2012.01.29 (Sun)
渡辺謙氏の世界経済フォーラム(WEF)スピーチ報道に見られる各メディアの原発依存度
私の知る限り、東京新聞だけが渡辺謙氏のスピーチ全文を紹介していた。それほど長くない内容なのに、全文を紹介すると渡辺氏が「脱原発」で日本を再生させることを訴える下記の部分を紹介しなければならなくなり、経団連、政府、電力会社、旧財閥系企業などからなる原子力村の意向に逆らうことになるからであろう。
国は栄えて行くべきだ、経済や文明は発展していくべきだ、人は進化して行くべきだ。私たちはそうして前へ前へ進み、上を見上げて来ました。しかし度を超えた成長は無理を呼びます。日本には「足るを知る」という言葉があります。自分に必要な物を知っていると言う意味です。人間が一人生きて行く為の物質はそんなに多くないはずです。こんなに電気に頼らなくても人間は生きて行けるはずです。「原子力」という、人間が最後までコントロールできない物質に頼って生きて行く恐怖を味わった今、再生エネルギーに大きく舵を取らなければ、子供たちに未来を手渡すことはかなわないと感じています。
私たちはもっとシンプルでつつましい、新しい「幸福」というものを創造する力があると信じています。がれきの荒野を見た私たちだからこそ、今までと違う「新しい日本」を作りたいと切に願っているのです。今あるものを捨て、今までやって来たことを変えるのは大きな痛みと勇気が必要です。しかし、今やらなければ未来は見えて来ません。心から笑いながら、支え合いながら生きて行く日本を、皆さまにお見せできるよう努力しようと思っています。そしてこの「絆」を世界の皆さまともつないで行きたいと思っています。
その他のメディアでは、神戸新聞の系列のデイリースポーツオンラインが渡辺謙氏がダボス会議のスピーチで「脱原発」を訴えたことを唯一伝えている。
読売系列の『スポーツ報知』では、「絆」が強調され、「脱原発」については、全く触れていない。同じく、産経新聞でも読売系ほど極端ではないが、「再生エネルギー」に転換するべきであるとの発言は紹介したものの、「脱原発」については触れずじまいだった。
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