2019.05.08 (Wed)
未来に続く命を救う
カナダにも一生懸命日本語を勉強している大学生または社会人がいることを知っていただきたく、スピーチの動画をアップする。海外で日本語を学ぶ生徒から見た日本がどのようなものなのか、ぜひスピーチを聞いていただきたい。
未来に続く命を救う(ナディア)
思い出せなくなる日まで(ロジャー)
日本のホラー映画(キラティ)
私の生徒ではないが、すばらしいと思ったスピーチ:
罪深い傍観者
メイド・イン・ジャパン
オンタリオ日本語弁論大会より
2018.10.21 (Sun)
村上吉文氏の『SNSで外国語をマスターする冒険家メソッド』を読んで
現在は、毎週、村上冒険家のオンラインワークショップに参加していますが、村上冒険家は自身もアラビア語やハンガリー語などをインターネットを通して学ばれた経験を持ち、特にSNSにとても詳しく、幅広い知識をお持ちなので、ワークショップに参加してから、とてもたくさんの知識を得ました。下のYouTubeは、先々週の村上冒険家のオンラインワークショップです。どうですか。見るからに冒険家といったイメージでしょう。
https://youtu.be/QaU6PhfeqJs
村上冒険家のご指導のおかげで、大学の日本語コースのウェブサイトも簡単に立ち上げることができました。ですから、私は今回も冒険家がつい最近出版された『SNSで外国語をマスターする冒険家メソッド』という本を読むことにしたのです。

http://amzn.asia/d/1UcMXCq
ブログのタイトルにもある通り、私はカナダで日本語を15年間教え続けています。この15年間の間に世界の言語教育は目覚ましく変化しました。私がカナダの大学で教え始めた2000年頃は、まだオーディオリンガル終盤期でした。講義は録音されたテープを聞くラボの時間と講義の時間と分かれていました。かなり昔の話ですが、それ以前に私が学生の時、フランス語を大学で学んでいた頃は、フランス語を読んで訳すだけの文法訳読法が主な授業内容でした。ですから、とても退屈でフランス語はほとんど何も覚えていません。NHKの英語講座もときどきラジオで聞いて勉強していましたが、これもオーディオリンガル法と呼んでいいでしょう。ためになりましたが、長続きはしませんでした。そして今は主にコミュニカティブ・アプローチで日本語を教えています。しかし、村上先生によれば、これからはソーシャル・ネットワーキング・アプローチで言語を習うことが主流になるであろうとのことで、私としても徐々にSNSを授業に取り入れていこうと思っています。
これらの言語教授法の時代による変化と言語学習成果を村上先生は下記のようにまとめていらっしゃいます。
1. 文法訳読法:「わかる」
2. オーディオリンガル:「わかる」「言える」
3. コミュニカティブ・アプローチ:「わかる」「言える」「話せる」
4. ソーシャル・ネットワーキング・アプローチ:「わかる」「言える」「話せる」「つながる」
そして、この本の主題である「SNS」を言語学習に活用する方法については、まずは、モンスターのいない安全な森(コミュニティ)に参加することが提唱されています。危険な森と安全な森の見極め方が紹介されていますし、この本を読めば誰でも安心して「SNS」を取り入れた言語学習に励めると思います。「SNS」と聞くと犯罪事件などを思い浮かべる方も多いと思われますが、使用規約が細かく記述され、きちんと管理されているコミュニティなど安全なグループを選べば、犯罪に逢うこともめったにないと思います。さっそく私も昨日、村上冒険家イチオシの「The 日本語Learning Community」というFacebookコミュニティに参加してみました。自己紹介をすると、たくさんのポジティブな反応やコメントがあり、このコミュニティに属する人達の温かみを感じました。この経験をどのように授業に活用できるか試行錯誤しながらいろいろとやってみたいと思います。
インターネットやスマホがなかった時代は、個人が身近で情報を集める方法がなく、知識のある教師から生徒が情報を得るという形の一斉授業が当然でしたが、インターネットやスマホ、アップルウォッチなどが使える現在では、様々な情報を集めて生徒一人一人が自分で考え、試し、判断するというまさに自律した冒険家のような言語学習体験が可能となっています。
