2011.04.01 (Fri)
日・仏首脳会談と共同記者会見は究極のアフォーマンス
IAEA=国際原子力機関は、福島県の飯舘村の土壌から、IAEAが定めた避難基準の2倍の放射性物質が、検出されたと発表し、日本政府に状況を見定めるように勧告した。後ほど、その放射性物質が半減期の短いヨウ素131で、測定値は1平方メートル当たり約200万ベクレルから約2千万ベクレルへと修正されたため、実際は、基準の20倍の放射性物質が検出されたことになる。
『西遊記』に出てくる猪八戒そっくりなハッカイ官房長官は、3月31日の午前に開いた記者会見で、IAEAから勧告をうけたことを確認した上で、この場に及んでも、直ちに退避が必要な状況ではないとIAEAの勧告を無視した。その後で、長期間そうした土壌の地域にいると、その蓄積で健康被害の可能性が生じる性質のものなので、しっかり把握し対処していかなければならないとわけのわからないことを付け足している。

この福島第一原発事故が長期に及ぶものであることは、IAEA初め、原発専門家が口を揃えて言っていることだが、それを「直ちに健康に害を及ぼすものではない。」とか、「直ちに退避が必要な状況ではない。」と論点をすりかえる政府は、国民をあまりにも愚弄しすぎているとしか思えない。長期にわたって害を及ぼすことがわかっているならば、今すぐ国民を避難させなければ、将来、とんでもないことになることくらいはわかっているだろうに。
これだけ避難地域を広げるように言われているのに、政府がそれを実行しないのは、より広域の住民を避難させた場合、それだけ支援費用の増額が予測されるからであろう。しかし、放射能汚染で多くの被害が予想される地区に住民をそのまま放置し、2,30年後に住民が癌や白血病にかかって国を訴えた場合、その保障額は、住民を避難させるために支払われる支援費用の何倍、何十倍にもなるであろうことは考慮されていないらしい。行き当たりばったりの菅政権では、どうせそのときは他の政権に変わっているから関係ない。
馬菅政権にとっては、国民の命よりも、今、下手に避難範囲を広げて、「そら、みたことか。」「だから、最初から言っただろ。」「やっぱり、菅政権は信用できない。」といった国民による風評の方が重要らしい。
この危機状態に、今の冴えない日本の官僚に支配された馬菅政権が政権を握っているのは、日本国民にとっては、なにかの悪い冗談か悪夢以外の何者でもないといってもだろう。
それも、原発事故で国民が憔悴しきっているときに、もう一つの原発王国のフランスから、わざわざ孫悟空のような猿コジ大統領を呼んで、日仏共同首脳会談や記者会見を開き、「最も優先すべきは安全基準を確認することだ。われわれは津波に対して原発の保護の仕方を検討すべきだ。今全ての原発を世界中でやめたとしたら、エネルギーはなくなってしまう。」などと、日本で原発事業を続行することを不甲斐なく伝えさせたのは、まさに、ドブに落ちた犬を叩く行為に等しい。


記者会見といっても、日本とフランスのメディアから各一名が馬菅と猿コジにそれぞれ一つずつ質問をしただけだった。日本からは、原発推進派メディアの読売の女性記者、フランスメディアからは男性の記者が質問した。

馬菅はこれからも原発を推進するためにアフォーマンスばかりするのなら、早く辞任して、お遍路の旅ではなく、孫悟空とハッカイを引き連れて原子炉の旅に出かけるべき。そして、その周辺に住む人々がどれだけ悲痛な思いを抱いているのか現状を把握するべきだ。
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