2011.02.13 (Sun)
『トイレの神様』と日本の迷信
去年の年末から今年の年始にかけて日本に帰っていたときに、流行っていて、なんだかとても好きになってしまったのが、植村花菜さんが作詞作曲して、ギターを弾きながら歌うこの『トイレの神様』という曲。ちょっと長い歌詞だけど、感動的で、植村花菜さんの落ち着きがあって透明感のある歌声もすばらしく、何度聞いてもシミジミしてしまうこの曲を日本語のクラスで紹介してみた。
最初は、「なんだよ『トイレの神様』なんて、食事中に聞いたら食事がまずくなりそうな変わったタイトルだな。トイレに神様なんているはずないじゃん。」と思ったんだけど、私の生徒たちも案の定、最初は変なタイトルを見て笑っていた。
ちょうど、日本の家について勉強しているところで、形容詞や「~に◎◎がいます。あります。」という構文を勉強したので、この歌の「トイレにはそれはそれはキレイな女神様(めがみさま)がいるんやで。」というサビの部分がとても役に立った。細かいことを言えば、トイレの後の助詞「には」は「に」とは違うけれども、その違いも説明もすることができた。
この歌詞の場合、「には」はその前に来る「トイレ」という場所を他の部屋と比較して強調していることになる。家の中にはいろいろな部屋があるけれども、その中で特に「トイレ」という場所には、女神様がいるというように。これが、「トイレに神様がいる」という文章だったら、ただ単に「トイレ」の中に神様がいるという事実だけを述べているのであり、他の部屋、例えば、寝室や浴室にもいるかもしれないという可能性が含まれている。つまり、「トイレ」を女神様が存在する特別な場所として見た場合、やはり、「トイレ」の後には、「には」が来るべきなのだ。
「トイレをきれいにすると、ベッピンさんになれる。」というのは、きっと日本の迷信(英語では、Superstition)の一つで、迷信は世界でもそれぞれ違う言い伝えがあるように、日本でも地方によってさまざまなものがあるのだろう。これは、大阪弁で歌われているので、きっと大阪や関西地方の迷信ではないだろうか。東京ではあまり聞かないので。こういうことは、浪速生まれの浪速育ちのとらちゃんに聞いたほうがいいね。とらちゃん、どうなの?
迷信には、科学的根拠のあるものとないものがあって、この「トイレをきれいにすると、ベッピンさんになれる。」というのは、きっと全く科学的根拠はないだろうと思う。もっとも、トイレ掃除をすればするほどきれいになれるという統計をとった学者がいたら、おもしろそうだけど・・・・(笑)いるわけないよね。
日本の家の中で神様が宿っていると信じられている場所は、トイレ以外にもある。神棚だ。そして、仏様が宿るとされている仏壇だ。私の実家には神棚と仏壇の両方があって、神棚には、神饌(しんせん)と呼ばれるお酒とお米・お塩・お水をお供えし、仏壇には、毎日両親のどちらかが、お茶と炊き立てのごはんをお供えしている。
だけど、これも、海外で暮らす人からみたら、非常に変わった習慣というか、信仰というか、迷信のようなものだ。両親は、仏様が来てお茶とご飯を食べると信じているようだ。そして、仏様に毎日お供えし、お祈りすることによって、先祖に見守られているという安心感が生まれるそうだ。確かに私の両親はこれまで大きな病気一つしたことがなくて、いまだに元気なんだけど・・・・。神様や仏様のおかげなのだろうか。
日本の仏壇、神棚というのは、最近の若い家族は持っていない人がほとんどだと聞いているけれども、おそらくそのうち、消えてなくなる可能性はあるかもしれない。今の若いカップルにとっては、生活していくのがやっとだし、仏壇や神棚を買うお金があったら、パソコンやタブレットなど、コンピュータ関連の商品に使うだろう。
それにしても、日本の仏壇、神棚、そして、お正月の初詣もそうだけど、日本には明らかに目に見えない神様が存在すると信じられているのだろう。初詣をして、神様に願いごとをすると叶うとか、おみくじで凶がでたら、縁起がいいとか、そういった迷信を信じて江戸時代から続く初詣を今でも続けている日本人って本当にすごいと思う。