これまでは単語やフレーズを暗記してから、与えられた環境の中で練習し、そして、金銭的余裕があれば、海外に行って実際に使ってみるという順序が普通でしたが、「SNS」を使った冒険家メソッドの場合は、まずは無料のコミュニティで新しい言語を使ってみる。その中で間違っている部分を訂正してもらったり、うまくできたら、ほめてもらったりする。それから、練習して、それを頭に入れる(暗記する)という逆の順序になると村上冒険家は語っています。これまでは単調な単語や連語の暗記から始めなければいけなかった語学学習も、まず使ってみることから始められたら、ワクワクドキドキしながら言語を学べることになります。これは、人間の赤ちゃんが言葉を覚える方法に近いと思います。まずはお母さんと言語を話して、それから、練習するうちに言語が自然と頭に入っていくという方法です。お母さんの代わりを「SNS」が担ってくれるというすばらしいメソッドだと思います。
この本には、若い日本語教師にとって、やる気を起こさせる内容盛りだくさんですが、「SNSって何?」というアナログな外国語教師の方にとっても、懇切丁寧に書かれています。語学教育の助けとなるオンライン辞書や単語を覚えるためのオンラインサービスやツール、データの保存法、クラウド型の仕事方法などもわかりやすく紹介されているので、SNSの全体像がわかるお薦めの本です。
村上冒険家のブログ『むらログ』(http://mongolia.seesaa.net/)にも、マンネリ語学教師にとって刺激的な内容が盛りだくさんです。本を買う前に、冒険家のブログを読まれることをお勧めします。
2011.03.14 (Mon)
2011オンタリオ州日本語スピーチコンテスト
私の生徒は名前の順で、初級部門の一番最初だったので、多少緊張してしまった。そのため、練習のときには決して見せなかった言葉のいい間違えもあったが、最後まで、すばらしいスピーチをした。発音やイントネーションでまずいところもあったけれども、自分の生徒ながら、かなりうまくいったと思った。ただ、他の初級部門の生徒も、これで本当に初級?とびっくりするような生徒もいたので、受賞は無理かもしれないと思っていた。
結果は、残念ながら、期待していたものとは違ったが、生徒にとってはとても勉強になったと思う。同時にかなりがっかりもしていた。自尊心の高い生徒だっただけに、あれだけ時間をかけて準備して、練習して、一日をスピーチコンテスト参加に費やして、それでも何の賞も取れなかったからだ。でも、大切なのは、賞を取れたか取れなかったかではなくて、スピーチコンテストに参加するその過程で多くのことを学べたことだ。
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2011.02.13 (Sun)
『トイレの神様』と日本の迷信
最初は、「なんだよ『トイレの神様』なんて、食事中に聞いたら食事がまずくなりそうな変わったタイトルだな。トイレに神様なんているはずないじゃん。」と思ったんだけど、私の生徒たちも案の定、最初は変なタイトルを見て笑っていた。
ちょうど、日本の家について勉強しているところで、形容詞や「~に◎◎がいます。あります。」という構文を勉強したので、この歌の「トイレにはそれはそれはキレイな女神様(めがみさま)がいるんやで。」というサビの部分がとても役に立った。細かいことを言えば、トイレの後の助詞「には」は「に」とは違うけれども、その違いも説明もすることができた。
この歌詞の場合、「には」はその前に来る「トイレ」という場所を他の部屋と比較して強調していることになる。家の中にはいろいろな部屋があるけれども、その中で特に「トイレ」という場所には、女神様がいるというように。これが、「トイレに神様がいる」という文章だったら、ただ単に「トイレ」の中に神様がいるという事実だけを述べているのであり、他の部屋、例えば、寝室や浴室にもいるかもしれないという可能性が含まれている。つまり、「トイレ」を女神様が存在する特別な場所として見た場合、やはり、「トイレ」の後には、「には」が来るべきなのだ。
「トイレをきれいにすると、ベッピンさんになれる。」というのは、きっと日本の迷信(英語では、Superstition)の一つで、迷信は世界でもそれぞれ違う言い伝えがあるように、日本でも地方によってさまざまなものがあるのだろう。これは、大阪弁で歌われているので、きっと大阪や関西地方の迷信ではないだろうか。東京ではあまり聞かないので。こういうことは、浪速生まれの浪速育ちのとらちゃんに聞いたほうがいいね。とらちゃん、どうなの?
