2008.10.03 (Fri)
サラ・ペイリンvsジョー・バイデン討論会(YouTube)

討論のトレーニングコーチ「サラ、がんばれ。
プーチンがアラスカに彼の頭を突っ込んでくるという、
あのかっこいいせりふを忘れるなよ。」
カナダ東部の時間、Eastern Timeで9時から待ちに待ったサラ・ペイリン対ジョー・バイデンの討論会があった。これまでのメディアによるインタビューでペイリンの知識不足が露呈し、そのさまがあまりにもひどいので、共和党の中から、ペイリンは副大統領候補の座を辞退すべきという意見も出た。
ペイリンは、今日の討論会に向けて、マケインの牧場で、必死で合宿トレーニングをしたようだ。一方、バイデンも今日の討論会に向けて、自宅でトレーニングしたそうだ。

ペイリン候補、手痛い知識不足 牧場で「緊急合宿」(10月2日 朝日新聞)
今回の副大統領候補によるディベートでは、合宿トレーニングの成果が見られ、ペイリンは、これまでになくシャープに対応していたが、オバマやマケインの政策について間違った認識も目立ちバイデンによく訂正されていた。これまでのインタビューで見せたような鈍い反応もなくペイリンにしては、よくやっていたが、彼女の口から出てくる言葉のほとんどが原稿の丸暗記という印象はぬぐえなかった。その原稿に書かれていることが質問されたときは、しっかりと答えていたが、それ以外の質問には、答えずに、話を変えたり、サラの得意とするあいまいで具体性に欠ける答弁が目立った。こういった点も含み、35年の議員経験があり、外交以外にも経済、安全保障などの幅広い分野で専門的な知識を持ったバイデンにかかっては勝ち目はなかったようだ。

