2011.03.22 (Tue)
福島第一原発、危機脱却の動き足踏み
3月17日に『次の24時間から48時間で日本の明暗が決まる』というエントリーを書いてから、消防援助隊や自衛隊の決死の注水作業のおかげで、その時恐れられていた燃料棒が完全にメルトダウンにつながる原子炉に水がない状態が続くことは回避できた。
しかし、メルトダウンの危機は現在もまだ続いている。さらに、放射性物質によって汚染される農作物の問題や、皮肉なことに、注水作業によって放射汚染された海水を大量に海に流すことによって生じる魚介類の放射線汚染の問題もでてきた。
しかし、NHKを初め、政府や東電側はあいかわらず嘘の報道を重ねているため、国民はすっかり、福島第一原発の危機は去り、いい方向に向かっていると勘違いしている。今日は、同じ内容でもNHKや東電がいかに事実を曲げて報道しているかを示す証拠を見つけたので、紹介したい。
福島第一原発事故が起きてから、NHKは最初のうちは、まだ真実に近いことを伝えていたが、最近はどんどん東京電力や政府寄りの主張ばかりを伝えているため、あまり信用しないほうがいい。たとえば、国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長の発言に関しても、NHKと世界の緊急ニュースを伝えるNPR(National Public Radio)とでは次のように違う。
NHK:
国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は21日の緊急理事会で、状況は依然深刻ながら「改善の兆しが見え始めている」と述べた。
NPR:
国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は、危機が克服されるだろうことは、疑う余地がないと述べた。しかし、「危険はまだ終わっていない。」と強調した。
(英語)
IAEA director-general Yukiya Amano said he has not doubt the crisis will be overcome. But Amano emphasized that the danger is not over.
通常、「改善の兆しが見え始めている」という文は、すでに危機を脱した状態のときに使われるが、天野氏は危機はまだ脱していないと強調しているのだ。いまの危機はいつかは克服されるだろうというのは、天野氏だけでなく、誰もが思っていることである。こんな状態がずっと続くわけないのだ。「改善の兆しが見え始めている」というのは、東電の望みであろう。それをわざわざ、かぎ括弧で強調して天野氏の発言として、意味を捻じ曲げて読者に伝えているのは、いかがなものだろうか。全国民から受信料を強制的に徴収しているNHKとして、東京電力に加担し、国民を騙すような捏造情報は、やってはならないことだろう。
さらに、昨日の3号機から発生した煙の色の違いだ。昨日の午後4時ごろ、福島第一原発の3号機から黒っぽい煙が上がった。そして、2号機からも白っぽい煙が出たため、放水や電源の復旧が一時中断されたという。
ANNでも、NPRでも黒い煙が上がったことを影像と共に伝えている。
しかし、今朝になると、FNNでは、同じ人物が会見をして、「黒っぽい煙とか、そういったものは現状出てないと。確認したうえで、安全上問題ないだろうという判断を現時点ではしている」と述べている。確かに昨日と今日とでは煙の色が変わったのかもしれないが、昨日黒い煙が出ていたことには、一切触れず、また、なぜ黒かったのかを説明せずに、「黒っぽい煙とか、そういったものは現状出ていない」とするのは、なにやらきな臭さを感じる。また、東電のプレスリリースには、「やや灰色がかった煙」となっている。
黒い煙だと何かまずいことでもあるらしく、煙の色一つとっても、白、黒、灰色と全く違うのである。とにかく、日本の報道を信じてはいけない。
福島原発事故に関して、信じていいと思われる情報を下に紹介したい。
原子力災害、放射能汚染など、原子力利用にともなうリスクを明らかにする研究を行い、その成果を広く公表することによって、原子力利用の是非を考えるための材料を社会に提供する京都大学原子力安全グループによって集められた資料や論文など。
■京都大学原子力安全グループによる資料
■Kyoto University Nuclear Safety Research Group (English Version)
下の福島第一原発事故に関するウィキペディアには、日本語版にはない、危機を克服するための解決法が載っているし、より詳しい。例えば、チェルノブイリ原発事故の後処理をしたロシアの原子力専門家が、低音で溶解し、化学的に中性のスズなどの金属を、細かく刻んで、冷却水パイプにガス、ヘリウム、アルゴンなどと一緒に入れて原子炉を冷却する方法を提案したことなどが解決法として記述されている。これはカナダのニュースでもやっていて、鉛を入れてもいいそうだ。
■Fukushima I nuclear accidents (Wikipedea)