迷信には、科学的根拠のあるものとないものがあって、この「トイレをきれいにすると、ベッピンさんになれる。」というのは、きっと全く科学的根拠はないだろうと思う。もっとも、トイレ掃除をすればするほどきれいになれるという統計をとった学者がいたら、おもしろそうだけど・・・・(笑)いるわけないよね。
日本の家の中で神様が宿っていると信じられている場所は、トイレ以外にもある。神棚だ。そして、仏様が宿るとされている仏壇だ。私の実家には神棚と仏壇の両方があって、神棚には、神饌(しんせん)と呼ばれるお酒とお米・お塩・お水をお供えし、仏壇には、毎日両親のどちらかが、お茶と炊き立てのごはんをお供えしている。
だけど、これも、海外で暮らす人からみたら、非常に変わった習慣というか、信仰というか、迷信のようなものだ。両親は、仏様が来てお茶とご飯を食べると信じているようだ。そして、仏様に毎日お供えし、お祈りすることによって、先祖に見守られているという安心感が生まれるそうだ。確かに私の両親はこれまで大きな病気一つしたことがなくて、いまだに元気なんだけど・・・・。神様や仏様のおかげなのだろうか。
日本の仏壇、神棚というのは、最近の若い家族は持っていない人がほとんどだと聞いているけれども、おそらくそのうち、消えてなくなる可能性はあるかもしれない。今の若いカップルにとっては、生活していくのがやっとだし、仏壇や神棚を買うお金があったら、パソコンやタブレットなど、コンピュータ関連の商品に使うだろう。
それにしても、日本の仏壇、神棚、そして、お正月の初詣もそうだけど、日本には明らかに目に見えない神様が存在すると信じられているのだろう。初詣をして、神様に願いごとをすると叶うとか、おみくじで凶がでたら、縁起がいいとか、そういった迷信を信じて江戸時代から続く初詣を今でも続けている日本人って本当にすごいと思う。
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翻訳 |
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「に」と「には」の違い |
2010.09.29 (Wed)
演歌de日本語
最初の数週間は、ひらがなの習得にかなりの時間を費やす。
でも、それだけではつまらないので、その合間に日本語の挨拶などの慣用句を教える。
今年の生徒はなぜか、とても反応がよく
いかにアニメなどを通して日本語に親しんでいるかがわかる。
生徒は日本の文化についてすでに熟知している。
でも、さすがに演歌は知らなかったので、
日本の伝統的な演歌歌手や黒人初の演歌歌手ジェロを紹介した。
ジェロの場合は、母方のおばあさんが日本人だから、
黒人といっても四分の一は日本人の血が流れている。
それにしても、ジェロの日本語の発音は日本人以上に上手だね。
彼の歌を通して、ひらがなを読む練習をしたら、
生徒たちも少しは早く覚えるようになるかも。
生徒たちにカラオケ風に歌わせてみようかな。
曲は比較的スローで単調な『氷雨』を選んでみた。
ただ、ジェロの声はとても低いので女性には歌いにくい。
女性には女性の歌手の方がいいかも。
ジェロオフィシャルウェブサイト
JERO/ジェロ - ビクターエンタテインメント
ジェロ・オフィシャルMySpace
JERO'S BLOG -ジェロのブログ- - 公式ブログ
2006.08.11 (Fri)
首相の靖国参拝 その1
2001年8月13日
小泉純一郎が参拝。参拝に反対する立場からは参拝したことへの、参拝を積極的に支持する立場からは、前言を翻して終戦記念日を避けたことへの批判も挙がった。参拝は、8月11日に秘書官を通して「内閣総理大臣小泉純一郎」という名入りの献花料3万円を私費で納入。 靖国への往復に公用車を用いて官房長官・福田康夫と秘書官を随行。 参集所で「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳。神社拝殿で身を清める「お祓い」を受け、本殿に昇殿して祭壇に黙祷した後、神道式によらない一礼方式で参拝を行なった。供花料ではなく、献花料としたのは、兵庫県多紀郡篠山町(現篠山市)が、盆に戦没者遺族に線香やロウソクを配布したことをめぐって憲法の政教分離原則に反するかを争った訴訟で、「お盆」、「ご帰壇」、「英霊」、「お供え」、「合掌」などの宗教用語を使った文書が違憲にあたると判断した神戸地裁の指摘を考慮したとされている。小泉純一郎の談話: [9]
2002年4月21日
小泉純一郎、参拝。
2003年1月14日
小泉純一郎、参拝。
2004年1月1日
第88代総理・小泉純一郎、参拝。
2005年10月17日
靖国神社の秋季例大祭に合わせて参拝。この日はちょうど「A級戦犯」14人を合祀した日にもあたる。
このように小泉は驚くことに、これまで8月15日に参拝するという公約を一度も守ったことがなかったのだ!だから、彼の強情な性格からいっても任期最後の8月15日には誰がなんと言っても靖国参拝する可能性がある。みんなで小泉の8月15日の行動を監視しよう。
いつもAbEndにTBして下さっている『憧れの風』の星影里沙さんが「ようやく書ける^^;;」と「叫ばせてくれ^^;;」という記事で小泉の広島でのスピーチのウソを暴いているのを知ってあきれてものが言えなくなった。コイツは、本当にどこまで平然と国民にウソをつき続けて騙せば気が済むのだろうか?