下のサイト(英語)では、ディベートがどのように進行したのか、そしてそのハイライトが見られる。
VP Debate Tonight: Biden-Palin Time Info, Video, Highlights
ディベートの要旨は、日本語のニュースでは、『CNN.co.jp』が一番よくまとまっていたので、動画を交えながら、転載する。
米大統領選の副大統領候補が討論会 経済、外交などで論戦
2008.10.03 Web posted at: 13:16 JST Updated - CNN
(CNN) 米大統領選の共和党副大統領候補サラ・ペイリン・アラスカ州知事と、民主党副大統領候補ジョゼフ・バイデン上院議員による討論会が2日(日本時間3日午前)、米ミズーリ州セントルイスのワシントン大で開催された。両候補は終始穏やかな態度を保ちながらも、経済、外交などをテーマに論戦を繰り広げた。
大統領選に向けた副大統領候補同士の討論会は、今回が最初で最後。司会は米公共放送(PBS)のグエン・アイフル氏が務めた。同氏の紹介でステージに登場したペイリン、バイデン両氏は握手を交わし、「ジョーと呼んでもいい?」と声をかけたペイリン氏にバイデン氏が笑顔で答える、和やかな幕開けとなった。
討論のテーマとして、アイフル氏はまず金融危機問題を提示した。バイデン氏は、問題の根本原因は8年間にわたるブッシュ政権の失政にあるとして、経済政策の変革を主張。民主党大統領候補のオバマ上院議員は危機の引き金となったサブプライムローンの危険性を「2年前から警告していた」のに対し、共和党候補のマケイン上院議員は「規制緩和を主張するばかりで、状況を全く把握していなかった」と批判した。これに対しペイリン氏は、マケイン氏が選挙戦を一時中止して危機への対応に奔走したことを強調した。
Biden / Palin Debate Part 1 - Biden: Bush Has Worst Economic Policies Ever
Biden / Palin Debate Part 2 - Palin: Economy Is Hurting
10/02/08 Biden - Palin Debate - 3
「経済状況が変化したことによって、守れなくなる公約は」との問いには、バイデン氏が減税などを挙げる一方、ペイリン氏は「5週間前に副大統領候補になったばかりなので」、取り立てていうほどの公約はないと答えた。同氏はこの後、アラスカ州知事としての経験を基にエネルギー政策論を展開し、外国へのエネルギー依存から脱却する必要があると強く訴えた。
10/02/08 Biden - Palin Debate - 4
気候変動についての質問を受けると、ペイリン氏は「原因としては人間の活動だけでなく、地球のサイクルも考えられる」との立場を示す一方、「(温室効果ガスの)排出量は抑える必要がある」と言明。バイデン氏は「人間の活動が原因であることは明らかだ」と言い切り、「マケイン氏は石油を掘れというばかりで、代替エネルギーの研究推進に反対してきた」と攻撃した。
10/02/08 Biden - Palin Debate - 5
イラク戦争、核拡散、中東和平などの外交問題では、バイデン氏が豊富な経験を背景にブッシュ政権の政策や、それを支持してきたマケイン氏の立場を批判したが、ペイリン氏は「過去の失敗ばかり挙げず、未来に目を向けましょう」と、笑顔でかわした。
Biden / Palin Debate Part 7 - Biden on Troop Funding
ペイリン氏は、同性愛者の権利をめぐる議論で「親族や親しい友人にもさまざまな立場の人がいる」と述べ、教育改革を語る際に「私の祖母も父も教員で――」と語るなど、身近な人々を引き合いに出して、庶民的なイメージを強調。一方、バイデン氏は数字などのデータを挙げながら、終始落ち着いた態度で議論を展開した。ただ、ペイリン氏が「普通の家庭の母親」であることを強調したのに続き、「私も妻を失って1人で子どもを育てた経験があり、子育ての苦労はよく分かる」と、一瞬声を詰まらせる場面もあった。
Biden / Palin Debate Part 8 - Biden On Losing A Loved One
バイデン氏もペイリン氏も、批判のほこ先はもっぱら相手と組む大統領候補に向け、互いを直接攻撃する発言はほとんどみられなかった。今回の討論会をめぐっては、マケイン氏の「失言癖」やペイリン氏の「知識不足」を懸念する声もあったが、両氏とも大きな失態を演じることなく本番を乗り切り、有権者からも「予想よりよくやった」との評価を受けているようだ。
このディベート、見かけは、どちらもよくやったように見えるんだけど、それもバイデンの紳士的な態度のおかげでペイリンが追い込まれることもなく、ディベートが無事済んだからだと思う。ペイリンは、司会者のグエン・アイフルによる質問に答えず、違う話をする場面も見られ、その上、ブッシュとマケインの政策の違いを述べることもできなかったこともあり、副大統領になる準備はまだまだできていないように見えた。マケインの演説を聴いていると、ブッシュが国民に人気がないことから、自分はブッシュとは違うということをよく述べているのだが、今日のディベートでは、バイデンがブッシュの悪事を批判しても、ペイリンはその批判に対して論理的な反撃ができなかった。ブッシュもマケインも同じという印象を視聴者に与えてしまったことは、共和党にとって大きな打撃となるだろう。
評価としては、ほとんどのメディアがジョー・バイデンが勝利したと報じている。
世論調査:どちらが勝者?
米CBS バイデン 46%、ペイリン21% 引き分け33%
CNNテレビ バイデン51%、ペイリン36%
「勝利するまで戦争を続けなければならない」というペイリンに対して、「戦争を終える」ときっぱりと断言したバイデン氏に勝利の女神は微笑んだようだ。
おまけ:少し前に、ペイリンの娘パイパーちゃんがトリグ君の髪を手のひらに唾をつけて整える動画を紹介した。これは、トリグ君のかわりにマケインの頭をなでるパロディ動画だが、マケインの表情以上に「パイパーちゃんをワシントンをぶっ壊す私のパートナー」と紹介しているせりふがかなり笑える。
McCain & Piper
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2008.09.08 (Mon)
サラ・ビッチ・ペイリンをアメリカ副大統領にしてはならない
ネットを見ると、彼女への批判が目立つ。例えば、自分の17歳の娘の性教育もろくすぽできない奴がどうして、アメリカをよくすることができるだろうかと下のYouTube動画は訴えている。全くその通りで、性交のときに、男性にコンドームを必ずつけさせる、又は事前に避妊ピルを女性が飲むなど、妊娠は簡単なことで避けられたはず。そんな簡単な性教育もできない女にアメリカの副大統領の職を任せるべきではないと言っている。
Don't let this bitch become a vice president of USA
そして、今度は、共和党が使用許可なしで、米有名バンド『ハート(Heart)』の 1977年に全米ビルボード11位になった大ヒット曲「バラクーダ (Barracuda)」をサラ・ペイリン副大統領候補の非公式なテーマソングに使用したとしてバンドメンバーのウィルソン姉妹が憤りを訴えている。
米国出身の『ハート』は、バンドの男性メンバーが1970年代前半にベトナム戦争に徴兵されるのを避けてカナダのバンクーバに移ったが、1973年に共和党のニクソン大統領がベトナム戦争の終結を発表(しかしその後も4年間戦争は続いた)し、1977年に民主党の大統領にジミー・カーターが選出された時、ベトナム戦争の徴兵を避けて海外に逃亡した人々を罰しないことを宣言したため米国に戻った。民主党のケネディ大統領がベトナム戦争を悪化させたということは考慮すべきだろうが、『ハート』のメンバーを救ったのは民主党の大統領ということもあり、彼らは民主党支持者なのではないだろうか。
リップ・スティックを塗ったピットブルのサラ・ペイリンは、高校時代にもバスケットボール・コートで攻撃的であったことから、別名「サラ・バラクーダ」と呼ばれていた。この高校時代のあだ名から、3日のセントポールでの共和党大会でハートの「バラクーダ」を使用した。

