2006.07.28 (Fri)
カナダの住宅事情
『ヘンリー・オーツの独り言』のヘンリーさんからコメント欄にカナダについての下記の質問をいただいたので、お答えしたいと思います。
私もあまり詳しくはわからないのですが、実はカナダの石油はサウジアラビアや他の産出国の石油とは違って液状ではなくて、タールと砂などの混じった泥状の石油なのだそうです。だから、それを液状の石油に精製する施設が少ない上に(今のところ、アルバータにしかないそうです)、費用もかかるため、埋蔵量は多いのですが、産出量が少ないという矛盾が生じています。今は石油の値段が高くなってきたから、やっていけるけど、これが安くなったら石油を精製するのに費用がかかりすぎて、とてもやっていけないそうです。又、精製をする際に、ものすごく環境を汚染するそうなので、個人的には地球の環境のためにあまり精製するべきではないのではないかと考えています。
カナダにも都心部には、けっこうホームレスがいるようです。トロントやオタワに行くとダウンタウンの街中にホームレスが地べたに座って道行く人につり銭を求めています。真冬の寒波が襲ってくると、ホームレスの人を凍傷や凍死から守るために、国が緊急の施設に保護したりしているようです。やはり、どこの国にもホームレスはいるのでしょうね。ただ、ここナイアガラ地方にはほとんどそういったホームレスの人々は存在しません。私が現在住んでいるナイアガラ・オン・ザ・レイクでは、市がホームレスなどを厳しく取り締まっています。
ついでにカナダの住宅事情についてお話しましょう。カナダのCREA(The Canadian Real Estate Association)のサイトによるとカナダの住宅の値段は地域によって差があるようですが、全国的に共通しているのが毎年値上がりしているということです(ニューファウンドランドを除く)。国全体の住宅の平均値は去年の六月で$252,745(約2,500万円)今年の六月には$284,747(約2,800万円)まで値上がりしています。 CREAを参考にしてカナダの主要州別住宅価格(単位はカナダドル)をチャートにまとめてみました。

上のチャートを見てもおわかりのとおり州によって値段にかなりの差が生じています。西海岸にあるブリティッシュ・コロンビアは群を抜いて住宅の値段が高くなっているのに対し、カナダの中央部や東部の家の値段は低く、赤毛のアンで有名なプリンス・エドワード島の2006年の値段は10州の中でも下から2番目に低いです。 多分、カナダ東部は西部に比べて、気候が厳しいというのが原因しているのだろうと思います。
少し前にも書いた通り、現在引越しのための家を探していて、その中にちょうどオンタリオ州の平均価格の家(私の予算はオーバーしているのですが)が含まれていたので、今日は参考のために写真をお見せしようと思います。価格は$299,000(約3000万円)です。

この家は場所的には大学から近くてよかったのですが、大通りに面していたし、値段のわりにサイズは少し小さめだったので、あきらめました。ただ、バックヤード(裏庭)はグリーンベルト(緑地帯で、家を立てることを禁じている地域)になっている上、小さな滝や広いデッキやLandscape(庭設計・デザイン)効果もあってとても素敵でした。

この家が小さいのはかなり古い家(多分築50年くらい?)だからだと思いますが、インテリアがとてもモダンで素敵だったので、その古さは全く感じませんでした。

カナダのキッチンの流行はステンレス・スティールの素材を使った家電で、家に高級感を与えるのに一役買っているのですが、このキッチンにも冷蔵庫、オーブン、ガスまたは電気ストーブ(コンロ)全てがステンレススティール製でした。狭かったけど、すごく素敵でした。