さすがの安倍も小泉路線はやばいと気づき、そこから脱却というポーズ作りを始めたようだ。
安倍氏、脱「小泉路線」へ傾斜 参院選視野に(2006年08月12日22時33分)
小泉改革を継承すると言っていたのが、突然路線変更っすか?あまりにも評判が悪いから、というのが理由だろうが、どうも見せかけだけのようだ。小泉とズブズブの関係である安倍がそう簡単に小泉路線からはずれるはずがない。総裁選前のまやかしだろう。又、総裁になれば、小泉路線に早くも後戻りすることは簡単に想像できる。安倍には全く自分の脳で考える力というものが見受けられない。いつも人にアドバイスされて動いている感がある。総裁に立候補する者としてこんなにも優柔不断で恥ずかしくないのか?アメリカやカナダだったらこういった政治家が大統領や首相になるなんて絶対に考えられないぞ!
おまけ:
下ネタ好きな小泉首相 (朝鮮日報 2006/08/12 11:45 )
「首相になってからアレがたまってたまって…。しばらくは右手が恋人だ」
「最近、毎朝ムスコがビンビンになる」
「この前、うっかり夢精してしまった。とても濃いやつを」
毎日記者会見をする小泉首相は、テレビカメラが消えると記者たちにこのような露骨な言葉を投げかけ、一人悦に入ってニヤニヤするという話が、近ごろ日本の記者たちの間で話題になっている。
少し前に首相官邸でギリシャ首相夫妻に接見した際にも、小泉首相は「外信でギリシャの男性はフランスに次いで世界で2番目にセックスの回数が多いと報じていたが、ギリシャの女性は幸せですね」と冗談を言い、同席したギリシャ首相夫人はとても困惑していたという。
キ、キモイ!キモ過ぎるぅ!
そりゃ、人間だから性欲があるのは当然だろうが、一国の首相が記者や外国の首相夫妻にこんな話をするなんて、なんたることだろうか!?特にこのギリシャ夫人への発言は、セクハラじゃないか?記事にはなっていない小泉のセクハラ発言はこれ以外にもたくさんあるのだとしたら、なんと恥ずかしいことか!小池さんはどうしちゃったの?
まさしくNHK「日本の恥小泉」ここにあり!
つづく
これまでに書いた靖国問題に関する記事
2006.07.29 (Sat)
昭和天皇が嫌っていた松岡洋右と安倍晋三は親戚だった!そして岸信介がA級戦犯不起訴になった本当の理由。
「系図でみる近現代 第七回」にある系図を見ると、確かに松岡洋右と安倍晋三が縁戚関係にあることが一目でわかる。
松岡洋右の妹、藤枝の夫が佐藤松介(岸信介・佐藤栄作兄弟の叔父)で、その娘が佐藤栄作夫人・寛子だそうだ。
富田メモによると、昭和天皇が「松岡までもが」と忌み嫌っていた人物の親戚である安倍が総理になることは、お亡くなりになった昭和天皇の本望ではないだろう。
そんなことを調べていると、安倍晋三の祖父である岸信介は七三一部隊と親密な関係にあることがわかった。
ナナナナナント!ちょうど岸信介が満州国国務院実業部総務司長に就任した1936年(昭和11年)に軍馬や家畜に対する細菌兵器の開発を担当しており、人体実験も行っていた「軍獣防疫廠」が満州に設立されたのであった。1941年には、「満州第100部隊」と改称されたそうだ。
おとといの記事でも触れた「日本軍による人体実験」より
七三一部隊は4つの支部以外に、大連にあった南満州鉄道の研究所も傘下に収めて支部とし、さらに平房の約260km北の安達には細菌兵器の実験場を持っていました。また関東軍は防疫給水部とは別に、新京(現在の長春)に「軍獣防疫廠」(1936年設立。1941年に「満州第一〇〇部隊」と改称)を持っていました。ここは軍馬や家畜に対する細菌兵器の開発を担当しており、人体実験も行っていました。
つまり、満州での人体実験や細菌兵器の開発は当時の総務司長であった岸信介の許可なしには行われなかったのであり、七三一部隊を率いていた石井四郎の背後で岸信介が実権を握っていた感がある。
実は、岸信介がなぜA級戦犯として投獄されていながら、不起訴となったのか理由を書いたものは一つも見当たらなかった。ウィキペディアの「岸信介」でも「戦後の日本を「共産主義に対する防波堤」と位置づけ、旧体制側の人物を復権させたため岸は戦犯不起訴となり、東条ら7名の処刑の翌日に釈放された。」と書かれているが、処刑された東条英機は旧体制側の人物ではなかったのか?