Barracuda (Wikipedia英語)(日本語:カマス )
これに対し、『Heart』のアン・ウィルソンとナンシー・ウィルソンは、「共和党は曲の使用許可を求めなかったし、許可は与えられていない」と、共和党に曲の使用停止を求めた。二人がメディアに送ったメールは次の通り。
Exclusive: Heart's Nancy Wilson responds to McCain campaign's use of 'Barracuda' at Republican convention (EW.com Sept. 5)より
サラ・ペイリンの意見や価値観はアメリカ人女性としての私たちの意見を代表していません。彼女のイメージを促進するために私達の歌「バラクーダ」を使わないで欲しいです。「バラクーダ」は特に女性に非情な音楽界を厳しく非難するために70年代に書いたものです(バラクーダとは、ビジネスを意味します)。『ハート』が共和党大会での曲の使用を許可していないのにもかかわらず、使われてしまったことに、皮肉を感じます。
一方、共和党側は、マケイン・キャンペーンは知的所有権を尊重しているので、前もって曲の使用許可は取ったとしている。でも、曲の使用権を保持している本人が許可しないと言っているんだから、おかしいよね。
「バラクーダ」の共同ライターの一人で、元『ハート』のギタリスト、ロジャー・フィッシャーは、この曲が共和党大会で使われたのを知ったとき興奮したそうだが、彼は民主党支持者なので、曲の使用料が支払われたら、オバマに献金するそうだ。つまり、共和党が曲の使用料を払う事で、オバマを支援することになると述べた。
最後に『Heart』の「Barracuda 」を。今見ても、かなりかっこいいウィルソン姉妹にしびれちゃう。
Heart - Barracuda (Remastered) (HQ)
30年前のアン(左)とナンシー(右)ウィルソン姉妹。

でも、さすがに30年たつと、ナンシーは当時の面影があるけど、
アンはおデブさんになっちゃったりして、ちょっぴり残念。

参考記事:
Heart sisters' Palin song anger(BBC 7 September 2008 16:03 UK)
Heart (band) Wikipedia(英語)
Barracuda (song) Wikipedia(英語)
米バンド「ハート」、ヒット曲の無断使用で共和党にクレーム(ロイター 9月7日)
Jimmy Carter (wikipedia 英語)
関連記事:
『Black Cherry』人の曲を勝手に使うな
『カナダde日本語』過去ログ:
9月7日 オバマを酷評するサラ・ペイリン
9月4日 サラ・ペイリンのヌードや水着写真など
9月3日 米国大統領選:サラ・ペイリンのスキャンダル
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