な顔を持つ林妙可(BBC Aug.13)
日本もそうだが、外見にこだわる中国の美意識からかけ離れた顔だったからという理由で、開会式では姿を見せられなかった楊沛宜ちゃんだが、そのことについて聞かれると、「自分の歌声が開会式で披露できただけで幸せだ」とけなげに答えている。
中国のサイトで、林妙可ちゃんの画像集を見ると、なるほど、彼女の可愛さにみとれてしまうのだが、それにしても、二人の少女が大人になったらどう思うのだろうか。一人は、見かけが良いというだけで口パクをさせられ、もう一人は、見かけが悪いということで姿をみせずに歌だけ唄うなんて。幼い時に人生の裏側をちょっぴりかいま見た二人の少女には、歌が下手、国益にそぐわない容貌というコンプレックスに一生つきまとわれないよう明るく生きて行って欲しい。といっても、二人の人生はまだ始まったばかりだし、努力次第で、歌がうまくなったり、容姿だって「みにくいアヒルの子」のように大人になって見違えるようにきれいになる可能性もあるんだから。
みなさまと同じように、私も確かに林妙可ちゃんが唄っているのを見たとき、なんか口の動きが不自然で歌に合っていないとは思ったんだけどね。よかったら、彼女の歌をもう一度聞いてみて。せっかくすばらしい歌だったのに、なんか騙されたって感じだし、子供をこういった偽装に使うのはどうかと思う。
北京五輪開会式2
ネットに出回っていた『歌唱祖国』の歌詞和訳 1番のみ
五星紅旗迎風飄揚、勝利歌声多么響亮
歌唱我們親愛的祖国、従今走向繁栄富強
越過高山、越過平原、跨過奔騰的黄河長江
寛広美麗的土地、是我们親愛的家郷
英雄的人民站起来了!我們団結友愛堅強如鋼
五星紅旗が風にはためく、勝利の歌声はあんなにも響き渡る
我らの親愛なる祖国を歌いたたえる、今から繁栄富強に向かって歩きだす
高い山々を越えて、平原を越えて、激しい黄河長江を跨ぎ
広々と美しい大地、これが我らの親愛なる故郷
人民の英雄が立ち上がった!我らの団結友愛は鋼の如く頑強だ
優しい曲調と少女の柔らかい歌声から、この歌の内容が祖国に対する愛国心を唄ったものだとは想像もつかなかったが、いかにも中国らしい詩の内容に思える。
多くの海外ニュースがこの出来事について取り上げているので、興味のある方は読んでみると面白いかもしれない。
News results for Beijing Olympics Lip Synching
北京オリンピックの演出効果を高めるのもいいけど、度を過ぎると非難を浴びる事になるだけと思ったら、今日もランキングの応援を宜しくお願いします。