TBSが、21日の「イブニングニュース」で放送した旧日本軍731部隊の特集の冒頭部分に安倍晋三の写真が映って激怒した理由はここにあるのではないか?つまり、岸信介こそがアメリカに日本軍の人体実験および生体解剖によるデータを売り渡した張本人だったということだ。だから、売国奴、岸信介は不起訴となったのでは?この件に関するウェブサイトなどは一切削除されていて、情報は全くといっていいほどないので、これはあくまでも私の推測であることを前もって言っておく。
これらのことから、富田メモもTBSの「イブニングニュース」も本人が言っているように、安倍にとっては政治生命を脅かされかねない報道だったということがわかる。だから、突然靖国参拝しない発言をしたり、ほんの数秒間旧日本軍731部隊の特集に安倍の写真が映っただけで異常反応したのだ。これまで、これらのニュースは小泉・安倍政権に同情を買い、有利になるものとされていたが、そうではない。
反安倍体制がついに動き出したのだ。そして、これに無駄な抵抗をする無教養まるだしのネットウヨたち。彼らのあまりにも根拠のない、美化された歴史しか知らない無知からくる反論には思わず笑ってしまうのは、私だけだろうか?
2006.07.27 (Thu)
731部隊:日本軍による人体実験
メディア横断キャンペーンの仕掛け人は、やはりあの人?(副題:「ナベツネと靖国と安倍晋三と(その4)」)
そう言われてみれば、今までにないメディアの安倍攻撃のような展開。日本のメディアも自民党タカ派の圧力に負けずにこの調子で日本の歴史認識を塗り替えるくらいがんばって欲しい。
昨日の七三一部隊の話の続きになるが、『靖国問題」の著者である高橋哲哉氏によると、東京裁判には、重大な問題性があり、それは、「そこで裁かれたものよりも、むしろそこで裁かれなかったものの方にある。」とのこと。なるほど!東京大空襲や長崎、広島原爆を投下した米国の戦争犯罪は裁かれなかったし、東条英機らなどある特定のA級戦犯は裁かれたのに、彼らを指揮した昭和天皇や、岸信介らなどその他のA級戦犯は不起訴となった。又、七三一部隊のような日本軍の戦争犯罪なども米国の意図により裁かれなかった。つまり、「戦勝者であった米国による裁き」であるゆえに、このように米国にとって都合のいいだけの理不尽な結果となってしまったのである。
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青木冨貴子著 『731』(新潮社)について書いた野村進(ジャーナリスト・拓殖大学教授)の『「細菌部隊」が戦犯訴追を免れた事情に肉薄』やウィキペディアによると、七三一部隊については、1980年に森村誠一の『悪魔の飽食』が赤旗の日曜版に連載され、後に光文社より単行本として出版されるまで、一般に知られていなかったそうだ。
本書[青木冨貴子著 『731』]を読む前に、森村誠一著『悪魔の飽食』を久々に取り出して見た。奥付に「昭和56年」とある。そうか、あのフィーバーからもう二十五年近くが過ぎたのか。
若い読者のために申し添えると、『悪魔の飽食』は、戦中の満州(中国東北地方)で「石井部隊」こと関東軍第七三一部隊が、中国人捕虜らを人体実験や生体解剖に供しながら、大規模な細菌戦に備えていた事実を、初めて満天下に知らしめたドキュメントである。三部作で累計三百万部以上の超ベストセラーとなったが、著者の森村氏には匿名の脅迫や右翼団体からの抗議が殺到したことでも知られた。
その七三一部隊を率いていた石井四郎の日記が、最近、本書の著者により発見されたとの記事を読み、思わず唸(うな)った。戦後六十年も経(た)って、まだこんなものが出てくるのか、と。いや、関係者の大半が鬼籍に入ったいまだからこそ出てきたのかもしれないのだが……。
この石井四郎の日記をまとめたものが青木冨貴子の『731』であるが、『日本軍による人体実験』によると、全ての実験は極秘で行われており、証拠隠滅も完全にされたそうだ。
『ここで行なって来た行為の数々は絶対に他言するな!!墓場まで持って行け!!もし他言した事が判れば必ず見つけ出して抹殺してやる!!覚えておけ!!!』との最終警告を部下に告げた石井四郎の日記が出てきたというのは、もしそれが事実なら、驚くべきことだ。
1945年8月9日、ソ連が太平洋戦争に参戦して満州へ攻め込んできました。この日から石井機関は、細菌兵器の開発や使用、および被験者虐殺の証拠を隠滅することに全力を傾けます。七三一部隊ではまず、生き残っていた「マルタ」を全員殺害し、遺体を焼却して捨てました。実験を記録した書類やフィルムなども焼却されました。主要な施設は工兵隊によって爆破され、とくに「ロ」号棟や特設監獄は念入りに破壊されました。また、部隊員やその家族は、ソ連に捕らえられないよう、特別列車でいち早く帰国しました。そのおかげで、ソ連や中国の捕虜になった七三一部隊の幹部や部隊員はわずかしかいませんでした。