海水の放射線汚染が問題になっている今、この方法を試すべきではないだろうか。
しかし、メルトダウンの危機は現在もまだ続いている。さらに、放射性物質によって汚染される農作物の問題や、皮肉なことに、注水作業によって放射汚染された海水を大量に海に流すことによって生じる魚介類の放射線汚染の問題もでてきた。
しかし、NHKを初め、政府や東電側はあいかわらず嘘の報道を重ねているため、国民はすっかり、福島第一原発の危機は去り、いい方向に向かっていると勘違いしている。今日は、同じ内容でもNHKや東電がいかに事実を曲げて報道しているかを示す証拠を見つけたので、紹介したい。
福島第一原発事故が起きてから、NHKは最初のうちは、まだ真実に近いことを伝えていたが、最近はどんどん東京電力や政府寄りの主張ばかりを伝えているため、あまり信用しないほうがいい。たとえば、国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長の発言に関しても、NHKと世界の緊急ニュースを伝えるNPR(National Public Radio)とでは次のように違う。
NHK:
国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は21日の緊急理事会で、状況は依然深刻ながら「改善の兆しが見え始めている」と述べた。
NPR:
国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は、危機が克服されるだろうことは、疑う余地がないと述べた。しかし、「危険はまだ終わっていない。」と強調した。
(英語)
IAEA director-general Yukiya Amano said he has not doubt the crisis will be overcome. But Amano emphasized that the danger is not over.
通常、「改善の兆しが見え始めている」という文は、すでに危機を脱した状態のときに使われるが、天野氏は危機はまだ脱していないと強調しているのだ。いまの危機はいつかは克服されるだろうというのは、天野氏だけでなく、誰もが思っていることである。こんな状態がずっと続くわけないのだ。「改善の兆しが見え始めている」というのは、東電の望みであろう。それをわざわざ、かぎ括弧で強調して天野氏の発言として、意味を捻じ曲げて読者に伝えているのは、いかがなものだろうか。全国民から受信料を強制的に徴収しているNHKとして、東京電力に加担し、国民を騙すような捏造情報は、やってはならないことだろう。
さらに、昨日の3号機から発生した煙の色の違いだ。昨日の午後4時ごろ、福島第一原発の3号機から黒っぽい煙が上がった。そして、2号機からも白っぽい煙が出たため、放水や電源の復旧が一時中断されたという。
ANNでも、NPRでも黒い煙が上がったことを影像と共に伝えている。
しかし、今朝になると、FNNでは、同じ人物が会見をして、「黒っぽい煙とか、そういったものは現状出てないと。確認したうえで、安全上問題ないだろうという判断を現時点ではしている」と述べている。確かに昨日と今日とでは煙の色が変わったのかもしれないが、昨日黒い煙が出ていたことには、一切触れず、また、なぜ黒かったのかを説明せずに、「黒っぽい煙とか、そういったものは現状出ていない」とするのは、なにやらきな臭さを感じる。また、東電のプレスリリースには、「やや灰色がかった煙」となっている。
黒い煙だと何かまずいことでもあるらしく、煙の色一つとっても、白、黒、灰色と全く違うのである。とにかく、日本の報道を信じてはいけない。
福島原発事故に関して、信じていいと思われる情報を下に紹介したい。
原子力災害、放射能汚染など、原子力利用にともなうリスクを明らかにする研究を行い、その成果を広く公表することによって、原子力利用の是非を考えるための材料を社会に提供する京都大学原子力安全グループによって集められた資料や論文など。
■京都大学原子力安全グループによる資料
■Kyoto University Nuclear Safety Research Group (English Version)
下の福島第一原発事故に関するウィキペディアには、日本語版にはない、危機を克服するための解決法が載っているし、より詳しい。例えば、チェルノブイリ原発事故の後処理をしたロシアの原子力専門家が、低音で溶解し、化学的に中性のスズなどの金属を、細かく刻んで、冷却水パイプにガス、ヘリウム、アルゴンなどと一緒に入れて原子炉を冷却する方法を提案したことなどが解決法として記述されている。これはカナダのニュースでもやっていて、鉛を入れてもいいそうだ。
■Fukushima I nuclear accidents (Wikipedea)
海水の放射線汚染が問題になっている今、この方法を試すべきではないだろうか。
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