最初は、「なんだよ『トイレの神様』なんて、食事中に聞いたら食事がまずくなりそうな変わったタイトルだな。トイレに神様なんているはずないじゃん。」と思ったんだけど、私の生徒たちも案の定、最初は変なタイトルを見て笑っていた。
ちょうど、日本の家について勉強しているところで、形容詞や「~に◎◎がいます。あります。」という構文を勉強したので、この歌の「トイレにはそれはそれはキレイな女神様(めがみさま)がいるんやで。」というサビの部分がとても役に立った。細かいことを言えば、トイレの後の助詞「には」は「に」とは違うけれども、その違いも説明もすることができた。
この歌詞の場合、「には」はその前に来る「トイレ」という場所を他の部屋と比較して強調していることになる。家の中にはいろいろな部屋があるけれども、その中で特に「トイレ」という場所には、女神様がいるというように。これが、「トイレに神様がいる」という文章だったら、ただ単に「トイレ」の中に神様がいるという事実だけを述べているのであり、他の部屋、例えば、寝室や浴室にもいるかもしれないという可能性が含まれている。つまり、「トイレ」を女神様が存在する特別な場所として見た場合、やはり、「トイレ」の後には、「には」が来るべきなのだ。
「トイレをきれいにすると、ベッピンさんになれる。」というのは、きっと日本の迷信(英語では、Superstition)の一つで、迷信は世界でもそれぞれ違う言い伝えがあるように、日本でも地方によってさまざまなものがあるのだろう。これは、大阪弁で歌われているので、きっと大阪や関西地方の迷信ではないだろうか。東京ではあまり聞かないので。こういうことは、浪速生まれの浪速育ちのとらちゃんに聞いたほうがいいね。とらちゃん、どうなの?
迷信には、科学的根拠のあるものとないものがあって、この「トイレをきれいにすると、ベッピンさんになれる。」というのは、きっと全く科学的根拠はないだろうと思う。もっとも、トイレ掃除をすればするほどきれいになれるという統計をとった学者がいたら、おもしろそうだけど・・・・(笑)いるわけないよね。
日本の家の中で神様が宿っていると信じられている場所は、トイレ以外にもある。神棚だ。そして、仏様が宿るとされている仏壇だ。私の実家には神棚と仏壇の両方があって、神棚には、神饌(しんせん)と呼ばれるお酒とお米・お塩・お水をお供えし、仏壇には、毎日両親のどちらかが、お茶と炊き立てのごはんをお供えしている。
だけど、これも、海外で暮らす人からみたら、非常に変わった習慣というか、信仰というか、迷信のようなものだ。両親は、仏様が来てお茶とご飯を食べると信じているようだ。そして、仏様に毎日お供えし、お祈りすることによって、先祖に見守られているという安心感が生まれるそうだ。確かに私の両親はこれまで大きな病気一つしたことがなくて、いまだに元気なんだけど・・・・。神様や仏様のおかげなのだろうか。
日本の仏壇、神棚というのは、最近の若い家族は持っていない人がほとんどだと聞いているけれども、おそらくそのうち、消えてなくなる可能性はあるかもしれない。今の若いカップルにとっては、生活していくのがやっとだし、仏壇や神棚を買うお金があったら、パソコンやタブレットなど、コンピュータ関連の商品に使うだろう。
それにしても、日本の仏壇、神棚、そして、お正月の初詣もそうだけど、日本には明らかに目に見えない神様が存在すると信じられているのだろう。初詣をして、神様に願いごとをすると叶うとか、おみくじで凶がでたら、縁起がいいとか、そういった迷信を信じて江戸時代から続く初詣を今でも続けている日本人って本当にすごいと思う。
Tags : トイレの神様 |
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