『悪魔の飽食』は日本共産党機関紙の赤旗日曜版で1980年代に連載され、後に光文社より単行本として刊行され、ベストセラーになったそうだが、今の若者にはあまり知られていないのではないだろうか。こういった話題が再び脚光をあびることによって、正しい日本の歴史認識が考えなおされる一助になればと願う。
しかしながら、政府の陰謀によってかどうかはわからないが、このノンフィクションの中で使われた写真は偽物だと言いがかりをつけられることになる。
『悪魔の飽食』(ウィキペディア)より
論議
元隊員であったという人物から提供されたとする写真を、新発見として続刊に掲載したところ、その大半が偽物であることが判明した。この問題により光文社版は続刊を含むすべての版が回収され、絶版となった。その後、問題写真を削除した上で、角川書店より新たに出版された。
また、初版とそれ以降の版を比べると、矛盾していた証言が整合性を持つように変更されているなどのの差異があるが、ノンフィクションとされているにも拘らずそれらの変更点、およびその理由は一切明示されていない。
批判
批判派からは、以下の点が問題であり信憑性に疑いがあるとされている。
関係者はすべて匿名であり、その証言の裏付けがとれない。
731部隊に関する資料をアメリカが回収し、公開していないため検証不能。
二転三転する証言により、証言者の信頼性に疑問符が付く。
戦後に関係者から証言を引き出したハバロフスク裁判自体が法学者によって否定されている。
日本共産党の協力の下で作成されたため、信頼性に問題がある。
共産党を批判していることから、このウィキペディアの文章は右系の方によって書かれているようで、公平さに欠けるものとなっているのが残念だが、この件から核心さんが南京大虐殺についてのお父様の証言をもとにして作ろうとしたCD用の写真や地図の紛失や文章を勝手に変えられたことなどをめぐるトラブルを思い出した。ここに核心さんのコメントを引用する。
この件(『栗原利一の戦闘記録』のCD化)に関しては不愉快なことが一つ起きてます。
私は父の満州事変従軍記念アルバム、支那事変従軍記念アルバムとスケッチ帳の3部をグーグルのスポンサー・サイトにもなっている会社にCD化を依頼しました。
資料を持ち込んで依頼したのが2月上旬です。
仕上がって資料が返却されたのが5月下旬です。
そうしたら支那事変従軍記念アルバムから部隊編成写真(両角連隊長、平林少尉、栗原伍長が1枚に納まった写真など)数枚とスケッチ帳に添付してあった当時の南京の彩色地図が無くなっているのです。
警察には被害届を出してありますが業者側で故意に抜き取られているのです。
(技術部長と営業と私で指差して確認した写真が無くなっていても責任追及できないんです。)
業界関係の友人に聞いたところ公安の仕業だということです。
もともと日本人は国民主権も自由も人権も自分たちで血を流して得たものではありませんからね。
まったく下らない国に成り果てたものです。
| 2006-07-06 |
核心 #-
これはひどいではないか!こういった手段で日本軍の残忍な行為の証拠などが次から次へと証拠隠滅されている。日本人が真の日本歴史を認識する日は永遠にやって来ないかもしれない。
参考文献:
日本軍による人体実験
「細菌部隊」が戦犯訴追を免れた事情に肉薄 青木冨貴子著 『731』新潮社の紹介
山田支隊・栗原利一証言
Tags : 靖国 |
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2006.07.24 (Mon)
昭和天皇のメモ、その後の雑感

つまり、上のメモの初めの部分に下記のような文章があったのに、それが削除されていたそうだ。
前にあったのは どうしたのだろう
中曽根の靖国参拝もあったか
藤尾(文相)の発言。
=奥野は藤尾と違うと思うがバランス感覚の事と思う、単純な復古ではないとも。

↑画像は『enjoy Korea』から。
文章を検証してみると、これが、藤尾元文相による発言ではないというのは、明らかである。その理由は下記の通り。
1.藤尾(文相)の発言というのは、下記の発言を意味しているのであり、メモに書かれていたのが藤尾元文相の発言という意味ではない。
藤尾発言[文]1986.9.5
藤尾政行文相は《文藝春秋》86年10月号で,日韓併合について〈形式的にも,事実の上でも両国の合意の上に成立している.……韓国側にもやはり幾らかの責任なり,考えるべき点はあると思う〉と発言し,日韓併合が日本による侵略行為だという見方に疑問を呈した.韓国政府は直ちにこれに抗議し,重大な外交問題に発展した.結局,9月8日,中曽根首相は藤尾文相を罷免して後任に塩川正十郎代議士をあて,9月20日,アジア競技大会の開会式出席のために訪韓した際に陳謝し,問題を決着させた.〔参〕文藝春秋1986年11月号.