ステンレス製の冷蔵庫。

リヴィング・ルーム。

この家にはかなり人懐こいコッカー・スパニエルの赤ちゃんが2匹いて、とても可愛かったです。写真を撮るにも近くに寄りすぎていい写真がとれませんでした。日本もそうでしょうが、カナダでも犬や猫を飼っている家が多いです。
カナダに比べて、日本の(特に大都心の)一戸建ての家の価格は法外に高いと思います。都心と地方の格差を是正して、人々が田舎でも豊かに暮らせるような国にして欲しいです。そのためには、田舎に住んでいる人にも多様な仕事ができるような環境を作っていかないといけませんね。私も今のところカナダに住んでいますが、両親がもう少し年取ったら、面倒を見るために日本に帰らなくてはなりません。そんなときに美しい国、じゃなくて、国民の住み易い国であって欲しいのです。
カナダの石油の埋蔵量は世界2位なのに産出量が10位に入らないのはどうしてなのでしょうかね?もう石油とは別のエネルギー政策を採っているのでしょうか?またカナダにはホームレスが居るのでしょうか?お解りの範囲で教えてください。
私もあまり詳しくはわからないのですが、実はカナダの石油はサウジアラビアや他の産出国の石油とは違って液状ではなくて、タールと砂などの混じった泥状の石油なのだそうです。だから、それを液状の石油に精製する施設が少ない上に(今のところ、アルバータにしかないそうです)、費用もかかるため、埋蔵量は多いのですが、産出量が少ないという矛盾が生じています。今は石油の値段が高くなってきたから、やっていけるけど、これが安くなったら石油を精製するのに費用がかかりすぎて、とてもやっていけないそうです。又、精製をする際に、ものすごく環境を汚染するそうなので、個人的には地球の環境のためにあまり精製するべきではないのではないかと考えています。
カナダにも都心部には、けっこうホームレスがいるようです。トロントやオタワに行くとダウンタウンの街中にホームレスが地べたに座って道行く人につり銭を求めています。真冬の寒波が襲ってくると、ホームレスの人を凍傷や凍死から守るために、国が緊急の施設に保護したりしているようです。やはり、どこの国にもホームレスはいるのでしょうね。ただ、ここナイアガラ地方にはほとんどそういったホームレスの人々は存在しません。私が現在住んでいるナイアガラ・オン・ザ・レイクでは、市がホームレスなどを厳しく取り締まっています。
ついでにカナダの住宅事情についてお話しましょう。カナダのCREA(The Canadian Real Estate Association)のサイトによるとカナダの住宅の値段は地域によって差があるようですが、全国的に共通しているのが毎年値上がりしているということです(ニューファウンドランドを除く)。国全体の住宅の平均値は去年の六月で$252,745(約2,500万円)今年の六月には$284,747(約2,800万円)まで値上がりしています。 CREAを参考にしてカナダの主要州別住宅価格(単位はカナダドル)をチャートにまとめてみました。

州名 | 2005年 | 2006年 |
ブリティッシュ・コロンビア | $330,333 | $399,829 |
アルバータ | $215,964 | $294,282 |
サスカチュワン | $121,984 | $134,161 |
マニトバ | $137,195 | $155,531 |
オンタリオ | $268,074 | $280,263 |
ケベック | $188,117 | $201,258 |
ニュー・ブラウンズウィック | $123,732 | $127,406 |
ニューファウンドランド | $140,958 | $132,571 |
プリンス・エドワード島 | $114,223 | $134,115 |
ノヴァ・スコシア | $157,524 | $170,547 |
上のチャートを見てもおわかりのとおり州によって値段にかなりの差が生じています。西海岸にあるブリティッシュ・コロンビアは群を抜いて住宅の値段が高くなっているのに対し、カナダの中央部や東部の家の値段は低く、赤毛のアンで有名なプリンス・エドワード島の2006年の値段は10州の中でも下から2番目に低いです。 多分、カナダ東部は西部に比べて、気候が厳しいというのが原因しているのだろうと思います。
少し前にも書いた通り、現在引越しのための家を探していて、その中にちょうどオンタリオ州の平均価格の家(私の予算はオーバーしているのですが)が含まれていたので、今日は参考のために写真をお見せしようと思います。価格は$299,000(約3000万円)です。

この家は場所的には大学から近くてよかったのですが、大通りに面していたし、値段のわりにサイズは少し小さめだったので、あきらめました。ただ、バックヤード(裏庭)はグリーンベルト(緑地帯で、家を立てることを禁じている地域)になっている上、小さな滝や広いデッキやLandscape(庭設計・デザイン)効果もあってとても素敵でした。

この家が小さいのはかなり古い家(多分築50年くらい?)だからだと思いますが、インテリアがとてもモダンで素敵だったので、その古さは全く感じませんでした。

カナダのキッチンの流行はステンレス・スティールの素材を使った家電で、家に高級感を与えるのに一役買っているのですが、このキッチンにも冷蔵庫、オーブン、ガスまたは電気ストーブ(コンロ)全てがステンレススティール製でした。狭かったけど、すごく素敵でした。

ステンレス製の冷蔵庫。

リヴィング・ルーム。

この家にはかなり人懐こいコッカー・スパニエルの赤ちゃんが2匹いて、とても可愛かったです。写真を撮るにも近くに寄りすぎていい写真がとれませんでした。日本もそうでしょうが、カナダでも犬や猫を飼っている家が多いです。
カナダに比べて、日本の(特に大都心の)一戸建ての家の価格は法外に高いと思います。都心と地方の格差を是正して、人々が田舎でも豊かに暮らせるような国にして欲しいです。そのためには、田舎に住んでいる人にも多様な仕事ができるような環境を作っていかないといけませんね。私も今のところカナダに住んでいますが、両親がもう少し年取ったら、面倒を見るために日本に帰らなくてはなりません。そんなときに美しい国、じゃなくて、国民の住み易い国であって欲しいのです。
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