2010.02.24 (Wed)
鯨肉「土産」の矛盾と調査捕鯨の不正隠ぺい
山道の狭い道だったので、一歩間違えたら崖の下に真っ逆さまに落ちていただろうけど、運よくその車は、かすり傷一つなく、手で合図しながら、すまなそうに目でわびながら、走り去っていった。こちらとしても、相手の車が故意にぶつかろうと思って向かってきたのではないことはわかっていたので、ぶつかりそうになった瞬間は怖い思いはしたけれども、しょうがないなという気持ちで許せた。
私の場合とは違って、一方が故意にぶつかってきたせいだろうと思うけど、このところ、どっちがぶつかってきたといってしょっちゅうもめているシーシェパードと日本の捕鯨船だが、オーストラリアを訪問した岡田外務大臣とオーストラリアのラッド首相やスミス外相と会談でもその内容は、捕鯨に関する事項に終始したそうだ。
オーストラリア側は、なんとか日本の捕鯨を廃止したい意向であり、国際捕鯨委員会(IWC)で解決できない場合は、国際司法裁判所への提訴も辞さない構えを示している。これに対して政権が変わっても、官僚にいまだに支配され続けている民主党の閣僚は、農水省に言われるがままに捕鯨の維持を主張し、日豪首脳の話し合いも平行線に終わっている。官僚に取り入られている上に外交下手な岡田外相が日豪関係を悪化させる可能性もある。
話は、少し変わるけど、あれからすでに1年以上もたって、すっかり記憶から遠のいていたグリーンピース・ジャパンの職員、佐藤潤一氏と鈴木徹氏が告発した鯨肉横領事件の初公判が2月15日にあったそうだ。
クジラ肉裁判初公判
「土産」の矛盾と調査捕鯨の不正隠ぺいが明るみに
【2月15日 青森】本日、青森地方裁判所でグリーンピース・ジャパンの佐藤潤一と鈴木徹に対するクジラ肉裁判(注1)の初公判が開かれました。
本日のスケジュールは以下の通り――
罪状認否:グリーンピース・ジャパンの佐藤と鈴木のスピーチ、それぞれ5分間(注2)
検察官と弁護団の冒頭陳述
検察官と弁護側請求証拠の取り調べ
証人尋問(運送会社の責任者):被害者とされるクジラ肉入りダンボール箱の配送業者
証人尋問(共同船舶):「調査捕鯨」を実施している傭船会社のクジラ肉販売担当幹部
主任弁護人の海渡雄一弁護士は初公判を終えて、「クジラ肉横領の不正な慣行が浮き彫りになった。今日の証人は矛盾だらけであり、今後行う日新丸乗組員たちの尋問で、さらに横領の実態が明らかにされるだろう」と感想を述べました。また弁護団の日隅一雄弁護士は、「本日の尋問で共同船舶の幹部が、日新丸船上において乗組員らが自室に塩を持ち込み、私用のために塩蔵鯨肉を作っていることを認めた。さらに、どのくらいの量を各自が作っているのか監督するシステムもないという証言が得られたのは、クジラ肉横領を明らかにする大きな一歩となる」と語りました。
次回は、3月8日から11日まで4日間の連続開廷となります。3月8日は午後2時から開廷。
(注1)クジラ肉裁判:2008年グリーンピース・ジャパンの職員、佐藤潤一と鈴木徹が調査捕鯨におけるクジラ肉の横領疑惑を追及する中で、公的機関に告発するために横流しの証拠としてダンボール箱入りのクジラ肉を確保したことにより、同年7月11日に窃盗・建造物侵入罪で青森地裁に起訴された事件の裁判。
(注2)佐藤と鈴木の5分間スピーチはウェブでご覧いただけます。
佐藤潤一、鈴木徹のスピーチ
枝野行政刷新相が、行政刷新会議による事業仕分け第2弾に向けて、仕分け対象となる独立行政法人と公益法人の問題点を、ウェブ上で広く一般から募集するそうだ。意見の募集は、ウェブサイト「ハトミミ.com」で23日から1か月間行われるそうなので、ぜひ、(財)日本鯨類研究所を仕分け対象にして欲しい。
Tags : 捕鯨問題 |
Green |
Peace |
グリーンピース・ジャパン |
鯨肉横領 |
|
佐藤潤一 |
鈴木徹 |
シー・シェパード |
日米関係 |