2.もし、これが、藤尾元文部大臣の発言だとしたら、その前にある「中曽根の靖国参拝もあったが」という文が浮いてしまう。これは、昭和天皇が中曽根元総理の靖国参拝や藤尾元文部大臣の日韓併合を正当化した発言のその後の展開を気にされているのである。
3.又、これが藤尾の発言だったら、自分を藤尾と呼ぶのはおかしいのではないか?「=奥野は藤尾と違うと思うがバランス感覚の事と思う、単純な復古ではないとも。」
この追加文の画像がどこから来たものかわからないが、もし、これが本物で、天皇のお言葉であったなら、この追加文によって天皇がA級戦犯合祀に不快感を抱かれたのと同じように、中曽根元総理の靖国参拝や藤尾元文相の発言も快く思われなかったということがより明確にわかる貴重なメモとなっている。今、昭和天皇が生きていらっしゃったら、小泉の靖国参拝を嘆き悲しまれるのは確かであり、昭和天皇のお心を受け継がれる現在の天皇も同じ気持ちでいらっしゃるに違いない。それでもなお、安倍は総理になったら、来年の8月15日に靖国参拝するつもりか?尤もその前に、参院選があり、そこで失脚する可能性が高いので、そんな心配はいらないかもしれないが・・・・。
天皇を崇拝している方々にとっては不謹慎に聞こえるかもしれないが、私個人としては、A級戦犯が使えた君主であり、一貫して帝國陸海軍最高司令官であり続けた昭和天皇にも戦争責任はあると信じているので、A級戦犯の合祀を天皇が不快に思われているというこのメモが本物であろうが、あるまいが、それほど大した意味はないと思っている。問題は、日本の国民が靖国問題についてほとんど無知であるということだ。それを知らなければ、なぜ首相が参拝することが問題になるのかも理解できないし、それに対する自分の意見を持つこともできないだろう。
まずは、靖国神社が政府によって戦争を正当化するためにつくられたものだということを理解しなくてはならない。
『靖国問題』高橋哲哉(2005) ちくま新書より
感情の錬金術
先に、戦死者を出した遺族の感情は、ただの人間としてのかぎりでは悲しみでしかありえないだろう、と述べた。ところが、その悲しみが国家的儀式を経ることによって、一転して喜びに転化してしまうのだ。悲しみから喜びへ。不幸から幸福へ。まるで錬金術によるかのように、「遺族感情」が180度逆のものに変わってしまうのである。
(中略)
決定的に重要なのは、遺族が感涙にむせんで家族の戦死を喜ぶようになり、それに共感した一般国民は、戦争となれば天皇と国家のために死ぬことを自ら希望するようになるだろう、という点である。遺族の不満をなだめ、家族を戦争に動員した国家に間違っても不満の矛先が向かないようにしなければならないし、何よりも、戦死者が顕彰され、遺族がそれを喜ぶことによって、他の国民が自ら進んで国家のために命を捧げようと希望することになることが必要なのだ。「多少の費用は惜しむにたらず」。すなわち、莫大な国費を投入しても、全国各地から遺族を東京に招待し、「お国」と「お天子様」とがいかにありがたい存在であるかを知らしめ、最高の「感激」を持って地元に帰るようにしなければならない。
これこそ、靖国信仰を成立させる「感情の錬金術」にほかならない。
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このように、1895年12月には、盛大な戦死者のための大祭典が靖国神社で行われ、その効果もあって、当時の人々に、お国のために死ぬことや天皇のために家族を捧げることを聖なる行為と信じさせることに成功したのである。つまり、靖国神社は戦死者を顕彰する儀式を行うことによって徴兵を嫌う人々の態度を変えさせたり、家族の戦死を悲しみから栄光に変える錬金術の役割も負っていた。まさに当時は、日本の軍国国家の象徴であったし、今でもそうあり続けているのである。そんな靖国神社を国の首相が参拝することが正しいことかどうかもう一度よく考えてみて欲しい。
2006.07.21 (Fri)
靖国A級戦犯合祀問題:靖国参拝は首相を辞任して行け!

