2006.07.21 (Fri)
靖国A級戦犯合祀問題:靖国参拝は首相を辞任して行け!

少し前にKojitakenさんが 「靖国神社と昭和天皇」という記事の中で問題提起していた「昭和天皇が激怒していたA級戦犯合祀」について、天皇のメモが宮内庁で見つかったことがわかったそうで、「昭和天皇が不快感 靖国神社のA級戦犯合祀」という東京新聞の記事(7月20日付け)にNikkei Netより詳しく元宮内庁長官、富田朝彦氏(故人)のメモ(上写真)と共に取り上げられている。
A級戦犯の合祀問題をより深く歴史的に検証したいなら、『Nozumu.net』の「A級戦犯合祀は自らやめるべきである」(7月20日改)がお薦め。靖国神社の起源から始まってA級戦犯合祀がもたらした代償に至るまでとても詳しく書かれている。

これに対して、昭和天皇メモ:小泉首相「靖国参拝に影響ありません」という毎日新聞の記事によると、語彙力が少ないせいか、小泉は昭和天皇が靖国参拝しなかったことも自分が参拝することもただ「心の問題だから」で片付けており、インタビュアーやこの記事を読む人にこのふてくされた写真と共に不快感を与えている。こういったときこそ、国民に対して、天皇のメモがなぜ靖国参拝に影響がないのか説明するべきだろう。
又、小泉は、この記事のコメントの中で、
>一宗教法人に対して、あああるべきだ、こうあるべきだと政府としては言わないほうがいい。議論は結構です。
という発言によって、靖国神社が宗教法人であることを認めている。自分では私人として訪問といっているわりに、公用車や秘書を伴って派手に靖国神社を訪問していることから、首相として公式に訪問しているに等しい。つまり「宗教法人」である靖国が国と特別の関係に入ることを禁じる日本国憲法第20条の「政教分離」規定に対する違憲行為をどうどうと行っていることになる。
さらに、少し前に『tsurezure-daiary』のおこじょさんに紹介していただいたAsahiの英字新聞の記事"POINT OF VIEW/ Paul Giarra; Shrine visits become America's problem, too"には、ABCやTBSで取り上げられたハイド氏の発言が言及されており、小泉の靖国参拝がアメリカにとっても大きな問題になっていることが書かれている。
小泉に右へ倣えと言う感じで、この件についてコメントを求められても、逃げるばかりで全く自分の考えを国民に伝えようとしない安倍信三は、卑怯この上ない。こんなときこそはっきりと自分の意見を言うのが次期首相候補たるものではないか?総裁選に靖国は関係ないと言っているわりに小泉も安倍もこの問題をあまり語ろうとせず、「心の問題」で逃げ切ろうというその態度は情けなさ過ぎる。安倍も小泉もそんなに靖国参拝がしたいのなら、、Kamayanが訴えているように、辞職してから参拝してくれ!
支離滅裂なことを語り始めた小泉首相 『森田実の言わねばならぬ』(2006.6.29)が私や首相の靖国参拝に反対する人々の言いたいことを代弁してくれている。
それにしても、こんな事件が起こるなんて、ただの脅しだろうけど、大事にいたらなかったからよかったようなものの、暴力で言論の自由を封鎖するような手段は厳重に注意されなければならない。
日経新聞本社に火炎瓶 昭和天皇発言報道関連か [ 07月21日 10時10分 ]
21日午前2時15分ごろ、東京都千代田区大手町、日本経済新聞社東京本社の社員通用口前に、ミニバイクに乗った男が火炎瓶のようなものを投げ付けた。建物に被害はなく、けが人もなかった。
日経新聞は20日付朝刊で、昭和天皇が靖国神社のA級戦犯合祀(ごうし)に不快感を表す発言をしていたことを示すメモの存在について報道。警視庁は報道との関連も捜査する。
調べでは、現場には瓶の破片やガソリンのような液体が散乱していた。ガソリンを入れた瓶の口に布を差し込み、火を付けて投げたとみられる。
これから、この天皇のメモの件は、首相による靖国参拝やA級戦犯を分祀できるかどうかの議論に発展していくだろうと思う。次回はそのことについて書いてみたい。
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