2009.04.23 (Thu)
調査捕鯨の土産鯨肉を水産庁の漁業監督官も受けとっていたって?
政府の不正を見張ることは、納税者・有権者として、またNGOとしての責任であり、義務でもあります。告発の方法に違法性の疑いがかけられたからといって、裁判の前から犯罪者扱いされ、生活や仕事にも不自由な制限を受けるのでは、国民・市民による政府監視の意思が萎縮しかねず、民主社会の根本が崩れてしまいます。政府が国民・市民の「表現の自由」を抑圧するこのような行きすぎた懲罰こそ違法だとする判決が、日本も批准している国際人権規約にもとづき、ヨーロッパ人権裁判所などで積み上げられてきました。
今年の6月21日は、日本が国際人権規約を批准して30周年になります。国連人権委員会からくり返し改善を求められる人権鎖国状態を開くことができるのか――明治維新と敗戦民主化に続く「第三の開国」が必要です!
グリーンピース・ジャパン事務局長 星川 淳
これが、みんなに公平に厳しいならわかるけど、悪いのは、鯨肉を横領した乗組員やそれを許可した水産庁なのに、身内には異常に甘いから彼らは全く罰せられもせず、のうのうと過ごしている。告発した方は、犯罪者扱いされた上に、10ヶ月の謹慎生活を強いられているのに、いくらなんでも、これはないぜよ。
さらに、土産鯨肉は船員だけでなく鯨研職員や水産庁職員で日新丸に同船し監督する立場である漁業監督官にも送られていたことが新たに発覚し、組織ぐるみの疑惑は深まるばかりだ。ここまでくると、これは、官僚や天下りを肥やすためだけに鯨を殺しているようなものだというのが証明したようなもの。
それでは、いったいどのくらいの税金が南極海調査(名目)捕鯨につかわれているのだろうか。グリーンピースのレポートによると、「日本政府は毎年行なわれる南極海調査捕鯨に約5億円の補助金を投入し、今年はシーシェパード(注4)対策としてさらに約7億円の補正予算を請求し承認されているため、今期の調査捕鯨には約12億円の税金が使われたことになる」そうだ。さらに、船員への「土産」だけでも年間1千万円以上、過去20年間で2億円以上が配られたことになるという(注5)。 この他に水産庁幹部らへの「土産」が含まれていたとしたら・・・・(絶句)。
事務局長星川が、「需要もなく、産業の将来性もない商業捕鯨再開のために12億円の税金を投じるのは、まったく国益にかなわない。いままさに必要とされている日本近海の海洋環境保護と、持続可能な漁業のための漁師援助にその税金を費やしてほしい」と、南極海調査捕鯨の中止と税金の有益な使い方を求めていらっしゃるが、まさしくその通りだと思う。
調査船クジラ肉、“お目付け”水産庁監督官におすそ分け?
(2009年4月15日11時44分 読売新聞)
調査捕鯨船団が乗組員に土産用のクジラ肉を配っていた問題で、一部を水産庁の漁業監督官も受け取っていた疑いが浮上し、国家公務員倫理審査会や同庁は15日、事実関係の調査に乗り出すことを決めた。
調査捕鯨を行っている船会社「共同船舶」や同庁によると、2007年11月~08年4月の南極海での調査に同行した漁業監督官に対し、帰国後に他の乗組員と同じ約9・6キロ(約6万円相当)のクジラ肉が渡されていたという。監督官は同庁と相談のうえ、「無用な疑いを避けるため」として全量を返却したが、共同船舶側が「監督官にクジラ肉を渡すことは船内の習慣として長年行ってきており、中には返却せずに受け取った人もいた」としていることから、調査が行われることになった。
調査捕鯨は、財団法人・日本鯨類研究所(鯨研)が実施主体で、共同船舶は鯨研と契約して船や乗組員を提供している。また、漁業監督官は捕鯨船団に同行して、調査計画通りに捕鯨が行われるか監視する役目を負っている。
鯨博士の異名を持つ『クジラ・クリッピング』が「鯨肉賄賂は長年の伝統的慣習です」水産庁/鯨研/共同船舶の調査捕鯨三悪は日本の恥部というエントリーで、意味なしの釈明を行っている水産庁を「お笑い鯨人」として、とても説得力に富んだ批判記事を公開されている。
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