少し前にKojitakenさんが 「靖国神社と昭和天皇」という記事の中で問題提起していた「昭和天皇が激怒していたA級戦犯合祀」について、天皇のメモが宮内庁で見つかったことがわかったそうで、「昭和天皇が不快感 靖国神社のA級戦犯合祀」という東京新聞の記事(7月20日付け)にNikkei Netより詳しく元宮内庁長官、富田朝彦氏(故人)のメモ(上写真)と共に取り上げられている。
A級戦犯の合祀問題をより深く歴史的に検証したいなら、『Nozumu.net』の「A級戦犯合祀は自らやめるべきである」(7月20日改)がお薦め。靖国神社の起源から始まってA級戦犯合祀がもたらした代償に至るまでとても詳しく書かれている。

これに対して、昭和天皇メモ:小泉首相「靖国参拝に影響ありません」という毎日新聞の記事によると、語彙力が少ないせいか、小泉は昭和天皇が靖国参拝しなかったことも自分が参拝することもただ「心の問題だから」で片付けており、インタビュアーやこの記事を読む人にこのふてくされた写真と共に不快感を与えている。こういったときこそ、国民に対して、天皇のメモがなぜ靖国参拝に影響がないのか説明するべきだろう。
又、小泉は、この記事のコメントの中で、
>一宗教法人に対して、あああるべきだ、こうあるべきだと政府としては言わないほうがいい。議論は結構です。
という発言によって、靖国神社が宗教法人であることを認めている。自分では私人として訪問といっているわりに、公用車や秘書を伴って派手に靖国神社を訪問していることから、首相として公式に訪問しているに等しい。つまり「宗教法人」である靖国が国と特別の関係に入ることを禁じる日本国憲法第20条の「政教分離」規定に対する違憲行為をどうどうと行っていることになる。
さらに、少し前に『tsurezure-daiary』のおこじょさんに紹介していただいたAsahiの英字新聞の記事"POINT OF VIEW/ Paul Giarra; Shrine visits become America's problem, too"には、ABCやTBSで取り上げられたハイド氏の発言が言及されており、小泉の靖国参拝がアメリカにとっても大きな問題になっていることが書かれている。
小泉に右へ倣えと言う感じで、この件についてコメントを求められても、逃げるばかりで全く自分の考えを国民に伝えようとしない安倍信三は、卑怯この上ない。こんなときこそはっきりと自分の意見を言うのが次期首相候補たるものではないか?総裁選に靖国は関係ないと言っているわりに小泉も安倍もこの問題をあまり語ろうとせず、「心の問題」で逃げ切ろうというその態度は情けなさ過ぎる。安倍も小泉もそんなに靖国参拝がしたいのなら、、Kamayanが訴えているように、辞職してから参拝してくれ!
支離滅裂なことを語り始めた小泉首相 『森田実の言わねばならぬ』(2006.6.29)が私や首相の靖国参拝に反対する人々の言いたいことを代弁してくれている。
それにしても、こんな事件が起こるなんて、ただの脅しだろうけど、大事にいたらなかったからよかったようなものの、暴力で言論の自由を封鎖するような手段は厳重に注意されなければならない。
日経新聞本社に火炎瓶 昭和天皇発言報道関連か [ 07月21日 10時10分 ]
21日午前2時15分ごろ、東京都千代田区大手町、日本経済新聞社東京本社の社員通用口前に、ミニバイクに乗った男が火炎瓶のようなものを投げ付けた。建物に被害はなく、けが人もなかった。
日経新聞は20日付朝刊で、昭和天皇が靖国神社のA級戦犯合祀(ごうし)に不快感を表す発言をしていたことを示すメモの存在について報道。警視庁は報道との関連も捜査する。
調べでは、現場には瓶の破片やガソリンのような液体が散乱していた。ガソリンを入れた瓶の口に布を差し込み、火を付けて投げたとみられる。
これから、この天皇のメモの件は、首相による靖国参拝やA級戦犯を分祀できるかどうかの議論に発展していくだろうと思う。次回はそのことについて書いてみたい。