にほんブログ村 政治ブログ 現在 1 位

BlogPeopleランキング
「政治」部門 現在 1 位

FC2政治ランキング 現在 1 位
このエントリーは、
『自エンド - トラックバック・ピープル』
http://member.blogpeople.net/tback/09077
ブログ村トラコミュ『自エンド』
http://politics.blogmura.com/rpc/trackback/85445
『民主党 - トラックバック・ピープル』
http://member.blogpeople.net/tback/09160
にトラックバックしています。
おまけ:
とにかく中国では口パクが流行っているようだ(笑)。
two chinese boys:bu de bu ai(不得不愛)
two chinese boys:fairy(童話)
- 関連記事
-
- 浅田真央がジョアニー・ロシェット(カナダ)に敗れて2位 (YouTube動画) (2008/11/16)
- 北京五輪:スペインのバスケットボール・チームが中国人差別? (2008/08/15)
- 北京五輪:開会式の足跡花火はCG、林妙可ちゃんの歌は口パクだった (2008/08/13)
- 北京オリンピックのメダル獲得数、いまのところ日本は世界第6位 (2008/08/12)
- ジェフリー・バトル(カナダ)が世界フィギュア男子で優勝(YouTube動画) (2008/03/23)
Tags : 北京五輪 |
開会式 |
足跡花火 |
CG |
林妙可 |
LINMIAOKE |
口パク |
楊沛宜 |
YangPeiyi |
歌唱祖国 |
> 日本は未だに中国に対して多額の援助金を送っていますが、実際は、日本が中国に援助金をもらいたいくらいですね。
私は4年前に仕事で一度中国に行ったことがありますが、空港から目的地まで車に乗っていて、「巨大土建国家」の建設中なんだなあ、と感じたものです。
行き先は某日本企業の現地法人だったんですが、反日の雰囲気など全くありませんでした。
ただし、ものすごい格差の存在を感じました。日本と同じようなコンビニがあり、そこでは日本製品が日本と同じくらいの値段で売られていたのですが、それでも街で人々が食べている食事代より桁違いに高く、要は日本ではありふれたお菓子が、中国では贅沢品だということです。
日本でも格差や貧困の問題がクローズアップされてきましたが、中国の格差は日本どころではなく、世界でももっとも過激な新自由主義国家だといわれているほどです。
社会主義国家とは建前だけの実態みたいですから、五輪にお金をかけるのも良いけれど(国民の心を奮い立たせるのも必要ですからね)、もっと再分配政策をとればよいのにと思います。
でもそんなことをしたら中国社会のバランスが崩れてしまうんでしょうかねえ。
開会式はこれまでのオリンピック史上でも、もっとも壮大で豪華なものでしたね。たいてい開会式っていうのは、聖火に火をつけたり、選手が入場したり、有名な歌手が歌をうたったりというのが恒例ですが、北京オリンピックは中国の歴史を取り入れ、衣装もいかにもアジア的でその演出がすばらしかったですね。
そんな中で、花火はいいけど、口パク問題があったことは非常に残念でした。
足跡はCGでもいいけど、口パクはちょっと可哀想な気がします。
どっちの子も傷つかないといいのですが。
北京の開会式についての感想、凄いの一言でした。
まるで、映画やミュージカルを視てるようでした。
応援の仕方や文化の違いで色々なことがあると思いますが、成功するといいと思います。
コメントありがとうございます。北京オリンピック開会式については、それぞれいろいろな考え方があるようですね。
でも、この開会式で私が一番感心したのは、中国がいかにお金持ちかということでした。花火にしても、オリンピック会場の施設にしても、すごいお金がかかっているのではないのでしょうか。花火の量や施設建設にいくらくらいかかったのか、少し調べてみました。
開会式で北京の空を彩った花火は12万発にのぼり、これは過去28回のオリンピックであげられた総数の4倍だったということです。30ヶ所から1200種の花火が12万発打ち上げられたそうです。中国はこれをギネスに申請した模様。
また、気になる費用ですが、オリンピックの施設建設には19億ドル(約2100億円)かかり、中国が2001年から2008年にかけてオリンピックに向けてのインフラ整備などで費やした総経費は440億ドル(約4.8兆円)にのぼるのではないかとのこと。
日本は未だに中国に対して多額の援助金を送っていますが、実際は、日本が中国に援助金をもらいたいくらいですね。
この国でオリンピックなんて100年早い。
すべての面でオリンピックなんて開催できるような国ではない。
ナチ統制下のベルリンのそれを思わせる。
煌びやかな報道の陰を見なくてはいけない。
その事実を確認しなければいけない。
言論も報道もオフリミットされている国で、ナニが祭りだ。
googleでさえ規制の下でスタートだ。
それを堂々と「我が国は先進国だ」だと?
開催国決定に於ける裏で何があったのか?
誰か正直に書いてくれないか?
実際に少女が歌っており、画面上の娘は「少女が歌ってますよ」というアイコン、と言うことで別に問題では無いのでは?ショーに、この種の「嘘」はつき物でしょ。
オリンピックは楽しいことだけあればそれでいいよ!
口パクっていうと、映画「マイ・フェア・レディ」で歌の下手なオードリー・ヘップバーンが口パクやってたって話を思い出してしまいます。
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック